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小林製薬の命の母が「お客様の50年を支える」ためフェムテックに挑戦【goo AI x DESIGN導入事例】

最終更新日:2024/04/09

医薬品、芳香剤、栄養補助食品(サプリメント)、日用雑貨品などの分野で「あったらいいなをカタチにする」をスローガンとして掲げる小林製薬株式会社(以下小林製薬)は、女性のこころとからだに寄り添う「命の母」の総合サイトに、NTTレゾナント株式会社(以下NTTレゾナント)が提供する「goo AI x DESIGN」を活用しました。

今回はフェムケア商品を扱う小林製薬と、最新テクノロジーを提供するNTTレゾナントの融合で、既に大きな反響が出ているAIチャットボットの最新導入事例についてお話を伺いました。

あったらいいなをカタチに

――本日はよろしくお願いいたします。先ずは御社について教えてください。

――白石さん

よろしくお願いします!弊社は「あったらいいなをカタチにする」をコーポレートスローガンとして掲げており、お客様が気が付いていないような隠れたニーズを私たちが発見して、形にし、提供することに取り組んでいます。最初は「あったらいいな」だったものをお客様が使い続けることで「なくてはならないもの」にしていくというのが、私たちのミッションです。

小林製薬株式会社 ヘルスケア事業部 マーケティング部
漢方・生薬グループ ブランドマネージャー 白石 千夏さん ※写真撮影時のみマスクを外しています

――ありがとうございます。今回チャットボットを導入された「命の母」についても伺えますでしょうか。

――白石さん

「命の母」は明治36年に作られた、日本初の女性のため保健薬です。開発者の母親は体が弱いにも関わらず、農作業や子育てに追われてとても大変だったそうです。そんな母親を元気にして、家族を元気にしたいという想いから開発されたのが「命の母」です。

今では更年期障害に留まらず、生理など女性ホルモンのバランスが崩れることで起こる、あらゆる症状に対応した製品をラインナップしているブランドとなっており「女性の20歳~70歳の50年間をサポート」したいと考えております。

――どのような経緯からチャットボットを導入されたのでしょうか。

――白石さん

「女性の50年間をサポート」を叶えるためには、適した製品を適したお客様に届ける必要があると考えています。それを実現するためには一人一人の症状を細かく聞いて適した製品をレコメンドする必要がありますが、いままで提供していた単純なセルフチェック機能だけでは個々人に合わせた最適なレコメンドが難しいという課題がありました。チャットボットであれば一人一人の症状に合わせた回答の出し分けなど、適切なレコメンドができるのではないかと考え、お願いをしたという経緯です。

生理の不調や更年期の不調は、起こった際に自身では「何が原因の不調かわからない」というのが普通です。100人いれば100通りの症状があるといわれているので、年齢などの情報から想像することしかできません。過去に「命の母A」と「ホワイト」のうち、どちらが合うのかをレコメンドする簡単なコンテンツを準備したところ、多くのお客様がそのコンテンツを利用してくださったという背景があります。それほど「生理か更年期か」どちらを選んだらいいのか悩んでいるお客様が多くいるということがわかりました。現在命の母ブランドでは、より多くの症状に対応できるよう7種類のラインナップを揃えていますが、これだけ製品がたくさんあるとますます「自分がどれを使っていいかわからない」という悩みが、出てくるだろうと考えました。

命の母ブランド、7種類のラインナップ(2021年12月現在)

――今回の導入によって、チャット形式でレコメンドが行えるようになりました。何か感じるメリットはありますか。

――白石さん

WEBサイト上ですと単なる「チェックコンテンツ」の感覚が強いのですが、チャット形式では「人と話している」ような感覚が得られることから、より気軽に利用でき、心構えの壁が一つ低くなると思っています。コロナ禍で人に会う機会も減り、友人との何気ないおしゃべりも減っている状況で、女性ホルモン関係の不調はより悪化している方が多いという実情があります。女性関連の不調がある方に対しては“人間味”のあるサービスを提供することが重要だと思っており、AIによる「会話でのストレス解消」ができるのは、メリットであり今の時代にも適していると感じています。

 

同じ悩みを持つ人との共感


命の母Aブランドサイト
画面右下に表示される「命の母AIお悩み相談」のアイコンをクリックするとチャット画面が表示される

――実際に導入されてみての反響はいかがでしょうか。

――白石さん

実はまだ何も広告していないにも関わらず、ひと月で2万人以上の方が使ってくださっています。これは凄い反響だと思っていて、やはりお客様は女性ホルモン関係の不調に関する興味・関心が強く、様々なお悩みを抱えているのだということを改めて感じました。驚いたのは、AIチャットボットのコンテンツなので若い方が中心に活用すると想像していたのですが、実際は40代前後のお客様が一番多いということがわかり、やはりその年代の方々が特に様々な不調で悩んでいるのだとわかりました。

――ひと月で二万人は凄い反響ですね!今回のコンテンツ制作で拘った部分を教えてください。

――白石さん

結果画面に「自分に似たユーザーのコメント」や「レーダーチャート」が表示されるようになっています。悩みを抱えている方は、自分の症状が“人と比べてどうか”という点が気になるのではないかと考え、その点には拘りました。自分が人より症状が重いと知れば製品を使うきっかけになりますし、人と同じだと思えば「安心感」や「共感」を感じてもらえるとの考えからです。

「安心感」や「共感」を感じてもらうためには、単にレコメンド結果が出るだけではなく応答に人間味があることも重要だと思っています。そのため好き嫌いが少なく、好感度の高いイメージで会話相手になるキャラクターの制作にも取り組みました。AIだけど機械的ではなく人間味があり、でも本当の人ではないから話しやすい、という良いバランスで完成したと思っています。

――満足できるサービスに仕上がったんですね!

――白石さん

最終的に手に取ってもらう商品で「あったらいいな」を叶えられるように努めているのですが、このサービス自体も「何を選んだらよいかわからない」という悩みに応えられる「あったらいいなを叶える」ものになったのは、とても良かったと感じています。一方で、まだまだこのサービスは発展途上だと思っているため、もっともっとお客様の気持ちに寄り添った回答が出るように今後もブラッシュアップしていきたいと考えています。

命の母ブランドで「女性の50年に寄り添う」と言っているからには、女性ホルモンによるどんな不調にも応えられる製品をラインナップし、今回のようにAIなどのテクノロジーを活用して適したお客様にレコメンドできる「フェムテック(※)」の部分には力を入れていきたいです。

※フェムテック:
Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた言葉
女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決すること

 

本当に知りたいお客様の「本音」

――ありがとうございます。導入一カ月で既に感じている気づきなど、他にありますでしょうか。

――白石さん

解析中に選択で回答を選んでもらう部分と、お客様が悩みを自由記述する部分があるのですが、主に後者にAIが使われています。そこに、お悩みやつらいと感じている症状などを詳しく書いてくださっているお客様が本当に多いことが印象的でした。自分の症状や傾向について、本当に知りたいからこそ書くんだろうなと感じています。

――私も選択式で進んでいくチェックコンテンツを行った経験がありますが、本当に伝えたいことが選択肢にないことも多いので自由記述欄があるのは嬉しいですね。


記述された文章をAIが解析し結果に反映

――白石さん

はい、また嬉しいことに私たちが想定している以上に様々なお声を寄せていただけているので、まだ手が届ききっていない悩みに対応する新製品・サービスの開発の助けになるとも思っています。アンケートなどの手法でこちらから情報を集めても、なかなかお客様の本音の部分が聞けなかったりします。お客様の「あったらいいなをカタチにする」ために、とても嬉しい発見でした。

――それを狙っていた訳ではないと思いますが、今後有効に「データの利活用」を行っていくには、とても良い成果ですね。

――白石さん

生理や更年期の症状は、100人いたら100通りあるので、単純な機械仕掛けのロジックだと拾いきれない部分がたくさんあります。女性ホルモン由来の症状に悩んでいる方たちは「自分のことをわかってほしい」とか「誰かに共感してほしい」「認めてほしい」とか、そういう気持ちをお持ちだと思います。とても難しいのですが、一人一人に的確なアドバイスを提示したり、寄り添うことが大事だと思っていて、その想いに今後も応え続けるためには今回得られたデータを活かしていきたいと考えています。

 

相談したら叶うよと伝えたい

――最後に記事を読んでいる皆様にメッセージをお願いします。

――白石さん

先ず、女性ホルモンによる症状に悩んでいる皆様へ。「自分のこの症状はなんなんだ」「私はこれからどうなってしまうんだ」と考えることがあると思います。生理や更年期では、今までになかった様々な不調が出てきてしまい、しかもそれは自分ではコントロールできないものが多いです。食欲の増加や眠気、イライラ、落ち込みなど、全て女性ホルモンの乱れが原因なので、もっと女性ホルモンに影響されずに自身のやりたいことを全力でやったり、チャレンジしたいことに取り組んでもらうために、私たちの提供するフェムケア商品に頼ってもらっていいんじゃないかと思っています。今回のAIチャットボットでは自身に適した商品をお勧めしてくれますので、何に頼っていいかがわからない場合には、ぜひ一度試してみてください。

次に、チャットボット等のAI技術の導入を考えている方へ。私はAIについては詳しくなかったため、ただ“こんなことをやりたい”という理想を伝えていったのですが、結果として「20歳~70歳が共通して頼れる何かを作る」という想いが叶えられました。これは無理かな?と思うようなことも相談したら叶うよと伝えたいです。

――本日は貴重なお時間をありがとうございました!

左 NTTレゾナント松永さん、中央 小林製薬白石さん、右 NTTレゾナント松野さん

ブランドのスローガンを体現していくことで「思い描いた以上の成果」が実現した、とても印象的な成功事例を伺うことができました。自社で解決したい課題や実現したいサービスがある際には、AIやチャットボット、データの利活用をぜひ相談してみてはいかがでしょうか。「相談したら叶う」かもしれません!

 

AIsmiley編集部

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