SFA(営業支援)ツールとは? おすすめツールの特徴を比較
最終更新日:2024/01/18
営業支援ツール(SFA:Sales Force Automation)を活用し、営業活動に必要な行動やプロセスを数値化する動きが広がっています。これまで営業担当者の経験やカンに頼りがちだった営業メソッドを可視化できるので、チームでの情報共有や担当者のスキルの標準化に役立つとの評価を得ています。
ただ、有名どころのSFA(営業支援)ツールは機能が豊富な一方でコストがネックになり、導入に至っていないという企業も多いかもしれません。そこで今回は、SFA(営業支援)ツールの選び方や、無料で利用できるフリーの営業支援ツールなどをまとめました。
SFAについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
営業支援システム”SFA”とは?6つの機能やメリット、AI搭載でできることを解説
SFA(営業支援)ツールとは
SFAとは、Sales Force Automationを略した言葉です。日本語では、営業支援ツールや営業支援システムと呼ばれることもあります。そんなSFAツールは、企業の営業活動を管理したり分析したりすることが主な目的であり、行動管理や取引先管理、案件進捗管理といった営業にまつわるさまざまな機能が搭載されているツールです。
営業活動はどうしても属人化しやすい傾向にありましたが、SFAツールを活用すればデータ手動で効率的に営業活動の改善を図れるようになることから、近年注目を集めています。なお、CRMやMAとの違い、機能などについては以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ一緒にご覧ください。
参考:アイスマイリー「営業支援システム”SFA”とは?6つの機能やメリット、AI搭載でできることを解説」
SFA(営業支援)ツールの導入による効果
では、実際にSFA(営業支援)ツールを導入した場合、どのような効果を得られるのでしょうか。ここからは、導入することで得られる効果について詳しく解説していきます。
営業活動の可視化による効率アップ
SFA(営業支援)ツールを導入すると、営業の進捗状況や顧客情報などを可視化できるようになります。そのため、常にリアルタイムで必要な情報を得られるようになり、より的確なアドバイスできるようになるのです。
常に最新の情報を参考にしながら柔軟に改善を図れるようになることは、業務効率化という点でも大きなメリットがあるでしょう。
ナレッジ蓄積によるパフォーマンス向上
SFA(営業支援)ツールを導入すれば、案件に関する情報を一元管理できるようになります。そのため、自然とナレッジが蓄積されることになるわけです。その蓄積されたナレッジやノウハウを最大限活用する事ができれば、パフォーマンスの底上げにも繋がっていくでしょう。
これまでは、データの管理をすべて手作業で行わなければならなかったため、適切にナレッジを蓄積できないというケースも珍しくありませんでした。しかし、SFA(営業支援)ツールを活用すれば、データ基点で判断できるようになるため、的確なアプローチが可能になるのです。
さらに、従業員同士でより手軽にナレッジの共有も行えるようになるため、これまで以上に教育へのコストも削減できるようになります。
営業活動の標準化による属人性の回避
SFA(営業支援)ツールを活用すれば、営業活動によって獲得した人脈や顧客情報、そして成功事例などを、すべて資産(データ)として蓄積できるようになります。そのため、営業パーソンの異動や退職によってそれらの資産が失われる心配がなくなり、営業活動の標準化を実現できるのです。
営業活動の標準化を実現できれば、属人化の回避にも繋げられるため、異動・退職などが発生した場合の引き継ぎがスムーズに行えるようになります。
SFA(営業支援)ツールの選び方 5つのポイント
では、実際にSFA(営業支援)ツールを導入する場合、どのようなポイントに注意しながら選定すれば良いのでしょうか。ここからは、SFA(営業支援)ツールを選ぶ際のポイントを5つご紹介していきます。
使い勝手や操作性が良いか
最も重要なポイントと言っても過言ではないのが、「使い勝手や操作性が良いか」という点です。どれだけ魅力的な機能が多く搭載されているツールであっても、操作性が悪ければ意味がありません。しっかりと使いこなすことのできる操作性が備わっているかどうかは、導入前の段階でしっかりとチェックしておくべきでしょう。
画面構成が使いやすいか、簡単に入力作業を行えるか、といったポイントを押さえておくことで、使い勝手の悪いSFA(営業支援)ツールを導入してしまうリスクを抑えられます。
機能が自社に合っているか
現在は、さまざまな種類のSFA(営業支援)ツールが存在しており、それぞれ機能や特徴も異なります。そのため、自社の体制や業務内容を踏まえた上で、最適な機能を搭載したツールを導入することが大切です。
企業ごとに抱えている課題や目的も大きく異なりますので、それらを明確化した上で、「営業活動の効率化」に繋がる機能を搭載したツールを導入すると良いでしょう。
サポート体制が充実しているか
導入・運用に関する疑問やトラブルが発生した場合に、素早く解決できるサポート体制が充実しているかどうかも、SFA(営業支援)ツールを選ぶ上で重要なポイントの一つです。
ツールの導入・運用時にトラブルが発生したとき、素早く問題を解決できなければ、別の業務にも支障をきたしてしまいます。しかし、いつでも疑問や問題を解決してもらえるサポート体制が整ったツールであれば、そのような心配もありません。
そのため、トラブルが発生した際のサポート体制が充実しているかどうかは、導入前の段階でしっかりとチェックしておいたほうが良いでしょう。
既存システムとの連携が図れるか
SFA(営業支援)ツールの中には、既存システムとの連携を図ることが可能なものも存在します。多領域と連携できれば、より効果的にSFAを活用することが可能です。例えば、MA、受発注システム、名刺管理システムなど連携することで、より効率的にデータを蓄積したり、蓄積されたデータを活用したりすることができます。
そのため、既存システムとの連携が図れるかどうかという点も、SFA(営業支援)ツールの選定時にチェックしておくと良いでしょう。
適正価格で無料トライアルがあるか
SFA(営業支援)ツールはそれぞれ機能が異なるため、当然価格も異なります。そのため、自社の予算に適した価格であるかどうかは、しっかりとチェックする必要があるでしょう。いくら魅力的な機能が多く搭載されたツールでも、価格が予算を大幅に上回ってしまっては意味がありません。価格と機能のバランスを見ながら、最適なツールを選択することが大切です。
なお、最近では無料トライアルが設けられたSFA(営業支援)ツールも多くなってきていますので、無料トライアルで自社との相性をチェックしてから本格導入するのも一つの手段といえるでしょう。
無料版もあり! おすすめSFA(営業支援)ツールを比較
ここからは、おすすめSFA(営業支援)ツールの機能や特徴をご紹介していきます。ぜひ比較検討の材料として参考にしてみてください。
プロジェクトのタスクを管理する「Trello(トレロ)」無料版あり
プロジェクトのタスクをチームで管理するサービスの「Trello(トレロ)」。プロジェクトを「ボード」、タスクを「カード」として表現します。タスクの進ちょくに合わせて、未着手・着手・確認待ちというようにリストに移していき、付箋のような感覚でビジュアル的に管理するのが特徴です。
なお、トレロの開発にあたっては、トヨタの「カンバン方式」にインスピレーションを受けたそうです。
それぞれのカードに「誰が、いつまでに、何をするのか」という情報を入れることで、プロジェクトのメンバーの誰が見てもわかりやすいToDo管理が可能です。プロジェクト管理ツールなので、個人のToDo管理よりもプロジェクトの管理のように複数人でのやりとりが発生するケースのほうが、より使いやすさを発揮できるようです。
見込み客の管理から全てを一元管理するインド生まれのCRM「Zoho」無料プランあり
Zoho(ゾーホー) CRMは、見込み客(リード)の獲得から商談、受注、既存顧客との関係構築までを一元管理するクラウド型顧客管理(CRM)システムです。厳密に言うとSFAシステムとCRMシステムは異なる目的で利用されますが、基本の機能は似ています。
売上傾向や売上予測などの分析機能、顧客からのメール返信、請求書の送付、契約更新といったプロセスの管理が可能です。
Zohoでは、3ユーザーまで無償で使える無料プランが用意されています。スマホやタブレットでの利用ができ、低価格ながらわかりやすい操作感が人気の秘密のようです。
Zohoは、インドと米国シリコンバレーに本社を置き、2007年から日本市場に参入しています。過去4年間で日本でのビジネス規模が3倍に拡大し、2019年度以降も前年比1.5倍の成長をしました。
SNSとの連携機能がうれしい無料の営業支援ツール「NICE営業物語Smart3」
「NICE営業物語Smart3」は、スケジュール管理や営業報告作成、SNSを利用したグループ内での情報共有が無料でできる営業支援ツールです。
iOSカレンダー経由でGoogleカレンダーやExchangeとスケジュールを同期できるほか、Apple Watchと連携させて簡易営業報告やスケジュールの確認も行うことができます。営業報告をLINEやEvernoteに登録することも可能です。SNSとの連携に強みを持つ外回りが多い多忙な営業パーソンの強い味方になってくれることでしょう。
営業報告には写真を添付したり手書きメモでキャプションをつけたり、音声メモでの作成も可能なので、煩わしい書類の入力作業が簡単にできるのもうれしいですね。
参照:株式会社システムズナカシマ 無料営業支援アプリ「NICE営業物語Smart3」オフィシャルサイト
業務効率化とコスト削減が叶うSFA「Sales Cloud Einstein」
株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Sales Cloud Einstein」は、オンボーディング、トレーニング、コーチングといった、営業チームの能力開発やサポートを行うための機能が搭載されたSFAツールです。商談管理や売上予測はもちろん、活動履歴、顧客管理、見込み客管理などに必要な機能が多く搭載されています。
例えば、売上予測では、現在の積み上げ集計、視覚化されたシグナル、AIによる予測、過去のトレンドなどを活用して売上予測を実行、更新、管理します。リアルタイムでの売上予測が可能になるため、より柔軟な対応が可能です。
また、ワークフロー機能では、誰でも簡単に行えるマウス操作によって営業プロセスを自動化させることができます。一定条件を満たした場合にアラートメールを自動送信したり、案件が進捗した場合にタスクを自動的に割り当てたりと、さまざまなプロセスを自動化できるのが魅力です。
営業に必要なプロセスをワンストップで実行「ホットプロファイル」
株式会社ハンモックが提供する「ホットプロファイル」は、チャット、名刺管理、SFA、MAが1つに集約された利便性の高いツールです。代表的な機能の一つである商談・案件管理機能では、営業プロセスを定義することによって、新人営業にトップセールスと同じプロセスを定着させることが可能です。また、名刺管理機能では、99%という極めて高い精度で名刺情報をデータ化することができます。自動名寄せに対応している点も大きな魅力といえるでしょう。
さらに、経済産業省『クラウドセキュリティガイドライン』に準拠した運用体制で、万全のセキュリティ対策を講じている点も、特徴の一つです。 第三者認証も取得しており、より安心して利用することができる環境が整備されています。
参考:ホットプロファイル
AFA・MA・CRMすべてを搭載するオールマイティ「ネクストSFA」
株式会社ジオコードが提供する「ネクストSFA」は、MA・CRM機能も兼ね備えたSFA(営業支援)ツールであり、リード獲得から顧客管理までを一貫して活用できるという強みを持っています。
特徴としては、非常にわかりやすい案件管理画面であるため操作性に優れている点が挙げられるでしょう。フェーズごとの案件数や金額を一目で把握することが可能です。また、案件の確度や、確度ごとの金額、件数などの集計に関しても、ドラッグ&ドロップで簡単変更できます。そのため、これまで以上に管理業務を効率化することができるでしょう。
さらに、各種サービスと連携し、データを自動反映させることも可能であるため、営業からバックオフィスまで効率的な一元管理が行えます。既にご利用中のサービスでも連携可能な場合がありますので、気になる場合にはぜひ問い合わせてみてはいかがでしょうか。
参考:ネクストSFA
低コストから導入しやすいSaaS型SFA「KnowledgeSuite」
ブルーテック株式会社が提供する「KnowledgeSuite」は、SFA/CRM、問い合わせ管理、集計・分析ツール、グループウェアといったさまざまな機能が集約されたオールインワンタイプのSFA(営業支援)ツールです。
特徴としては、ユーザー数が無制限で利用できることが挙げられるでしょう。超過したデータ量分だけを支払う「定額+従量課金」タイプなので、月によって利用量にバラつきがある企業でも安心して導入することが可能です。
また、有料オプションではありますが、連携APIやセキュリティ強化といったサービスも用意されているため、自社の目的・課題に合わせて、コストを抑えながら柔軟にカスタマイズしたい場合にも向いているでしょう。
参考:KnowledgeSuite
直感的に使える機能と高いコストパフォーマンス「GENIEE SFA/CRM」
株式会社ジーニーが提供する「GENIEE SFA/CRM」は、月額2980円~プランから利用可能なコストパフォーマンスに優れたSFA(営業支援)ツールです。大手SFAのおよそ1/3のコストで導入できる点は、大きな魅力の一つと言えるでしょう。
また、案件管理の場合であれば、会社名・商談金額といった商談概要をカードにして、「発掘」「ヒアリング」「一次提案」「商談」「二次提案」などのフェーズごとに分類し、その後の進捗に応じてドラック&ドロップで簡単に変更できる仕組みも搭載されています。
一目でタスクを把握できるのはもちろんのこと、誰でも簡単に操作できる利便性の高さは、これまでSFA(営業支援)ツールを使用したことがなかった企業にとって大きな魅力といえるでしょう。
参考:GENIEE SFA/CRM
高度な自動化で日々の営業活動を効率化「HubSpot Sales Hub」
HubSpot Japan株式会社が提供する「HubSpot Sales Hub」は、CRMと連動したパイプライン管理、日々の営業活動を効率化するミーティング調整機能などで営業サイクルを短縮化しながら見込み客との関係を構築できる機能が揃っています。HubSpot Marketing HubやService Hubとの連携も簡単です。
Eメールの追跡と通知、受信トレイとHubSpotの連携(お使いのメールツール、タスク設定の自動化などの機能で、顧客への提案以外の業務を最小限にし、受注のためのアクションに集中することができます。
また、見込み客との接触が自動で細かく記録されるアクティビティフィード、自社ウェブサイト上に設置できるライブチャット、HubSpot上で個別見込み客向けに動画作成できる機能など、見込み客が情報を望むタイミングで適切なコミュニケーションを行えるよう支援する機能も充実しています。見込み客とのミーティング日程調整機能も多くのユーザーから高く評価されているポイントの一つです。
現場ファーストで分かりやすい画面構成が魅力「Mazrica Sales」
株式会社マツリカが提供する「Mazrica Sales」は、現場ファーストでビジネスの成長を支援するユーザーに選ばれるセールスプラットフォームです。顧客に紐づく案件や行動履歴はもちろんのこと、顧客の企業情報(企業概要、プレスリリース、有価証券報告書、財務情報)まで、顧客に関する社内外の情報を集約・統合し、様々な角度から顧客を理解する為の支援を行います。
また、行動管理では、日々の行動を時系列で表示させることも可能。チームメンバーの営業活動も簡単に把握できます。アクションを登録すると、チーム内の過去の類似案件から、ベストな方法をMazrica Salesが提示。Next Actionの設計に役立ちます。
さらにレポート機能では、売上実績や推移、着地見込みなどの数値データをわかりやすくダッシュボードで把握できます。また、受注率や進捗率の分析など営業活動において必要なレポートは標準で搭載されており、蓄積されたデータはアクションの改善やカスタムレポートの作成など、今後の営業活動に役立てることが可能です。
SFA(営業支援)ツールの効果的な活用方法
SFA(営業支援)ツールの多くは、どの端末からでも利用することができるクラウド型であるため、わざわざオフィスまで足を運ぶことなく外出先からでも操作できます。営業後、わざわざ帰社せずに必要資料を閲覧したり記録したりできることは、大きな魅力の一つといえるでしょう。
また、訪問前などに顧客情報に目を通しておけば、ミスの防止にもつながります。さらに、SFA(営業支援)ツールは、社内で簡単に情報共有を行うことも可能なため、出先からでも気軽に情報共有を行うなど、時間を有効活用することができます。
これまではどうしても属人化しがちな営業活動でしたが、SFA(営業支援)ツールの導入によって、属人化を防ぐことはもちろん、場所に捉われず作業できる環境も整備できるため、さらなる業務効率化が期待できるのです。
まとめ
営業活動を見える化するSFAツールは、いまや業務効率化に欠かせない存在となりつつあります。
ここまで紹介した営業支援ツールのほかにも、一定のトライアル期間であれば無料で利用できるツールもあります。SFAツールの導入を検討している場合は、こうした無料トライアルも利用してみると、実際の操作感がわかるので比較検討しやすいでしょう。
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