Midjourneyとは?イラストを自動生成するお絵描きAIの使い方
最終更新日:2024/03/12
AIがテキストからイラストを生成してくれるという今話題のサービス、Midjourney(ミッドジャーニー)を使ってみました。
実際に作成した画像も交えながら、基本的な使い方やコツ、著作権や商用利用の可否、お絵描きAIによって生まれた課題などを解説していきます。
Midjourneyとは
Midjourney(ミッドジャーニー)はテキストから画像を作成するAIプログラムです。アメリカにある同名の研究所によって開発されました。
類似したサービスに画像生成AIの使い方・初心者向けのコツも徹底解説!” href=”https://aismiley.co.jp/ai_news/what-is-stable-diffusion/” target=”_blank” rel=”noopener”>Stable Diffusionなどがあります。
コミュニケーションアプリのDiscordを利用しており、ユーザーがDiscordからメッセージを送信すると、テキスト内容から画像を生成してくれます。トライアル版では、25枚まで無料で利用できます。
Midjourneyの使い方:実際にイラストを生成してみよう
では、実際にMidjourneyでイラストを生成していきましょう。本記事ではWindows PCでMidjourneyを使用していきます。
Discordをインストール
まず、Discordのアプリをインストールします(無料)。アカウントを持っていない場合は、前もって作成する必要があります
URL:https://discord.com/
MidjourneyをDiscordに追加
Discordアプリが起動している状態で、Midjourneyのホームページを開きます。
URL:https://www.midjourney.com/
「join the beta」をクリックすると、DiscordにMidjourneyのページが追加されます。
roomを選んで英語で指示を入力
左のリストからroomを選びます。画面左にあるNEWCOMER ROOMSの「newbie-**(**は数字)」を選んでください。「**」はどんな数字でもOKです。ここではnewbie-45に入りました。
次に、下のコメントボックスへ「/imagine prompt:」と入力するか、「/image」と入力してEnterを押し「/imagine prompt」というサジェストを選択してください。
続けて好きな英単語や英文を入れてEnterを押すと、画像が自動で生成されます。
本記事では「beaf bawl(牛丼)」を生成してみます。なお、複数のキーワードを入力したい場合は、単語を「,(カンマ)」で区切りましょう。
最初は輪郭が曖昧ですが、だんだん鮮明になってきます。ユーザーIDの横にある「(**%)」の表示がなくなれば完成です。画像は指定しなければ、画像は4パターン生成されるようです。
完成
それでは日本の国民食牛丼をAIはどのように描いてくれるでしょうか。
その画像がこれだ!
牛丼(beaf bawl)と入力したら生肉に
器に入った生肉でした。スープのようなものも見えます。ただ、ちゃんと料理であることは認識しているようです。
Midjourneyは長い文章からも出力してくれます。次は、マイケル・ジャクソンの「スリラー」の歌詞を全て入力してみました。
生成された画像がこちら!
スリラーの不気味な雰囲気、マイケルっぽい人が登場
マイケル・ジャクソンを連想させる巨人がイラストとして描画されています。スリラーのMVの面影をうかがえる画像もあります。
イラストの精度を上げる方法
Midjourneyには、生成されたイラストの精度を上げられる機能もあります。
「thriller」で画像を生成してみると、マイケル・ジャクソンに似た顔つきの人物が描画されました。そして、完成した画像の下には「U1」や「V1」といったボタンが表示されています。
Uは画像を鮮明にするボタン、Fは別パターンの画像を出力するボタンです。1~4はそれぞれ左上、右上、左下、右下の画像を指します。例えば「V3」を押すと、左下の画像を似たデザインで別パターンに書き換えて出力してくれます。
「U4」の右隣にある更新マークを選択すれば、4枚の絵を新たに作り直せます。ただ、作り直すごとに制限回数も消費する場合があるので注意してください。
また、Midjourneyがどのような機械学習を受け、どのようなバイアスを持つかを理解することもイラストの精度を上げる手段のひとつです。AIが言葉に対して抱いているイメージの傾向を把握することで、単語や文章選びがより適切なものとなり、生成される画像の精度も上がるでしょう。
思い通りの画像を生成するのは難しい
実際に画像を出力することは簡単にできました。しかし、思い通りの画像を出力するとなるとかなり手間がかかり、工夫や知識も求められます。
トイレットペーパーとスタイリッシュに戦うスパイダーマンを生成しようとした結果
狙い通りの絵を生成するコツ
ユーザーのなかには、かなり美しく狙い通りのグラフィックを生成している方もいます。
どうやらコメント指示にコツがあるようです。
ハイクオリティで狙い通りにMidjourneyにイラストを生成してもらうためには、以下のような点に気を付けるとよいでしょう。
・ピカソなど著名な画家の名前を入れると似たような作風になる(ジブリなどでもOK)
・「ancient(古代風)」や「manga(漫画風)」などと入力すれば、グラフィックのトーンが変わる
・「oil painting(油絵)」や「sculpture(彫刻)」などと指定すれば、画像のタッチや種類も自在に変更できる
・「Unreal Engine」や「8k」、「PlayStation5」などと入れると画像がより精細になる
・コマンドを入力することで細かい指定も可能となる。例えば「–aspect *:*」でアスペクト比を指定できる
・「–s ***」というコマンドで「***」に数値を指定すれば、作風の様式を変えられる。数値は、625~60000の間で設定でき、通常時は2500となっている。数値が小さいほど「平凡」で特徴が薄く、大きいほど「抽象的かつ大胆」なスタイルになる
この知見を活かして、再挑戦してみましょう。
「おぼっちゃまくんに登場するような広いトイレを幻想的で綺麗な京アニ風で表現したい」とします。
そこで「/imagine prompt: toilet bawl in huge room,PlayStation5,fantastic,magnificent,japanese,KyoAni」で画像を生成!
出力された画像がこちら。
いつか、100畳のトイレを生成したいです…!
【9/27更新】Midjourneyの料金プラン
Midjourneyの料金プランは、下記の通りです。
・無料プラン(無料トライアル)
料金:無料
高速描画機能:0.4時間まで
低速描画機能:なし
・ベーシックプラン
料金:10ドル/月(年間契約の場合8ドル/月)
高速描画機能:3.3時間/月
低速描画機能:なし
・スタンダードプラン
料金:30ドル/月(年間契約の場合24ドル/月)
高速描画機能:15時間/月
低速描画機能:無制限
・プロプラン
料金:60ドル/月(年間契約の場合48ドル/月)
高速描画機能:30時間/月
低速描画機能:無制限
無料プランは25枚までのお試しとなります。
作業時間によって微妙に変動するため、きっちり25枚とは限らないこともあります。有料プランは、1年分まとめて払うと毎月払いより割安になります。
高速描画はGPUの使用時間で表記されています。約1分で1回生成できるようです。スタンダードプラン以上であれば、高速描画の制限時間を使い切った後も、低速で画像を生成できます。低速描画では、3~6分ほどでイラストを生成することが可能です。
有料プランは商用利用やMidjourneybotとDMによる画像生成、会員ギャラリーへのアクセスが可能になります。また、Midjourneyでは通常、生成したイラストが他のユーザーに公開されてしまいますが、プロプランになるとイラストを非公開にすることが可能です。
今後も料金体系は変わっていく可能性がありますので、公式サイトも併せてご確認ください。
https://midjourney.gitbook.io/docs/billing#plans
Midjourneyの著作権と商用利用について
無料プランは非商用であれば自由に公開でき、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY-NC 4.0)に準じた取り扱いをすれば、改変・配布、他の作品への利用も可能です。
アンカーテキスト:クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
URL:https://creativecommons.jp/licenses/
ただ、前述の通り有料プランに加入すれば、商用利用も可能になります。
なお、従来では年間100万ドル以上の収入がある企業が商用利用する場合、コーポレートプランに加入する必要がありましたが、現在は加入できないようになっています。
今後段階的にプロプランに移行する予定です。
料金体系と同様に、著作権や商用利用についても今後変更の可能性があります。
実際に商用利用する場合は、事前に公式サイトも併せて確認することをおすすめします。
Midjourneyに対するTwitterの反応
皆さん懸命に研究されていて、美しい画像を投稿されています。
宇宙戦艦#midjourney #spaceship pic.twitter.com/SUnbpno8O1
— ピヨリン (@ZvQpAdnLVLToNUq) September 9, 2022
Midjourneyの画像で漫画を作った方もいます。
AIにマンガを描かせてみるテスト(1/n)#Midjourney #マンガが読めるハッシュタグ #ツイッタSF #サイバーパンク桃太郎 pic.twitter.com/ctA9BvpU9l
— Rootport💰🧮💰 (@rootport) August 10, 2022
Midjourneyの使用動画
Midjourneyに抽象的なものや、まだ存在しないものをコメント指示して遊んでいる方もいらっしゃいました。
こちらは試行錯誤の様子も含めてコメントのコツを公開されています。
Midjourneyで作った絵がコンテストで優勝!みんなの反応
無限の可能性や潜在能力を秘めたMidjourneyですが、問題も起こっています。
アメリカのコロラド州で開かれたコンテストで、Midjourneyで背景を生成した絵画が1位を取ってしまいました。これを受けてネット上でも様々な意見が上がっています。
【ネガティブな意見】
設計者としてのコンテストに設計せずに出てきたらそりゃクソだと言われるでしょ。
そろばん大会に電卓持って参加したようなもん。
画像生成AI「Midjourney」の描いた絵が美術品評会で1位を取ってしまい人間のアーティストが激怒 https://t.co/o89vZqfR2f
— ✣⁂🎯🩰💃👩💻☕️ 🐿 (@digon_digon) September 8, 2022
【ポジティブな意見】
米コロラド州で開催されたアートコンテストで、画像生成AI「Midjourney」が生成した絵が1位を取った
作者はこれが物議を醸すことは分かっていたとコメントhttps://t.co/6qxgZ2Cif5
個人的な感想だけどアートは人の心を動かした者が勝ち
AIを使うのは良い画材を使って描いた絵と何ら変わりはない— だいすけ (@daisukevlad) September 3, 2022
また、2023年1月にはアメリカ在住のマシュー・バターイック氏らにより、Midjourneyを含む複数のAIサービスが集団訴訟の対象になりました。著作権侵害などの問題によってMidjourney自体の賛否も問われ始めていたり、AIによる成果物の著作権はどこに属するかの議論もあったりと多くの問題点も抱えているのが現状です。新たな技術による課題に社会がどう対処するのかも注目です。
みなさんの意見はどうでしょうか。
画像生成AIはどこまで進化するのか
これまでも「画像に写っているものが何なのかを識別する」画像認識AIが存在していました。
そして近年の発展で、画像認識AIとは正反対に「ものを指定すると画像を生成してくれる」AIが誕生しています。これが画像生成AIです。
自然言語処理AIの正確さは、2017年に発表された「Transformer」を契機に飛躍的に高まりました。
Open AIのDALL-E2は、自然言語処理を用いて、AIがテキストから美しい画像を出力することで話題になりました。
画像生成AIが画像を生成する方法を生成モデルといいます。
Midjourneyに使われている技術は非公開のようですが、拡散モデルベースの技術で開発されたようです。
さらに最近、新しい生成モデル「Diffusion Model」が誕生し、より精細な画像の生成が可能とされています。
ただし、日本ディープラーニング協会(JDLA)理事長の松尾豊教授は、いまのまま既存の手法を大規模化するだけでAIが際限なく賢くなるのかは疑問であり、現状のAIには限界が来るだろうと予想しています。
松尾教授は、従来とは違う方法がAIの限界を超えうるかもしれず、今後更に新しい技術進化が起こるはずだと訴えています。
アンカーテキスト:松尾豊教授「DXには人材と組織改革が不可欠」JDLA 合格者の会 2022 特別講演
URL:https://aismiley.co.jp/ai_news/jdla-successful-candidate-meetup-2022-matsuo-yutaka/
参考:松尾豊教授「DXには人材と組織改革が不可欠」JDLA 合格者の会 2022 特別講演
まとめ
1.Midjourneyを使ってみて
アカウント登録や使い方、AI画像生成までのハードルが低く、簡単に画像を生成できました。
また、ワードや文章にひと工夫することでハイクオリティなAI画像生成も行えるとわかりました。イラストは自動で描画されますが、方向性や指示するワードの選択はユーザーの技術が求められます。Midjourneyは、無料版でも十分楽しめるサービスですが、有料プランでは商用利用ができるなど、魅力的なサービスが展開されています。
漫画への使用やゲームの背景画像など、クリエイティブな用途への利用がすでに始まっています。
2.課題
AIを利用したグラフィックがコンテストで優勝してしまったことや訴訟問題により、議論が巻き起こっています。AIアートと人間が描く創作物を同列に扱うべきかや使用方法など、多くの課題が残されています。
3.画像生成AIについて
現在、画像生成AIは盛んに研究開発されており、日々新たな技術やサービスが生まれ続けています。みなさんも、Midjourneyをきっかけとして、画像生成AIに対して興味を持っていただけますと幸いです。
よくある質問
Midjourneyとは?
Midjourney(ミッドジャーニー)はテキストから画像を作成するAIプログラムです。アメリカの同名の研究所が開発しています。
Midjourneyで画像を作成する方法は?
以下の方法で画像作成が可能です。
- Discordをインストール
- Midjourney(ミッドジャーニー)をDiscordに追加
- roomを選んでワードをコメント
Midjourneyで画像作成する際のコメントのコツは?
画像作成時のコメントのコツは以下の通りです。
- 文章ではなく、単語を,で区切ってたくさん入れる
- 著名な画家(ピカソとか)の名前を入れると似たような作風になる(ジブリなどでもOK)
- Unreal Engineとか、PlayStation5と入れると画像が精細になる
業務の課題解決に繋がる最新DX・情報をお届けいたします。
メールマガジンの配信をご希望の方は、下記フォームよりご登録ください。登録無料です。
AI・人工知能記事カテゴリ一覧
AI・人工知能サービス
- 生成AI
- 画像生成AI
- ChatGPT
- AI研究開発
- LLM
- DX推進
- おすすめAI企業
- チャットボット
- ボイスボット
- 音声認識・翻訳・通訳
- 画像認識・画像解析
- 顔認証
- AI-OCR
- 外観検査
- 異常検知・予知保全
- 自然言語処理-NLP-
- 検索システム
- 感情認識・感情解析
- AIモデル作成
- 需要予測・ダイナミックプライシング
- AI人材育成・教育
- アノテーション
- AI学習データ作成
- エッジAI
- IoT
- JDLA
- G検定
- E資格
- PoC検証
- RPAツール
- Salesforce Einstein
- Watson(ワトソン)
- Web接客ツール
- サプライチェーン
- メタバース
- AR・VR・デジタルツイン
- MI
- スマートファクトリー
- データ活用・分析
- 機械学習
- ディープラーニング
- 強化学習
- テレワーク・リモートワーク
- マーケテイングオートメーション・MAツール
- マッチング
- レコメンド
- ロボット
- 予測
- 広告・クリエイティブ
- 営業支援・インサイドセールス
- 省人化
- 議事録自動作成
- 配送ルート最適化
- 非接触AI
業態業種別AI導入活用事例
今注目のカテゴリー
AI製品・ソリューションの掲載を
希望される企業様はこちら