JR西日本、強風予測AIシステムの本導入を開始。DXによる気象予測で空振り率を40%改善
最終更新日:2025/01/29
大阪ガスとJR西日本は、湖西線において2025年2月より、強風予測AIシステムを本導入することを発表しました。
このニュースのポイント
- 大阪ガスとJR西日本は、湖西線において2025年2月より、強風予測AIシステムの本導入を開始
- AI活用で、「比良おろし」による迂回運転や計画運休の「空振り」を4割減少
- 細かい区間の強風予測が可能になったため、普通列車の運転区間拡張可能へ
大阪ガス株式会社と西日本旅客鉄道株式会社は、2019年より強風予測に関する共同研究を開始し、湖西線において2022年より強風予測AIシステムの試験導入を行ってきました。試験結果が良好であったことから、2025年2月より本システムの本導入を開始します。
今回、大阪ガスの気象予測技術とJR西日本のAI開発技術を掛け合わせて、従来よりも高精度に強風予測ができるシステムを開発しました。
湖西線は、琵琶湖北西に連なる比良山系から吹き下ろす「比良おろし」と呼ばれる特有の風が吹く線区であり、急な運転の取り止めによる途中駅での長時間の立ち往生を発生させないことが重要です。
これに対しJR西日本では、気象予測をもとに、特急サンダーバードの琵琶湖線経由での迂回運転や、普通列車の事前の運転見合わせを行なっていました。しかし、強風が吹く見込みに大して、実際は強風が吹かない「空振り」が多発しており、予測精度の向上が輸送品質の観点からも重要になります。
そこで、気象予測技術を保有する大阪ガスとJR西日本との共同開発により、強風を高精度に予測するためのプロジェクトが2019年より開始されました。
強風予測システムは大阪ガス独自の高解像度な気象予測データを、JR西日本が開発した学習済みAIモデルで解析し、24時間先までの風速と風向きを予測します。
本システムにより湖西線沿線における局地風況を高い精度で予測でき、その結果から運転計画を判断することが可能となります。「空振り」を減らすことで、迂回運転や計画運休を減らし、さらなる輸送品質の向上につなげます。
試験導入期間の検証結果では、従来の手法に比べて「空振り」の発生割合が約4割改善することがわかりました。これにより、特急サンダーバードの不必要な迂回運転を避けることが可能となります。
また、本システムの導入により、従来の気象予測エリアよりも細かい区間ごとの強風予測が可能となりました。特に、近江舞子駅から近江塩津駅に至る区間においてより詳細な強風予測が実現することで、普通列車の運転可能な区間を延長することが可能です。
出典:PR TIMES
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