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【2026最新】ガバメントAI「源内」とは?デジタル庁の生成AI基盤とできることを徹底解説

最終更新日:2026/06/30

ニュースで「ガバメントAI源内(げんない)」という言葉を見かけ、「自社のビジネスや自治体のDXにどう影響するのだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

源内とは、デジタル庁が内製開発した行政職員向けの生成AI利用環境のことです。政府全体のAI基盤「ガバメントAI」を実現する最初の一歩として、2026年度に全府省庁の約18万人の政府職員を対象とした大規模実証が始まりました。

一部はオープンソースとして公開され、PLaMo翻訳の利用に加え、国産LLMについても2026年5月に5社と評価検証に関する契約を締結し、源内で試用・評価する段階に進んでいます。

本記事では、「源内」の基本や技術的な特徴はもちろん、無償公開されたOSSの活用法や、国産LLM導入がもたらす影響まで、デジタル庁の最新情報をもとに徹底解説します。今後の行政DXの潮流を掴み、いち早く業務改善やビジネスチャンスに活かすためのヒントがわかります。

ガバメントAI 源内(げんない)とは?

ガバメントAI 源内(げんない)とは?

源内を把握するには、「ガバメントAI」という構想と「源内」という利用環境の関係を押さえると理解しやすくなります。概要・名前の由来・よくある誤解を順に解説します。

そもそもガバメントAIとは?

「ガバメントAI」とは、生成AIをはじめとするAIを政府業務で活用するための構想全体を指す言葉です。源内の展開・高度なAIアプリの開発・国内LLMの開発支援・政府共通データセットの整備・他府省庁の技術支援などを含む取り組みとして位置づけられています。

つまり、ガバメントAIは特定のツール名ではなく、「政府がAIを使いこなすための仕組みづくり」の総称にあたります。その第一歩として生まれたのが「源内」です。

ガバメントAI 源内の概要

ガバメントAI「源内(げんない)」は、デジタル庁が内製開発した政府職員向けの生成AI利用環境を指します。職員が安全・安心にAIを使うための環境であり、ガバメントAIの取り組みを政府業務で使える形にしたものといえます。

源内は2025年5月にデジタル庁の全職員向けに提供が始まり、利用状況や課題を検証する段階を経て、現在は他府省庁への大規模展開へと進んでいます。

源内の名前の由来

「源内」という名称には、2つの意味があります。1つは、生成AIを意味する英語「Generative AI」を略した「Gen AI」を「ゲンナイ」と読むこと。もう1つは、江戸時代に多彩な発明で知られた人物「平賀源内(ひらがげんない)」の精神です。新しい技術で時代を切り開き、多様な生成AIアプリが集まる場であってほしいという願いが込められています。

源内はAIモデルではなくAIを使う共通基盤

源内をめぐっては、「政府が独自開発した高性能な国産AIモデル」だと受け取られることがありますが、これは正確ではありません。

源内は、LLM(大規模言語モデル:大量の文章を学習し、人の言葉を理解・生成するAI)そのものではなく、複数のLLMを目的に応じて切り替えながら安全に使うための共通基盤です。中で利用するLLMは、海外製から国産まで用途に応じて入れ替えられます。

このように、用途に応じた『ハイブリッドな運用』を前提としている点が最大のポイントです。

源内が生まれた背景と開発主体

源内が生まれた背景と開発主体

源内の登場には、日本が抱える構造的な課題と政策の動き、そして内製開発という体制があります。本章では、源内が必要とされた背景と、開発主体や体制について確認します。

源内が生まれた背景

源内が開発された背景は、大きく3つあります。

1つ目は、人口減少と少子高齢化による行政の担い手不足です。職員数が減少するなかで公共サービスの質を維持・強化するには、AIの活用が欠かせない手段になりつつあります。

2つ目は、政策面の後押しです。人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(AI法)は2025年5月に成立し、同年6月4日に公布・一部施行、9月1日に全面施行されました。また、同年12月には人工知能(AI)基本計画が閣議決定されました。この計画では「隗(かい)より始めよ」の観点から、政府自らが先導的にAIを利活用する方針を掲げています。

3つ目は、国際的なAI競争です。米国・中国・英国など主要国が相次いでAIに関する政策方針を打ち出すなか、日本も行政へのAI実装を加速させる必要に迫られています。

開発主体はどこ?

源内は特定の企業の製品ではなく、デジタル庁が内製で開発・運営しています。担当はデジタル庁戦略・組織グループのAI実装総括班です。

内製で構築してきた背景には、機密性の高い情報を扱う行政業務で利用できる環境を整えながら、現場の課題を開発へ反映してきた経緯があります。デジタル庁は2023年度から中央省庁職員向けの生成AIワークショップを重ね、その知見をもとに、政府統一基準に基づくセキュリティ要件を満たす形で源内を構築してきました。

デジタル庁での位置づけ

源内は、デジタル庁が掲げる「政府による活用をAIの社会実装の起点とする」方針を具体化する取り組みです。政府が率先して安全・安心なAI利用のモデルを示すことで、民間企業や地方自治体へのAI普及を後押しする狙いがあります。

デジタル庁は源内の実装とあわせて、高度なAIアプリの開発、国内LLMの開発支援、政府共通データセットの整備、他府省庁の技術支援を推進しています。

源内の技術的な特徴3つ

源内の技術的な特徴3つ

源内は、行政の厳しいセキュリティ要件を満たしながら、複数のAIを柔軟に使い分けられるように設計されています。主な特徴は、次の3点です。

複数のLLMを使い分ける統合基盤

源内は単一のAIエンジンではなく、複数のLLMを束ねて使い分けられる統合基盤として設計されており、職員は業務内容に応じて適したモデルを選べます。

公式資料では、AWSの「Nova Lite」やAnthropicの「Claude Haiku 4.5」「Claude Sonnet 4.5」「Claude Sonnet 4.6」などを選択できることが確認できます。また、デジタル庁はOpenAIとの連携協力を進めているほか、翻訳分野では国内のPreferred Networksが開発したPLaMo翻訳の利用も始まりました。

国産LLMについても、2026年5月に5社と評価検証に関する契約を締結し、源内で各モデルを試用・評価する段階に進んでいます。

行政実務用AIアプリを外部マイクロサービスとして追加できる

源内は、利用者が直接操作する「源内Web」と、業務に応じて利用する「行政実務用AIアプリ」で構成されています。公式GitHub上では、行政実務用AIアプリは生成AIを活用したマイクロサービスと説明されており、源内Webとのプロトコルに準拠すれば、源内Webと独立した環境で構築し、追加登録できるとされています。

また、OSSとして公開された源内AIアプリには、行政実務用RAGの開発テンプレート(AWS)、LLMをセルフデプロイして利用する開発テンプレート(Azure)、法制度に関するAIアプリの再現可能な実装(Google Cloud)が含まれています。これにより、各機関は利用環境や要件に合わせて導入を検討しやすくなっています。

政府基準に準拠したセキュリティ対策

行政では機密情報を扱うため、源内は政府統一基準に準拠したセキュリティのもとで運用されています。デジタル庁内では、機密性2情報(行政事務で扱う情報のうち、情報公開法上の不開示情報に該当する可能性が高い情報など)まで入力可能とされています。各府省庁での扱いは、それぞれのルールに基づいて設定されます。

また、ガバメントソリューションサービス(GSS)を活用したポータルからのシングルサインオン(SSO:一度の認証で複数のサービスを使える仕組み)に対応し、セキュリティと使いやすさを両立しています。

源内で具体的にできること

源内で具体的にできること

源内のAIアプリは、対話・文章作成・要約などの「汎用的なAI機能」と、法制度の調査・国会答弁の検索・公用文の校正などの「行政実務に特化したAI機能」の2種類に大別されます。それぞれの内容を見ていきます。

幅広いAI機能

日常業務を幅広く支える対話型のAIツールとして、対話型チャット・文章作成・要約・校正・翻訳などが利用できます。校正は文化庁やデジタル庁のガイドラインを踏まえており、民間の生成AIサービスに近い使い勝手で、日々の事務を効率化できます。

行政実務に特化したAI機能

源内の特徴がよく表れているのが、行政実務に特化したAIアプリ群です。現場の職員の声をもとにデジタル庁が内製開発しており、2026年5月時点の公式資料では、開発予定のものも含めて約30種類のAIアプリを確認できます。

代表的なものを以下に示します。

AIアプリ 主な内容 補足
法制度調査支援AI(通称「Lawsy」/ロージー) 法令に関する質問から、関連する条文や解説を横断的に調べられるリサーチツール。 デジタル庁主催の「法令」×「デジタル」ハッカソンの最優秀賞作品をもとに導入。
国会答弁検索AI 過去の国会答弁を柔軟に検索し、関連する政府答弁や審議日時などを提示。 答弁作成前の調査や過去答弁の確認に活用。
国会答弁作成支援AI(予定) 国会質問の内容解析・過去答弁の検索・答弁の草案生成・矛盾検証などを統合的に支援。 今後の提供予定。
パブコメ分類AI(予定) 意見公募で寄せられる大量のコメントを自動で分類。 今後の提供予定。
公用文チェッカーAI 文書が公用文の作成ルールに沿っているかを確認・校正。 文書の校正・確認業務を支援。
行政資料RAGアプリ 府省庁が保有する行政文書をAIで分析・参照。 RAG(検索拡張生成)を活用。

このほか、内部管理システムの操作方法をマニュアルから調べて答えるヘルプAIなど、身近な業務を支えるアプリも提供されています。

源内の導入効果や具体的な成果

源内の導入効果や具体的な成果

源内は実際にどれくらい使われ、どのような成果を上げているのでしょうか。デジタル庁が公表している利用実績と効率化事例を紹介します。

デジタル庁職員の約8割が利用

デジタル庁は2025年8月に、運用開始から3か月間(2025年5月〜7月)の利用実績を公表しました。職員約1,200人のうち約950人(全職員の約8割)が源内を利用し、利用回数は延べ6万5,000回以上、利用職員1人あたり平均約70回に達しています。

一方で課題として、組織内での活用度合いの二極化が顕著になっていることが挙げられます。3か月間で100回以上利用した職員は184人、5回未満の職員は178人でした。若手職員や民間出身人材が多用する一方、課長級職員の半数は利用実績がゼロと利用頻度の差が明確に現れました。

分析業務が約2か月→約3日に短縮(農林水産省の事例)

具体的な効率化の代表例が農林水産省での活用です。農林水産省は2025年6月〜8月、今後の米政策の検討に向けて、米の生産意向に関する大規模アンケート(約30項目、回答約8,000件)を実施しました。デジタル庁は、20件以上の仮説に対してAIを用いて回答の妥当性を検証する支援を行っています。

その結果、デジタル庁による推計では職員1人で約2か月かかると見込まれた分析作業を約3日間に短縮できました。数十〜数百パターンのクロス分析(複数のデータ項目を組み合わせる分析)を手作業で集計していた工程が効率化され、職員がより高度な調査・分析・政策立案に集中できるようになったことで、業務効率化に大きく貢献しました。

他府省庁・自治体への横展開

源内の活用はデジタル庁内にとどまりません。他府省庁の業務支援として、パブリックコメントの分類処理や行政文書を分析するAIの受託開発などが進められています。2026年以降は省庁横断での展開が本格化し、国土交通省など他府省庁への導入も始まりました。

2026年5月からの大規模実証は、外局等を含む全府省庁39機関の約18万人を対象に進められています。2026年5月29日時点では、約10万人の政府職員が利用可能になりました。今後は、OSS公開や知見の共有を通じて自治体への波及も見込まれます。

国産LLMを公募・採用する3つの理由

国産LLMを公募・採用する3つの理由

源内ではすでに海外製の高性能なLLMが使用できますが、さらにデジタル庁では国内で開発された国産LLMの公募・選定・評価検証を進めています。2025年12月から2026年1月にかけて実施した公募には15件の応募があり、2026年3月に7件を選定。その後、2社から辞退の申し出があったため、2026年5月には最終的に5社と評価検証に関する契約を締結しました。2026年度は、これらのモデルを源内で試用し、能力や行政実務への適合性を評価します。

契約締結済みの企業・モデルは次のとおりです。

企業名 モデル名
株式会社NTTデータ tsuzumi 2
ソフトバンク株式会社 Sarashina3 mini
日本電気株式会社 cotomi v3
富士通株式会社 Takane 32B
株式会社Preferred Networks PLaMo 2.0 Prime

国産LLMを公募・採用する理由は主に3つあります。

機密情報の取り扱い

機密性2情報などのセンシティブなデータを安全に処理するには、情報が海外サーバーを経由せずに国内のガバメントクラウド内で完結する環境が欠かせません。そのため、公募の選定基準でも「ガバメントクラウド上の推論環境で動作すること」が必須条件に含まれています。

日本語と行政文書への適応

海外製LLMでも汎用的な日本語対応は可能ですが、法令用語や定型句、公文書特有の様式といった行政独自の表現には業務に合わせた細やかなチューニングが必要です。単に日本語が通じるだけでなく、特有の語彙や表現に深く適合し、日本の文化・価値観を尊重したモデルが求められています。

国産AI産業の育成と日本の自律性の確保

政府自らが国産AIを実業務で評価・採用することで、国内のAI開発企業に安定した需要が生まれ、さらなる性能向上や民間投資の喚起につながります。

これは海外製AIへの過度な依存を避け、国家としての自律性を保つ上でも重要な意味を持ちます。 なお、海外製LLMをすべて排除するわけではなく、それぞれの強みを生かして業務ごとに使い分ける「ハイブリッドな運用」が前提とされています。

源内のOSS公開とは?何が変わるのか

源内のOSS公開とは?何が変わるのか

源内は政府職員向けの環境ですが、2026年4月にその一部がオープンソースとして公開され、自治体や民間にも開かれた存在になりました。OSSの基本から公開内容、その意義までを順に解説します。

そもそもOSSとは?

OSS(オープンソースソフトウェア)とは、プログラムの設計図にあたるソースコードを公開し、ライセンス条件に従って利用・改変・再配布できる形で提供されるソフトウェアのことです。公開されたコードをもとに、各組織が目的に合わせて改変できる点が特徴です。

源内については2026年4月24日に、その一部が商用利用可能なライセンスのもとで無償のOSSとして公開されました。

源内で公開された3つの公開内容

主な公開内容は次の3点です。

  1. 源内のWebインタフェース部分(源内Web)のソースコードと構築手順。職員が直接操作する画面周りにあたります。
  2. 行政実務用AIアプリの開発テンプレート・実装(源内AIアプリ)。行政実務用RAGの開発テンプレート(AWS向け)と、LLMを自前の環境で動かす開発テンプレート(Microsoft Azure向け)が含まれます。
  3. 法制度に関するAIアプリの再現可能な実装(Google Cloud向け)。最新の法律条文データを参照して回答するアプリを再現できます。

このように公開内容は主要な3つのクラウドに対応しており、各機関が使い慣れた環境で導入を検討しやすくなっています。いずれも「GitHub」上の公式リポジトリで一般公開されています。

OSS公開のメリットと意義

OSS公開の意義は、大きく3つあります。

  • 重複開発の防止によるコスト削減
    自治体や政府機関が似たようなAI基盤を別々に開発する無駄を防ぎます。調達仕様書で源内のOSSを参照・指定することで、導入検討をスムーズに進める効果も期待できます。
  • ベンダーロックイン(特定事業者への過度な依存)の回避
    ソースコードを自由に改変・再利用できるため、特定のベンダーに縛られることなく、各機関の要件に合わせた主体的な運用と発展が可能です。
  • 民間への波及と市場の活性化
    民間企業は源内のOSSをベースに、独自の技術やアイデアを加えた新サービスを展開できます。自治体向けAIサービス市場の活性化を促し、官民連携の好循環によって日本全体のAIエコシステム発展を後押しする狙いがあります。

源内の今後の展開スケジュール

源内は、デジタル庁内での試験運用から全府省庁への展開へと段階的に進められています。デジタル庁が公開しているスケジュールは次のとおりです。(2026年5月末時点)

時期 内容
2025年5月から デジタル庁内で職員向けに運用開始
2025年12月〜2026年5月 試用する国産LLMの公募・契約(応募15件、2026年3月に7件を選定。その後2社が辞退し、2026年5月に5社と評価検証に関する契約を締結)
2026年1月から 19省庁で試験的に利用(リリース1.0、全体で数百人規模)
2026年2月 行政資料RAGアプリの展開
2026年5月頃〜年度末 希望省庁への大規模導入実証(リリース2.0、全府省庁約18万人を対象)
2026年春〜夏 本格利用に向けて利用府省庁が概算要求
2026年夏ごろ 国産LLMの源内での試用・評価(リリース2.1)
2026年12月頃 高度な生成AIアプリの試験提供、政府共通データの整備・提供(リリース2.2)
2027年度から 生成AIの本格利用(利用省庁が予算措置、リリース3.0)

大規模実証(リリース2.0)は2026年5月から2027年3月までを予定しており、2026年5月末時点で約10万人の政府職員が利用可能になっています。

国産LLMは、2026年5月に契約を締結した5社のモデルを対象に、2026年度中に源内で試用・評価されます。その結果を踏まえて、2027年度に優れたモデルを有償で政府調達することが検討されています。

企業・自治体が今から考えておきたいこと

企業・自治体が今から考えておきたいこと
源内は政府職員向けの基盤ですが、そのOSS公開や国産LLMの採用方針は、日本全体の行政DXのあり方を大きく変えるインパクトを持っています。本格的な普及が始まる前に、自治体と企業がそれぞれ「今から準備しておくべきこと」を整理しました。

自治体が準備すべきこと:基盤構築の負担軽減と「運用体制」の確保

自治体は、源内のOSSや政府共通データセットを活用することで、ゼロからAI基盤を独自構築する膨大な手間と初期コストを削減できます。 特に人材や予算に制約のある小規模自治体にとって大きな追い風となりますが、OSS特有の注意点も押さえておく必要があります。

ソフトウェア自体は無償でも、AWSやAzureなどのクラウド基盤の利用料やセキュリティ保守を担う運用体制(ランニングコスト)は別途確保しなければなりません。 展開が本格化する前に、「どの業務に負担が集中しているか(業務の棚卸し)」「データをどう扱うか」「職員のAIリテラシーをどう高めるか」といった準備を進めておくことが、導入効果を最大化する鍵となります。

企業が準備すべきこと:新たな市場機会と「AI前提の業務改革」

企業にとって、源内の動向は大きなビジネスチャンスに直結します。具体的には以下2つの視点が重要です。

  • 自治体向けDXサービスの開発機会:源内のOSSをベースに、独自の技術やアイデアを付加した自治体向けAIサービスを開発・展開しやすくなります。
  • 国産AI市場の拡大:国産LLMが政府調達の対象となることで、国内のAI開発企業や関連ベンダーの市場がさらに広がります。

また、デジタル庁は「既存業務にAIを付け足すのではなく、AIを前提に業務やデータのあり方を見直す」という方針を示しています。ツールの導入と同時に業務プロセスの再設計(BPR)を行うという視点は、行政だけでなく、民間企業がAIを導入・活用する際にも共通する重要な鉄則です。

まとめ

ガバメントAI「源内(げんない)」は、デジタル庁が内製開発した行政職員向けの生成AI利用環境であり、政府全体の基盤「ガバメントAI」を実現する第一歩です。単一のAIモデルではなく、複数のLLMを使い分けて安全に利用するための共通基盤である点が特徴です。

デジタル庁内での検証では職員の約8割が利用し、3か月で延べ6万5,000回以上という実績を示しました。2026年度には全府省庁約18万人を対象とした大規模実証が進み、国産LLMの試用・評価に向けた5社との契約やOSSの公開といった取り組みも進んでいます。

源内は単なる効率化ツールにとどまらず、政府自らがAI活用のあり方を示し、その知見と基盤を社会全体へ広げていく取り組みといえます。企業・自治体にとっても、行政DXの今後を占う動きとして注視する価値があるでしょう。

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よくある質問

ガバメントAI 源内とは何ですか?

デジタル庁が内製開発した、政府職員向けの生成AI利用環境です。政府全体の基盤「ガバメントAI」を実現する第一歩として位置づけられ、チャットなどの汎用的なAI機能と、行政実務に特化したAIアプリを提供しています。2026年度には全府省庁約18万人を対象とした大規模実証が進められています。

源内はどこの会社が開発したのですか?

源内は特定の企業の製品ではなく、デジタル庁戦略・組織グループのAI実装総括班が内製で開発・運営しています。機密性の高い行政情報を安全に扱うため、デジタル庁が自ら開発する体制がとられています。

源内という名前の由来は何ですか?

「Generative AI」を略した「Gen AI」を「ゲンナイ」と読むことと、江戸時代の発明家・平賀源内の精神を受け継ぎ新しい技術で時代を切り開くという思い、二つの意味が込められています。同名の人物や店舗などもありますが、本記事の「源内」はデジタル庁のガバメントAIを指します。

一般の企業や個人も源内を使えますか?

源内そのものは政府職員向けの環境であり、一般のユーザーが自由に操作できるサービスではありません。ただし2026年4月24日に、Webインタフェース部分や一部AIアプリの開発テンプレートが、商用利用可能なライセンスのもとでOSSとしてGitHubで公開されました。自治体や民間企業は、ライセンス条件に従ってソースコードを活用し、自らのサービスや基盤の構築に役立てられます。

なぜ海外製LLMだけでなく国産LLMを採用するのですか?

理由は三つあります。一つ目は、機密性2情報を含む行政データを国内のガバメントクラウド内で安全に処理するためのセキュリティ要件。二つ目は、法令用語や公文書の様式など行政固有の日本語表現への適応。三つ目は、国内のAI開発企業に安定した需要を生み、AIに関する日本の自律性確保につなげる狙いです。なお、2026年5月には5社と評価検証に関する契約が締結され、2026年度中に源内で試用・評価されます。海外製と国産の強みを使い分けるハイブリッドな運用が前提とされています。

源内は地方自治体にも展開されるのですか?

デジタル庁は、まず中央省庁での検証・展開を進め、その知見やOSSを自治体へ横展開していく方針です。自治体は、公開されたOSSやデジタル庁が整備を進める政府共通データセットなどを活用することで、AI基盤をゼロから構築する負担を軽減できる可能性があります。展開の本格化を見据えて、業務やデータの棚卸し、職員のAIリテラシー向上といった準備を進めておくとよいでしょう。

AIsmiley編集部

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