生成AI

最終更新日:2026/06/23
2026年6月8日にApple本社で開催されたWWDC26にて、刷新版アシスタント「Siri AI」が発表されました。同社のパーソナルインテリジェンス基盤「Apple Intelligence」に、画面内容の理解や個人データの横断検索を組み合わせ、アプリをまたいだ操作まで一貫してこなします。
本記事では、Siri AIの概要から対応機種・対応OS、設定方法、業務での活用例までをわかりやすく紹介します。提供時期や注意点など、自社での導入判断に必要な情報を解説します。

Siri AIは、2026年6月8日のWWDC26で発表された新しいバージョンのSiriで、より高性能で対話的なアシスタントとして位置付けられています。メッセージやメール、カメラといった日常的に使うアプリの中に自然に溶け込む形で動作する点が特徴です。
質問への回答に加えて、文脈をふまえた提案やアプリ操作を1つの流れで遂行できます。開発者向けテストは発表当日にスタートしており、一般ユーザー向けは年内の提供(ベータ版)が予定されています。
Siri AIの中核は、Appleの生成AI基盤「Apple Intelligence」です。Siri AIのために新しく構築されており、端末上で動くApple Foundation Modelsと、プライバシーを保護するPrivate Cloud Computeの組み合わせによって処理されます。Apple Intelligenceの能力を、Siriという入り口から引き出す仕組みになっています。
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業務利用の観点から押さえておきたい、従来のSiriからの主な進化点は次の5点です。
パーソナルコンテキスト(個人の文脈)を理解する機能が備わっています。メッセージ・メール・写真など、蓄積された個人のデータを横断的に検索し、今必要な情報を取り出せます。
例えば、友人がメッセージで教えてくれた店を後で探す、古いメールに埋もれてしまったホテルの予約番号を探し出す、などの操作がテキストだけで完結します。キーワードの完全一致ではなく、文脈を辿って目的の情報に到達できる点が特徴です。また、Spotlightと連携させることで、外部アプリを含む横断検索にも利用できます。
アプリをまたいで操作する「Systemwide App Actions」が搭載されています。質問に答えるだけでなく、複数アプリを横断した一連の作業を代行できます。これまで複数アプリを行き来して手作業していた処理を、対話を通してまとめて任せられるようになりました。
業務において、メールをゼロから下書きする、写真を編集してまとめて共有する、といった操作の効率化につながります。
専用のアプリには過去のやり取りが保存されます。会話履歴はiCloudを通じて端末間で同期されるため、Macで始めた対話の続きを、移動中にiPhoneやApple Watchで再開できます。
業務でPCとモバイルを併用する際、作業の引き継ぎがスムーズになります。なお、データの同期は、同社のプライバシー設計のもとで行われると説明されています。
画面に表示されている内容を理解する「オンスクリーン認識(画面認識)」機能によって、表示されている画面の内容に関する質問ができます。例えば、表示中のテキストや画像について「この単語を説明して」「この内容で予定を作って」と依頼すれば、画面の文脈をふまえて応答や操作を返してくれます。
目の前の画面を起点に作業を進められるため、情報のコピペやアプリの切り替えといった手間を減らせます。
呼び出し方法が多様化し、「Hey Siri」と話しかける以外にも、デバイスごとに最適な入り口が用意されました。iPhoneでは、サイドボタンまたはダイナミックアイランドを下にスワイプして会話を始められます。
iPadとMacのSpotlightにもSiri AIが統合され、検索窓からそのまま質問や会話を開始することも可能です。Apple Vision Proでは、3D表示を見つめて話しかけるだけでSiri AIが起動します。専用アプリを開かずとも、普段使っている操作の延長で思いついたまま使える点がメリットです。

Siri AIを実際に使える端末とOSを確認します。iOS 27などのOSが動く端末と、Siri AIが動く端末は範囲が異なる点に注意が必要です。
現時点での対応端末は、以下の通りです。
| カテゴリ | 対応端末 |
| iPhone | iPhone 16シリーズ以降の全機種、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max |
| iPad | iPad mini(A17 Pro)、M1以降を搭載したiPad |
| Mac | M1以降を搭載したMac |
| Apple Watch | Series 10以降、Ultra 2以降、SE 3(Apple Intelligence 対応 iPhoneとのペアリング) |
| Apple Vision Pro | 対応 |
なお、より表現力の高い音声や高精度の音声入力などの一部機能は、12GBの統合メモリを備えた新しい端末(iPhone 17 Proなど)が必要です。
上記に挙げた端末以外は基本的に非対応です。具体的には、iPhone 15・iPhone 15 Plus、およびiPhone 14シリーズ以前(14 / 13 / 12など)が対象外です。ただし、iPhone 15でもPro・Pro Maxは対応端末に含まれます。
iOS 27自体は導入できても、Siri AIは利用できません。iPad・Macは、A17 ProやM1より前のチップを搭載したモデルは対象外です。
Siri AIに対応できるOSは次の通りです。
いずれも対応端末向けに無償アップデートとして提供されます。なお、Apple WatchのSiri AIは他OSより遅れることが見込まれます。

開発者向けは2026年6月8日(WWDC26当日)に提供がスタートしています。正式版のOS(iOS 27など)は今秋(例年通りであれば9月頃)に、対応端末へ無償で配信される見込みです。
OS自体は日本語を含む多言語に対応しますが、Siri AIの機能は英語設定のユーザー向けに先行提供され、日本語を含む他言語へは順次拡大されると想定されます。
ここからは、Siri AIを有効化する手順と、動作しない場合の対処法を説明します。
まず、Apple Intelligenceを有効にします。基本的な流れは、以下の通りです。
また、Siri AIの有効化には、対応端末であること、対応言語(当初は英語)に設定されていること、そして提供対象の地域であること、の3点が必要です。これらの条件を満たしていれば、モデルのダウンロードが可能です。
使わない場合は、上記の「Apple Intelligence & Siri」で Apple IntelligenceをOFFにします。OFFにすると関連機能が無効化され、ダウンロード済みモデルが占めるストレージや、処理に伴う電池消費を抑えられます。
「Siri AIが表示されない」「反応しない・しゃべらない」といった不具合が見られる場合、まず設定を確認しましょう。端末が対応機種であるか、OSが対応バージョンに更新されているか、提供対象の地域か、システム言語が対応言語(英語)になっているかをチェックします。
多くの不具合は、いずれかの条件が満たされていないために発生します。加えて、Siriそのものの音声や言語設定や、ネットワーク接続も確認しておくと無難です。

画面の資料やWebページについて「この部分を要約して」「予定を作って」と依頼することで、コピペ不要で応答や操作が返ってきます。Macで選択した特定の範囲やiPadのスクリーンショット、Apple Vision Proで視線を向けたものなどについて尋ねることが可能です。
また、iPhoneのカメラに新しいSiriモードが加わり、シャッターを押すとSiriが目の前のものを認識し、情報の取得やアクションを自動で実行します。現場で機器や書類にカメラを向けて、その場ですぐ確認するといった使い方に向いています。
メールやメッセージ、写真を横断して、必要な情報を文脈から引き出せます。また、やり取りの文脈をふまえた提案も可能です。契約メールから条件を探す、過去の資料をキーワードや部分的な内容から見つける、など情報探索にかかる時間を短縮できます。
さらに、開発者が Spotlightと連携させれば、社内向けアプリを含む横断検索が実現するため、さらなる効率化を促します。
複数のアプリにまたがる作業を一続きで代行します。これまで複数のアプリを行き来しながら手作業で進めていた定型業務を、テキスト指示で遂行できます。例えば、受け取った連絡の内容を確認し、関係者への返信を下書きし、必要な予定を登録する、という一連の流れを処理できます。
また、社内で使う独自アプリも、App Intentsなどで連携させることでSiri経由の操作対象に組み込めます。
日付や場所が変わる情報や最新の動向を質問し、追加の質問をしながら1つの会話として深掘りできます。文書作成では、統合されたライティングツールが下書きの生成から推敲までを支援します。
やりたいことを言葉で伝えるだけで、原稿のたたき台を作り、表現の修正や調整も可能です。また、地図アプリと組み合わせれば、訪問先の予定を組み立てられます。
Siri AIは、ChatGPTやGeminiのアプリと同じ質問や対話をするツールと捉えられがちですが、立ち位置は異なります。それぞれの役割と性能、実務での使い分けについて整理します。
各モデルの違いについて、以下表で比較してみましょう。
| 項目 | Siri AI | ChatGPT / Geminiアプリ |
| 位置付け | OSに統合されたアシスタント | 単体のチャットボット |
| 強み | 個人データの横断検索、端末・アプリ操作 | 文章生成、専門的な対話 |
| データ連携 | メッセージや写真、アプリと標準連携 | 原則としてアプリ内で完結 |
| 呼び出し | システム全体(「Hey Siri」、サイドボタン、Spotlightなど) | アプリ起動が必要 |
Siri AIは、日常ツールに統合され、個人の文脈や端末操作と結びついて動くアシスタント的な立ち回りが可能です。一方、ChatGPTや Geminiのアプリは、単体で完結する汎用のチャットボットの性能が強く、高度な文章生成や専門的な対話を得意とします。
端末の操作や個人データとの連携が必要な場面は、Siri AIが向いています。メールから情報を探す、写真を呼び出す、アプリをまたいで操作するといった端末内に限定されるようなタスクです。
一方、ゼロからの長文作成や専門領域の深い対話、特定モデルの機能を使い込みたい場合は、ChatGPTやGeminiアプリが有利と言えます。実務では、端末内の情報整理や定型操作をSiri AIに任せ、創造的・専門的な生成タスクを各チャットアプリに振り分ける、といった使い分けが理想的です。

負荷の高い処理はPrivate Cloud Computeで扱う設計です。クラウド処理時も、ユーザーの個人データは保存されず、Appleを含む第三者がアクセスできない仕様になっています。
一方で、メール・メッセージ・写真などの個人データへ広くアクセスするため、利用範囲の理解と社内ルールの整備が必要です。データの流れを把握しておくことが望まれます。
基本的な機能は対応端末で利用できます。ただ、より高精度な音声やディクテーションを含む最高性能を使うなら、12GBの統合メモリを備えた一部の端末に限られます。
対象は、iPhone Air、iPhone 17 Pro、iPhone 17 Pro Max、M4以降のiPad、M3以降のMac、Apple Vision Pro(M5)などです。Siri AIを最大限に活かすには、これらの端末を用意する必要があります。
EUのデジタル市場法(DMA)への対応により、iOS 27 と iPadOS 27 では当初提供されないことがわかっています。ただし、MacとApple Watch、Apple Vision Pro では対応言語を設定することでSiri AIを利用できます。
現時点でEUの iPhone・iPad への提供時期は示されておらず、同社はユーザーのプライバシーとセキュリティを保って提供できる方法を模索しているとしています。
英語での提供が始まり、今後は対応言語が順次拡大される予定です。日本語版のSiri AIの提供時期は明確に示されておらず、正式な発表が待たれます。
導入を検討する際にも、英語環境での先行検証から始め、日本語や自地域への正式提供にあわせて本格展開する、という段階的な進め方が望ましいでしょう。
Siri AIは、Apple Intelligenceを基盤に、個人の文脈理解、画面・カメラの認識、アプリ横断の操作を集約した新しいAIアシスタント機能と言えます。現在、ベータ版かつ英語先行で提供されており、日本語やEU圏内のiPhone・iPadの対応時期は未定です。
利用には対応端末が必要で、最上位機能は12GBの統合メモリを備えたプレミアムラインのみ対応しています。業務導入では、端末の機種やプライバシー面の規約などを整備しておくことが重要です。
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対応端末が限定的で、古い iPhone や Mac のユーザーなど使いたくても使えない層が一定数います。また、メールや写真など個人データへ広くアクセスするため、プライバシー上の不安も懸念材料です。 加えて、ChatGPT や Gemini を使っている人にとっては、役割が重なって見え、不要だと受け取られる場合もあります。
Google と Apple は協力関係にあります。Apple は2026年1月、Google との提携を発表し、カスタムの Gemini 技術を利用する権利を得たと報じられています。Siriの負荷の高い処理を担うApple のクラウドモデルは両社の協業のもとで開発され、Gemini の出力を用いて洗練されたと説明されています。 ただし、Apple は「Siri AI は Gemini そのものではない」と明言しており、ユーザーがGeminiに直接アクセスするわけではありません。
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