生成AI

最終更新日:2026/04/14
リコー リーズニングLMM開発
リコーは、経済産業省とNEDOが実施する「GENIAC」第3期において、リーズニングLMMの基本モデル「Qwen3-VL-Ricoh-32B-20260227」を開発しました。複雑なドキュメントを理解し、高精度な回答を生成します。
このニュースのポイント
株式会社リコーは、リーズニング性能を備えたマルチモーダル大規模言語モデル(リーズニングLMM)の基本モデル「Qwen3-VL-Ricoh-32B-20260227」を開発しました。
本モデルは、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する、国内の生成AI開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC」第3期において開発されたものです。
企業内には、トランザクションデータ、経営資料、社内の技術標準など、多様なドキュメントが蓄積されています。これらは効率的な利用やイノベーション創出への活用が期待される一方、「テキスト検索では意図した結果が得られない」「検索機能のみでは活用が不十分」といった課題も指摘されています。
さらに近年では、労働力減少に対応した効率的な働き方や、技能伝承、多言語化などの対応が求められており、AIによる企業内知識の活用ニーズが高まっています。
リコーは、GENIACの第2期に700億パラメータのLMMを開発し、2026年1月には、中国のアリババクラウドが開発・提供するLLMファミリーの「Qwen2.5-VL-32B-Instruct」をベースとした320億パラメータのコンパクトなLMMを開発しました。
そして今回、「Qwen3-VL-32B-Instruct」をベースに、多段推論によって複雑なドキュメントを高精度に理解できるリーズニングLMMの基本モデル「Qwen3-VL-Ricoh-32B-20260227」を開発しました。

本モデルは、強化学習やカリキュラム学習といった学習手法の工夫により、複数ページにわたる図表を関連付けて理解することや、難解な質問に対しても高精度な回答を生成することが可能です。ベンチマーク結果では、「Gemini2.5-Pro」などの大型商用モデルと同等の数値が確認されています。
さらに、思考プロセスを日本語化したことで、日本語文書の読み取り精度向上に加え、回答の判断根拠や前提条件を日本語で確認できるようになり、日本企業での実務利用における信頼性を高めています。
オンプレミス環境での導入が可能で、企業の業種・業務に応じたファインチューニングにも対応しています。また、モデルマージ技術の活用による効率的な開発プロセスの確立や、独自の画像トークンの圧縮技術を用いることで、運用コストの低減にも取り組みます。
本モデルの具体的な適用例として、製造業におけるトラブル発生時の早期解決や、設計図と要求仕様の適合確認などのニーズが寄せられており、今後実証実験を進めていく予定です。
また、本モデル開発で適用した技術を活用した軽量モデル「Qwen3-VL-Ricoh-8B-20260227」を無償公開します。さらに、リーズニング性能の評価に特化したリコー独自開発のベンチマークツールについても、今後公開予定です。

リコーは、これまで多様なAIソリューションを通じて、企業の業務変革を支援してきました。日本企業の知の結晶であるドキュメントの利活用を促進することで、業務革新と付加価値の高い働き方を支援し、企業価値の向上に貢献します。
出典:株式会社リコー
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