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最終更新日:2026/08/25
Microsoft CopilotとGitHub Copilotで、Anthropic社のAI「Claude」が選べるようになりました。
本記事では、CopilotでClaudeを使う具体的な設定手順、使えないときの対処法、両ツールの使い分け方までをまとめて解説します。CopilotとClaudeの違いを知りたい方や、社内のCopilot管理を任されている方が、自分の環境に合った使い方を判断できるようになります。

これまでMicrosoft 365 Copilotは、OpenAI社のGPTモデルだけで動いていました。
2025年9月、Microsoftは自社のAIアシスタント「Microsoft 365 Copilot」に、Anthropic社の2つのモデル「Claude Sonnet 4」と「Claude Opus 4.1」を追加すると発表しました。
現在もCopilotはOpenAIの最新モデルで動きつつ、加えてAnthropicのモデルも使える柔軟な環境へと移りました。1つのブランドのモデルに縛られず、業務内容に応じて選べる「マルチモデル環境」への移行が、この一連の動きの中心です。
関連記事:Copilotで何ができる?種類・機能・料金から業務活用例まで解説
参考:Claude|Claude is now available in Microsoft 365 Copilot
Claudeの提供は、段階を追って広がってきました。2025年9月には、Microsoftの推論エージェント「Researcher」がClaude Opus 4.1で動かせるようになり、まずは希望者が申し込む「オプトイン方式」で始まりました。
その後2026年1月7日から、Microsoft 365 Copilotライセンス保有者に対してAnthropicのモデルが既定で有効化され、任意の設定から標準機能へと変わりました。
時系列を整理すると、次の表のとおりです。
| 時期 | 内容 |
| 2025年9月 | Researcher・Copilot StudioでClaudeがオプトインで選択可能に |
| 2026年1月7日 | Anthropicモデルがエンタープライズデータ保護(EDP)の対象として既定で有効化 |
| 2026年5月4日 | Excel・PowerPointのCopilotがClaudeを既定利用開始(EU・EFTA・UK以外の商用テナントで既定オン) |
参考:Microsoft|リリース ノートのMicrosoft 365 Copilot
ただし地域差があります。EU・EFTA・UKのテナントでは既定がオフになっており、利用するには管理者が個別に有効化する必要があります。
参考:Microsoft|Anthropic models in Microsoft Online Services
Claudeを選べるかどうかは、契約しているライセンスによって変わります。
標準で付いてくる無料の「Microsoft 365 Copilot Chat」と、有料アドオンの「Microsoft 365 Copilot」とでは、扱える機能が異なるためです。有料のMicrosoft 365 Copilotライセンスを持っている場合、Researcherエージェントを切り替えると、Anthropicのモデルが自動的に表示されます。
つまりClaudeを使うには有料アドオンが前提になります。この区別は見落とされやすく、「ドロップダウンにClaudeが出ない」という悩みの多くは、ここに原因があります。
まずは自社の契約が有料版かどうかを確かめてみましょう。
参考:Microsoft|Microsoft 365 Copilotで研究者とClaudeを使用する

Microsoft 365 CopilotでClaudeを使う入口は、大きく2つあります。1つは調査を担う「Researcher」エージェント、もう1つはWord・Excel・PowerPointといったアプリの中です。
それぞれ操作の流れが異なりますので、順番に見ていきます。
Researcherとは、複数の手順を踏む調査業務を得意とするエージェントです。Webや信頼できる第三者データに加え、メール・チャット・会議・ファイルなど、自分の業務コンテンツ全体をまたいで推論できる点が特徴です。
切り替えの流れは次のとおりです。
まずMicrosoft 365 Copilotアプリにサインインし、チャットのエージェント一覧から「Researcher(研究者)」を選びます。
有料のMicrosoft 365 Copilotライセンスがあれば、Researcherを切り替えたときにAnthropicのモデルが自動的に表示されます。
あとはモデルのドロップダウンから「Claude」を選ぶだけで、切り替えが完了します。
参考:Microsoft|Microsoft 365 Copilotで研究者とClaudeを使用する
オフィスアプリでのClaude対応は、アプリごとに進み方が違います。2026年5月4日から、Word・Excel・PowerPointのCopilotでAnthropicモデルが既定で有効になりました。
Excel・PowerPointが先行して対応した後、2026年7月にはWordでもAnthropicモデル(Claude Sonnet 5)が利用可能になり、主要3アプリすべてでClaudeが使えるようになりました。
| アプリ | Claude対応状況(執筆時点) |
| Excel | Claudeを既定で利用開始(2026年5月4日〜) |
| PowerPoint | Claudeを既定で利用開始(2026年5月4日〜) |
| Word | 2026年7月に対応開始。Claude Sonnet 5が利用可能 |
| Outlook | 自律送信などの機能はベータ段階(執筆時点) |
参考:Microsoft|Anthropic モデルを使用した Microsoft 365 アプリの Copilot
関連記事:Copilotエージェントとは?できること・種類・作り方からセキュリティ・必要ライセンスまで徹底解説

「モデル選択のドロップダウンが出ない」「Claudeに切り替えられない」といった声は少なくありません。
原因の多くは、AIの不具合ではなく、ライセンスまたは管理者設定にあります。裏を返せば、確認すべき箇所を押さえれば解決できるということです。
管理者側とユーザー側の2方向から、順に確認していきます。
管理者は、まずAI管理者またはグローバル管理者権限でMicrosoft 365管理センターにサインインします。
Copilotの「設定」からユーザーアクセスのページを開き、「AIプロバイダー(Microsoftのサブプロセッサとして動作)」の項目でAnthropicを有効化します。
ここで重要な仕様変更があります。
Anthropic独立プロセッサ(IP)の設定は2026年5月1日に廃止されました。Anthropicがサブプロセッサとして有効化されていなければ、Anthropicモデルと関連機能へのアクセス自体ができなくなります。
古い設定のままでは動かないため、新しい設定への切り替えが必須です。
参考:Microsoft|Anthropic モデルを使用した Microsoft 365 アプリの Copilot
ユーザー側では、2つの点を確認します。
1つ目は、有料アドオンのMicrosoft 365 Copilotライセンスを持っているかどうかです。標準付帯の無料Copilotとは扱いが違い、Claudeを選ぶには有料版が必要になります。
2つ目は、Teams版CopilotアプリまたはWeb版Copilot Chatを開いているかどうかです。また、管理者がオンに切り替えた瞬間から、ユーザー画面にはClaudeモデル使用時のUI表示が現れます。
管理者が設定を有効にしても、画面に反映されるまで時間がかかる場合があります。少し時間を置いてから、再読み込みやサインインし直しを試すと解決することがあります。

開発者向けの「GitHub Copilot」でも、モデル選択の機能からClaudeへ切り替えられます。コードの補完や質問、エージェントによる自動処理といった場面で、GPT系だけでなくClaude系のモデルを選べるようになっています。
ここでは対応モデルの違いと、実際の切り替え手順を見ていきます。
使えるモデルは、Copilotのプランによって差があります。
Opus系のモデルはPro+以上でのみ利用でき、Proプランでは選択できません。
| プラン | Claudeの利用可否(執筆時点) |
| Copilot Free | 自動モデル選択経由でのみアクセス可能(個別選択不可) |
| Copilot Pro | Claude Sonnet系などを個別選択可能(Opus系はPro+以上) |
| Copilot Business/Enterprise | 組織管理者がメンバーのモデルアクセスを有効・制限可能 |
参考:GitHub|Plans
なお、利用時にAnthropic側でデータが保持される特別なモデル(Claude Fable 5など)が存在するため、企業・法人ユーザーは組織側で個別に有効化しなければなりません。
料金体系も大きく変わりました。GitHubは2026年6月1日に、すべてのCopilotプランを利用量に応じた課金へ移行し、従来の「プレミアムリクエスト」を「GitHub AI Credits」に置き換えました。
1クレジットは0.01ドルにあたり、Proには1,500クレジット、Pro+には7,000クレジット、新プランのMaxには20,000クレジットが含まれます。
参考:GitHub|GitHub Copilot is moving to usage-based billing
一方で、コード補完とNext Edit候補は有料プランで引き続き無制限に使え、クレジットを消費しません。クレジットを消費するのは、チャットやエージェント機能などに限られます。
VS Codeでは、チャット画面のモデル選択からClaude系モデルを選べます。切り替えの前に、料金の仕組みを押さえておくと安心です。
2026年6月1日から、プレミアムリクエスト単位はGitHub AI Creditsに置き換わり、入力・出力・キャッシュされたトークンの消費量に応じて、各モデルの公表API料金にもとづき課金されます。
消費量はモデルによって差があります。
移行の扱いにも注意が必要です。月払いのProまたはPro+の利用者は、6月1日に自動で新方式へ移行しました。一方、年間プランの契約者は契約満了まで従来のプレミアムリクエスト制が続きます。なお、年間契約者に限り、モデル倍率は6月1日に引き上げられています。
参考:GitHub|GitHub Copilot is moving to usage-based billing

CopilotとClaudeは、どちらかを選ぶ対立する存在ではありません。
得意な領域が異なるツールとして捉えると、使い分けがしやすくなります。ここではセキュリティ面と、得意分野の面から整理します。
関連記事:CopilotとChatGPTの違いとは?料金・機能・選び方を徹底比較
Microsoft 365 Copilotの中で使うClaudeと、Anthropicと直接契約するClaude単体とでは、データの扱いが異なります。
Copilot内でAnthropicモデルを使う場合、Word・Excel・PowerPointでのデータ処理はMicrosoft EUデータ境界の外部で行われます。
参考:Microsoft|Copilot in Microsoft 365 apps with Anthropic models
Anthropicはサブプロセッサとして動作し、Microsoftの製品条項とデータ保護補遺(DPA)の対象になります。
| 項目 | Microsoft 365 Copilot内のClaude | Claude単体(Anthropic直接契約) |
| 契約関係 | Microsoft製品条項・DPAが適用(Anthropicはサブプロセッサ) | Anthropicの商用利用規約・データ処理契約が適用 |
| データ処理場所 | Microsoft EUデータ境界の外部(Word/Excel/PowerPoint利用時) | Anthropicのインフラ上 |
| 学習利用 | 明示的な許可なしに学習に使用されない | プランにより異なる(Enterpriseは学習利用なし) |
参考:Microsoft|Anthropic models in Microsoft Online Services
Copilot内のClaudeでは、プロンプトや応答、共有データがMicrosoftやAnthropicのモデル学習に使われることはありません。
役割で分けると判断しやすくなります。
Copilotの強みは、組織データへのリアルタイムアクセスにあります。Microsoft Graphを通じて、Teamsのチャット、SharePoint、OneDriveのファイル、Outlookなどからデータを取り出せる点が特徴です。
Claudeは、長文の処理や複雑な推論、構造化されたコンテンツの生成を得意とします。
GitHub Copilotの場面でも、この考え方は役立ちます。
日常的なコード補完は月額固定のCopilotで行い、大規模なリファクタリングなど自律的な処理が必要な場面でClaude系モデルを使う、という分担が現実的です。

「Copilot Cowork」と「Claude Cowork」は、名前が似ているため混同されがちです。どちらも同じClaude技術をベースにしつつ、提供元と動作環境が異なる別サービスです。
関連記事:Copilot Coworkとは?最新機能・使い方・料金を解説
Copilot Coworkは、Anthropicと密接に連携し、Claude Coworkの基盤と同じ技術をMicrosoft 365 Copilotに取り込んだサービスです。組織のメールやTeams、ファイルなどを横断し、時間をかけて進む複数手順の業務を、管理された企業向けの環境で実行できる点が特徴です。
一方Claude Coworkは、立ち位置が異なります。ローカルのファイル上で動くデスクトップ型のエージェントであり、大きな組織単位の契約を必要とせず、Anthropicの通常のClaude契約の一部として使えます。Microsoft 365以外の環境にも広げやすい点が、Claude Cowork側の持ち味です。
Copilot Coworkは、2026年3月にMicrosoft 365 CopilotのFrontier早期アクセスプログラムを通じて先行公開されたのち、2026年6月16日に全世界で一般提供が始まりました。現在はE7に限らず、Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザーであれば誰でも利用できます。タスクの実行分はCopilotクレジットとして使用量に応じて別途課金されます。
E7は1ユーザーあたり14,842円(月相当・年払い・税別)で、Microsoft 365 Copilot、Agent 365、Microsoft 365 E5などを1つにまとめたSKUです。
個別に購入するより費用を抑えられるとMicrosoftは説明しています。
参考:Microsoft|microsoft-365-plans-and-pricing
対するClaude Coworkは契約体系がそもそも異なります。Anthropic版のCoworkはProプラン(月払い20ドル、年払いの場合は月あたり17ドル)から使えます。
Microsoft 365コネクタを通じてOutlookのメール・カレンダーやTeamsのチャット・SharePoint・OneDriveを検索・参照でき、メールの送信や予定の登録などの書き込み操作にも対応しています(Teamsへの投稿のみ引き続き読み取り専用)。
ただし、Microsoft Graphを通じて組織全体のデータに標準アクセスするCopilotとは異なり、Claude側はコネクタを個別に接続・許可する構成になっている点が実務上の違いです(※最新の対応範囲は公式ドキュメントをご確認ください)。
単純な価格比較ではなく、自社がMicrosoft 365中心か、複数のSaaSを併用するかが、選択の判断軸となります。
CopilotでClaudeを使う道は、大きく2つに分かれます。Microsoft 365 Copilotでは、Researcherエージェントやオフィスアプリの中でClaudeへ切り替えられ、GitHub Copilotでは開発の場面でClaude系モデルを選べます。使えないときの原因は、多くがライセンスか管理者設定にあり、確認する箇所を押さえれば解決できます。
CopilotとClaudeは対立する存在ではなく、組織データへのアクセスに強いCopilotと、長文処理や推論に強いClaudeという役割の違いで捉えると、使い分けがはっきりします。自社の利用環境を起点に、どちらをどの場面で使うかを整理してみてください。
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