AIと人のコミュニケーション!人工知能が接客・対話は可能?
最終更新日:2024/02/21
近年、さまざまな分野での活用が進んでいるAI・人工知能。対話できるロボットなども登場し、ますます生活の利便性は高まってきています。ただ、やはりAIロボットという存在に対して、「人間のようにスムーズなコミュニケーションは難しいだろう」といった印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
果たしてAIは、人間の気持ちを理解した上でコミュニケーションをとることができるのでしょうか。今回は、AIによる「コミュニケーション」の可能性について、詳しく見ていきましょう。
AIの活用事例について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能の利用例を解説!機械学習を活用した身の回りの実用例
人との対話を実現する上で欠かせない「コミュニケーション力」
AI技術の発展により、現在は多くのAI対話ロボットやAIコミュニケーションロボットが活躍しています。人間が「おはよう」と話しかけると「おはよう」と返してくれるなど、簡単なコミュニケーションであればスムーズに行えるロボットも多くなってきており、少しずつ技術の進歩を実感できるようになってきました。
ただ、人間同士のコミュニケーションと同レベルのコミュニケーションを楽しみたいという場合には、現状のAIロボットでは物足りなさを感じてしまうかもしれません。というのも、いま存在しているAIロボットは、あらかじめ設定された内容しか話すことができないからです。
そもそも、私たちが日常生活で行っているコミュニケーションは、言葉を用いただけの対話ではありません。言葉以外にも、「声のトーン」「表情」「ジェスチャー」「話すスピード」といった多くの要素が存在しており、それらを含めた上で初めてコミュニケーションが成り立っているのです。
そのため、常に同じスピードで話し続けるロボットに対して「人間味が感じられない」といった印象を抱いたことがある方も多いのではないでしょうか。それはまさに、私たちが日常生活でコミュニケーションを取るときの「声のトーン」「表情」「ジェスチャー」「話すスピード」といった要素が欠けていることが原因といえるわけです。
したがって、よりスムーズで違和感のないコミュニケーションを実現するには「表情」が極めて重要な要素といえるでしょう。
AI・人工知能に「コミュニケーション力」は実装できる?
では、将来的にAI・人工知能に「コミュニケーション力」を実装させることはできるのでしょうか。もしそのコミュニケーション力の実装が実現されれば、少子高齢化によってさまざまな業界で深刻化し始めている「人手不足」という問題の解消にも大きく貢献することになります。
ただ、AIの研究を行っている研究者の中で「コミュニケーション力の実装は可能」と断言している人は少ないというのが実情です。その大きな理由としては、「現在のAIは言葉(単語)の意味まで理解できていないこと」が挙げられるでしょう。
たとえば、「お母さんが病気にかかってしまったの」と話せば、ロボットは「大丈夫でしょうか?心配です…」といった返答をしてくれるはずです。しかし、それはあくまでも、あらかじめ設定された内容を話しているだけであり、しっかりと言葉の意味を理解した上で発したものではありません。ただ単に「病気」という言葉を聞いた上で、関連する言葉を導き出しただけなのです。
そのため、人の言葉や気持ちをしっかりと理解した上で対話できるようになるかという点は、AIの大きな課題といえるでしょう。とはいえ、現状のビジネスシーンにおいてAIのコミュニケーションがまったく役立っていないというわけでもありません。コールセンターなどでは、すでに一次対応をAIに任せているケースもあるからです。
しかし、やはり人の感情を理解することはできませんので、激怒している顧客をなだめたり、顧客の気持ちに寄り添ったりすることはできません。あくまでも決められた業務を遂行するだけの一次対応に過ぎないということです。
現在の音声対話では本当の意味での接客はできない
株式会社サイバーエージェントのAI Lab研究員である馬場惇氏が2018年に行ったプレゼンによると、現在の音声認識の正確性は99.4%と、ほぼ人間のレベルにまで高まっているそうです。また、数人の発話を同時に聞き分けることも可能になっているといいます。
ただ、それと同時に問題も発生しており、「入力から対話までの時間差が出てしまうこと」が大きな問題になっているそうです。たとえば、スマートスピーカーを利用する際、話しかけてから数秒待たなければ反応を得られないというケースは珍しくありません。これらはエンタメでの使用であれば我慢できるものですが、接客に利用するとなれば、トラブルの原因になってしま可能性もあるでしょう。こういったコミュニケーションの「テンポ」も、自然な対話を行う上では重要な要素であり、この要素が欠けることで大きな違和感を生んでしまうのです。
このような点から、馬場惇氏は「本当の意味での接客をさせることは難しい」と発言しています。もちろん、近年はロボットによる接客サービスも多くなってきていますが、人間の代替として遜色のないレベルかといえば、決してそのようなわけではないと言わざるを得ないでしょう。
また、テキストによる対話に関しても、一問一答に関する技術は大幅に進歩していますが、接客という観点でいえば実用的とはいえません。顧客から寄せられた質問に対して、その前提を確認したり、前の文脈を読み取ったりした上で会話を進めていくことができないからです。
そのため、話題性という点でいえば大きなインパクトがあるAIですが、人間と同じレベルの接客という点でいえば、残念ながらそのレベルを実現するのは難しいでしょう。
AI・人工知能は大きな可能性を秘めている
今回は、AIにおける「コミュニケーション力」の可能性についてご紹介しました。現段階では、AIが人間レベルのコミュニケーション力で接客を行うのは難しいということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、AIはまだまだ発展途上であり、今後さらに進化していく可能性も十分にありますので、将来的に人間レベルのコミュニケーション力を実装したAIが登場するかもしれません。機械学習や深層学習の追究によってAIのレベルがどのように高まっていくのか、今後の動向に注目です。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説
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