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【CES 2026完全まとめ】AI実装がもたらす5つの最新トレンドと受賞例

最終更新日:2026/06/26

ces2026

AIをはじめとする最新テクノロジーの今を一望できるイベントとして注目されたCES 2026。2026年1月にアメリカ・ラスベガスで開催され、出展企業4,100社超・来場者148,392人と、コロナ禍以降で最大規模での開催となりました。

ただ、同イベントを取り上げた現地レポートは数多く存在し、全体像をつかみにくいと感じる方も多いはずです。

本記事では、開催概要や2026年のメッセージ・AIをめぐる主な動き・分野別の注目テーマ・Innovation Awards受賞例を、AIメディアの視点でまとめます。

CES 2026とは?

CES 2026とは?

CESとは、米国の業界団体である Consumer Technology Association(CTA)が主催・運営する、世界最大級のテクノロジー展示会です。

毎年アメリカ・ラスベガスで開かれており、今年は2026年1月6日から1月9日にかけて開催されました。CTAは1924年に発足したRadio Manufacturers Associationを前身とする北米最大級のテクノロジー業界団体で、米国のテック産業を代表する立場から政策提言・業界標準策定・市場調査などを行っており、加盟企業は約1,300社にのぼります。

CES 2026にはAI・自動車・ロボティクス・デジタルヘルスなど幅広い分野の最新技術が集まり、世界のテック業界で次に注目される技術や市場テーマを把握できるイベントとして関心を集めました。

監査済み公式データによると、出展企業は約4,100社、来場者は148,392人(前年比+4%)、メディア関係者は7,037人と、コロナ禍以降で最大規模となる開催を記録しています。

ここからは開催概要・AIカテゴリの存在感・2026年のメッセージの3つの観点から、同イベントを紹介します。

参考:CES公式ホームページ「CESについて」

CES 2026の開催概要

CES 2026の開催概要は以下の通りです。

項目 概要
開催期間 2026年1月6日〜2026年1月9日
開催場所 アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガス。LVCCキャンパスヴェネチアンキャンパスCスペースキャンパスの3拠点に分かれた12の公式会場で実施
展示面積 250万平方フィート(約23万平方メートル)以上
出展企業 約4,100社(出展者ギャラリー
来場者 148,392人(前年比+4%)
メディア関係者 7,037人

CES 2026の正式な開催期間は2026年1月6日から1月9日でしたが、実際には1月4日からメディア向けイベント「Media Days」が始まり、大手企業の新製品発表や記者会見が行われていました。

また今年はホテル「フォンテンブロー」が新たに公式会場に加わり、同ホテル内に、AI・ブロックチェーン・量子技術に焦点を当てた特別エリア「CES Foundry」が設けられました。

参考:CES公式ホームページ「地図と場所」 参考:CES公式ホームページ「スケジュール」 参考:CES公式ホームページ「Introducing CES Foundry」

AIカテゴリの存在感

CES 2026では、AIが特定のジャンルというより全体を横断する基盤テーマとして位置づけられていました。

CTAが公開している監査済み公式データによると、CES 2026の参加者は148,392人(前年比+4%)。業界参加者が選択した関心カテゴリのうちArtificial Intelligence(AI)は39,929人(前年比+22%)と全カテゴリの中で最多であり、AIへの関心の高さがうかがえます。

公式ホームページでもAIは「産業を変革し、新たな可能性を切り開き、効率化を促進する技術」と位置づけられており、アクセシビリティ・デジタルヘルス・スマートコミュニティといった隣接領域にもAIの波及が見られました。

参考:CES公式ホームページ「トピックス」 参考:CES公式ホームページ「ATTENDANCE AUDIT SUMMARY」

2026年のメッセージ

CES 2026では、2026年のテーマとして「Innovators Show Up」が掲げられました。直訳すると「イノベーターたちが集う」ですが、背景には「イノベーションは構想やスローガンではなく、現場に来て・試して・語ることで初めて前進する。イノベーションの主役は行動する当事者である」というCTAのメッセージが込められています。

CTAが発表した今年の重要トレンドの中心はAIで、AIエージェント・デジタルツインに加えてデバイス上のAIの活用がさらに進み、生産性・顧客体験・医療の向上が期待されることが提示されました。

なおCTAが出した総括プレスリリースには「The Future is Here(未来はもう、ここに)」というタイトルが付けられています。これは、今年のCESで提示された技術が単なる将来構想ではなく、すでに実装段階に入っていることを示しています。

参考:CES公式ホームページ「CES 2026: The Future is Here」 参考:CES公式ホームページ「Innovators Show Up: CES 2026 Opens Today」

CES 2026におけるAIのトレンド

CES 2026におけるAIのトレンド

CES 2026を貫いた大きな流れは、AIが画面の中のチャットから、現実世界・産業・社会インフラへ実装されるフェーズに入ったという点です。生成AIブームの段階を超え、AIが製品・モビリティ・家電・医療・工場の中で自律的に動き出した年として、複数の現地レポートで共通して指摘されています。

CES 2026の公式プレスリリース「CES 2026: The Future is Here」では、AIをハイライトの1つとして次の内容が紹介されました。

  • 世界は「デジタル化」から「AIによる知能化(インテリジェント化)」の段階へ移行している
  • AIは企業運営・働き方・人々の日常生活にまで大きな変化をもたらしている
  • すでにAIは、生産性向上・顧客体験(CX)の改善・医療分野の成果向上などで重要な役割を果たしている
  • AI技術は現在も進化を続けており、デジタルツイン・エージェント型AI・業界特化型AI(Vertical AI)・産業用AI・ロボティクス向けフィジカルAIなど多方面へ広がっている

このデジタル化から知能化へという考え方は、業界ではIX(インテリジェント・トランスフォーメーション)とも呼ばれます。DXによって整備されたデジタル基盤を前提に、AIが自ら判断・最適化・自律制御まで担う社会・産業構造への転換を指す概念で、CES 2026の各種現地レポートでも繰り返し登場したキーワードです。

CTAの基調講演では、IXに加えてロンジェビティ(Longevity)Engineering Tomorrowも今年の軸として取り上げられました。ロンジェビティは単なる健康管理にとどまらず、長期的な身体・精神・生活の質を維持・向上させる考え方で、後述するヘルスケア分野の展示に強く反映されています。Engineering Tomorrowは、エネルギー・建設・量子コンピューティングなど未来の社会インフラを設計する工学技術の総称です。

もう1つの公式プレスリリース「What Not To Miss at CES® 2026」では、注目トレンドとして「AIエージェント・デジタルツイン・オンデバイスAIの活用拡大により、生産性向上・顧客体験(CX)の改善・医療分野の発展が期待されている」と紹介されました。

各分野の動きを見る前に、CES 2026で多く使われた主要キーワードを確認します。

キーワード 概要
IX(インテリジェント・トランスフォーメーション) DXの次段階として、AIが自ら判断・最適化・自律制御を担う社会・産業構造への転換
AIエージェント(エージェント型AI) 人間から与えられた目的に沿って、計画・推論・複数タスクの実行までを担うAI
フィジカルAI カメラやセンサーで現実世界を認識し、ロボットや自動運転車などを物理的に動かすAI技術
デジタルツイン 現実世界の状況をデジタル空間上に再現し、シミュレーションや最適化を行う技術
業界特化型AI(Vertical AI) 特定業界・特定業務の課題に特化して開発・最適化されたAI
オンデバイスAI クラウドに依存せず、デバイス上でAI処理を完結させる仕組み
ロンジェビティ 健康管理を超え、長期的な身体・精神・生活の質を維持・向上させるテーマ

CES公式ホームページのコンテンツライブラリで、AIに関する2026年の発信を検索すると159項目が表示されます。ここからは「AIの業務利用」「ロボティクス」「モビリティ」「家電・スマートホーム」「ヘルスケア」の5つに分け、それぞれの分野で何が話題だったのかを見ていきます。

AIの業務利用

業務領域で中心キーワードとなったのは、AIエージェントです。プロンプトに対して回答を生成する段階を超え、AIが人間から与えられた目的に沿って、計画・推論・複数タスクの実行までを担う仕組みとして、大手プラットフォーマーやコンサルティングファームが具体的な業務利用事例を披露しました。「AIエージェントが組織の中に同僚のように存在する世界」を見据えたセッションが複数行われた点も特徴的です。

AIと労働力の関係に踏み込んだ議論や、AI検索の業務活用といった現場寄りのテーマも目立ち、技術トレンドの紹介から使い方への重心移動が進みつつあることがうかがえます。

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ロボティクス

ロボティクスの分野では、ヒューマノイドロボットの実用化とフィジカルAIが二大キーワードとなりました。象徴的だったのは「実験室から現場へ」というメッセージで、農業・建設・鉱業といった人手不足が深刻なブルーカラー産業の現場へロボットが配置され始めています。評価軸も「どこまで未来的に見えるか」から「どれだけ正確に・安定して機能するか」へ移っており、ロボットがすでに夢の技術ではなくなっていることが明確になりました。

技術面ではフィジカルAI、つまりAIがカメラやセンサーで現実世界を認識し、ロボットを物理的に動かす仕組みの実装が一段進んでいます。中国系のUnitreeやドイツ系のNeura Roboticsなど、ヒューマノイドや認知ロボティクスのスタートアップにも世界中の関心が集まりました。

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モビリティ

モビリティ領域で象徴的だったのは、完成車そのものではなく、車を成立させるための基盤技術でした。自動運転を支えるソフトウェア・センサー・半導体・地図・車載OS・デジタルツインを用いた事前検証技術などがアワードや展示の中心に据えられています。AIネイティブな時代において、モビリティの主戦場は見た目のインパクトから実用性・安全性へとシフトしていることが読み取れます。

完成車側でも新カテゴリの動きが見られ、TENSOR社が世界初を掲げるレベル4自動運転のパーソナルロボカーを披露しました。陸上モビリティだけでなく、AIが操縦に関与するスマートボート・農業重機の自律化など、移動を再定義する取り組みも幅広く展開されています。

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家電・スマートホーム

家電分野は、単体製品の性能競争から生活全体を最適化するプラットフォームへの発想転換が明確になった年でした。家庭内の家電・エネルギー・ロボットをAIで統合し、人が意識しなくても快適な状態が保たれる環境をつくる、という思想が大手各社から提示されています。

代表例として、LGはAI搭載ホームロボット「LG CLOiD」を公開し、「Zero Labor Home(家事ゼロの家)」「Affectionate Intelligence」といったキーワードのもと、AIが生活に寄り添う未来像を紹介しました。Samsungは「Companion to AI Living」を掲げ、AIが家庭の中で人と共に暮らす製品体験を提案。Amazonも「Alexa+」を軸に、家電・スクリーン・セキュリティ・ウェアラブル・車載までを一つの生活基盤としてつなぐスマートホーム構想を広げています。

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ヘルスケア

ヘルスケア分野は、CTAが基調講演で取り上げたキーワード「ロンジェビティ」が強く反映された領域です。ロンジェビティは、単なる健康管理や疾病予防にとどまらず、長期的な身体・精神・生活の質を維持・向上させる考え方を指します。

CES 2026では、頭を入れるだけで脳の健康状態を短時間で計測できるデバイス、聴くことと治すことを一体化した治療型ワイヤレスイヤホン、リハビリ向けの着用型ロボットなどが受賞しており、医療現場だけでなく日常生活全体を支えるテクノロジーへ領域が広がっています。

加えて、女性向けのヘルステック設計・生成AIによる自立支援と健康的な老化のサポート・AIによる新薬開発の加速など、AIが医療・ヘルスケアの幅広い領域に浸透しつつあることが示されました。

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参考:CES公式ホームページ「CES 2026のハイライト」

CES 2026 Innovation Awards®の受賞例

CES 2026 Innovation Awards®の受賞例

CES Innovation Awards®とは、コンシューマーテクノロジー製品における優れたデザインとエンジニアリングを表彰する、世界的に著名なアワードプログラムです。毎年CESに合わせて開催され、2026年に開催されたものをCES 2026 Innovation Awards®と呼びます。

CES 2026 Innovation Awards®では、受賞製品452点のうち、AIカテゴリの製品は46製品にのぼりました。AIが分野横断で評価軸として組み込まれていることを示す数字です。

ロボティクス/モビリティ/家電・スマートホーム/ヘルスケアの各ジャンルにおける受賞例は以下の通りです。

カテゴリ 受賞例と概要
ロボティクス Scan&Go ─ 自動運転フォークリフトに搭載し、航空機胴体や風力タービンブレードなど大型部品のサンディング・研磨・検査を自動化するAIロボットソリューション
モビリティ CHAEVI_MCS ─ MCS・CCS・NACSに対応し、大型車両から乗用EVまでを想定したメガワット級の急速充電システム
家電・スマートホーム ホームセラピーブース2.0 ─ AIメンタルコーチ付きの家庭用セラピー空間。AIが心のケアを支援する
ヘルスケア Dr.CerviCARE® AI ─ オンデバイスAIで子宮頸がんスクリーニングを支援するシステム。クラウド送信に依存せずプライバシーを保ちながら処理が可能

受賞例を見ると、AIが「単独の高性能技術」としてではなく、各業界の現場課題と結びついたソリューションとして評価されていることがわかります。今後のAI活用を検討する際の参考になります。

参考:CES公式ホームページ

CES 2026への日本企業の参加状況

CES 2026における日本企業の動向

日本からも、JETRO(日本貿易振興機構)が運営する Japan Pavilionを中心に、31社の日本発スタートアップがCES 2026に参加しました。業界特化型AI(Vertical AI)の領域でも、日本のスタートアップが世界の舞台で技術を発信しています。

参考:ジェトロ「CES 2026 Japanパビリオン」

具体的な参加企業の例としては、富士通株式会社がAIを活用した次世代モビリティ技術を紹介。放送・メディア領域ではTBSがAIナレーション技術を披露するなど、業種の枠を超えた取り組みが見られました。

そのほかにも、日本企業の参加傾向は以下の通り多様です。

大企業中心ではなく、スタートアップ・地方企業・自治体・大学まで含めた多様なプレイヤーが世界の舞台に立っている点は、日本国内でAI活用の裾野が産学官の各層に広がってきていることを示しているといえます。

まとめ

CES 2026は、生成AI・エージェント型AI・フィジカルAIが、家電・モビリティ・医療・産業インフラへ広がっていった年として記憶される展示会となりました。

2026年のテーマとして掲げられた「Innovators Show Up」、そしてCTAの基調講演で示されたIX(インテリジェント・トランスフォーメーション)・ロンジェビティ・Engineering Tomorrowは、いずれもAI実装が前提となった社会・産業構造の転換を象徴しています。AIエージェントやフィジカルAIといったキーワードも、概念の段階を抜けてプロダクトやサービスの形で姿を現し始めました。

日本企業の動向に目を向けると、JETROのJapan Pavilionを通じて約31社の日本発スタートアップが紹介されるなど、世界の舞台での発信が続いています。スタートアップから自治体・大学まで含む多様な担い手が技術や構想を発信している点は、今後の日本のAI活用の広がりを示しています。

数年後の当たり前は、すでにCES 2026の会場で形になり始めています。本記事を入口に、関心のある分野は公式コンテンツや現地レポートで掘り下げてみてください。

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