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最終更新日:2024/02/27
インフラ点検とは?
日常生活やビジネス基盤を安定的に維持するためには、定期的なインフラ点検が必要不可欠です。しかし、労働力不足や技術者の高齢化、資金不足などにより、インフラの老朽化が進んだまま刷新されなかったり、技術の継承ができなくなったりと、さまざまな問題が生じています。
このような課題を解決するためには、AI(人工知能)を活用したインフラ点検の実現など、効率化・精度の向上といった観点から、デジタル技術を積極的に導入していく必要があります。本記事では、インフラ点検の概要やAI活用事例、実証実験、関連サービスなどについて解説します。

「インフラ業界」とひと口に言っても、実際にはさまざまな業界や分野が存在します。インフラ業界の代表的な分野として、次の4つが挙げられます。
一般的には、多くのインフラは上記の4つのうちいずれかに大別されており、そこからさらに細かい業界・分野に分かれていきます。例えばエネルギーインフラであれば、ガスや水道、電気、石油などの分野が存在します。
「日常生活やビジネスを営むにあたって、基盤となる設備や施設」を指すインフラ(インフラストラクチャー)は、社会にとって無くてはならない存在であり、多くの技術者によって支えられています。

インフラ業界の仕事内容は分野によってもさまざまですが、どの分野であっても、人々の生活やビジネス基盤となる設備や施設を創出し、維持することが求められます。表立って目立つことは少ないものの、「人々の生活を支えている」というやりがいを感じられる仕事です。
とはいえ、近年ではインフラ設備に関わる都市開発や、AI活用などが注目されていることから、従来に比べてインフラ業界が注目を集める機会も増えてきています。
インフラの中でも、電力業界やガス業界などの小売り自由化が取り入れられている業界では、新規企業の参入も盛んで、ビジネスの一端としても盛り上がりを見せています。

インフラ点検とは設備の安全を守り、かつ本来の機能を維持するために行われる、インフラの点検作業を指しています。
開発から年数が経過したインフラは、劣化による故障や部品の損傷など、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。このようなトラブルの兆候を未然に察知し、早めの修理や部品交換を行うことで、重大な事故の防止につながります。
インフラ点検を怠ってしまうと、傷やひび割れ、耐久性の低下などを察知できず、重大な事故に発展する可能性があります。インフラは人々の生活に密着しているものが多いことから、ひとつの傷を見逃したことが人命に関わる重大な事故につながるおそれもあるため、決して軽視することのできない作業です。

インフラ業界においては、インフラの老朽化や技術者の不足など、さまざまな課題を抱えています。また、近年は災害が激甚化していることもあり、大規模災害を想定したインフラの構築も課題のひとつとなっています。
さらに、多くの現場でAI活用が進められている中で、AI人材の不足によるAI推進の停滞や、インフラ刷新に必要な資金が不足していることなども、解決しなければならない問題です。ここでは、インフラ業界が抱える5つの課題について解説します。
日本国内のインフラは、開発から長い時間が経過している設備が増えてきており、老朽化が重大な問題になってきています。インフラの老朽化が進めば、設備の故障リスクが高まったり、本来の機能を十分に発揮できなくなったりして、人々の生活に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなインフラ老朽化は、既に現実の大きな問題に発展しているケースもあります。2022年11月には、和歌山県北部の送水ルートである「六十谷水管橋」が破損したことで、約6日間にわたっておよそ6万世帯もの家庭が断水するという事故が発生しました。
この事故はインフラの老朽化が原因のひとつであると推定されており、国内に存在する老朽化が進んだインフラを放置すると、このような事故が再び起こる可能性があります。
インフラ老朽化への対策は、老朽化の影響を事前に予測し対応するための「予防保全対策」であり、そのためのIT化やAI活用が進められています。
インフラに関わる技術者の不足も、業界全体が抱える問題のひとつです。インフラ業界では技術者不足が深刻化しており、検査や保守に関わる人材が高齢化しているという課題を抱えています。
総務省が公表している「令和2年 労働力調査年報」によれば、インフラ保守に携わっている作業員のうち、56%が45歳以上の作業員であるとされています。この結果は、今後15年以内にインフラの保守要員の過半数が引退することを意味しており、技術者不足はさらに深刻になっていくと考えられます。
本来であれば、熟練の技術者が引退する前に、若年層の技術者に技術を継承しなければなりません。しかし、そもそも若年層の技術者不足に歯止めがかからない現状においては、安定的な技術継承が難しいという問題もあります。
このような問題を解決するためには、検査や保守をAIによって自動化し、熟練者のノウハウをシステム上に蓄積することで、後世の技術者に技術継承を行う方法が検討されています。
近年では、気候の変化によって災害が激甚化しています。台風や大雨被害によって多くの家屋が倒壊し、住む場所を失う人が出たり、大地震によって社会インフラが停止したりすることも珍しくなくなりました。
このような背景から、これからのインフラ構築は、大規模災害を想定して行う必要があります。
政府では、2020年12月に災害に強いインフラを整え、強靭な国土づくりを推進するために「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を閣議決定しています。この閣議決定により、次の3つの分野について、15兆円程度の予算が付く運びとなりました。
上記の内容からも、予防保全型インフラの構築やデジタル化の推進が重視されていることがうかがい知れます。
前述のように、インフラ業界では人材不足や老朽化対策として、デジタルやAIの活用が急務となっています。しかし、AI技術やAI機器を活用する人材があらゆる業界で不足している背景から、インフラ業界においてもAI人材を確保することが難しくなっているという事情があります。
国内の多くの市場でAI人材が不足している現状においては、高い知識やスキルを持った人材を採用によって確保することは容易ではありません。
しかし、自社で人材育成を行うと、現場で活躍できる人材に育つまでには長い時間がかかるため、即戦力が必要な現場ではスピード不足が懸念されます。加えて、教育を行える人材が社内にいないという課題を抱えている現場も数多くあります。
結果的に、AI活用の重要性を理解していても、AI人材を確保することができないためにアナログからデジタルへの転換が進まず、業務の効率化や労働力不足が思うように改善されないという問題がインフラ業界全体に広がっています。
インフラの老朽化を解消するためには、インフラの刷新を行う必要があります。しかし、小規模事業者や人口の少ない自治体などでは、インフラ刷新に必要な資金を捻出することができず、老朽化が進んだインフラが放置され続けてしまっている例も少なくありません。
このような現場でインフラを刷新し、安全で快適な機能を維持し続けるためには、インフラ刷新や維持にかかるコストを削減して、負担をできるだけ抑えるための工夫が求められます。具体的には、デジタル化やAI活用などを駆使して、保守・運用コストを削減する方法などが検討されます。
また、地方公共団体が管理するインフラに関しては、国が個別補助制度を設けているケースもあります。例えば地方公共団体が管理する排水機場、砂防堰堤、水門、雨水ポンプ場等の改良・更新を対象として、令和2年度には308億円の予算が付けられました。

インフラ点検の主な手法には、超音波や放射線などの技術によって製品を壊さずに検知を行う「非破壊検査」や、部品・製品の品質チェックを行う「外観検査」などがあります。
これらのインフラ点検は、検査担当者の目視だけでなく、ドローン×AI解析による検査や、設備点検AIプラットフォームを利用した検査など、AI技術を活用して実施されている現場も数多くあります。ここでは、インフラ点検の手法について詳しく解説します。
非破壊検査とは、超音波や放射線などの技術を活用し、製品を壊さずに行う検査方法のことです。従来の検査においては、完成済みの製品の不具合を検出するために、製品に傷をつけたり壊したりする「破壊検査」を行う必要がありました。しかし、非破壊検査であれば、製品を壊さずに不具合を検証できます。
非破壊検査が用いられる対象物はさまざまで、建造物や鉄道、橋などの大がかりな設備だけでなく、家電や自動車などの小型のモノまで、幅広く活用されています。非破壊検査によって劣化の兆候が検知されれば、素早く修理や部品交換対応を行い、重大な事故を未然に防止することにつながります。
超音波や放射線による検査の他にも、電流・磁束を利用した表面検査や、工業用の内視鏡を活用した目視検査など、複数の方法が用いられています。
非破壊検査を導入することで、製品に傷をつけずに検査が可能になるため、製造した製品の全数検査を実現できます。
外観検査とは、製品の品質維持を目的として行われるチェック業務を指しています。外観検査によってチェックする項目は、製品の汚れや傷、変形、欠けなどのほか、異物混入の有無など多岐にわたります。
従来の外観検査は、熟練した技術者が顕微鏡やルーペなどの道具も活用しながら、製品を一つひとつチェックしていく方法が主流でした。しかし、近年では、AIカメラを活用した外観検査を取り入れている現場が増えてきています。
目視による外観検査は、技術者の熟練度や体調などに大きく左右されやすく、精度の平準化が難しいという課題があります。AIカメラを活用した外観検査は、このような課題を解消し、常に高い検査精度を維持できる点がメリットです。
外観検査のAI化によって、業務効率化やコスト削減、労働力不足の解消や技術承継問題の解決など、さまざまな現場の課題にアプローチできます。
近年では、ドローン×AI解析によるインフラ点検も広まってきています。従来は人間の技術者が目視で行っていた点検をドローンに任せることにより、検査の自動化と効率化を実現できます。
ドローン×AI解析においては、検査対象となる施設や設備に対してAIカメラを搭載したドローンを飛ばし、撮影した画像をAIが解析して、インフラの点検を行います。撮影した画像に写っている傷やひび割れをはじめとした劣化箇所を正確に特定し、抽出することで、人間の代わりに点検作業を完了できます。
ドローン×AI解析を活用したインフラ点検は、作業の自動化・効率化による労働力不足の解消とコスト削減につながるだけでなく、技術者の安全確保にも役立ちます。高所などの危険な場所に技術者が直接足を運んで点検を行う必要がなくなるため、安全に点検業務を遂行できます。また、人間が確認するのは難しい地形に設置されている施設の写真を撮影することも可能なので、よりきめ細やかな点検体制を実現できます。
株式会社日立製作所では、地域社会を支えるインフラを強靭化する目的で「設備点検AIプラットフォーム」を開発しました。同プラットフォームは、インフラ点検のために必要な一連のプロセスを自動化できるソリューションです。
AIを活用してインフラ点検を行うためには、次のようなプロセスが必要になります。
設備点検AIプラットフォームを活用することで、これらの一連のプロセスを自動化し、インフラ点検の効率化とAI解析の精度向上を実現できます。
具体的な例としては、ドローンや人力の点検によって得られたデータを統合するプラットフォームが、老朽化したインフラを選定したり、効率的に点検作業を行うよう指示を行ったりする効果が期待できます。
開発の詳細については、下記の記事をご参照ください。
日立が「設備点検AIプラットフォーム」の開発で社会インフラを強靭化

自社のビジネスにAI技術を活用する際のアイディアを出すためには、他者の成功事例やサービス内容のリサーチが参考になります。インフラ点検にAI技術を活用した事例・実証実験・サービスを5例紹介します。
電力事業を営む九州電力株式会社とドローンによる点検サービスを提供する株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマークは、「非GPS対応自律型ドローン」を複数機体用いて、遠隔で自動・自律巡回飛行を行う実証実験を、国内で初めて実施しました。
この実証実験では、3機のドローンを同時にコンピューター上で制御し、巡回飛行中にドローンに搭載されたカメラが捉えた映像を、遠隔地からリアルタイムで確認する取り組みが行われています。ドローンは自動的に巡回飛行を行うため、人間の操作は不要であり、ドローンを飛ばすだけでコンピューター上から映像を監視することが可能です。
これまで、2社は九州電力の発電所をはじめとした複数拠点において、ドローンを用いたインフラ点検の検証を行いながらドローン機能の拡張に努めてきました。今回の自動・自律巡回飛行の実証実験によって、今後もさらなるドローン機能の強化とインフラ点検サービスの拡充を目指していく予定です。
九州電力は、コンピューター・ソフトウェアを開発・提供する株式会社オプティムともドローン・AI技術を活用した技術提携を行っています。
2社においては、ドローンとAI解析技術を組み合わせた「インフラ点検DX」を実施し、九州電力のダム遮水壁点検業務について、効率化および高度化を実現しました。また、設備異常検知の精度を高めた上で、大幅なコスト削減にも成功しています。
インフラ点検DXにおいては、かねてから九州電力がドローン測量に活用している「自動操縦プログラム」をダム遮水壁の壁面撮影に応用しています。また、自動操縦プログラムにオプティムが持つAI画像解析技術を掛け合わせることで、ダム遮水壁のひびや表面保護層の塗布が剥がれている不具合などを、わずか1cmで検知することができます。
インフラ点検DXの実現によって、点検時間が短縮しただけでなく、遮水壁の劣化を判定する基準が均一化されたり、経年劣化の見落としを防いだりすることが可能になりました。また、点検業務に要するコストを約40%も削減できています。
ドローンとAI解析技術を活用 ダム遮水壁点検業務で高精度な異常検知を実現
Automagiでは、カメラが撮影した画像をAIが分析し、錆が発生している箇所を高精度で検知することが可能な「錆感知AIソリューション」を提供しています。画像からAIが自動的に錆の発生個所を特定できるため、劣化状態の判定に要する工数を削減するとともに、業務効率化を実現可能です。
また、新入社員と熟練技術者のスキル格差によって、判断基準に差が出ることも防止し、点検精度を引き上げることができます。これによって安定的な点検ノウハウの技術継承が可能になるだけでなく、新人の教育コストを削減できたり、労働力不足をカバーできたりするメリットがあります。
検知結果の確認はWeb画面から簡単に行えるだけでなく、画像またはcsvファイルでダウンロードも可能です。結果をダウンロードして任意に加工し、レポートの出力などを行う際に活用できます。
カスタマイズを行って他システムと連携させることもできるため、幅広い活用方法が期待できます。
サイエンスパーク株式会社が開発するSciCS(サイクス)は、コンクリート劣化検出を目的とした画像処理技術です。
カメラによって撮影された画像データを参考に、検知用のAIモデルを設計・学習することで、コンクリートのひび割れや錆検出、ジャンカ・乖離、表面汚れなどのさまざまなマイナス要素を判定し、コンクリートの劣化を高精度で検出できます。
コンクリートのひび割れ検出に特化した「コンクリート柱ひび割れ検知エンジン」をはじめとして、さまざまなソフトウェアやシステム、アルゴリズムを掛け合わせることで、熟練のコンクリート診断士のように精度の高い検知が可能です。
カスタマイズ性が高いこともSciCSの特徴のひとつで、クライアントの現状に合わせて適切なハードウェアやソフトウェアを選定し、最適なシステムの構築につなげられます。出力データは希望の形式を選択できるため、劣化検出後のレポート作成などにも役立ちます。
vizo株式会社では、製造業、建設インフラ、防犯、物流、介護など、多種多様な業種を対象として、現場のさまざまな問題を解決するためのAIモデルのカスタム開発サービスを提供しています。
高い技術力による自社開発を行い、業界やクライアントの要望を叶える柔軟なカスタマイズを実現し、個々のクライアントの要件に寄り添ったAIソリューションを構築できます。導入時から運用支援に至るまで、専門コンサルティングチームによるきめ細かいサポートを行うため、AIの運用が初めての方でも不安なく実運用に移ることが可能です。
端末に近い場所にAIを実装する「エッジAI」を採用しているため、ネットワークの遅延を心配せずに、リアルタイムな処理を実現できます。ネットワークを経由しない性質上、場所を選ばない設置が叶うだけでなく、通信コストの削減にもつながります。
スペシャリストチームが開発した最先端のAI技術を駆使して、あらゆる業界のDXを実現します。

インフラ点検は、人々の生活やビジネス基盤となる設備や施設を安全に維持し続けるために、必要不可欠な作業です。従来は人間の技術者によって担われていましたが、労働力不足や技術者の高齢化などにより、安定的な技術継承が難しくなるなどの問題が生じるようになりました。
また、国内のインフラは開発から長い年月が経過して老朽化が進んでいるものも多く、刷新が必要な現場も多々ありますが、費用を捻出できないなどの課題を抱えているケースもあります。
このようなインフラに関わるさまざまな課題を解決するためには、AIを活用したデジタルへの転換を図り、業務の自動化によって効率的に業務を行うとともに、コスト削減や安定的な技術継承が可能な体制を整える必要があります。
AIsmileyでは、インフラ点検×AIに関わるサービスを提供しているさまざまな企業を紹介しています。AIを活用したインフラ点検を検討されている方は、ぜひ下記のURLもご参照ください。
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