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最終更新日:2025/01/24
パターン認識について紹介
教師あり学習を用いてAIにデータを学習させる「パターン認識」を用いることで、画像や音声などのビッグデータを処理できるようになった現代において、これまで以上にAIサービスの品質を高める結果に繋がっています。
音声認識や画像認識、文字認識など、さまざまなパターン認識によるAIサービスを取り入れることで、ビジネスや人々の生活はより便利に・豊かに変化してきています。本記事では、パターン認識と機械学習の違いや、パターン認識を活用したAIサービスなどについて徹底解説します。
教師あり学習について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
教師あり学習とは?手法・具体例・教師なし学習との違いを紹介

パターン認識とは、画像や音声などの大量のデータの中から、特定のルールやパターンに沿ったデータを認識し、特徴抽出を行うことです。近年、人々の生活を支えるAI(人工知能)は、多くがパターン認識機能を備えています。
パターン認識においてあるデータを探し出すとき、探しているデータの色や形など、探しているデータの特徴をAIに理解させることで、特定のデータを発見させます。この「探したいデータの特徴を持った参考データ」をAIに理解させ、正解のデータを判別させる学習方法を「教師あり学習」と呼んでいます。
一般的に、パターン認識は教師あり学習を用いた学習方法を採用するケースが多いです。
従来の機械学習だけでは、数字や記号などの定量的なデータしか予測・判別することができませんでした。しかし、パターン認識を活用することで、「人の顔」や「物体の色」など、定量的に表すことが難しいデータも予測・判別できるようになっています。

パターン認識の具体的な仕組みとしては、「前処理」→「特徴の抽出」→「識別・分類」の順に行われます。「前処理」と呼ばれる工程では、データの特徴を捉えやすくするために、データのデジタル化処理や、ノイズの除去処理を実施します。AIに参考にさせるデータに不具合があると、正しいデータ抽出が難しくなる可能性が高いためです。
前処理を行った後は、参考にするデータに則ってAIに正しい判定をさせるために、「抽出するデータの特徴を明確化する作業」を行います。パターン認識における特徴は数値で表現され、特徴を並べた数値のことを「特徴ベクトル」と呼ぶこともあります。
特徴の抽出が完了したら、特定した特徴ベクトルの「クラス」と呼ばれる分類に従って、分類を進めていきます。一般的に手作業で行うことは難しいため、機械学習を利用した分類方法が用いられます。

パターン認識と機械学習は、「どのようなデータを分析の対象とするか」という点で異なっています。機械学習は「データから学び取った論理的な特徴(記号や数式)を元にして、対象となるデータの処理や分析を行う学習方法」です。
一方のパターン認識は、人間の顔や建物の特徴、物体の色など、記号や数式だけでは表しきれない複雑な情報を「パターン」という形で認識で認識する学習方法です。
機械学習では、AIが教師データを参考に、自ら規則性を発見して自動的に学習します。この「AI自らが自動的に学習する」という性質はパターン認識と同様であり、「パターン認識は機械学習の一部である」と表現することもできます。
近年、AIの学習方法にパターン認識と機械学習を掛け合わせることで、AIの性能が飛躍的に向上することとなりました。また、AIの学習方法の一種であるディープラーニングの浸透も、AIの性能向上に貢献しています。
企業や個人はさまざまなデータを蓄積するようになり、これまでのように文字や数式、記号などの単純なデータだけでなく、画像や音声など、複雑性の高いデータも扱えるようになったことから、AIが学習・計算できるデータの複雑性も向上したためです。また、人間の指紋なども、ビッグデータの一部として捉えられています。
パターン認識によって複雑性の高いデータを分析可能になったことで、数式や記号だけでなく、画像や音声、指紋など多種多様なデータを統合的に判断できるようになり、従来のAIの性能に比べて格段に性能が高まっているのです。

前述のとおり、機械学習におけるパターン認識は一般的に「教師あり学習」が用いられます。
パターン認識を行う際は、最初に学習に使用する「教師データ」と呼ばれる画像を準備します。教師データとして使われる画像には、必ず「正解を表すラベル」が付加されています。この教師データを使って、実際にAIに学習を行わせます。
ただし、教師データを活用するためには、「全ての画像の濃度を統一する」「縦横の画像サイズを均一にする」「画像の余白部分をトリミングする」など、コンピューターが認識しやすい画像に整えるための前処理を行う必要があります。
学習後は、AIが正しく学習できたかどうかを確認するためのテスト画像を用意して、AIが正しい答えを選択できるかどうか判断する「認識」という作業を行います。正しい答えを選ぶことができれば、パターン認識が正しく完了していると判断できます。

パターン認識は、さまざまな場面で利用されています。特に広く使われているのは、画像認識、音声認識、文字認識の3種類です。ここでは、パターン認識が使われる場面について、具体的な例も含めて紹介します。
画像認識とは、AIに画像を読み込ませて、その画像がどのような特徴を持つのかを分析するAIシステムのことです。近年、特によく使われている画像認識の代表例は「顔認証システム」です。
顔認証システムは、人間がAIに近づくと、近づいてきた人間の顔を自動的に認識して、AIが連携しているデータベースと照合します。事前に登録されているデータベースとAIが認識した顔が一致していれば、合格したと判断されます。
空港における入国検査の簡略化などに、顔認証システムは役立っています。例えば、アメリカン航空などの一部の航空会社では、顔認証システムを導入することで、手荷物検査や搭乗手続きをパスポートの提示なしで実現しています。
音声認識とは、AIに音声を認識させて、その音声の特徴やルールなどを読み取るAIシステムのことです。近年では、ビジネスの現場などで「感情分析」と呼ばれる音声認識がよく用いられるようになってきています。
感情分析は、声の特徴から目の前の人が現在どのような感情を抱いているのかを分析する分析手法です。感情分析を行うことで、例えばAI接客ツールなどが目の前の人の気分に合わせて接客スタイルを変化させるなどの対応が可能になります。
他にも、Apple社の「Siri」というアプリや、Amazonの「Echo」などのスマートスピーカーも、音声認識を活用したサポートシステムとして、世界中で広く使われています。
文字認識は、AIが文字を認識してルールやパターンを導き出すAIシステムです。特に有名なシステムのひとつに「AI-OCR」があります。AI-OCRとは、紙に書かれている文字を読み取り、データ化するOCRと呼ばれるシステムに、AIを組み合わせた技術のことです。
従来のOCRは、文字認識の精度が決して高くはありませんでした。複雑な漢字を認識し間違えたり、似ているひらがなを取り違えたりする例が多く、出力後に人間が訂正しなければならない場面も多々ありました。
しかし、AI技術を掛け合わせることによって、文字認識の精度が向上し、人間が修正しなければならない部分が減少して、ビジネスの現場などでもOCRが活躍する機会は増えています。

パターン認識を活用したAIサービスには、画像認識や顔認証、OCR、外観検査、異常検知など、さまざまな種類があります。ここでは、代表的な7つのパターン認識を活用したAIサービスを、具体的なサービス内容とともに紹介します。
画像認識・画像解析とは、AIが画像データから画像の特徴やルールを分析して、その特徴やルールをビジネスや人々の生活に役立てるAIサービスです。画像認識・画像解析サービスを実際に提供している企業の例としては、下記のようなものがあります。
また、画像認識・画像解析サービスは、さまざまな実証実験も行われています。例えばコンサルティングサービスのクニエは、アメリカのスタートアップ企業「DeepTek」と共同で、AIにおける画像診断支援の実証実験をチュニジアにて行っています。
この実証実験では、AI画像診断を活用した肺画像診断を行い、誤診の削減や業務効率化を図ることを目的としています。アフリカでは医師不足が深刻化しており、AIの普及が医師不足の解消や医療品質の向上につながると期待されています。
顔認証システムとは、AIに人間の顔画像を認識させて、あらかじめ登録されているデータベースの内容と照合し、合致しているかどうかを判断するシステムのことです。近年では、オンライン上で本人認証の手続きを完了できる「eKYC」などの活用も広がってきています。
顔認証システムを提供している企業の例として、下記のような企業が挙げられます。
上記の中で、株式会社ライナフの事例について紹介します。株式会社ライナフでは、「ライナフGate」と呼ばれる顔認証システムをリリースしています。ライナフGateは、マンション専門の顔認証AIであり、マンションのゲートで顔認証を用いて住民であるかどうかを判断し、鍵を持たなくても入場できるようにすることを目的としています。
マンション専門AI顔認証システム ライナフGateがザ・パークハビオに初導入
エントランスに機器を設置するだけなので、導入も比較的手軽であり、入居者の利便性を向上する効果が期待できます。
OCR・文字認識は、印刷物などに印刷されている文字をスキャナーで読み取り、データ化する技術のことです。認識できる文字は必ずしもコンピューターなどで打ち込まれた整った文字だけではなく、手書きの文字も認識できます。
OCR・文字認識を利用することで、これまで紙ベースで保管していたビジネス文書などをデータ化し、資源の節約やデータ検索の効率化、保管スペースの削減、業務効率化を図れるなどのメリットがあります。
OCR・文字認識サービスを提供している事業者には、次のような例が挙げられます。
RICOH Cloud OCR for 請求書は、取引先から受領した請求書の情報をOCRで電子データ化し、会計システムや銀行支払システムと連携できます。自動的にデータの転記が完了するため、業務効率化やヒューマンエラーの削減が期待できます。
外観検査とは、建物や製造物など、物体の外観を検査して、正常な状態と差異がないかどうかを検知するためのAIシステムです。例えば工場で製造されたお弁当に異物が混入していないかどうかを検査して、異物があればアラートを通知するなどの対応が可能です。
精度が高いサービスを利用すると、肉眼では見つけることが難しい微細な異物でも発見できます。
外観検査サービスを提供している企業の例としては、次のようなものがあります。
株式会社アラヤでは、InspectAIとキーエンスのカメラをセットにして、毛髪の混入を検出できる外観検査AI装置を提供しています。検査精度は0.1mm程度のごく小さな異物や傷でも発見できるほど高く、異物が混入している食品が出荷される前に、出荷に値しない製品を検出することが可能になります。
異常検知・予知保全とは、工場などで使われている機械の異常を検知して、故障する前に検出するためのAI技術のことです。これまでは定期点検などで機械の異常を事前に発見し、早い段階でメンテナンス作業を行うか、実際に故障が起こってから修理・交換対応を行うかのどちらか一方を選択することしかできませんでした。
しかし、AIによる異常検知・予知保全を利用すれば、自動的に故障の予兆を検知して最適なタイミングで修理・交換を行えるので、コストの効率化や作業員の負担軽減を図れます。
異常検知・予知保全サービスを提供している例として、次のような企業が挙げられます。
また、東大発のAIベンチャー「Deep Consulting」では、異常検知精度を高めるためのアルゴリズムを実用化するために研究を行っています。このように、異常検知・予知保全は現在もリアルタイムで進化を続けています。
音声認識・音声分析は、人の声や機械の音などを認識・分析しするAI技術のことです。本記事でも既に紹介した感情分析のほかにも、機械が正常に稼働している状態の音をAIに学習させ、異常音が検知されるとアラートを通知するシステムなどが、異常検知・予知保全の一部として提供されています。
また、音声を認識して文字に変換し、データとして保存するなどの仕組みも、音声認識・音声分析技術のひとつです。音声認識・音声分析サービスを提供している事業者としては、次のような例が挙げられます。
上記のように、コールセンターやコンタクトセンター向けの音声認識・音声分析も充実してきています。電話応対の内容から自動的に応対履歴を作成したり、リアルタイムでモニタリングしたりすることができるようになり、応対品質の向上や応対履歴作成にかかる業務負担の軽減を図れます。
議事録作成にも、パターン認識を活用したAIが活躍しています。議事録作成システムは音声認識・音声分析の一種であり、会議などの録音音声をAIが自動的に分析して文字データに変換し、議事録を作成してくれます。人の手でデータを書き起こす手間がかからなくなるため、業務効率化や従業員の業務負担軽減につながります。
議事録作成サービスを提供している企業の例としては、次のようなものが挙げられます。
実際にAIを活用して業務効率化に成功した例として、日本保健医療大学が「スマート書記」と呼ばれる議事録作成システムを導入し、発言録作成工数にかかる工数を最大7割削減したという例があります。
日本保健医療大学、音声×AIで議事録作成「スマート書記」導入で発言録作成工数を最大7割削減
また、発言録作成にかかっていた工数をより生産性の高い業務に割り当てられるようになり、「大学をより良くする」活動に時間を割けるようになりました。
パターン認識を活用することで、物体の形や色、人の顔の特徴などを学習できるようになり、従来の機械学習のみのAI活用に比べて多種多様なサービスを展開できるようになりました。
パターン認識を取り入れたAIサービスには、画像認識や音声認識、文字認識など、多くの種類があります。現場に適したAIサービスを導入することで、従業員の負担軽減や業務効率化、コスト削減などさまざまなメリットが期待できるため、ぜひ積極的に導入を検討してみましょう。
機械学習について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
機械学習とは?種類や仕組み、活用事例をわかりやすく簡単に説明
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
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