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業務を止めるかAIに任せるか──GoogleのAIによる業務整理術

最終更新日:2026/04/30

Google AI 業務整理術

本記事は、2026年4月7日~8日に開催されたイベント「AI博覧会 Spring 2026」内のセッション『業務を止めるかAIに任せるか。GoogleのAIによる業務整理術』を基に解説したものです。

「個人ではAIを使っているけれど、チーム全体には広がらない」
「今の業務をAI化したいけれど、そもそも業務手順がフワッとしている」

DXや生成AIの導入を進める中で、このような壁にぶつかっていませんか?業務の現場には、AI化を阻む「4つのあるあるの壁」が存在します。

  1. 個人では動けるがチームで止まる:共通ルールがなく足並みが揃わない。
  2. 業務変更への漠然とした不安:現場の「自分の仕事が奪われる・変わる」という抵抗感。
  3. 目的の曖昧さ:「AIの導入」自体が目的化し、課題が置き去りになっている。
  4. 業務の解像度不足:ベテランの頭の中にしか手順がなく、AIに質の高い指示が出せない。

高いAIツールを導入しても、「属人化」した状態のままではAIは真価を発揮できません。本記事では、「AI導入」を目的化するのではなく、AIを使って自社の業務を可視化・整理し、「強い組織」を作るための具体的なアプローチと、プロンプトテクニック(3つのGem活用法)を解説します。

※本記事は株式会社コミュカルの提供でお送りします。

なぜAI化の前に「ヒアリングと可視化」が必要なのか?

業務をAIに任せる前に、絶対にやらなければならないことがあります。それは「ヒアリングと可視化」です。「誰が・何のために・どんな手順で」行っているのかを明らかにし、図に落とし込むことで、組織に以下のようなメリットが生まれます。

  1. 属人化の解消:「あの人にしか分からない」というブラックボックスをなくす。
  2. 暗黙知の形式知化:ベテランの頭の中にあるノウハウを、組織の資産として書き出す。
  3. 課題の洗い出し:無駄な重複やボトルネックを客観的に特定する。
  4. 共通言語の構築:現場担当者、管理職、AI開発者が、全員同じ図を見て議論できる土台を作る。

おすすめのヒアリング術まずはGoogleフォーム等でヒアリングシートを配り概要を掴みます。その上で、Google Meetを立ち上げてGeminiに自動議事録を作らせながら詳細をインタビューするのが最も漏れがなく効率的です。

Geminiに「賢く」仕事をさせる「2つのGem」戦略

ヒアリングの議事録から、どうやってフロー図を作るのか。ここで重要になるのが、2つのGem(プロンプト)戦略です。一つのプロンプトで「読んで、図にして」とすべてをやらせようとすると、AIの注意力が分散して失敗します。そこであえて役割を2つに分割します。

① 業務プロセス抽出担当Gem(ビジネスアナリスト)

まずは、ヒアリング議事録を読み込ませ、事実としての業務ステップを正確に抜き出す役割です。

  • ポイント:このAIには「批判的思考(クリティカル・シンキング)」を持たせます。手順の前後関係が不明だったり曖昧な箇所があれば、人間に対して「ここはどうなっていますか?」と逆質問するように指示します。
  • 効果:人間の「無意識の抜け漏れ」をAIが鋭く指摘し、業務の解像度を最大化させます。

② 図面コード生成担当Gem(作図の職人)

①が整理してくれた正確なロジックを受け取り、作図ツール(draw.ioなど)で読み込めるXMLコードに一気に変換する役割です。「標準フロー図」と「スイムレーン図」の2種類のGemを用意し、用途に応じて使い分けます。

  • ポイント:このAIには、図形のルールや条件分岐の描き方など、コーディングの仕様を事細かに指示(またはドキュメントとして参照)させます。
  • 効果:出力されたXMLコードをコピペするだけで、一瞬にして見栄えの整ったフロー図(デジタル資産)が完成します。

開発の裏側:AIコーディングの「苦労話」

実は、これらのGemを一発で思い通りに動かすのは至難の業でした。

  • 事件① AIの余計な計算:線を綺麗に引こうとして、AIがdraw.ioでは使えない複雑な座標タグを勝手に出力してエラーに。
  • 事件② 空白文字の罠:コードを読みやすくする字下げ(インデント)に、見えない特殊な空白文字が混入し作図が崩壊。
  • 事件③ 自由奔放なYES/NO:条件分岐のラベルが別の工程にくっついたり、線が消えたり……。

こうしたトライ&エラーを重ねてプロンプトを徹底的にチューニングすることで、正確なXML生成を実現しました。

現在では、これをGemini APIを使ってパッケージ化し、たった数十円のコストで誰でも簡単にフロー図を自動生成できる社内アプリとして運用しています。

人間には言いにくい「ムダ」を、第3のAIに斬らせる

フロー図が完成し、現状の業務が可視化されました。次は「どの業務をやめて、どれをAIに任せるか」という仕分けです。しかし人間だけで話し合うと、「昔からの慣習だから」「〇〇課長の顔を立てて」といった感情バイアスや忖度が邪魔をします。

そこで登場するのが、第3のAI業務仕分けアドバイザーです。

③ 業務仕分けアドバイザー(冷徹なコンサルタント)

完成したフローを読み込ませ、「廃止」「AI化」「人間が継続」の3つに客観的かつ冷徹に仕分けさせます。

  • 【廃止】(付加価値の低い工程):二重チェック、形骸化した報告、不要なルーティン。
  • 【AI化】(自動化と効率化):データの転記・集計、定型文の作成など、AI適性が高い作業。
  • 【継続】(人間特有の価値):感情が動く交渉、クリエイティブな戦略、責任を伴う最終判断。

面と向かって「あなたの業務、ムダなのでやめましょう」とは言えません。しかし、AIコンサルタントがロジカルに指摘してくれれば、人間はその提案を見て、感情抜きでフラットに意思決定を下すことができます。

まとめ:AI活用 黄金のループで組織を「攻め」の体制へ

本日ご紹介したメソッドは、以下の「黄金のループ」として回し続けることが重要です。

  1. 拾う(ヒアリング):現場の声を漏らさず聞き、暗黙知を言語化する。
  2. 描く(可視化):2つのGeminiを使い、業務をフロー図として正確に描画する。
  3. 改善(仕分け):第3のGeminiの客観的視点で「廃止・AI化・継続」を仕分け、ムダを排除する。

DXの最大の敵は「新しいツールを入れること」ではなく、「今のやり方に固執すること」です。

業務整理は、決して後ろ向きな「守り」の作業ではありません。

可視化することで、「ここが他社にはない自社の独自のノウハウだ」という強みが明確になります。「なんとなく」を「ロジック」に変えることで、初めてチーム全員が同じ地図を見て、次の一手を打てるようになります。

AIにすべてを丸投げするのではなく、AIという強力なパートナーと一緒に、自分たちの組織を筋肉質に変えていく。皆さんもぜひ、明日から自社の業務の「可視化」に挑戦してみてください。

執筆者・登壇者紹介

原田 彩(あやや)

株式会社コミュカル 取締役CMO

SIer企業でのエンジニア経験を経て、2021年に株式会社コミュカルを共同創業しCMOに就任。現在は福岡を拠点にリモートワークで活動中。

IT・AI講師として、ITスキル向上のための発信活動やITコミュニティ事業推進に注力しており、特にGoogleの技術活用を得意としている。

YouTubeチャンネルあややのITスキルアップ塾にて、Google Workspaceや生成AIの最新情報、活用術を分かりやすく発信中。

AIsmiley編集部

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