生成AI

最終更新日:2026/05/27
生成AI利用 企業動向調査
帝国データバンクは、「生成AIに関する企業の動向調査」の結果を発表しました。企業の生成AI活用率は34.5%で、活用企業の86.7%が「業務効果あり」と答えた一方、運用面での課題も明らかになりました。
このニュースのポイント
株式会社帝国データバンクは、「生成AIに関する企業の動向調査」の結果を発表しました。
本調査は2026年3月17日~3月31日に全国23,349社を対象に実施され、有効回答数は10,312社(回答率44.2%)でした。
生成AIを業務で活用している企業は、全体の34.5%でした。一方で、低活用層もなお約4割を占めています。「今後活用を検討」と活用余地を残す企業も14.2%おり、「活用を禁止」している企業は0.4%にとどまりました。生成AIは広がりつつある一方、企業全体としては移行期にあるとみられます。
規模別では、大企業が46.5%であるのに対し、中小企業は32.4%、小規模企業は28.0%でした。従業員数別でも同様の傾向で、企業規模が大きいほど活用率が高い傾向が明確に表れました。
業界別では、「サービス」が47.8%で最も高く、「金融」「不動産」が続く一方、「建設」「運輸・倉庫」は相対的に低い数値でした。業務の特性や社内体制の違いが、活用の進み方に影響しているとみられます。

生成AIを活用している業務は「文章の作成・要約・校正」(45.1%)が最多で、次いで「情報収集」「企画立案時のアイデア出し」が続き、データ分析などは少数でした。現時点では業務判断の代替というより、情報整理や文章化など、判断の手前にある業務の補助として活用されている様子がうかがえます。
規模別では、大企業では「文章の作成・要約・校正」への集中度が比較的高い一方で、小規模企業では「情報収集」(25.2%)が全体(21.8%)を上回りました。中小企業では、限られた人員のなかで、情報収集やたたき台作成の効率化を重視している可能性があります。
業界別では、「サービス」業界において「コード生成などのプログラミング支援」が13.3%と高く、全体平均の5.9%を大きく上回りました。業種によって、文章作成中心の使い方に加え、専門業務への広がりもみられました。

生成AIの業務への効果については、活用企業の86.7%が「効果あり」と回答し、「効果なし」は1%にとどまりました。生成AIを実際に使っている企業の多くは、何らかの効果を実感しているといえます。
規模別では、小規模企業の29.7%が「大いに効果が出ている」と回答し、大企業を上回りました。人手の限られた企業ほど、効率化を感じている可能性があります。
業界別では、「金融」「建設」「サービス」などで「効果あり」が高水準で、全体的に高い評価でした。生成AIの活用が特定業種に限らず、一定の広がりを見せています。

生成AI活用による悪影響やトラブルについては、「ない」が67.7%で最多でした。「出力結果の誤りによるトラブルや損害」「会社の機密や保有する個人情報などが流出」など、直接的なトラブルは相対的に低い水準でした。現時点では、重大な事故が広範に表面化している状況ではないとみられます。
一方で、相対的に高かったのは「AIを使いこなせる社員とそうでない社員間での能力や成果の格差が拡大」で18.8%でした。また、業務のAI任せによる意欲・スキルの低下などを懸念する声もみられました。生成AIの影響は、直接的なトラブルより組織運営や人材育成の課題として表れやすいと考えられます。

生成AI活用に関する懸念・課題は、「情報の正確性」(50.4%)が最多で、次いで「専門人材・ノウハウ不足」「生成AIを活用すべき業務の範囲」「情報漏洩のリスク」「トラブル時の責任所在などのルール整備」が続きました。企業の主要な論点は、導入可否よりも、運用の仕組みや管理体制、人材面にあることが分かります。
規模別では、大企業は「専門人材・ノウハウ不足」や「情報漏洩のリスク」が相対的に高く、情報管理や統治に対する意識が強いことが分かりました。一方、小規模企業では「システム導入への資金不足」が相対的に高く、コスト面の負担も課題となっています。
本調査では、多くの企業が生成AIの効果を実感する一方、情報の正確性や人材不足などの課題があり、企業の運用能力や教育体制が問われる局面に入っていることがうかがえました。
今後は生成AIの活用範囲を明確化し、ルール整備や社内教育など、標準的な使い方の確立が不可欠です。政策面でも、導入促進にとどまらず、中小企業へのガイドライン提供など運用を下支えする枠組みの充実支援が求められます。
出典:株式会社帝国データバンク
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