生成AI

最終更新日:2026/10/30
「Gemini 4 Carbonは何がすごいの?」「いつから使える?」「料金はいくら?」と気になっている方も多いでしょう。
Gemini 4 Carbonは、Googleが2026年10月28日(米国時間)に発表した最新のAIモデルです。第三者機関の総合指標で1位となり、サイバー防御の性能でも最高水準を記録しました。
本記事では、Gemini 4 Carbonの性能・料金・提供状況を公式情報をもとに整理しました。Gemini 4 Argonとの違いや、企業がいまから準備できることまで解説します。

Gemini 4 Carbonは、Googleの生成AI「Gemini」シリーズの最新モデルです。Googleは「当社で最も強力なモデル」と位置づけています。
Googleは2026年10月28日(日本時間29日)に、Gemini 4 Carbonを発表しました。発表したのは、Google DeepMindのKoray Kavukcuoglu氏です。
Carbonは、2週間前に一般公開されたGemini 4 Argonをもとに開発されました。性能の向上と並行して、安全対策も強化したとされています。
なお、Googleはこのような最先端の大規模モデルを「フロンティアモデル」と呼んでいます。Carbonは、Gemini 4世代の新たなフロンティアモデルという位置づけです。

出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google
Gemini 4 Carbonの特徴は、次の2つです。
大規模なプログラムの奥に潜む不具合も、原因を突き止めて修正まで進められるとのことです。行き詰まっても別の方法を試し、粘り強く作業を続けられる点が強みと言えます。
出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google

Gemini 4 Carbonは総合指標で1位になりました。Googleが示した17項目のうち、15項目で首位です。特にサイバー防御の分野で、他社の最上位モデルを上回っています。
Gemini 4 Carbonの性能まとめ(3つのポイント)
独立した評価機関のArtificial Analysisは、AIモデルの総合力を比べる指標を公開しています。最新版(v5.0)の「Intelligence Index」で、Gemini 4 Carbonは59点の1位です。
2位はAnthropicのClaude Opus 5.5で58点、3位はOpenAIのGPT-6 Astraで57点でした。前モデルのGemini 4 Argonは50点だったため、9点の上積みとなります。
※画像をタップすると拡大して表示できます。
※Artificial Analysisの評価は、Gemini 4 Carbonの推論設定「High」での結果です。
出典:Gemini 4 Carbon (High)|Artificial Analysis
Googleは、競合モデルと比べた17項目のベンチマーク結果を公表しています。主な項目を抜粋しました。
| 分野 | ベンチマーク | Gemini 4 Carbon | Gemini 4 Argon | GPT-6 Astra | Claude Opus 5.5 |
| 総合 | AA Index v5.0 | 59 | 50 | 57 | 58 |
| エージェント型のコーディング | FrontierSWE 2 | 61.2% | 55.0% | 65.5% | 62.3% |
| エージェント型のコーディング | Terminal-Bench 4.0 | 65.2% | 57.1% | 59.1% | 59.6% |
| コンピューター操作 | OSWorld-2.1 | 81.5% | 74.7% | 80.9% | 87.2% |
| 知識労働 | Vending-Bench 2 | 16,484ドル | 13,718ドル | 15,515ドル | 9,235ドル |
| 長文脈 | GraphWalks | 96.2% | 84.2% | 71.8% | 66.8% |
| 科学・数学 | RiemannBench | 80.0% | 76.0% | 72.0% | 69.6% |
| サイバーセキュリティ | CWE-bench | 71.0% | 68.0% | 68.0% | 67.0% |
| サイバーセキュリティ | SEC-bench Pro | 88.2% | 83.4% | 85.4% | ― |
※Googleの公式発表に基づきます。各モデルとも、最も高い推論設定での結果です。Vending-Bench 2は、自動販売機の経営を模した試験で最終的な残高を競います。
伸びが大きかったのは、長文脈の評価「GraphWalks」です。Argonの84.2%から96.2%へと、12ポイント上がりました。長い資料の中で、情報のつながりをたどる力が高まったと言えるでしょう。
Webアプリ開発の対戦型評価「WebDev Arena」でも、スコアを89点伸ばして4位(1768点)に入りました。
※画像をタップすると拡大して表示できます。
出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google
すべての項目で1位というわけではありません。17項目のうち、次の2項目では他社モデルが上回りました。
なお、Googleの評価資料によると、他社モデルの数値は各社の公表値が中心です。条件が完全にそろった比較ではない点に注意しましょう。
Artificial Analysisの評価では、Carbonは回答に多くのトークンを使う傾向が見られました。トークンとは、AIが文章を処理するときの単位です。
総合指標の評価で使った出力トークンは約2億で、中央値(約7,100万)の3倍近くにのぼります。通常料金で計算すると、1タスクあたりの評価費用は7.76ドルでした。
一方、出力の速さは毎秒84.9トークンで、平均(毎秒81トークン)をやや上回っています。費用を見積もる際は、料金の単価だけでなく、使うトークン量も考える必要があります。
出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google/Gemini 4 Carbon (High)|Artificial Analysis/Gemini 4 Carbon Model Evaluation|Google DeepMind

Gemini 4 Carbonが特に力を入れているのが、サイバー防御です。脆弱性の発見から修正まで、防御の一連の流れで最高水準の性能を示しました。
Googleは、サイバー防御の流れを3つの段階に分けて評価しています。
| 段階 | ベンチマーク | Gemini 4 Carbon | Gemini 4 Argon |
| 発見(脆弱性を見つける) | SEC-bench Pro | 88.2% | 83.4% |
| 検証(悪用できるかを確かめる) | ExploitGym | 54.8% | 42.0% |
| 修正(根本原因を直す) | CWE-bench | 71.0% | 68.0% |
※いずれも外部のベンチマークで、ガードレール(安全のための制限)を外した状態で評価されています。
脆弱性が悪用できるかを確かめる「検証」は、どれから直すべきかの判断に役立ちます。Carbonはこの検証の成功率が、Argonから12.8ポイント上がりました。
発見を測るSEC-bench Proでは、OpenAIのGPT-6 Astra(85.4%)も上回っています。

出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google
Googleの社内評価では、安全なコードを生成する成功率がArgonの2倍以上になりました。Chromeの開発チームからは、修正パッチの品質で他社の大規模モデルを10倍以上上回ったとの報告もあります。
Google Cloudのセキュリティ基盤であるWizも、Webの侵入テストの評価でCarbonが首位だとしています。
※いずれもGoogleの社内評価や報告で、詳しいデータは公開されていません。
Carbonは、性能だけでなく振る舞いの誠実さも改善されています。Googleが公表した主な改善点は次のとおりです。
あいまいな指示を受けたときは、推測で進めずに食い違いを利用者に示すよう訓練されています。確認が必要な点を先に伝えてくれるため、共同作業がしやすくなるとのことです。
プロンプトインジェクションとは、Webページなどに仕込んだ指示でAIを不正に操る攻撃です。Gray Swanの評価では、Carbonへの攻撃の成功率が0.0%でした。
Argonの0.7%からさらに下がり、評価したすべての攻撃を防いでいます。Webの閲覧やメールの処理をAIに任せる場面で、安心材料になるでしょう。

出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google

Gemini 4 CarbonのAPI料金は、100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルです。これはArgonと同じ導入価格で、導入期間が終わると入力4ドル・出力20ドルになります。
| 項目 | 導入価格 | 導入期間の終了後 |
| 入力(100万トークンあたり) | 2ドル | 4ドル |
| 出力(100万トークンあたり) | 10ドル | 20ドル |
※2026年10月30日時点のGoogleの発表に基づきます。キャッシュ済みの入力は、入力料金の95%引きです。導入期間がいつ終わるかは発表されていません。
キャッシュとは、同じ入力をくり返し使うときに、処理済みの内容を再利用する仕組みです。社内資料など同じ前提を何度も読ませる用途では、費用を大きく抑えられます。
Gemini APIの料金ページを見ると、Argonの導入価格は2026年11月30日までです。12月1日からは、入力4ドル・出力20ドルに上がります。

出典:Gemini Developer API の料金|Google AI for Developers
Argonの料金ページでは、出力料金に「思考トークン」も含まれると明記されています。思考トークンとは、AIが回答する前に考える過程で使うトークンです。Carbonの予算は、導入期間の終了後の料金で見積もっておくと安心でしょう。
Carbonを社内のコードレビューに使う場合の費用を試算しました。条件は、1日に入力200万トークン・出力40万トークン、月22日の利用です。
| 料金 | 1日あたり | 1か月あたり(22日) |
| 導入価格(入力2ドル・出力10ドル) | 8ドル | 176ドル |
| 導入期間の終了後(入力4ドル・出力20ドル) | 16ドル | 352ドル |
※公式の料金をもとにAIsmiley編集部が試算した参考値です。キャッシュの割引は含みません。
Carbonは思考に多くのトークンを使う傾向があり、出力が想定より増える可能性もあります。試験導入で実際のトークン量を測ってから、予算を決めるのが確実です。
出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google/Gemini Developer API の料金|Google AI for Developers

結論として、Gemini 4 Carbonは2026年10月30日時点で一般には公開されていません。まずはサイバー防御の担当者の一部に提供され、段階的に対象が広がる予定です。
Googleが示した提供の順番は、次のとおりです。
3つめの一般向けの提供は「できるだけ早く」とされ、具体的な日付は示されていません。Googleは、利用者の声を集めながらガードレールの調整を続けるとしています。米国政府が進める、公開前のモデルの自主的な試験にも参加しています。

出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google
Fairwind Programは、サイバー防御を担う組織に最先端のモデルを先行提供する取り組みです。Google DeepMindが運営し、政府や医療機関、通信事業者などを対象としています。
公式ページによると、提携先は世界で650以上です。参加を希望する場合は、Google Cloudの担当者に問い合わせます。悪用を防ぐため、用途は防御や研究に限られ、参加には審査もあります。

※2026年10月30日時点の公式ページでは、提供モデルとしてGemini 4 Argonが紹介されています。
出典:Fairwind Program|Google DeepMind
Carbonをすぐに使えない場合は、一般公開済みのGemini 4 Argonを使うのが現実的です。
Argonも9月30日の発表時点では、サイバー防御の担当者などに限って提供されていました。その後、10月13日からGeminiアプリの有料プランなどで使えるようになっています。
Googleは現時点で、一般向けのCarbonの提供経路を案内していません。「Gemini 4 Carbonが使える」とうたうサービスを見かけたら、公式の経路かどうかを確かめましょう。
出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google/Gemini 4 Argon comes to the Gemini app|Google/Google announces Gemini 4 Argon as its new frontier model|9to5Google

Carbonは、Argonをもとに性能と安全性を高めたモデルです。一方で、いますぐ使えるのはArgonだけという違いがあります。
| 項目 | Gemini 4 Carbon | Gemini 4 Argon |
| 発表日 | 2026年10月28日 | 2026年9月30日 |
| 提供状況 | サイバー防御の担当者など一部のみ | Geminiアプリ(AI Pro・Ultra)、Gemini API |
| API料金(導入価格) | 入力2ドル・出力10ドル | 入力2ドル・出力10ドル |
| 総合指標(Artificial Analysis) | 59 | 50 |
| 脆弱性の発見(SEC-bench Pro) | 88.2% | 83.4% |
| 攻撃の成功率(Gray Swan) | 0.0% | 0.7% |
※Googleの公式発表とGemini APIの料金ページ(2026年10月30日時点)に基づきます。
性能を重視するならCarbonですが、いま業務で使うならArgonが選択肢になります。Argonで業務の流れを作っておけば、Carbonの公開後に切り替えやすいでしょう。
出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google/Gemini Developer API の料金|Google AI for Developers

Googleの比較表をもとに、分野ごとに最も高いスコアを出したモデルを整理しました。総合力ではCarbonが首位ですが、分野によっては他社モデルが上回っています。
| 分野(ベンチマーク) | 最も高かったモデル | Gemini 4 Carbonの順位 |
| 総合(AA Index v5.0) | Gemini 4 Carbon(59) | 1位 |
| エージェント型のコーディング(FrontierSWE 2) | GPT-6 Astra(65.5%) | 3位(61.2%) |
| コンピューター操作(OSWorld-2.1) | Claude Opus 5.5(87.2%) | 2位(81.5%) |
| 知識労働(Vending-Bench 2) | Gemini 4 Carbon(16,484ドル) | 1位 |
| 長文脈(GraphWalks) | Gemini 4 Carbon(96.2%) | 1位 |
| サイバーセキュリティ(SEC-bench Pro) | Gemini 4 Carbon(88.2%) | 1位 |
※Googleが公表した5モデルの比較に基づきます。対象は、Gemini 4 Carbon・Argon、GPT-6 Astra、Claude Opus 5.5、Claude Fable 5.1です。
公表値で見る限り、長い資料の読み込みやセキュリティの用途ではCarbonが有力です。大規模な開発課題ではGPT-6 Astra、PC操作の自動化ではClaude Opus 5.5も候補になります。
ただし、これらはGoogleがまとめた比較です。自社の業務に近い課題で、実際に試して比べることをおすすめします。
出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google

Carbonの一般公開に備えて、企業が今のうちに進めておけることを整理しました。
情報システム部門やセキュリティ担当者は、Fairwind Programの対象になるかも確認しておきましょう。対象かどうかは、Google Cloudの担当者に問い合わせられます。

2026年10月30日時点では、一般の利用者は使えません。API料金は導入価格で、100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルと発表されています。無料で使えるかどうかは、案内されていません。
一般向けの提供日は発表されていません。Googleは、開発者・企業・一般の利用者に「できるだけ早く」提供するとしています。
Carbonの対応言語は、公式発表に記載がありません。一般公開の際に、公式の案内を確認しましょう。
Carbonのモデル名は、まだ公開されていません。Gemini APIの料金ページに載っているGemini 4世代のモデルは、2026年10月30日時点でArgon(gemini-4-argon)のみです。
Argonの提供を終える予定は、発表されていません。現時点で一般の利用者が使えるGemini 4世代のモデルは、Argonです。
出典:Gemini 4 Carbon: our next frontier model|Google/Gemini Developer API の料金|Google AI for Developers

Gemini 4 Carbonは、Googleが「最も強力」とする最新のフロンティアモデルです。要点を3つにまとめます。
API料金は導入価格で入力2ドル・出力10ドルと、Argonと同じ水準です。ただしトークンを多く使う傾向があるため、費用は実測してから見積もりましょう。
いま業務で使うなら、Gemini 4 Argonで検証を進めておくのがおすすめです。生成AIの導入を検討する際は、複数のサービスを比べておくと判断しやすくなります。
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