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最終更新日:2026/07/13
GPT-Liveは、OpenAIが2026年7月8日に発表した新世代の音声モデルです。聞きながら話せるフルデュプレックス構造の仕組み、Advanced Voice Modeとの違い、プラン別の料金と提供範囲、法人利用の可否、音声データの扱いまで、公式情報をもとに解説します。
OpenAIが新しい音声モデルを発表して以来、「GPT-Liveって結局なにが変わったの?」「自分のプランで使えるの?」「Advanced Voice Modeとどう違うの?」という声が増えています。
一言でいえば、ChatGPTの音声機能を根本から作り替えるアップデートがGPT-Liveです。聞くことと話すことを同時に行えるため、これまでの「交互に話す」やり取りから、人と話しているような会話へと一気に近づきました。
本記事では、GPT-Liveの仕組みと進化点、プラン別の料金と提供範囲を、OpenAIの公式情報をもとに整理します。さらに、法人向けワークスペースでは提供開始時点で利用できないという事実も取り上げています。読み終えるころには、自社や自分の環境でGPT-Liveを使えるかどうかを判断できるはずです。

GPT-Live(GPT Liveとも表記されます)とは、ChatGPTの音声機能「ChatGPT Voice」を刷新する新世代の音声モデルです。最大の特徴は、聞きながら同時に話せる点にあります。
OpenAIは現地時間2026年7月8日(日本時間7月9日)にGPT-Liveを発表しました。iOS・Android・ChatGPT.comのWeb版に向けて、世界中で順次展開されています。
現在、ChatGPTのVoiceやDictation(音声入力)といった機能は、週に1億5,000万人以上に利用されています。その体験全体が変わるという意味で、今回のアップデートのインパクトは小さくありません。
提供されるモデルは2種類です。
つまり、無料プランでもGPT-Liveの体験そのものは利用できます。ただし提供範囲の重要な条件は、後述の「料金と対応プラン」の比較表で解説します。
APIでの提供も予定されており、開発者や企業は公式フォームから通知の登録が可能です。
出典: Introducing GPT-Live|OpenAI

GPT-Liveの本質は、「連続的なインタラクション」と「深い処理の分離」という2つのアーキテクチャ変更にあります。順番に見ていきましょう。
GPT-Liveは、フルデュプレックス(全二重)というアーキテクチャで構築されています。フルデュプレックスとは、聞くことと話すことを同時に行える方式のことです。
従来のように「メッセージのかたまり」を順番に処理するのではなく、GPT-Liveは入力を受け取りながら出力を生成し続けます。そのため「話すか」「聞き続けるか」「一時停止するか」「割り込むか」「ツールを呼び出すか」といった判断を、1秒間に何度も下せるのです。
この設計から、次のような振る舞いが生まれます。
2つ目の転換が、会話を担う部分と重い処理を担う部分の切り離しです。
Web検索や深い推論、複雑な作業が必要な質問を受けると、GPT-Liveはそのタスクを別のモデルに委譲(delegation)します。提供開始時点で裏側に置かれているのはGPT-5.5。今後フロンティアモデルが更新されるたびに、裏側のモデルも継続的に差し替えられる予定です。
重要なのは、委譲している間も会話が止まらないこと。裏で検索や推論が走っている間も、GPT-Liveはユーザーと話し続けます。結果として、気まずい沈黙が生まれません。
GPT-Liveが何を解決したのかは、過去の2方式と並べると分かりやすくなります。
| 方式 | 代表例 | 仕組み | 抱えていた課題 |
| カスケード型 | 初代ChatGPT Voice | 音声認識(STT)→LLM→音声合成(TTS)を直列に接続 | モデル間で情報が失われ、応答が遅くぎこちない |
| ターン制 | Advanced Voice Mode | 単一モデル内で音声を処理・生成 | 沈黙で発話の終わりを判定するため、短い間や背景ノイズで誤って割り込む |
| 全二重 | GPT-Live | 入力処理と出力生成を同時並行 | 提供開始時点では動画・画面共有に非対応 |
出典: Introducing GPT-Live|OpenAI

GPT-Liveが搭載されたChatGPT Voiceの進化は、大きく4つに整理できます。「自然な会話」「賢い回答」「聞き上手」「ビジュアル表示」です。
話している途中で割り込んで質問する、考えをまとめるために少し黙る、「もう少しゆっくり話して」と頼む。こうした操作が自然にできるようになりました。
ChatGPTの側も「mhmm」「got it(わかった)」といった短い言葉で相槌を打ちます。会話についてきていることが、声から伝わる仕組みです。
音声そのものも刷新されました。ChatGPTに用意された9種類の音声が、GPT-Live向けにリマスターされています。内訳はArbor、Breeze、Cove、Ember、Juniper、Maple、Sol、Spruce、Valeです。
なお、あらかじめ用意されたChatGPTのパーソナリティ(性格プリセット)は、現時点ではLiveに適用されません。会話中に口調やテンポを指示する形になります。
回答の深さは、用途に応じて切り替えられます。
具体的なモデルの割り当ては以下の通りです。GPT-Live-1 InstantとGPT-Live-1 miniはGPT-5.5 Instantを、GPT-Live-1 MediumとHighはGPT-5.5 Thinkingを中〜高の推論強度で使用します。
設定方法は「設定→音声→Intelligence」からです。ただしこの項目はアカウントによって表示されない場合があり、選べるレベルもプランによって異なります。推論レベルを上げると、特にWeb検索を伴う場面で応答までの時間は長くなる点に留意してください。
音声だけでは伝わりにくい情報もあります。GPT-Liveでは、会話の最中に天気・株価・スポーツなどのトピックについて、リッチなビジュアルカードを画面に表示できるようになりました。
Web検索、メモリ、画像の扱いにも引き続き対応します。会話中に画像を添付したり、話せない場面ではテキストで入力したりと、同じチャットの中で音声とテキストを行き来できる設計です。
ユーザーが少し黙っても、ChatGPTはすぐに割り込まなくなりました。会話の冒頭で「私が聞くまで待って」と伝えれば、黙って聞き続けます。
通り過ぎる車の音や近くの話し声といった背景ノイズがあっても、ユーザーの声に集中しやすくなった点も改善のひとつ。移動中や屋外での利用を想定した進化と言えるでしょう。
このほか、Apple CarPlayでの音声会話や、他のアプリを使いながら会話を継続する「バックグラウンド会話」といった設定も用意されています。
出典: Introducing GPT-Live|OpenAI / ChatGPT Voice|OpenAI Help Center

GPT-Liveは、人間による評価と各種ベンチマークの双方で、従来のAdvanced Voice Modeを上回りました。
OpenAIは会話の心地よさと流れを測る新しい人間評価を設計しています。5〜10分の会話を対象にした比較では、総合的な好ましさ、発話の受け渡し、割り込み、会話の流れ、やり取りの自然さのいずれにおいても、GPT-Live-1とGPT-Live-1 miniがAdvanced Voice Modeより強く好まれました。
ベンチマークの結果は次のとおりです。
| ベンチマーク | 測定する内容 | 結果 |
| GPQA | 生物・化学・物理における専門家レベルの科学的推論 | GPT-Live-1がAdvanced Voice Modeを大幅に上回る |
| BrowseComp | エージェント的なWeb検索と、見つけにくい情報を探し出す能力 | GPT-Live-1が明確なスコア向上 |
| τ³-Voice Telecom(社内版) | 現実的な複数ターンの通信サポート業務 | GPT-Live-1がAdvanced Voice Modeを上回る |
ただし、この性能向上をどう解釈するかには議論があります。スコアの伸びは音声対話層そのものの進化というより、裏側でGPT-5.5に処理を委譲していることに由来する部分が大きいのではないか、と指摘する声も一部のメディアから出ています。この点についてOpenAIは公式に見解を示していません。
出典: Introducing GPT-Live|OpenAI / GPT-Live System Card|OpenAI Deployment Safety Hub

結論から言うと、GPT-Liveは無料プランでも使えます。GPT-Live自体に追加料金はなく、ChatGPTの各プランに含まれる形で提供されます。
ただし、使えるモデルはプランによって異なります。そして法人向けワークスペースは、提供開始時点では対象外です。
| プラン | 標準で使えるモデル | 提供開始時点の状況 |
| Free | GPT-Live-1 mini | 利用可(順次展開) |
| Go / Plus / Pro | GPT-Live-1 | 利用可(順次展開) |
| Business | ― | 利用不可 |
| Enterprise | ― | 利用不可 |
| Edu | ― | 利用不可 |
※OpenAI公式ヘルプセンターに基づきます。提供条件は変更される可能性があるため、最新の情報は公式サイトをご確認ください。
対応環境はChatGPTのWeb版とiOS・Androidアプリです。加えて、次の環境では提供開始時点でLiveを利用できません。
音声機能の利用上限はプランと音声オプションによって異なり、変更される場合もあります。上限に近づくと、ChatGPT上に通知が表示される仕組みです。
出典: ChatGPT Voice|OpenAI Help Center / Introducing GPT-Live|OpenAI

ここが本記事で最もお伝えしたい部分です。ChatGPT Business・Enterprise・Eduのワークスペースでは、提供開始時点でGPT-Liveを利用できません。
法人利用を検討している場合、まず確認すべきは自社の契約形態です。
「無料版を含むすべてのユーザーが利用可能」と報じている記事も見かけますが、これは個人向けプランに限った話です。OpenAIの公式ヘルプセンターには、Business・Enterprise・Eduのワークスペースでは提供開始時点でGPT-Liveが利用できず、該当プランのユーザーは従来通りの音声オプションを継続して利用する旨が明記されています。
ここを取り違えると、社内展開の計画そのものが狂いかねません。加えてLiveは段階的な展開のため、プラン・地域・ワークスペース・アプリのバージョンによって表示が異なります。
情報システム部門や法務部門が気にするのは、音声データの扱いでしょう。公式ヘルプセンターの記述を整理します。
なお、OpenAIはデータ保持について、法的手続きの影響を受ける可能性がある旨を公式ヘルプセンターに注記しています。最新の条件は必ず公式サイトをご確認ください。
社内会議にそのまま持ち込める形で整理しました。
出典: ChatGPT Voice|OpenAI Help Center

「GPT-LiveがAdvanced Voice Modeを置き換える」という説明を見かけますが、これは正確ではありません。AdvancedもStandardも設定画面に残り、用途によって使い分ける形になります。
とくに動画や画面共有を使いたい場合は、今もAdvancedを選ぶ必要があります。
| モード | 位置づけ | 動画・画面共有 | 主な用途 |
| Live | 最新の音声体験(GPT-Live搭載) | 非対応 | 自然な対話、Web検索、メモリ、ビジュアル表示 |
| Advanced | 従来のリアルタイム音声体験 | 対応(対象プランのモバイルアプリ) | 画面を見せながらの質疑、カスタムGPTsとの音声会話 |
| Standard | 発話を文字起こししてから応答する方式 | ― | Liveが使えない環境での代替 |
切り替えは「設定→音声(Settings→Voice)」から、Live・Advanced・Standardのいずれかを選ぶだけ。表示される選択肢は、プラン・地域・アプリのバージョンによって変わります。
カスタムGPTsとの音声会話も、Advanced経由であれば引き続き利用できます。その際、GPTsではShimmerという専用の音声が使われます。

便利になった一方で、提供開始時点では5つの制限があります。
| 制限事項 | 内容 |
| ①動画・画面共有 非対応 | Liveでは動画や画面共有を使えません。連携アプリやプラグインも提供開始時点では対象外です。OpenAIは今後の対応を予定しています。 |
| ②言語による品質差 | GPT-LiveはChatGPTでよく使われる言語向けに最適化されており、言語によっては非ネイティブのアクセントや流暢さの不足が生じる可能性があります。 |
| ③1対1会話向けの設計 | Liveは基本的に1対1の会話を想定した設計です。背景ノイズには対応できるものの、複数話者の環境には最適化されておらず、人同士が話している声に反応してしまうことがあります。議事録用途を考えている方は注意してください。 |
| ④API 未提供 | APIでの提供は「近日中」とされており、現時点では自社サービスへの組み込みはできません。 |
| ⑤相槌の多さへの指摘 | 初期のユーザーからは、相槌が多すぎてかえって会話の邪魔になる、という声も一部で報告されています。ここは公式の見解ではなく、あくまで利用者の感想として捉えてください。 |
音声会話はリアルタイムで進むため、OpenAIは音声に固有の安全対策を用意しています。
危険な出力を検知した場合には、より安全な応答へ誘導する、支援リソースを表示する、リスクの高い場面では音声会話を終了する、といった仕組みが働きます。自傷に関する会話では、専門家が監修したクライシスヘルプラインの案内が行われます。
10代のユーザー向けには、年齢に応じた振る舞いをモデルに直接学習させました。保護者はペアレンタルコントロールで子どもの利用可否を決められ、自傷や自殺の意図が疑われる高リスクな状況では連携した保護者に通知が届く場合もあります。実在する人物の声を模倣しないための安全対策も導入済みです。

リアルタイム音声AIの分野では、GoogleのGemini Liveが先行してきました。両者は「聞きながら話す」自然な会話という目標こそ共通しているものの、強みの置きどころが異なります。
| 観点 | GPT-Live | Gemini Live(Gemini 3.1 Flash Live) |
| 設計思想 | 会話の自然さ+裏側のフロンティアモデルへの委譲による「賢さ」 | 低遅延と多言語対応を軸にしたリアルタイム対話 |
| 動画・画面共有 | 提供開始時点では非対応 | 対応 |
| API | 近日提供予定 | Live APIでプレビュー提供中 |
Gemini 3.1 Flash Liveは2026年3月にGoogleが公開したモデルで、90言語以上のリアルタイム多言語会話に対応します。生成された音声にはSynthIDという電子透かしが埋め込まれる点も特徴的です。
現時点では「どちらが優れているか」を断じる段階にありません。動画や画面共有を伴う業務が中心ならGemini Live、会話の自然さと検索・推論の賢さを重視するならGPT-Liveというように、用途から選ぶのが現実的でしょう。
出典: リリースノート|Gemini API|Google AI for Developers
GPT-Liveについて、本記事の要点を振り返ります。
次のアクションはシンプルです。まず自社の契約プランを確認し、設定→音声からLiveを選べるかどうかを試してみてください。そのうえで、音声クリップの保持期間と学習利用の設定を、社内の情報セキュリティ規程と照らし合わせましょう。
アイスマイリーでは、生成AI のサービス比較と企業一覧を無料配布しています。課題や目的に応じたサービスを比較検討できますので、ぜひこの機会にお問い合わせください。
使えます。無料プランではGPT-Live-1 miniが標準モデルです。有料プラン(Go・Plus・Pro)ではGPT-Live-1が使われます。
問題ありません。Liveは聞くことと話すことを同時に行えるため、割り込みや発話の継続に対応します。ただし発話の重なり、背景ノイズ、ネットワークの状況、マイク設定などが聞き取りに影響する場合があります。
Liveは段階的に展開されているため、プラン・地域・ワークスペース・アプリのバージョンによって表示が異なります。まずアプリを最新版に更新してください。それでも表示されない場合は、AdvancedまたはStandardをご利用ください。
おすすめしません。Liveは1対1の会話向けに設計されており、複数話者の環境には最適化されていないためです。録音と文字起こしが目的であれば、ChatGPTのDictation(音声入力)の利用を検討してみてください。
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