東京大学、生成AIとどのように向きあうべきか見解を発表
最終更新日:2024/02/21
東京大学は、学生や教職員がChatGPTなどの生成AIと今後どのように向き合うべきか、見解を発表しました。
このAIニュースのポイント
- ChatGPTのような生成AIは、言語活動や知的創作活動の一部を補完し、well-beingの向上に大きく貢献することが可能
- ChatGPTが生成した文章の信憑性や、機密情報、個人情報流出、著作権や試験の評価に問題が生じる可能性がある
- 社会に対する影響は大きいと予想され、今後どのようにしたら問題を生じないようにできるのか方向性を見出していくことが必至
東京大学の理事・副学長の太田氏は、ChatGPTをはじめとする「生成AI」と学生や教職員が今後どのように向き合っていくべきかの見解を発表しました。
ChatGPTやBingAI、Bard、Midjourney、Stable Diffusionなどの生成系AIは、上手に制御して利用すれば、言語活動や知的創作活動の一部を補完し、well-beingの向上に大きく貢献することができます。
生成AIの一つであるChatGPTでは、何か質問を書き込むと、様々な情報を交えて文章を返してくれ、文書作成や文書アウトラインの生成、翻訳、文章の修正・トーン変更、文章要約、コンピューター・プログラムの作成や修正、試験問題作成、調査・分析など幅広い活用が可能です。
またAPIが提供されているので、表計算ソフトや音声認識・発声ソフト、画像生成が可能な生成系AI等と連動させることができ、作業の自動化を図ることが可能です。例えば、表計算ソフトにGPTのAPIを連動させると、いろいろな国の人口や首都、主要産業、GDPなどを自動的に調べることができたり、スマートフォンの音声認識機能と連動させると、ChatGPTに料理のレシピなど、いろいろな質問を話しかけるだけで、音声で応えることができます。
一方で、生成系AIには技術的な課題もあり、今後の社会への悪影響が懸念されています。
ChatGPTは、大量の既存の文章やコンテンツの機械学習と強化学習を通じ、確率的にもっともらしい文章を生成する原理のため、書かれている内容に嘘が含まれている可能性があり、使いこなすには専門的な知識や、回答を批判的に確認し適宜修正することが必要です。
また、ChatGPTに送った質問の文章もChatGPTのシステムに蓄積され、学習される可能性があるため、機密情報や未公開の発明内容、研究費などの申請内容、個人情報などを安易に送信することは危険です。
他にも今後生成系AIの利用が普及する中で、社会の構造や産業構造にも大きな影響、変化が生じる可能性があり、法律や制度面においても対応をしていく必要があります。教育・研究活動の場においても、著作権侵害や試験の評価の問題が挙がっており、今後ますます普及が進んでいく生成AIに対して、どのようにしたら問題を生じないようにできるのか、その方向性を見出すべく行動することが重要です。
東京大学は「生成系AIの活用法や問題点、改善策などについて学内で議論の機会を設ける予定です。このような対話を通じて、社会とともにより良い世界の構築に貢献していただきたいです」とコメントしています。
出典:東京大学
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