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Googleの生成AIで実現!チャットを開かせない自動化設計──チャットを開かずにAIが働く、コンテキストスイッチのない世界

最終更新日:2026/01/30

Google Workspace Studioを使い、新しい仕事の進め方──イベント駆動型AIについて紹介

本記事は、2026年1月21日~22日に開催された「AI博覧会 Osaka 2026」内のセッション『Googleの生成AIで実現!チャットを開かせない自動化設計』の登壇内容を基に解説したものです。

「AIを使って業務効率化しようとしたのに、結局AIを操作する時間が増えて仕事が終わらない……」

そんな本末転倒な状況に陥っていませんか?

メールを見て、カレンダーを確認し、ChatGPTやGeminiの画面を開いてプロンプトを入力する。この「画面の切り替え」こそが、「思考を無駄に切り替える時間」となってしまい、私たちの集中力を奪っているんです。

今回は、「人がAIに会いに行く」のではなく「AIが勝手に働き出す」新しい仕事の進め方──イベント駆動型AIの設計思想と、それを実現する最新ツール「Google Workspace Studio」の活用法について解説します。

※本記事は、株式会社コミュカルの提供でお送りします。

なぜ「チャットAI」だけでは不十分なのか?

生成AIといえば「チャット画面で相談する」スタイルが一般的ですが、業務効率化の観点からは大きな落とし穴があります。それはコンテキストスイッチ(タスクの切り替え)です。

集中力を奪う「23分のロス」

研究によると、頻繁なタスク切り替えは生産性を最大40%低下させると言われています。さらに一度集中が途切れると、元の深い集中状態に戻るまでに平均23分もかかるとされています。(カリフォルニア大学アーバイン校のGloria Mark教授の研究)

「メールを確認して、その内容をコピーし、AIにペーストして要約させる」

この一連の作業自体が、実はあなたの脳にとって大きな負担(スイッチコスト)になっているのです。

「AIを使うこと」を目的にしてはいけません。

AIはあくまで手段。目指すべきは、「AIを使っていることすら意識させずに、業務が片付いている状態」です。

解決策:「イベント駆動型AI」という発想

そこで提案したいのが、「イベント駆動型AI」です。

これは、あなたがわざわざAIに話しかけに行かなくても、日常の「イベント」をきっかけ(トリガー)にして、AIが裏側で自動的に動き出す仕組みのことです。

  • 能動的なAI活用:人がチャットを開いて指示する
  • 受動的なAI活用:メールが届く、時間が来る、といった出来事に反応して勝手に動く

この仕組みをノーコードで実現できるのが、Googleの新しいツール「Google Workspace Studio」(旧称:Flows)です。

Google Workspace Studio で作る「勝手に動くAI」事例

Google Workspace Studioを使えば、「いつ(トリガー)」「何をする(アクション)」というフローを自然言語で指示するだけで、自分だけのAIエージェントを作成できます。

ここでは、明日から使える具体的な4つの自動化レシピを紹介します。

Case 1:会議準備の完全自動化

「次の会議、なんの話だっけ?」と直前に資料を探し回る時間はもう不要です。

  • トリガー:会議の開始30分前
  • AIの動き
    1. カレンダーの予定をチェックし、社外の人との会議か判定。
    2. 関連するメールやドキュメントをGeminiが検索・要約。
    3. 議論すべきポイントを抽出し、Google Chatであなたに通知
  • 効果:あなたは通知を見るだけで、準備万端で会議に臨めます。

Case 2:問い合わせ対応の下書き作成

お客様からの問い合わせフォームへの回答も、AIが代行します。

  • トリガー:Googleフォームに回答が届く
  • AIの動き
    1. 内容を読み取り、感情分析(ポジティブ/ネガティブ判定)。
    2. 内容に応じた返信メールの下書きをGmailに作成
    3. 「ポジティブな感想が届きました!」とチャットに通知。
  • 効果:人は下書きを確認して「送信ボタン」を押すだけ。ゼロから文面を考える必要はありません。

Case 3:金曜夕方の「週報」自動生成

一週間の業務を思い出して日報を書く作業は、AIに任せましょう。

  • トリガー:毎週金曜日の16時
  • AIの動き
    1. 今週のメール送信履歴、カレンダーの予定、ドライブの更新履歴を検索。
    2. あなたの活動実績を要約し、週報ドキュメントに追記
    3. 「下書きができました」とメールで通知。
  • 効果:事実確認と微修正だけで報告業務が完了します。

Case 4:ドライブに置くだけ翻訳

海外の資料を読む際、いちいち翻訳ツールにコピペしていませんか?

  • トリガー:指定のGoogleドライブフォルダにファイルを保存
  • AIの動き
    1. ファイルの中身(英語)を読み取る。
    2. 日本語に翻訳し、新しいドキュメントとして保存
  • 効果:フォルダに放り込むだけで、気づけば日本語版が出来上がっています。

「対話(Chat)」と「自動化(Flow)」の使い分け

では、もうChatGPTやGeminiなどのチャット画面は不要なのでしょうか?

いいえ、そうではありません。重要なのは「使い分け」です。

クリエイティブな相談や「壁打ち」には、これまで通りチャットAIを使ってください。

しかし、「毎朝の予定確認」や「定型メールの作成」といったルーチンワークのために、わざわざAIを呼び出してプロンプトを打つのは、あなたの大切な集中力(コンテキスト)の無駄遣いです。

  • 悩む仕事は、チャットでじっくりAIと向き合う。
  • 決まりきった仕事は、フローでAIが自動で動く。

この2つを適材適所で使い分けることこそが、AI時代の新しいリテラシーと言えるでしょう。

まとめ:AI時代に目指したい「自動化」

目指すべきゴールは、コンテキストスイッチのない世界です。

「あれやらなきゃ」という脳のノイズをすべてイベント駆動型AIに任せ、人間は人間にしかできない創造的な判断にフルコミットする。

ぜひ皆さんも、お手元のツールを使って「チャットを開かせない自動化」に挑戦してみてください。

執筆者・登壇者紹介

原田 彩(あやや)

株式会社コミュカル 取締役CMO

SIer企業でのエンジニア経験を経て、2021年に株式会社コミュカルを共同創業しCMOに就任。現在は福岡を拠点にリモートワークで活動中。

IT・AI講師として、ITスキル向上のための発信活動やITコミュニティ事業推進に注力しており、特にGoogleの技術活用を得意としている。

YouTubeチャンネル あややのITスキルアップ塾 にて、Google Workspace や生成AIの最新情報、活用術を分かりやすく発信中。

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