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Gemini Omniの正体を徹底解剖!世界モデルが変える動画制作の未来

最終更新日:2026/06/18

動画生成AIを使ってみたけど、思った通りの映像にならない…」「プロっぽい動画を作りたいけど、動画編集ソフトの操作を覚える時間がない…」。Google I/O 2026で発表された「Gemini Omni」は、そんな悩みを過去のものにします。AIと会話するように指示するだけで、背景、照明、カメラアングルまで自由自在にコントロールして動画を生成・編集できる、異次元のAIの全貌を解説します。

Gemini Omni(オムニ)とは?基本概要をサクッと解説

Gemini Omniの基本概要イメージ

Gemini Omni(ジェミニ オムニ)は、Google DeepMindが2026年5月19日の開発者会議「Google I/O 2026」で発表した、次世代のマルチモーダル動画生成AIです。

これまでの動画生成AIが「テキストを入力して動画を出力する」という一方向のツールだったのに対し、Gemini Omniはテキスト・画像・音声・動画のすべてを入力として受け付け、そのまま動画を生成・編集できるという点が根本的に異なります。専門用語では「any-to-any(エニー・トゥ・エニー)モデル」とも呼ばれます。

たとえば、スマートフォンで撮影した写真と音声メモ、それにテキストで書いた演出の指示を同時に投げ込んで、1本のプロモーション動画を自動生成する——そんな使い方が、ひとつのAIで完結できるようになりました。

入力タイプ 使用例
テキストのみ シーンをゼロから文章で指示
画像+テキスト 静止画をテキスト指示でアニメーション化
動画+テキスト 既存クリップを会話形式で編集
音声+テキスト 音声のトーンに合わせて映像を生成
混合(全4種) 参照クリップ・スタイル画像・ナレーションを組み合わせる

詳細はこちらの記事で解説しています。
Google、動画生成AI「Gemini Omni」を発表。テキスト・画像・動画を組み合わせて映像を生成

Google DeepMindが開発した「世界モデル」としての強み

Gemini Omniが単なる動画生成ツールと一線を画すのは、「世界モデル(World Model)」としての設計思想にあります。

世界モデルとは、物理法則・空間認識・歴史・文化的文脈といった「現実世界の理解」をAIが内部に持つ仕組みです。たとえば、「水を注いでいるシーン」を生成する際、水の重力や流れ方、容器に当たった際の跳ね方まで物理的に正確にシミュレートします。これにより、これまでの動画生成AIでありがちだった「物理的におかしな動き」「不自然な光の当たり方」が大幅に改善されています。

Google DeepMindのCTO兼Chief AI ArchitectであるKoray Kavukcuoglu氏は、Gemini Omniを「Geminiの推論能力と創造能力が出会う場所」と表現しています。推論(考える力)と生成(作る力)を1つのモデルに統合した、まったく新しいカテゴリのAIといえるでしょう。

「Nano Banana」の動画版としての位置づけと誕生の背景

Googleは、Gemini Omniを公式に「Nano-Banana(ナノバナナ)の動画版」と位置づけています。Nano Bananaとは、Google DeepMindが開発した高性能な画像生成モデルです。

その動画版として誕生したGemini Omniは、Geminiエコシステムにおいて「Veoの後継モデル」という位置づけでもあります。ただし、後述するようにVeoと完全に置き換わるわけではなく、用途に応じて使い分けるモデルとして両者は「併存」しています。発表と同時に、ファミリーの第一弾モデルである「Gemini Omni Flash」の一般提供が開始されました。

Gemini Omniのここが凄い!主要な4つの革新機能

Gemini Omniの革新機能インフォグラフィック

① マルチリファレンス入力(画像や音声、別動画を組み合わせて1つの動画を生成)

Gemini Omniの最大の特徴のひとつが、複数の素材を同時に参照して1つの動画を生成できる「マルチリファレンス入力」です。

従来の動画生成AIは、テキストプロンプト(文章による指示)だけで動画を生成するものがほとんどでした。そのため、「こういう雰囲気の映像にしたい」「この人物を登場させたい」といった具体的な意図を言語だけで伝える難しさがあり、思い通りの映像が出てこないことが多々ありました。Gemini Omniでは、参照したい画像・音声・動画クリップを直接投げ込みながら指示できます。「この写真の人物を、この動画のような雰囲気で、このBGMのテンポに合わせて歩かせて」——そんな複合的な指示が、ひとつのプロンプトで完結します。

② 会話(チャット)による直感的な動画編集(「アングルを変えて」等で再レンダリング)

Gemini Omniが特に注目を集めているのが、AIと「会話するように」動画を編集できる機能です。一度動画を生成したあと、「背景を夕暮れにして」「カメラアングルをもっと下から見上げる構図に変えて」「このシーンの照明を暗くして雰囲気を出して」などと追加指示を送ると、AIがそのコンテキスト(文脈)を保持したまま動画を再レンダリングします。

これは「マルチターン対話」と呼ばれる仕組みで、最初からプロンプトを書き直す必要がありません。まるでベテランの映像ディレクターに指示を出すように、会話を重ねながら理想の映像に近づけられます。現在サポートされている編集操作の例は以下の通りです。

  • 背景の入れ替え(人物を維持したまま背後の環境を変更)
  • 衣装・スタイルの変更
  • オブジェクトの差し替え
  • 照明の調整(雰囲気・強度の変更)
  • 手ブレ映像のスタビライズ(安定化)
  • キャラクターの差し替え(参照画像を使用)

③ 物理法則や歴史・文化的文脈を理解する「ストーリーテリング能力」

Gemini Omniが「世界モデル」と呼ばれる理由が、この機能に凝縮されています。単に映像を生成するだけでなく、物理的な法則(重力、流体の動き、光の反射など)や、歴史・文化的な背景知識を理解した上でコンテンツを作れる点が、他の動画生成AIとの大きな差です。

「江戸時代の江戸の町を歩く侍のシーン」と指示すれば、当時の建築様式・服装・人々の所作まで文脈に沿った映像を生成できます。「嵐の中を走る犬」であれば、雨の跳ね方、泥のはね方、犬の毛が濡れた際の見え方まで、物理的に整合性のとれた映像が出てきます。長尺のストーリー動画や教育コンテンツに特に強みを発揮します。

④ Googleエコシステム(Google Flow、YouTube)との強力な連携

Gemini Omniは、単体のAIツールとして提供されるだけでなく、Google全体のサービスと深く連携している点が大きな強みです。

Googleの新しいクリエイティブスタジオ「Google Flow」では、Gemini Omni Flashを使ったフルワークフロー(動画の生成から編集・書き出しまで)が完結します。さらに、Googleドライブ上の動画素材をそのまま呼び出してAIに編集させ、完成した動画をYouTubeに直接アップロードする——という一連の作業がシームレスに行えます。

「YouTube Shorts」および「YouTube Create App」でも利用可能で、この経路では無料でGemini Omni Flashを体験できます。

【徹底比較】Gemini Omni vs 主要動画生成AI(Veo・Runway)

主要動画生成AIの比較イメージ

動画生成AI市場には、Gemini Omniのほかにもいくつかの有力ツールが存在します。それぞれの特徴を整理しましょう。

比較項目 Gemini Omni Google Veo(3.1) Runway Gen-4
強みの領域 会話編集・物語性・any-to-any入力 映像の圧倒的な画質・クオリティ キャラクターの一貫性・スタイル制御
編集方式 会話(チャット)形式のマルチターン プロンプト生成(編集は別途) タイムライン+プロンプト
入力の柔軟性 テキスト・画像・音声・動画すべて 主にテキスト・画像 テキスト・画像・動画
エコシステム連携 Google Drive・YouTube・Flow Google系サービス 独立型(外部連携少なめ)
無料での試用 YouTube Shorts経由で可能 一部プランで可能 無料トライアルあり
向いているユース 長尺ストーリー・教育・会話編集 CM・映画クオリティの短尺映像 キャラクター固定・SNS動画

長尺のストーリーや、対話形式で動画を作り込みたいなら「Gemini Omni」

Gemini Omniが最も輝くのは、「作りながら修正を繰り返す」プロセスが必要なコンテンツ制作です。社内研修動画・YouTubeの解説動画・プロモーション動画など、「方向性を試行錯誤しながら完成形に近づけたい」という場面に最適です。

また、「この資料を元に動画を作って」「この音声メモのイメージで映像を生成して」といった、複数の既存素材を組み合わせて使いたい場合は、any-to-any入力を持つGemini Omniの独壇場です。

映像そのものの圧倒的なクオリティ(画質)を求めるなら「Veo」

一方、CMや映画予告編レベルの「映像美」を最優先するなら、現時点ではGoogle Veo(3.1)が依然として強力な選択肢です。Gemini OmniとVeoは「ライバル」ではなく「用途別の使い分け」と捉えるのが正確です。Googleもこの2モデルを「それぞれの強みを持つ別モデルとして併存させる」という方針を明確にしています。

Gemini Omniの使い方・アクセス方法と料金プラン

Gemini Omniのイメージ画像

Gemini Omniを本格的に使うなら、Google Flow(flow.google.com)が最も機能を活かせる場所です。ただし、Geminiアプリの利用も可能です。本項目では、Geminiからの利用方法について説明します。

  1. Googleアカウントでログイン
  2. 下部メニューから「動画を作成」を開く

    動画を作成メニューのスクリーンショット

  3. ライブラリから選択する、もしくはテキストプロンプトを入力するか、素材ファイル(画像・音声・動画)をアップロード

    プロンプト入力とファイルアップロード画面

  4. 生成された動画を確認し、チャット欄で追加指示を送って編集を繰り返す(今回は「自分ミーム」を選択し、対象の画像を動画にするプロンプトを入力)

    動画生成に使用する元画像

  5. 完成した動画をダウンロード、またはYouTubeに直接アップロード

Googleドライブとの連携も標準で備わっており、ドライブ上の素材をそのまま呼び出せます。

料金体系:月額$7.99の「AI Plus」プランと「Google Flow クレジット」の仕組み

GeminiアプリおよびGoogle FlowでGemini Omniを利用するには、Google AIのサブスクリプション(有料プラン)への加入が必要です。

プラン 月額料金(目安) 主な特典
AI Plus 約$7.99(約1200円) Geminiアプリ・Google Flowでの基本利用、YouTube Premium非付帯
AI Pro 約$19.99(約3000円) 高度なマルチターン映像制作、YouTube Premium付帯
AI Ultra 約$249.99 スタジオ品質の計算リソース、最大25000 Flowクレジット/月

Google Flow内での利用はクレジット制が採用されています。動画の生成・編集のたびにクレジットが消費される仕組みで、プランごとに毎月付与されるクレジット数が異なります。クレジットは翌月への繰り越しはできません。

なお、YouTube ShortsおよびYouTube Create App経由では無料で利用可能と発表されています。動画生成AIを初めて試してみたい方は、まずこちらから始めるのがおすすめです。

開発者・企業向け:Gemini API(Omni Flash)の提供状況

エンジニアや企業がシステムにGemini Omniを組み込む場合は、Gemini API経由での利用が想定されています。ただし、2026年5月時点ではAPIの提供は「数週間以内」とアナウンスされており、正式公開は近日中の予定です。

現時点でAPIを使って動画生成を今すぐ実装したいという開発者には、すでにAPIが提供されているVeo 3.1が現実的な選択肢となります。Omni APIの詳細な料金・スペックは公式ドキュメントが出てからの確認を推奨します。

ビジネスや日常が変わる!Gemini Omniの具体的な活用シーン

Gemini Omniの具体的な活用シーンイメージ

活用例①:資料や音声素材を投げ込むだけの「スピードプロモーション動画制作」

たとえば、新商品の販促動画を作りたいマーケティング担当者を想像してみてください。

これまでは、「映像素材の撮影→編集ソフトでの作業→テロップ入れ→BGMの選定」と複数の工程が必要でした。Gemini Omniを使えば、商品の写真数枚・音声で録音したセールスポイント・テキストで書いた構成メモをまとめてアップロードし、「30秒のプロモーション動画を作って」と指示するだけで、ラフな動画が即座に生成されます。

あとは「BGMをもっと明るくして」「ロゴを右下に入れて」と会話を重ねれば、動画編集ソフトの操作を一切覚えることなく、プロ品質に近い動画が完成します。

活用例②:YouTubeなどの動画コンテンツの「会話ベースでのノーコード編集」

すでにYouTubeチャンネルを運営しているクリエイターにとっても、Gemini OmniはYouTube Shortsとの統合により強力な武器になります。

「先月アップした解説動画の雰囲気を変えて、もっとテンポよくしたい」「このシーンだけ背景を変えたい」といった編集作業も、Gemini Omniに動画を渡して会話するだけで完結します。動画編集ソフトの操作は不要。ノーコードで映像をブラッシュアップできる時代が到来しています。

活用例③:社内マニュアルや教育用動画の自動生成

企業の人事・総務担当者にとっても、活用の余地は大きいです。

テキストで書いた業務マニュアルや、PowerPointのスライドデータをGemini Omniに渡し、「新入社員向けのわかりやすい説明動画を作って」と指示するだけで、ナレーション付きの教育動画が自動生成されます。世界知識を持つ「世界モデル」ならではの文脈理解力で、単なる文章の読み上げではなく、内容に沿った映像表現が加わるのが大きな強みです。

Gemini Omniを利用する際の注意点・デメリット

Gemini Omni利用時の注意点・デメリットのイメージ

日本語への完全対応(ローカライズ)の進捗状況

Gemini Omni Flashは全世界で提供が開始されていますが、一部の機能では日本語対応が追いついていない点があります。特に、自分の顔や姿をAIアバターとして動画に登場させる「アバター機能」は、2026年5月時点では英語のみ対応となっており、日本語での利用はできません。テキストプロンプトによる動画生成・編集自体は日本語でも利用可能ですが、全機能をフル活用するにはしばらく待つ必要がありそうです。

動画生成AI特有の「著作権」や「ハルシネーション(誤情報)」のリスク

AIが生成した動画には、著作権上の留意点があります。生成した動画の商用利用については、各プランの利用規約を必ず確認してください。

また、世界知識を活用するGemini Omniといえども、AIである以上、歴史的事実や文化的描写が不正確になる「ハルシネーション(幻覚)」のリスクはゼロではありません。特に教育・医療・法務などの専門的なコンテンツ制作時は、生成された内容を必ず専門家がチェックする運用が必要です。

なお、Gemini Omniが生成したすべての動画には、Google「SynthID」による見えない電子透かし(ウォーターマーク)が自動付与されます。ユーザーが削除することはできず、フィルターや再エンコードなど一般的な加工にも耐えるため、AI生成コンテンツの識別性は保たれています。

無料版(Flow)では生成回数(クレジット)に制限がある点

Google FlowでGemini Omniを利用する場合、各プランに付与されるクレジット数の上限があり、使い切ると生成できなくなります。クレジットは翌月への繰り越しができないため、月末にまとめて大量生成するような使い方には向きません。本格的なビジネス活用を検討している場合は、プランの選択を慎重に行う必要があります。日々の業務でどの程度の生成回数が必要になるかを事前に見積もり、自社の用途に応じた最適なプランを導入することが重要です。

まとめ

この記事では、Google I/O 2026で発表された「Gemini Omni」について、基本概要から主要機能、他ツールとの比較、料金、活用シーン、注意点まで幅広く解説しました。

Gemini Omniのポイントを振り返ると、以下の通りです。

  • 2026年5月19日にGoogleが発表した、any-to-anyマルチモーダル動画生成AI
  • テキスト・画像・音声・動画をすべて入力として受け付け、動画を生成・編集できる
  • 物理法則や世界知識を持つ「世界モデル」設計で、ストーリー性の高いコンテンツに強い
  • 会話(チャット)形式で動画を繰り返し修正できるのが最大の革新
  • Google Flow・YouTube・Geminiアプリと深く連携し、YouTube Shorts経由では無料でも利用可能
  • 日本語対応の一部制限・クレジット制の利用制限・著作権リスクには注意が必要

動画制作の敷居を劇的に下げるGemini Omniは、マーケター・クリエイター・企業の情報発信担当者など、あらゆる人にとって試す価値のあるAIです。まずはYouTube Shorts経由の無料体験から始めてみてはいかがでしょうか。

アイスマイリーでは、生成AI のサービス比較と企業一覧を無料配布しています。課題や目的に応じたサービスを比較検討できますので、ぜひこの機会にお問い合わせください。

よくある質問

これまでの「Google Veo」とは何が違うのですか?

Veoは動画の「映像クオリティ(画質・映像美)」に特化したモデルです。一方、Gemini Omniは「any-to-any入力」「会話による編集」「世界モデルによるストーリーテリング」などの汎用性・インタラクティブ性に強みがあります。Googleはこの2モデルを「用途が異なる別モデル」として併存させる方針を明確にしており、映像クオリティ最優先ならVeo、対話的な動画制作・編集ならGemini Omniという使い分けが基本です。

スマホ(Android/iOS)からでも動画生成・編集はできますか?

はい、可能です。GeminiアプリはAndroid・iOSの両方で提供されており、モバイルからGemini Omni Flashを利用できます。また、YouTube ShortsやYouTube Create App経由での利用も、スマートフォンから行えます。本格的な映像制作ワークフローはGoogle Flowがパソコン向けに最適化されていますが、簡単な生成・修正であればスマホからでも十分利用可能です。

商用利用は可能ですか?

Gemini Omniが生成した動画の商用利用の可否は、ご加入のサブスクリプションプランの利用規約によって異なります。一般的に、有料プランのサブスクライバーには商用利用が認められているケースが多いですが、詳細はGoogleの最新利用規約を必ずご確認ください。また、前述のSynthIDウォーターマークが全動画に付与される点も商用利用時には把握しておきましょう。

AIsmiley編集部

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