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最終更新日:2025/08/25
生成AIとは?
対話型AIのChatGPTをはじめとする「生成AI(ジェネレーティブAI)」は飛躍的な発展を遂げており、日常生活やビジネスシーンで幅広く活用されています。生成AIは、画像や音声、テキストなどさまざまなコンテンツを手軽に生成でき、業務効率化や新たなアイデアの創出など、多くのメリットが期待できます。
次々と新しいサービスが登場する中で、最適なものを選び自社において役立てるためには、基礎的な知識を押さえておく必要があります。
本記事では、生成AI(ジェネレーティブAI)の種類や使い方、できることについて分かりやすく解説します。今後の市場動向や新サービスの登場に目が離せない生成AIについて知り、ビジネスや業務に活用するために、ぜひ参考にしてください。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説

生成AIとは、「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれるAI(人工知能)の一種です。AIを用いてクリエイティブな成果物を生み出せる点が特徴で、生成できるものは音楽や画像、動画、プログラムのコード、文章など多岐にわたります。
生成AIは、AIが自ら答えを探して学習する「ディープラーニング(深層学習)」を用いて構築された機械学習モデルであり、AIの中では比較的新しく生まれたモデルです。
「AIが人間のようにクリエイティブな成果物を生み出せる」点が従来のAIとは異なっており、画像生成AIの「Stable Diffusion」や、テキスト生成AIの「ChatGPT」などが一例として挙げられます。
生成AIは、人間の仕事や作業をサポートするツールとして活用が期待されています。例えば、テキスト生成AIでレポートの要約を行ったり、音楽生成AIで動画制作に使用する簡単なBGMを作ったりすることが可能です。

生成AIを使用するためには、各AIツールに対応した形式でデータを入力する必要があります。例として、下記の3つの生成AIの例を紹介します。
テキスト生成系AIは、Web上のテキストボックスにAIへの要望や質問を記述して送信します。
このAIへ指示するテキストを「プロンプト(prompt)」といい、AIが入力された内容を解析し、適切な答えを返します。
画像生成系AIには、テキスト生成系AIのようにプロンプトをもとに画像を生成するものや、学習元になる画像をAIツールに入力することで、入力された画像をAIが学習し、それらの画像の特徴を持った全く新しい画像を生成するものもあります。例として、ある作品を数十枚~数百枚読み込ませるなどの方法が挙げられます。
文字起こし生成系AIとしては、音声データをAIに入力し、テキストとして出力する「Whisper」などのAIツールが有名です。

これまでのAIは、識別系AI(Discriminative AI)を指すことが多く、これは与えられたデータに対して正解か不正解かを識別するタイプのAIです。
文字認識やOCR、AIカメラなどで見られるように、識別系AIは事前に大量のデータで学習し、製品の品質チェックや画像認識などの分野で広く活用されています。
しかし、2022年8月に画像生成系AIの「Midjourney」が登場して以降、生成系AIへの関心が高まり、同年11月に登場した「ChatGPT」によって広く普及しました。
生成系AIは、データから新しいコンテンツを生み出す能力があり、これまでの識別系AIとは異なるアプローチを取ります。
このように、近年AIの注目が識別系から生成系へと広がりつつあります。
生成AI(Generative AI)は、テキスト生成や画像生成など、特定のタスクにおいて非常に高い精度を発揮しますが、その本質は「弱いAI」です。弱いAIとは、特定の目的や分野に特化したAIであり、人間のように多領域にわたり自律的な判断や行動を行う「強いAI(汎用AI)」とは異なります。生成AIは、膨大なデータを基にパターンを学習し、それを応用してアウトプットを生成しますが、その背後には深い理解や意識は存在しません。
例えば、生成AIが詩や文章を創作できるのは、大量の既存データをもとに統計的な推測を行っているからに過ぎません。これらの結果は、人間のクリエイティブな思考を模倣しているように見えるものの、実際には既存データの再構成です。さらに、予期しない状況や曖昧な指示に対する対応力も限定的であり、知的な柔軟性を備えていません。
生成AIは、あくまで人間の補助ツールとして役立つ存在であり「強いAI」のような自律性や万能性を持つわけではありません。そのため、過剰な期待を抱くことなく、その特化性を理解した上で活用することが重要です。

生成AIには、画像生成、テキスト生成、動画生成、音声生成など、いくつかの種類があります。用途に応じて生成AIを使い分けることで、希望している形に近い成果物を生み出すことができます。
近年、特に注目されているのは画像生成やテキスト生成などの生成AIですが、動画生成や音声生成の生成AIも技術が発展しつつあります。ここでは、4つの生成AIについて詳しく解説します。
画像生成AIは、ユーザーがテキストを入力すると、その内容に応じてAIがオリジナル画像を生成するシステムです。わずか数秒~数十秒程度で全く新しい画像を生成できるため、デザイン業界をはじめ、さまざまなクリエイティブ業界において活用されています。業務のサポートや新たなアイデアの創出などの幅広い活用が期待されています。
画像生成AIの中でも有名なサービスに、「Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)」があります。Stable Diffusionは、ユーザーが生成したい画像の具体的なイメージを英単語でテキスト入力することで、さまざまな画像をアウトプットできます。
Stable Diffusionの仕組みや機能については、下記の記事もご参照ください。
テキスト生成AIは、ユーザーがテキストボックスに質問を入力し、AIが質問の内容を解析して、回答となるテキストを生成するシステムです。使用されている言語モデルによって精度は異なりますが、近年注目を集めている「ChatGPT」は、まるで人間が答えを返しているかのような高精度な回答が可能になっています。
例えば、プログラミングでエラーが表示されたコードをそのままAIに入力して、エラー箇所を指摘してもらう。文書ファイルを読み込ませて内容を要約してもらう。といったさまざまな使い方が可能です。
ただし、Web上の情報を学習しているため、必ずしも正しい回答が返ってくるとは限りません。回答を鵜吞みにせず、正誤を判断しながら活用することが求められます。
画像生成AIの発展形として、動画生成AIも登場しています。例えば、前述の「Stable Diffusion」の開発元は、入力した動画を全く新しい動画に作り替えることができる「Gen-3」というAIモデルを開発しています。
「Gen-3」を活用した動画生成AIとして、Meta社の「Make-a-Video」やGoogle社の「Phenaki」などが挙げられます。これらの動画生成AIでは、テキストで生成したい動画のイメージを入力すると、そのイメージに沿った短い動画を生成できるという仕組みです。
「既存の映像を変換する」という性質上、長い尺の動画を生成できるようになる可能性も秘めており、さらなる進化が期待されている生成AIです。
Gen-3の仕組みや機能については、下記の記事もご参照ください。
音声生成AIは、音声データを入力することによって、その音声の特徴を学習し、新しい音声データを生成できる生成AIです。例えばMicrosoft社が開発した「VALL-E」は、3秒間の音声サンプルを入力するだけで人間の声を高精度で学習し、忠実な再現が可能です。
一度学習すると、学習済みの声色を再現したテキスト読み上げモデルが完成するだけでなく、感情に合わせた表現も可能になります。
音声生成技術を活用することで、特定の人間の声を使ったナレーションを自動的に生成して、素材として利用することが実現できます。
生成AIがコンテンツを生み出すために用いられている生成モデルは、AIの性質に応じていくつかの異なるモデルが使われています。
ここでは、画像生成によく用いられる「VAE」「GAN」や、Stable Diffusionに採用されている「拡散モデル」、テキスト生成系AIに組み込まれている「GPT-3」の4種類の生成モデルについて解説します。

VAE(Variational AutoEndoder)とは、「変分オートエンコーダ」と呼ばれる、ディープラーニングを活用した生成モデルです。AIの学習用データから特徴を学び取り、そのデータの特徴をもとに「学習用データと似ている新しいコンテンツ」を生成できます。
【VAEのコンテンツ生成イメージ】
VAEは、特定の傾向を持つ複数の作品を学習し、その作風に近い作品を生み出すことに向いています。例えば、イラストレーターや画家の作品を学ばせて、作家の特徴を持った新しいイラストを生み出すことなどに活用できます。
また、VAEは複雑性の高い画像の特徴を捉えることにも適しているため、構造が複雑な工業製品の異常検知などにも利用されています。

GAN(Generative Adversarial Networks:敵対的生成ネットワーク)も画像生成モデルの一種ですが、VAEの仕組みとは異なり、「Generator」と「Discriminator」という2つのネットワーク構造を利用して新たな画像を生成します。
Generator=訓練データと似たデータを生成する、Discriminator=その生成されたデータが本物のデータか生成されたデータかを見分ける役割であり、GeneratorとDiscriminatorを競わせながら学習することで、精度の高い画像を生成できます。Discriminatorは、詳細に違いを見つけられることを目指し、Generatorは逆に見分けられないよう学習します。
【GANのコンテンツ生成イメージ】
GANを利用すると、解像度の低い画像から高解像度の画像を生成したり、テキストから全く新しい画像を生成したりすることが可能です。

拡散モデルとは、画像生成系AIの「Stable Diffusion」や「DALL-E2」などに採用されているモデルです。
拡散モデルでは、学習用の画像にノイズを追加した上で、その画像からノイズを除去していき、元画像を復元します。このように、「与えた画像にノイズを付加し、元の画像を復元する」プロセスを繰り返すことで、画像生成を行う仕組みをAIに学習させます。
【拡散モデルのコンテンツ生成イメージ】
拡散モデルを活用することで、GANよりもさらに高解像度な画像を生成することが可能になります。拡散モデルは、いわばGANの発展形ともいえるでしょう。

GPTは米OpenAIが開発した言語モデルの一種であり、自動車メーカーのテスラやSNSのXでCEOを務めるイーロン・マスクなどが参加したことで一躍注目を浴びることになりました。
この言語モデルを大規模言語モデル(LLM)と言い、AIが膨大なテキストデータを学習することで、ある単語の次に記述される別の単語の候補を高精度で予測できるようになり、人間が作成したかのような違和感のない文章を生成できるのが特徴です。
【GPTを利用したテキスト生成の仕組み】
バージョンGPT-3の時点でChatGPTとして知られるようになり、次のバージョンGPT-4ではその性能を性能をはるかに凌駕する成果をおさめています。GPTは同社が提供するアプリ「ChatGPT」から利用でき、指示(プロンプト)に対して非常に高精度なテキストを出力します。ユーザーはまるで人間と会話しているかのような体験ができ、例えば「ビジネスシーンにおける依頼メール」や「業務マニュアルの作成」、「クロスレビューの実施」などが行えます。
GPT-3モデルがリリースされた時点では、生成されたテキストの正確性を担保できない問題がありましたが、GPT-4モデルは完璧とは言えないものの非常に高い精度でテキストの出力を行います。したがって、より少ない指示でより多くのテキスト(情報)を引き出すことも可能になり、日々新しい活用法がユーザーによって発見されています。
ChatGPTでは、GPT-3をリリース以降、GPT-3.5、GPT-4、GPT-5と進化したGPTモデルを公開してきました。特にGPT-3.5とGPT-4モデルの性能差を比較すると興味深い結果が得られましたので、興味のある方はこちらの記事も参考にしてください。
2025年8月には次のバージョンGPT-5がリリースされました。

生成AIを用いることで、定型業務の効率化やクリエイティブな提案の補助、コンテンツのゼロコスト作成などを実現できます。ビジネスに活かすことで売上向上やコスト削減などあらゆる課題解決につながるだけでなく、新商品企画のアイデア創出や、新たな製品開発にも役立つでしょう。
ここでは、生成AIができる3つのことを具体的に解説するとともに、メリットも紹介します。
生成AIを活用すると、定型業務の効率化が期待できます。例として「文字起こし生成系AI」を活用したときの業務効率化について考えてみましょう。
文字起こし生成系AIは、入力された音声をAIが自動的に認識して、音声の内容をテキスト化できるAIです。そのため、会議の録音データをテキスト化して議事録として保存したり、コールセンターの応対を録音したデータを文字起こししてシステムに登録したりといった使い方が可能です。
人間が手動で議事録を作成したり、録音データを聞き返したりする必要がなく、業務効率化につながります。
クリエイティブな提案の補助にも、生成AIは役立ちます。例えば、ある小説家が新しい作品を執筆しているとします。しかし、主人公に関してぼんやりとしたイメージは浮かんでいるものの、細部を詰めるための良いアイデアが見つかりません。
このような場面において、頭の中のぼんやりとしたイメージの情報をテキスト生成系AIに与えて、細部を詰めるためのアイデアをもらうような使い方が可能です。
例えば、「20代前半の男性が主人公で、特徴的な口癖を持つキャラクターにしたい。良い口癖のアイデアを教えて」などとインプットすることで、AIがいくつかのアイデアを提案してくれます。
AIを活用することで、内製や外注で対応していたコンテンツ作成を生成AIに代替させ、ゼロコストで作成することが可能になります。
例えば、自社のマーケティング活動の一環として製品紹介動画を制作している場合、外部のイラストレーターに外注していた動画内に使用するイラストを、画像生成系AIで作成すれば外注費を丸ごと削減できます。
また、動画内に使用する楽曲を社内で制作している場合に、音声生成系AIでBGMを生成すれば、人件費とリソースの削減が可能になります。これまでは「コンテンツを作成するための人材」が少なからず求められていましたが、将来的にはコンテンツ作成の大部分をAIが担うようになる可能性も期待されています。
生成AIは、顧客との関係強化にも役立ちます。顧客の購買履歴や好みといったデータを生成AIのデータ分析機能によって効率化できるため、パーソナライズしたコンテンツや製品の提供が可能となります。リピート率の向上や長期的なロイヤルティの獲得につなげられるでしょう。
また、カスタマーサポートでの顧客対応に生成AIを搭載したチャットボットの導入は、コミュニケーションコストを軽減でき、すでに多くの企業に導入されています。生成AIによってオペレーターの業務負担を軽減しつつ、顧客にとってはスムーズに回答を得られるため、顧客満足度の向上が期待できます。
文書の生成やフィードバックによる改良、ナレッジ共有など社内コミュニケーションの高速化にも役立ちます。

生成AIはあくまでも「ディープラーニングによる機械学習を重ねることで、オリジナルのコンテンツを生成できるようになったAI」であり、人間のように思考してコンテンツを生成しているわけではありません。
つまり、「学習したデータに基づいた特徴を持つコンテンツ」を作ることは得意ですが、人間の感情を読み取って、一人ひとりに合わせたオリジナルコンテンツを提供することは現在のところ難しい状況です。
上記のように「人間の感情に寄り添った、人間と同様の思考ができるAI」を「AGI(汎用性人工知能)」と呼びますが、現在のところ、AGIは現実に存在していません。
しかし、AI技術の発展は目覚ましく、予想よりもずっと早い近い将来にAGIが登場する可能性もあります。2023年2月24日には、会話型AIサービス「ChatGPT」をリリースした米OpenAIのサム・アルトマンCEOにより、AGIの社会への影響を考慮したロードマップが公開されるなど、AGIとの共存が想定される世の中になってきています。
AGIについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。

ChatGPTを筆頭とする生成AIの大規模言語モデル(LLM)では、現時点で主に以下3つの課題が懸念されています。
ハルシネーションは、学習データの充実や経験値の向上により改善される可能性があるものの、完全な防止は難しい状況です。また、プロンプトを使って言語モデルへ攻撃する「敵対的プロンプト」を用いて悪用する人や組織が登場すれば、社会情勢が混乱するリスクも出てきます。
AIの発展スピードに対して、法律やインフラなどの社会基盤の整備が追いついておらず、法律で解決できないトラブルも出てきています。AIの活用に関するルールが整備されるまでの間、開発された技術をむやみに普及させない取り組みも重要です。

生成AIを活用したサービスには、次のようなものがあります。
ここでは、各サービスの概要や特徴、具体的な仕組み、活用事例などについて詳しく解説します。生成AIの具体的なサービスについて知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。

Stable Diffusionは、2022年にStability AIが公開した画像生成系AIです。「生成AIの種類」の項でも触れたように、ユーザーによって入力されたテキストを参考に画像を生成することができます。
Stable Diffusionで画像を生成する際は、まずは英単語で区切って画像のイメージを入力しましょう。例えば「美しい湖を眺める少女」のイメージで画像を生成したい場合は、「beautiful lake,girl,see」などで試してみます。
よりイメージに近い画像を生成するためには、できるだけ詳細にイメージを伝えることが重要です。曖昧なイメージで単純な英単語だけを入力しても、再現性の高い画像が生成されない可能性が高いため、慣れてきたら英文を使ったpromptを作成してみましょう。
Stable Diffusionは既に「潜在拡散モデル」という機械学習モデルによって訓練されているため、ユーザーは特別なプログラムを入力したり、複雑なアルゴリズムを理解したりする必要はありません。

ChatGPTは米OpenAIが開発したテキスト生成系AIの一種で、2022年11月にリリースされました。テキストボックスにユーザーからの質問を入力・送信することで、AIが人間と会話しているかのような対話形式で質問に回答してくれるサービスです。
ChatGPTに用いられている言語モデルは、小説を自動的に生成したり、ゲーム内の会話を制作したりする際に用いる目的で設計された「GPT」というモデルです。Web上に存在する膨大なデータを学習することによって、ユーザーからの複雑な質問にもスムーズに対応できるように訓練されているのが特徴です。
また、ユーザーとChatGPTの過去の対話を記憶する機能や、誤った回答の訂正機能なども備わっており、ユーザーが利用を重ねることでさらに精度を高められる仕組みになっています。

Whisperも、前述のChatGPTと同様に米OpenAIが開発したサービスです。同AIは音声入力による文字起こしが可能で、音声データを入力すると、自動的にテキストを出力してくれます。
WhisperはWebから68万時間分もの膨大な多言語音声データを「教師付きデータ」として学習させた音声認識モデルであり、文字起こしは非常に高精度です。日本語の文字起こしについても精度が高く、OpenAIが公開している「単語誤り率」では、スペイン語、イタリア語、英語、ポルトガル語、ドイツ語に続いて、全体の6位にランクインする「5.3%」となっています。
出力されたテキストを軽く手直しする程度で文字起こしが叶うため、会議の議事録作成やコールセンターの応対録音データのテキスト化など、今後ビジネスにも大いに役立つことが期待されます。

Catchyは、デジタルレシピが開発したAIライティングアシスタントツールです。100種類もの豊富な生成ツールが用意されており、新規事業のアイデアや広告用のキャッチコピー、記事コンテンツ作成用の文章など、多種多様な文章を生成できます。
キャッチコピー機能では、プロダクト名やブランド名と事業内容・ブランド概要を入力すると、内容に沿ったキャッチコピーが自動的に生成されます。
また、2022年10月には、Catchyの機能のひとつとして「事業計画ワークフロー」をリリースしました。事業計画ワークフローでは、特定の事業のキーワードを入力すると、サービス名のアイデアやマーケティング施策の例、ユーザーが抱えている問題や解決策など、さまざまな方向性から回答が出力されます。

オンラインデザインツール「Canva」では、テキストを入力することで画像やアイコンを作成できる機能を提供しています。
架空のイメージなど高品質な画像を生成できるため、アイコンやバナー、パンフレットなどのデザインに活用できます。無料アカウント登録が必要ですが、合計で50回までクエリ実行が可能です。
Canvaには無料版と有料版があり、有料プランCanva Proに加入すれば、月に500枚までAI画像が生成できます。

コミュニケーション領域で生成AIを活用し、企業は顧客対応や社内コミュニケーションをより効率的に行えます。
例えば、カスタマーサポートにおいて、生成AIを活用した自動応答システムが導入され、顧客の問い合わせに迅速かつ正確に対応することができます。これにより、顧客満足度の向上とコスト削減を同時に達成できます。
さらに、社内でも生成AIを用いた文書生成が業務効率を飛躍的に向上させています。会議用の文書作成や他社員へのナレッジ共有・引き継ぎ文書作成など、日常業務での多様なシーンで活用が進んでいます。時間を大幅に削減し文書作成が可能となり、従業員がより戦略的な業務に集中できる環境に集中できるようになりました。
クリエイティブ領域では、生成AIが従来の枠を超えた新たなビジネスチャンスを生み出しています。医薬品の開発から、建築設計・建築デザイン、アパレルデザインに至るまで、生成AIはこれまで人間が主導していた創造的プロセスを補完し、加速させています。
生成AIは、膨大なデータを迅速に処理・解析する能力を持っており、データ分析領域においても大きな可能性を秘めています。この領域では、企業が持つ大量のデータをもとに、洞察を得たり、意思決定を支援したりする役割を果たします。
例えば、生成AIを用いることで、マーケットトレンドの予測や顧客行動のパターン分析が飛躍的に向上します。これにより、企業はより精緻なマーケティング戦略を構築し、ターゲット顧客に対して効果的にアプローチすることができます。
また、生成AIは異常検知やリスク管理にも対応でき、サイバーセキュリティや金融取引においても重要な役割を担っています。

プレゼンの目的やターゲットを入力すると、生成AIがスライドの構成案や具体的なコンテンツ案を提供。資料作成の時間を大幅に削減できます。
生成AIを利用して、定型文の自動生成や返信文の提案が可能です。顧客対応や問い合わせ対応が迅速かつ効率的になります。
生成AIを活用すれば、会議の音声をリアルタイムで文字起こしすることが可能です。議事録の作成時間を短縮し、正確な記録を残すことができます。特に多国籍企業では、複数言語への対応も魅力です。
AIを使って独自の画像や背景素材を生成することで、デザイン作業を効率化できます。これにより、コスト削減や制作時間の短縮が実現できます。
長い文書や報告書をAIに要約させることで、効率的に内容を把握できます。これにより、重要な意思決定を迅速に行えるほか、チーム内での情報共有もスムーズになります。
企業のSNS運営では、生成AIが投稿文やハッシュタグの提案を行います。季節のトレンドやキャンペーンに応じた内容もスムーズに作成できます。
顧客のアンケート結果やレビューを生成AIに分析させ、共通の傾向や潜在的なニーズを抽出。商品開発やサービス改善に役立ちます。
多言語対応が必要な企業では、生成AIを用いて、文章やコンテンツを迅速かつ高精度に翻訳できます。専門用語を含む内容でもカスタマイズ可能です。
ここからは、実際に生成AIを活用している企業の事例を紹介します。自社における生成AIの活用を検討する上でぜひお役立てください。

AI技術を⽤いた完全自動運転の実現を目指すスタートアップ「チューリング(Turing)」は、自社開発のAI自動運転システムを搭載した「THE FIRST TURING CAR」をリリースしました。
レクサスRX450hをベースとし、独自のAI自動運転システムとオリジナルエンブレムを搭載した完全自動運転EVのコンセプトカーです。デザインを生成する際に、画像生成AI「Stable Diffusion」を活用しました。
デザインの方向性を共同制作企業と協議し、複数のキーワードを抽出した後でプロンプトに起こし、Stable Diffusionで大量の画像を生成しています。
静的なイメージにとどまらず、フルカラー3Dプリントでのスケールモデルや走行アニメーションやARデータまでを製作した事例としては世界初と言われています。なお、自社工場となる「Turing Kashiwa Nova Factory」のネーミングにはChatGPTを活用するなど、積極的に生成AIを取り入れている点も特徴です。

パナソニックホールディングスでは、AIアシスタントサービス「ConnectGPT」をベースにした「PX-GPT」をグループ全社員向けに展開しました。「ConnectGPT」は、グループ会社のパナソニックコネクト株式会社が活用しているサービスで、全社版として提供する際に「PX-GPT」として再調整されています。
パナソニックコネクトでは、2024年度の利用回数が23年度から71%増加し、削減時間は2.4倍になりました。当初はGPTのみでしたが、Geminiなど他のモデルも追加し、出力は文章だけでなく画像や音声も可能になったということです。
グループの他の会社からもAIアシスタントサービスの活用可能性や適用の要望が上がっており、今後さらに波及させるべく検討しています。

アサヒビールは、新商品「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」の販売に合わせて、画像生成AIのStable Diffusionを搭載したサービス「Create Your DRY CRYSTAL ART」を公開しました。自分の画像とテキストをブランドサイト上にアップロードすると、商品を楽しんでいる独自のアートが自動で生成されます。
場所や気分に加えて、「水彩画風」「アニメ風」といったスタイルが指定でき、アップロード画像を自動加工してアート化してくれます。アルコール商品のため、利用するためには満20歳以上という条件があるものの、年齢をクリアしていれば誰でも作成可能です。
体験型プロモーションにStable Diffusionを活用する事例としては、日本初となる画期的な取り組みとして注目を集めました。

生成AIは、大量のデータを基に学習を行いますが、学習データには意図せず偏見や誤情報が含まれている場合があります。
そのため、生成されたコンテンツに偏見が反映されたり、不正確な情報が広まる可能性があり、特にニュース記事やSNSの投稿においては誤情報が瞬時に広がり、社会に重大な影響を及ぼす可能性があります。
生成AIは、ユーザーデータを使用してコンテンツを生成するため、プライバシー侵害やデータ漏洩のリスクが存在します。
悪意ある第三者がAIを利用し、個人情報を不正に取得する、あるいは不正アクセスを試みる可能性も考えられます。また、生成されたコンテンツが誤って特定の個人を識別し、誹謗中傷を助長するリスクも懸念されます。
生成AIが作成するコンテンツは、その出所や責任の所在が不明確であることが多く、これによりフェイクニュースの拡散や著作権侵害の問題が発生する可能性があります。また、AIが人間の創造的な活動に取って代わることで、雇用喪失や社会的不平等が拡大する懸念もあります。
さらに、ディープフェイク技術を使用することで、虚偽の映像や音声が生成され、個人や組織に対する信頼が損なわれるリスクも存在します。

国内最大級のAIポータルメディア「AIsmiley」を運営する株式会社アイスマイリーは、活用推進の一環として、ChatGPTをはじめ、生成AIサービスをまとめた「生成AIカオスマップ 国内向けサービス」を公開しています。掲載数は258製品です。
「ビジネスの場に生成AIを導入したいが、どのようなサービスがあるか知りたい」「ChatGPT連携サービスを導入したい」等ご検討の方は、ぜひ資料請求ください。

クリエイティブなコンテンツを生成できる生成AIは、画像生成や音声生成、テキスト生成など多種多様なコンテンツを生成できるため、個人・企業問わずさまざまな分野で注目を集めています。
定型業務の効率化やクリエイティブな提案の補助、コンテンツ制作のゼロコスト化など、さまざまなメリットをもたらします。また、顧客との関係強化につなげることも可能です。
生成AIの活用を成功させる国内企業が次々と登場する中、生成AIを応用した商品・サービスをリリースする企業も増えています。自社の状況や目的に応じた生成AIの導入・運用が、企業やビジネスの鍵を握っていると言っても過言ではありません。
年々、さまざまな生成AIがリリースされており、今後も技術発展が期待できる分野です。生成AI関連の最新ニュースを継続的に収集したい方は、下記に「生成AI」関連のニュースをまとめましたので、ぜひご活用ください。
2024/11/25
2024/11/22
2024/11/21
2024/11/20
2024/11/19
2024/11/18
2024/11/15
2024/11/14
2024/11/13
2024/11/12
2024/11/11
2024/11/7
従来のAIは「識別系AI」とよばれ、あらかじめ学習させた答えに対し、入力されたデータが正解か不正解かを識別するものでした。一方の生成AIは、入力されたデータからクリエイティブな成果物(テキスト・画像・動画・音楽)を生み出すことが可能です。
生成AIのメリットには、定型業務の効率化やクリエイティブな提案の補助、コンテンツ作成のゼロコスト化などがあります。
生成AIは学習したデータに基づいてクリエイティブな成果物を生み出すため、人間のように自ら思考してオリジナルコンテンツを作り出すことはできません。人間のように思考するAIは「AGI(汎用性人工知能)」とよばれ、日々研究が進められていますが、2023年7月時点では現実に存在していません。
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