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データウェアハウス(DWH)とは?必要性や機能をわかりやすく解説

最終更新日:2023/11/10

データウェアハウス(DWH)とは、複数のシステムからデータを統合し、分析を行うためのシステムのことです。しかし、言葉は聞いたことがあっても具体的な内容を知らない方も多いと思われます。そこで、こちらではデータウェアハウスの概要や必要性、選び方などを解説します。これからデータウェアハウスの導入を考えている方に役立つ情報を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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データウェアハウス(DWH)とは


データウェアハウス(DWH)とは、複数のシステムからデータを集約し、分析のために整理を行うシステムのことです。データウェアハウスを提唱したのは、アメリカのコンサルタント William H.Inmon氏です。1990年の著作「 Building the Data Warehouse」によると、データウェアハウスは「目的別に編成・統合された時系列で、削除や変更をしないデータの集合体」と定義されています。データウェアハウスに求められる4つの要素は次のとおりです。

データベース(DB)の違い

データベースとは、決まった形式で整理されたデータの集合体のことを指します。データウェアハウスとの違いは、使用の目的です。データベースは集めたデータの共有や編集、参照といったことに使われるのに対し、データウェアハウスはデータの分析を専門的に行うシステムとして作られています。

データウェアハウスでは「商品」「取引先」「顧客」といったように主題ごとにデータが分類されており、より効率的で細かな分析に役立てられます。

また、データウェアハウスは同一のスキーマによってデータを統合しているため、複数のシステムから集めたデータでもスピーディーに処理できるところもデータベースとの違いです。分析が目的であれば、データウェアハウスを使った方が効率的に作業を進められます。

データマートとの違い

データマートとは、システムに蓄積されたデータの中で目的に見合ったものだけを抽出し、分析しやすいように格納したデータベースのことです。分析を目的としてデータを格納するものであることはデータウェアハウスと同一ですが、分析範囲に違いがあります。

データウェアハウスはさまざまなデータを総合的に格納するのに対し、データマートは目的を細かく決めたうえで限定的にデータの格納を行うのが特徴です。例えば、顧客にメールを送信することを目的とした場合は、データマートに「顧客の氏名」と「メールアドレス」のみのデータを集めて分析に役立てます。

データマートは小規模なデータベースのようなものなので、必要なときに簡単に作成できます。目的に見合った情報のみを集めているため、データウェアハウスと比べて分析のレスポンスも早いです。営業やマーケティングなど、個別の部署で分析を行いたいときに役立ちます。

ただし、データマートは必要最低限のデータで構成されているため、分析対象範囲は限られます。社内全体の意思決定を行う場合には、さらに分析範囲の広いデータウェアハウスの方が活用できると考えられます。

データレイクの違い

データレイクとは、多種多様なデータを収集し、一元管理できるようにまとめておく格納システムのことです。データウェアハウスとの違いとしては、格納するデータの種類が挙げられます。

データウェアはハウスで格納するのは、構造化データです。構造化データとは、ExcelやCSVなどの表形式への処理が行われたデータのことで、効率的な分析に役立てられます。

一方で、データレイクハウスで格納するのは、非構造化データです。非構造化データとは動画や画像、音声ファイル、メールなど、表形式への処理を行わない無加工のデータを指します。無加工のデータをそのまま格納するため、データウェアハウスよりも大きなストレージが必要になります。

ビジネスインテリジェンス(BI)との違い

ビジネスインテリジェンスとは、データウェアハウスに格納されたデータを分析したり、可視化したりするために用いられるツールです。データウェアハウスは分析対象のデータを格納することに特化しているのに対し、ビジネスインテリジェンスは格納したデータを分析するために利用されます。

ビジネスインテリジェンスではグラフや表でデータが可視化されているため、データ分析に慣れていない人でも全体の状況を把握しやすく、的確な意思決定を行うための強い味方になります。しかし、近年はビジネスインテリジェンスのツールにデータウェアハウスの機能も持ったサービスも出てきており、両者の区分けは曖昧なものになっています。

データウェアハウス(DWH)の必要性


データウェアハウスは、社内に蓄積された各システムのデータを集約し、分析しやすくするために必要なものです。企業内では「在庫」「生産」「会計」などさまざまな業務をシステム化して管理していますが、各システムは単独で構成されているため、いくつかのシステムのデータをまとめて取り扱うことはできません。そのため、データの統合と分析を可能にするデータウェアハウスの必要性が高まるようになりました。

例えば、データウェアハウスを活用すれば、各システムのデータが1ヶ所に蓄積されていくため、部署間でデータをやり取りする手間がなくなります。データウェアハウスからすぐに必要なデータを手に入れて分析を行えるため、業務の効率化に繋げられます。

データウェアハウス(DWH)の機能

データウェアハウスの機能は、以下の通りです。

  • 時系列ごとにデータ整理
  • サブジェクトごとにデータ整理
  • データの統合
  • データの長期保管

各機能の詳細を確認し、データ分析に役立てていきましょう。

時系列ごとにデータ整理

時系列ごとのデータ整理とは、新しいデータが発生しても過去のデータが上書きされたり、消去されたりすることはなく、時系列に沿ってデータが蓄積されることを指します。最新データのみならず過去のデータもきちんと整理されるため、全体的な状況を把握したうえで的確な意思決定ができるようになるところが利点です。

例えば、銀行のデータを格納する場合、現金や預金の出入りをはじめとしたすべてのデータが時系列ごとに蓄積されます。そのため、2年前や3年前の口座残高など、あらかじめ定めた時点でのデータの流れを確認でき、総合的な分析に役立てられます。

サブジェクトごとにデータ整理

サブジェクトとは、簡単に言えばデータの内容のことです。例えば、顧客情報や製品情報など、ビジネスにおける分析の対象となる項目が該当します。
データウェアハウスでは、サブジェクトごとにデータを整理可能です。それは、次のようなステップで実行されています。

  1. 抽出…異なるソースシステムからデータを取り出す
  2. 変換…撮りだしたデータを一貫性のある形式に変換し、異なるソースのデータでも同じ基準で分析できるようにする
  3. ロード…変換したデータをデータウェアハウスに格納する

データウェアハウスでサブジェクトごとにデータを格納すると、次のようなメリットがあります。

  • データを一元的に分析できるようになる
  • 整理されたデータを参考にして意思決定がしやすくなる
  • サブジェクトごとにデータを管理することにより、効率よくデータ管理ができるようになる

サブジェクトごとにデータを整理することは、ビジネス視点からのデータを理解でき意思決定がしやすくなることや効率的なデータ管理のための手段とも言えます。

データの統合

データの統合とは、各システムから集めたデータを同一のスキームに変換することです。例えば、同じ顧客IDデータでも、文字列になっている場合や、メールアドレスになっている場合など、取り扱うシステムによってさまざまなケースがあります。

そのままデータベース化すると、本来であれば同様の顧客IDを表しているのにも関わらず、複数の顧客として認識・分析される可能性が高いです。データウェアハウスでスキームを統合しておけば、上記のようなデータの誤認を防げます。

データの長期保管

データウェアハウスに格納されたデータは削除や更新が行われないため、長期的に保管ができます。長期保管が可能であれば、古い過去のデータも分析に役立てることが可能です。

ただし、容量によってはデータ蓄積の限界を迎えることもあります。そのような場合は、優先度の低いデータを消したり、アーカイブ化したりといった対処が必要です。

データウェアハウス(DWH)を導入するメリット

メリットとデメリット

データウェアハウスを導入すると、次のようなメリットが期待できます。

  1. 業務を効率化できる
  2. 経営戦略の選定に役立つ

どのようなことなのか、次項より詳しく説明します。

業務を効率化できる

データウェアハウスを導入すると業務効率化が期待できます。その理由は、データの収集や整理、分析が効率的に行えるようになるからです。

具体的には、次のような工程で人の作業が減り、業務効率化につながります。

データ収集 データウェアハウスでは、異なるソースからのデータを一元的に収集できるため、人の手によるデータ収集の作業が軽減する
データ整理 データを「サブジェクト」ごとに整理できるため、特定の情報を素早く見つけ出せるようになる
データ分析 一元的に整理されたデータを元にして、保活的な分析が可能になる

このような作業をデータウェアハウスが担当することにより、その分の時間を他の作業に費やせるようになります。

経営戦略の策定に役立つ

データウェアハウスは、経営戦略の選定に役立ちます。なぜなら、データを一元管理しているため、そこから今までの動向や事例から見える本質を把握できるようになるからです。

例えば、データウェアハウスはこのように利用できます。

【各業界のデータウェアハウス利用例(一例)】
・小売業
小売業では、データウェアハウスに蓄積された売上データや顧客の購入履歴などから、ドレンドや顧客の購買傾向の把握が可能になります。これらの情報は、商品の需要を予測し、在庫管理を最適化するのに役立ちます。

・製造業
製造業では、データウェアハウスにて生産データや部品の在庫状況、製品の出荷状況などを統合し、部品の在庫状況や製品の出荷状況などを把握できるようになります。その情報を元に、生産計画や部品の発注計画を立てることで、生産効率の向上が期待できるようになります。

このようなことから、データウェアハウスは経営戦略の選定に役に立つと言えるのです。

データウェアハウス(DWH)を導入するデメリット

デメリット画像

データウェアハウスの導入には2つのデメリットも考えられます。

  • 変則的なデータ分析を行えない
  • 運用スタッフの教育が必要となる

データウェアハウスの導入は、メリットとデメリットを比較して検討することをおすすめします。どのようなデメリットがあるのか、次項にて詳しく説明します。

変則的なデータ分析を行えない

データウェアハウスは、「事前に整理されたデータを用いて分析作業を素早く行う」という設計と構造から、変則的なデータ分析を苦手としています。データウェアハウスは、特定のサブジェクトごとにデータを整理し、関連する情報を一元的に管理し分析することを目的としているために、枠組みから外れたデータを扱うことは難しいのです。

この問題に関しては、他のツールと組み合わせることにより解決可能な場合があります。例えば、AIを組み合わせることにより、非構造化データや高度な予測分析などの変則的なデータ分析も可能になります。双方のツールを組み合わせ活用していくことにより、より深い洞察が得られるようになるのです。
データウェアハウスが苦手な変則的なデータは、得意とするツールと併用することでより戦略的な活用ができるようになります。

運営スタッフの教育が必要となる

データウェアハウスは大規模なデータベースを活用する仕組みの1つです。そのため、利用する運用スタッフが知識と技術を持ち合わせていないと、導入しても効率よく活用できない恐れがあります。

データウェアハウス運用スタッフには、次のような知識や技術が求められます。

データベース管理能力 データウェアハウスは膨大なデータを管理するため、SQL (Structured Query Language)のような専門的な言語への理解を含めた管理能力が求められる
ETLプロセス データウェアハウスは、抽出(Extract)・変換(Transform)・ロード(Load)の3つのプロセスが重要となるため、このプロセスを理解し、適切に実行できる能力が求められる
データ分析能力 データウェアハウスの分析を経営戦略に活用するために、統計学やビジネスインテリジェンス(BI)ツールの活用など、データ分析ができるスキルが必要になる

このような理由から、データウェアハウスを効率よく活用するためには、運用スタッフの教育やスキルアップが必要です。

データウェアハウス(DWH)の導入がおすすめの企業の特徴

データウェアハウスの導入がおすすめな企業の特徴は次のとおりです。

  • 大量のデータを取り扱う
  • 複数のデータソースを集約する
  • 経営戦略を効率的かつ迅速に行いたい

例えば、次のような業種においてデータウェアハウスを活用すると、作業効率アップや業務改善が期待できます。

小売業 販売データ・在庫データ・顧客データなどが日々作成される小売業では、データウェアハウスを導入することで、データを販売戦略の策定や在庫管理などに活用可能
製造業 日々作成される大量のデータを効率的に分析し、生産プロセスが最適か、品質の向上のためにどうすればいいのか判断する材料になる
航空業界 フライトデータや顧客データなど、多種多様なデータを扱う航空業界では、データを一元的に管理することでサービスの改善や運航の効率化が期待できる
金融業界 取引データや顧客データなどの機密性の高いデータを多く取り扱う金融業界では、データウェアハウスを導入することで、リスク管理や顧客サービス改善などに役立てられる

このような企業でデータウェアハウスを導入すると、作業効率アップや効率のよい経営戦略が練られるようになります。

データウェアハウス(DWH)の活用事例

最後に、データウェアハウスの活用事例を紹介します。自社で導入する際の参考にしてみてください。

事例①ECサイトにおけるデータ管理

ECサイトでは、利用者の閲覧・購入履歴などのデータをデータウェアハウスに格納することで、顧客満足度や売上の向上に役立てられます。ECサイトは、購入・閲覧履歴や出品者情報などさまざまなデータを管理・分析しなければなりません。

ECサイトの規模が大きくなるほどに管理すべきデータも膨大となり、分析にも手間がかかります。データウェアハウスなら大量のデータの格納から分析まで行えるため、需要に見合ったサイトの効率的な構築が可能です。業務の負担が改善されるのに加え、顧客の需要を満たすことで売上アップに繋げられます。

事例②POSデータの分析

POSとは、売上情報を記録し、データ収集や顧客分析を行うシステムのことです。データウェアハウスならPOSに蓄積されたデータをスピーディーに分析でき、効率的に顧客の需要を把握できるようになります。

例えば、小売店の仕入れ時にデータウェアハウスの分析を利用すると、顧客がどのような商品を求めているのか明確になり、仕入れの失敗を防ぐことが可能です。膨大な売上情報データの分析に時間がかかり、業務に負担がかかっている場合に導入すれば、業務効率の改善に役立てられます。

事例③空席率改善

データウェアハウスで過去の顧客データを分析し、キャンセルの傾向を明らかにすることで、空席率改善対策を立てやすくなります。

キャンセルや空席は企業にとって大きな損失となるため、データウェアハウスによる分析結果を基に空席率の改善策を立てている業界は多いです。

例えば、航空会社やテーマパークの運営会社、映画会社などで過去データの分析が行われています。空席率が改善されれば機会損失が減り、収益アップに繋げられます。

データウェアハウス(DWH)の選び方のポイント

データウェアハウスの選び方のポイントは以下の通りです。

  • 提供形態を選ぶ
  • 機能性で選ぶ
  • 操作性で選ぶ
  • 容量を拡張できるか選ぶ

各ポイントを押さえたうえで、データウェアハウスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

提供形態で選ぶ

データウェアハウスには、オンプレミスタイプとクラウドタイプの提供形態があり、自社の目的にあった方を選ぶことが大切です。

オンプレミスの場合、自社で管理しているサーバーにソフトウェアを入れて運用を行います。すべて自社で管理できるため、秘匿性の高いデータも安心して格納できるところが利点です。ただし、業務に合うかたちでデータ分析を行うための調整などは自社で行う必要があります。

クラウドタイプは、インターネット上でデータウェアハウスのサービスを受けられる形態です。初期コストが低く、データが増えた場合も柔軟に対応できます。しかし、自社の業務に適したかたちで運用できるという点ではオンプレミスタイプには敵いません。最初はクラウドで試し、後でオンプレミスを検討するといったように、段階を踏んで導入するのも1つの方法です。

機能性で選ぶ

処理スピードをはじめとした機能性も、選び方で重視しておきたいポイントです。特にデータウェアハウスでは膨大な量のデータを扱うので、処理スピードの速いものを選ぶことをおすすめします。処理スピードに関するサンプルデータをチェックし、自社の業務に見合った機能を備えているか確認してみてください。

また、効率的な分析を行うためには他システムとの連携機能も備えている必要があります。他システムへスムーズにデータを移せるかなど、連携性の高さも重視することが大切です。

操作性で選ぶ

さまざまな部署の社員が利用するデータウェアハウスは、誰もが操作しやすいように設計されている必要があります。「扱いに慣れていない人でも、一目見ただけでデータ分析を理解できるか」「直感的に操作できるか」といったことを確認しましょう。あらかじめ無料体験版を試してみるのもおすすめです。

容量を拡張できるかで選ぶ

時系列に沿ってデータを蓄積していくデータウェアハウスは、いつか容量が不足し、拡張しなければならないときが訪れます。そのため、簡単に容量を拡張できることも意識しておきましょう。

例えば、クラウドタイプならプラン変更だけで容量を拡張できる場合が多いです。一方で、オンプレミスタイプではシステムの改修が求められる場合もあります。拡張時の対応をチェックし、なるべく簡単に容量を増やせるものを選ぶようにしてください。

データウェアハウス(DWH)の構築手順

データウェアハウスを導入するためには、4つのステップが必要になります。

  1. 要件定義
  2. 設計
  3. 実装
  4. 運用

それぞれのステップでどのようなことをすればいいのか、次項にて詳しく説明します。

1.要件定義

データウェアハウスの要件定義とは、システムを構築するために必要な要件を明確にするプロセスのことを指します。

このことは、データウェアハウスを効率よく各要するために非常に重要で最初に行うステップです。要件定義の段階でデータウェアハウスを活用する目的と、利用することでどのようなデータが取得できるか、また、定期的に取得できるのか確認しておかないと、次のステップに影響が出てしまいます。

データウェアハウスの要件定義の段階では、次のようなことに注意しましょう。

4つの基本的な要件を念頭に置く ・サブジェクトごとに編成されている(サブジェクト思考)
・データが統合されている(統合)
・過去のデータを所有する(時系列)
・データが更新や削除されずに永続する(不揮発性)これらはデータウェアハウスを構築するために必要な特性のため、これらに基づいて設計・実装・運用していくことが重要
目標を明確にする 「なぜ、データウェアハウスを使用するのか」「どのような目的があって導入するのか」を明確にすることで、データウェアハウスで解決したい問題や適切な設計および運用が行えるようになる

2.設計

データウェアハウスにおける設計は、システムを構築するための仕組みを作成する段階に当たります。要件定義の段階で明確にした目的に合わせて、データウェアハウスで行う機能(レポート作成や分析ツールの連携など)やパフォーマンスやセキュリティなどの非機能要件を定めていきます。

その上で、次のようなことに注意して設計することをおすすめします。

ビジネス要件の定義 どのようなデータが取得されているのか、定期的にデータが取得できるのかなどを確認する
データモデリング それぞれのデータ分布を可視化し、効率よく管理するためにモデリングが必要になる
物理的環境の設定 「開発」「テスト」「本番」の3つのフェーズを別々のサーバーで管理し、各フェーズの作業を効率よく進められるように設定する

3.実装

設計したデータウェアハウスの仕組みを、実際に構築する作業が「実装」の段階になります。

実装するときには、次の点に注意しましょう。

データの一貫性・正確性・整合性のテストプランの決定 データウェアハウスの信頼性を確保するために、データの一貫性や正確性、整合性のテストをする
適切な統合やタイムスタンプの設定 複数のシステムから収集し、統合したデータが適切に行われるかの確認や、いつ収集されたものかわかるタイムスタンプの設定をする
データの設定・管理・自動化の計画と設定 データウェアハウスで正しくデータを取得・統合・管理していくために、一連のデータ処理をどのようにするか計画し、正しく設定する
ツール・ライフサイクル・データのコンフリクト(衝突)に注意し、間違いを修正 実装は複雑な作業になるため、正しく実装されているかチェックし、間違い(エラー)が発生したときは修正する

4.運用

データウェアハウスが構築された後に業務で活用し、必要に応じて更新や改善を行う一連の作業が「運用」です。運用には、データの更新と管理はもちろん、パフォーマンスの監視や最適化、セキュリティの確保も作業に含まれます。

データウェアハウスを運用するにあたって、次のようなことに注意すると、効率よく運用ができるようになります。

現在のビジネスモデルに対応できるようにする ビジネスモデルは日々変化し関連する用語も新しくなるため、それらに対応できるように標準化する必要がある
データの品質維持および向上に努める データウェアハウス内に新しくデータをインポートするときには、誤っていたり不要だったりするデータの削除や修正を行った上でインポートし、データの品質維持や向上に努める

まとめ

データウェアハウスは、大量のデータを蓄積し、分析するために欠かせないシステムです。各システムのデータを統合し、時系列ごとに並べて分析を行えば、業務の効率化や的確な意思決定などに役立てられます。

しかし、初めてデータウェアハウスを導入する場合、何をどうすべきか分からず迷うこともあると思われます。そのような場合は、AI資格を持つコンサルタントによる無料相談を利用してみてはいかがでしょうか。

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