5G・AI・IoTで広がる可能性とは?特徴・課題・懸念も紹介
最終更新日:2024/04/11
一部のスマートフォンでも5Gに対応し始めるなど、昨今は5Gに大きな注目が集まっています。しかし、5Gにどのような特徴があるのか、どのようなメリットがあるのかを詳しく理解できていない人も多いのではないでしょうか。
そんな5Gは、IoTとの組み合わせによってさらに可能性を広げていくことが期待されています。IoTとの組み合わせで、どのようなことが実現されるのでしょうか。今回は、5GとIoTの組み合わせによって広がる可能性について詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
5Gについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
5Gとは?特徴や仕組みとAIへの活用事例を紹介
そもそも5Gって何?
スマートフォンに「4G」「5G」といった文字が表示されていることから、この「4G」「5G」といった言葉自体は知っているという方も多いのではないでしょうか。しかし、4G、5Gが具体的に何を表しているのか、4Gから5Gになるとどのような変化があるのか、といった部分まで理解できている人は意外と少ないかもしれません。
そもそも5Gとは一体何なのかというと、「5th Generation」の略であり、「第5世代」のことを指しています。そんな5Gの主な特徴としては、以下のような点が挙げられるでしょう。
・高速で大容量の通信が行えること
・信頼性が高く、低遅延の通信が行えること
・多数の機器に同時接続できること
すでに4Gによって便利な機能が数多く使用できるようになりましたが、新たに5Gが普及することで、スマートフォンだけでなく、あらゆる端末がアプリなどのシステムと連携されることが予想されているのです。今回のテーマであるIoTは、まさに5Gの普及による恩恵を大きく受けられる要素といえるでしょう。
たとえば、家の玄関扉がIoT機器として通信機能を搭載していれば、もし鍵をかけ忘れてしまったとしてもインターネットを介して自分のスマートフォンに通知してもらうことが可能になります。また、スマートフォンから遠隔で施錠することも可能なのです。これは現時点でも実現可能な技術ですが、ここに5Gの通信量や通信速度が加われば、さらに複雑な操作を遠隔で行うこともできるようになります。
5Gが抱えている課題と懸念
5Gには大きな可能性が秘められているわけですが、必ずしも魅力ばかりが溢れているというわけではありません。いくつか懸念点や課題も存在するからです。
5Gは、VRやARとも相性が良いため、海外からの仮想体験ツアーや、セミナー・イベント参加といった部分においても多く利用されるようになることが予想されます。また、5Gはリアルタイムでの大容量通信も行えるため、管理・監督・防犯・防災といった分野との相性も良いのが特徴です。
そのため、今後はセキュリティ強化という面でも5Gが積極的に活用されることが予想されるわけですが、高画質の映像によって犯罪者の特定などを高精度で行えるようになる可能性がある反面、その映像が悪用されてしまった場合のリスクも高まってしまいます。
万が一、防犯カメラの映像が流出し、その映像内にスマートフォンを操作する人物が写っていた場合、そのスマートフォンの画面さえも読み取ってしまうことができる可能性があります。そこから個人情報を抜き取り、悪質な犯罪が行われるリスクがあるということです。
もちろん、技術の発展に伴ってセキュリティ対策も進んでいますので、防犯カメラの映像が流出してしまうリスクは極めて低いでしょう。しかし、技術の発展と比例して、犯罪者の手口も巧妙になっているという事実は忘れてはなりません。
万が一の事態にもしっかりと対応できるよう、このようなケースも想定して対策を進めていくことが大切になるといえるのではないでしょうか。
5G × IoTの活用事例
では、具体的に5GとIoTがどのような形で活用されているのか、ここからいくつか活用事例をみていきましょう。
農業分野での5G×IoT活用事例
兵庫県豊岡市では、農薬を使用しない代わりに、蛙やヤゴに害虫を食べてもらって米を育てる「コウノトリ育む農法」が行われているのですが、この農法にIoTを活用し、農作業の効率化を図る実証実験が行われています。
具体的には、5Gの回線を利用した水位センサーによって、水位情報をスマートフォンなどでリアルタイムに確認し、見回り回数や見回り時間の削減を図るというものです。
インフラ保守での5G×IoT活用事例
現在、日本の橋やトンネルの多くが老朽化しており、事故を防ぐための点検や補修工事が必要な状態となってきています。そこで、橋桁や橋脚に複数のIoT機器を設置して、その機器で計測した振動データを5G回線で収集・監視し、遠隔から橋の異常を検知する実証実験が開始されました。
これまで、橋梁の点検・補修には多額のコストがかかっていましたが、複数のセンサーによる監視で点検の省力化ができれば大幅にコストダウンできるため、大きな期待が集まっています。
5G回線はIoT時代に欠かせない情報網になる
5G回線は、まさにIoT時代に即した通信回線といっても過言ではありません。そのため、今後はより多様な業界で活用されることが期待されています。その一例として、自動車業界での5G活用が挙げられるでしょう。
5Gであれば、高精度の超低遅延をじつげんできるため、4Gでは実現することができなかった自動運転の制御アップが期待されています。また、社外のセンサーや社内のセンサーと結びつけることによって、ビッグデータを収集することも可能です。
収集したビッグデータを交通安全のためのデータとして利用したり、渋滞予測に活用したりすることもできます。交通事故の低減を実現しつつ、利便性の向上を図っていく上でも、5Gは欠かせない存在になっていくのではないでしょうか。
5G×IoTが欠かせない時代へ
今回は、5GとIoTの組み合わせで広がる可能性についてご紹介しました。さまざまな業界で新たな可能性が広がることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
技術の発展に伴い、その技術を悪用するケースも増加していくので、今後5GやIoTにおけるセキュリティ対策は必要不可欠なものになっていくでしょう。ただ、それ以上に5G×IoTによって実現できるものは数多く、生活の利便性も大幅に向上されていくことが期待されています。
私たちも、5GやIoTといった最先端の技術をしっかりと活用できるよう、セキュリティ対策の知識を蓄えた上で、有効活用していく姿勢が求められるのではないでしょうか。
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