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Vertex AIとは?使い方や料金、GoogleのGeminiとの違いも紹介

最終更新日:2024/09/10

2023年6月に一般公開されたVertex AIは、Googleが手掛ける機械学習プラットフォームです。モデル開発トレーニングやデプロイなど機械学習に必要な機能を備えており、アプリケーションの開発やAI構築の効率化を促します。

また、2023年12月にはGoogleの生成AIモデル「Gemini」に対応し、より効率的なシステム開発をサポートします。

本記事では、Vertex AIの概要から料金、主な機能や使い方、連携できるGoogleサービスまで詳しく解説します。自社でのAI開発に向けてVertex AIや専用プラットフォームの活用を検討する際に、ぜひ参考にしてください。

Vertex AIとは

Vertex AI(バーテックスAI)は、Google Cloudで提供されているフルマネージドのAI開発プラットフォームです。システム上で、生成AIモデルの構築からトレーニング、パフォーマンスの監視やデプロイしたモデルの予測までを包括的に実行する機能を網羅しています。

また、Vertex AI Studioをはじめ、Meta AI社が開発したLlama2など130以上の基盤モデルにアクセスが可能です。

Vertex AIを活用することで、従来のようにモデル構築に各作業用のツールを組み合わせる必要がなくなり、業務フローの時短を実現しています。また、ツール間の互換性が取れた状態で開発が進むため、エンジニアの業務負担の軽減にもつながります。

Llama2の特徴や使い方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考:Llama2とは?使い方や日本語対応、性能についてわかりやすく解説

Vertex AIとGoogle Geminiの違い

Vertex AIでは、Googleのマルチモーダル生成AI「Gemini」を利用可能です。そもそも、GeminiはGoogleが開発した大規模言語モデル(LLM)であるのに対し、Vertex AIは機械学習モデルの開発や管理を行う専用プラットフォームであるという違いがあります。

テキストや画像の生成、タスク処理が可能なGeminiは、Google製品やAPI経由で使用できます。一方、Vertex AIはGoogleが提供するクラウドコンピューティングサービス「Google Cloud」上で提供されています。

Geminiの料金や活用方法については、こちらの記事をご参照ください。
参考:Gemini(ジェミニ)とは?料金・使い方・活用事例、アプリ最新情報を紹介

Vertex AIの料金と無料枠

Vertex AIの料金体系は、AIモデルや扱うデータなどにより異なります。Vertex AIでは「Gemini 1.5 Flash」「Gemini 1.5 Pro」「Gemini 1.0 Pro」の3つに対応しており、主な料金体系は以下の通りです。

モデル 価格(12.8万コンテキスト以下) 価格(12.8万コンテキスト超)
Gemini 1.5 Flash/Gemini 1.5 Pro ・画像入力:$0.0001315/画像

・動画入力:$0.0001315/秒

・テキスト入力:$0.000125/1,000文字

・音声入力:0.0000125/秒

・画像入力:$0.000263/画像

・動画入力:$0.000263/秒

・テキスト入力:$0.00025/1,000文字

・音声入力:$0.000025/秒

・テキスト出力:$0.000375/1,000文字 テキスト出力:$0.00075 / 1,000文字
Gemini 1.0 Pro ・画像入力:$0.0025/画像

・動画入力:$0.002/秒

・テキスト入力:$0.000125/1,000文字

・テキスト出力:$0.000375/1,000文字

テキスト出力:$0.000375 / 1,000文字

AutoMLモデルで、トレーニングやデプロイ、予測を行う際の料金体系は別に設定されています。例えば、1ノード時間あたりの画像データでのトレーニングは$3.465、デプロイとオンライン予測は$1.375です。

なお、BigQueryやCloud StorageといったGoogleサービスをすでに利用している場合は、無料枠を活用してVertex AIをお試しできます。

Vertex AIの主な3つの機能

Vertex AIには、生成AI活用に役立つ主な機能があります。ここでは、以下3つのVertexAIの主要な機能を紹介します。

  • Model Garden
  • Vertex AI Studio
  • Custom ML Platform

Model Garden

Model Gardenでは、130を超えるLLMなどのAIモデルを利用できます。GeminiやPaLM2をはじめ、Imagenや開発者向けのLLMであるCodeyといったGoogleのモデルはもちろん、MetaAI社Llama2やAnthropic社のClaudeも含まれます。

あらゆるモデルの中から、規模やコスト、問題解決などの目的に特化したモデルを選択し、Vertex AI内で開発研究やデプロイができるため、作業効率の向上に寄与します。

PaLMモデルについては以下の記事もご参照ください。
参考:Google PaLMとは?仕組みやできること、PaLM2とGeminiの解説も 

Vertex AI Studio

Vertex AI Studioは、生成AIモデルを使ったチャットからプロンプトのデザイン、チューニングやローコードツールといった幅広い機能を搭載しています。

多くのツールとリソースを用いて迅速なテストやカスタマイズができ、開発者以外でも効率的な生成AI開発を進められます。また、マルチモーダルAIのGeminiを使うことも可能です。

Custom ML Platform

Custom ML Platformは、従来の機械学習モデル開発を改善し、効率化を後押しする機能です。データの準備やモデルの学習・評価、デプロイなどワークフローの各フェーズで役立つ機能が組み込まれています。

また、Vertex AIではMLOps機能も使えるため、1度デプロイしたモデルに対するモニタリングやガバナンスもスムーズに実行できます。機械学習モデルの開発や運用におけるさまざまな業務フローを統一し、開発チームでの一元管理をサポートします。

Vertex AIの使い方

Vertex AIは、Google Cloud上で利用できるプラットフォームです。Googleアカウントを用いてGoogle Cloudにアクセスし、有効化する大まかな流れは以下の通りです。

  1. Google Cloudにアクセスする
  2. 「無料で利用開始」ボタンをクリックする
  3. Googleアカウントで登録し、支払い情報を入力する
  4. 「プロジェクトセレクタ」でプロジェクトを作成または選択する
  5. Vertex AI APIを有効化する

Vertex AIを有効化したら、データをアップロードしてモデルの開発へと進みます。

Vertex AIと連携できるGoogleサービス

Vertex AIは、Googleストレージやデータベースなどの他のGoogle Cloudと容易に連携でき、さまざまな目的で応用が可能です。ここからは、Vertex AIと連携できる主なGoogleサービスとその活用例などについて、以下の5つを紹介します。

  • BigQuery
  • Cloud Storage
  • Vertex AI Workbench(旧Cloud Datalab)
  • Looker
  • Pub/Sub

BigQuery

BigQueryは、Googleのフルマネージドのデータウェアハウスです。大規模なデータセットに対し、高速なSQLクエリを実行することで、複雑な分析処理をスピーディに完了します。

Vertex AIとBigQueryを組み合わせることで、データの取り込みから保存、MLモデルの構築やトレーニング、デプロイや管理まで一貫して実行できます。Google検索によって培われた独自の優れたデータインフラを用いて、機械学習やAI開発に取り組めます。

Cloud Storage

GoogleのストレージサービスのCloud Storageは、Google Cloud上で任意のファイル形式で構成されるオブジェクトを保存できます。安全性の高い環境で大容量のデータを保存し、高速にアクセスできるよう設計されています。

Vertex AIと連携し、モデル開発に必要となる膨大なデータをCloud Storage上に保存しておけば、必要なタイミングで迅速にインポートすることが可能です。

Vertex AI Workbench(旧Cloud Datalab)

Vertex AI Workbenchは、Google Cloud上で利用できるデータ分析ツールです。データ分析や可視化、機械学習モデルの開発などGoogle Cloud Datalab上の機能を引き継ぐと同時に、さらに拡張した開発環境を提供しています。

Vertex AIとの連携により、よりシームレスなモデル開発やデプロイが可能です。例えば、Vertex AI WorkbenchでAIアプリケーションの開発を行い、Vertex AIでデプロイを行うといったケースです。

Looker

Lookerとは、Googleが開発したビジネスインテリジェンス(BI)プラットフォームです。データの可視化や探索、レポーティングなど機能があり、チームや組織の意思決定をサポートします。

Vertex AIの連携によって、機械学習モデルにおける予測結果の可視化や統合をスムーズに実行できます。機械学習モデルの予測結果に対して、より深い洞察を得られるため、開発社や技術者以外に対して、わかりやすく説明できるでしょう。

Pub/Sub

Pub/Sub(パブリッシュ/サブスクライブ) は、Google Cloudが提供するフルマネージドのメッセージングサービスです。リアルタイムでのメッセージ配信や大量のメッセージ配信や大量のメッセージ処理などの機能を備えています。

Vertex AIとPub/Subの連携により、リアルタイムでのデータ処理と機械学習を組み合わせた高度なシステムの構築が可能です。また、LookerではBigQueryなどのデータベースから必要なデータを直接抽出・分析できるため、作業時間の短縮にもつながります。

Vertex AIの今後の展望

Vertex AIは、開発者などの上級者以外でも、機械学習モデルの開発や展開に取り組める包括的な環境を提供しています。また、Google Cloudを中心に多くのサービスと連携することで、幅広いシーンで活用できます。

今後は多くの業界や領域で自動化や効率化を促すツールとして用いられ、意思決定やワークフロー、チーム連携を促進すると推測されます。

まとめ

Vertex AIは、Googleが提供するフルマネージドの開発用プラットフォームです。主要な3つの機能を用いて、外部LLMを含む130以上ものモデルを利用でき、機械学習モデルやAIアプリケーションの開発を効率化します。

また、Vertex AIとGoogle Cloudをはじめとするサービスの連携により、応用の幅が圧倒的に広がります。生成AIアプリケーションの効果的な活用を実現するために、自社に適したAIサービスの開発や導入を目指しましょう。

自社での生成AI活用に役立つ「サービス比較と企業一覧」を、以下より無料配布していますのでご活用ください。

生成AIのサービス比較と企業一覧

よくある質問

Vertex AI Searchの料金は?

Vertex AIに備わっている生成AIによる検索エンジン「Vertex AI Search」は、従量課金制で使用できます。検索クエリ1,000あたりの料金は$2.50です。例えば、1ヶ月2,500万件のキーワード検索クエリを使用した場合、

2,500万クエリ×$2.50/1,000クエリ=$62,500

と算出できます。

Vertex AIは日本語対応ですか?

Vertex AIは日本語に対応しています。サポート対象言語に日本語が含まれており、データセットの作成やモデルのトレーニング、予測などを日本語で進めることが可能です。

AIsmiley編集部

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