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最終更新日:2025/04/22
自社でAzureを使っているけれど、管理や操作の手間がかかりすぎて困っているという人はいませんか?
クラウドサービスは時間の経過とともに利便性が上がり、新たな機能も追加されるため都度全体を見渡して管理したり、新しい機能の操作方法を学び続けたりするのは簡単なことではありません。
上記のような課題を解決するため、Azureユーザー向けにMicrosoft社が作ったのがAzure portalです。
この記事では、Azure portalでできることからかかる料金まで詳しく解説します。
Azure(アジュール)とは、Microsoft社が開発・提供するクラウドサービスです。
Azureでできることは、開発環境を借りるサービスのPaaS、インフラを借りるサービスのIaaS、ソフトウェアを借りるサービスのSaaSの3つに分類でき、例として以下のようなものがあります。
機能名 | 分類 | 概要 |
Azure App Service | PaaS | WebアプリやAPIを開発・運用できるプラットフォーム |
Azure SQL Database | PaaS | ユーザーがサーバの設定や保守をする必要がなく、データを表(テーブル)で管理するデータベース |
Azure Functions | PaaS(Faas) | サーバーの管理をする必要がなく関数単位でコードを実行できるサービス |
Azure Virtual Machines | IaaS | 好きなOSを選んで仮想PCを作成し、その中でアプリ開発や運用ができるサービス |
Azure Storage | IaaS | クラウド上にデータを格納できるサービス |
Azure Virtual Network | IaaS | Azure内に他のネットワークと分離されたプライベートなネットワークを構築・管理できるサービス |
Microsoft 365 (旧Office 365) | SaaS | Word、Excel、PowerPointなどのMicrosoft社のアプリケーションをサブスクリプションで利用できるサービス |
Azure DevOps | SaaS | 開発チームが効率的にソフトウェアを開発・テスト・デプロイするための一連のツールとサービスを提供しているプラットフォーム |
Power BI | SaaS | クラウド上でデータを可視化・分析できるツール |
Faasとは「Function as a Service(サービスとしての関数)」の頭文字を取った言葉で、サーバーレスでアプリケーション開発が可能なクラウドサービスのことを指します。
Azureには多岐にわたるサービスがあり便利ですが、その分利用するための管理や操作は複雑で手間がかかります。
Azure Portalとは、Azureのさまざまなサービスやリソースを一元的に管理・監視・操作できる画面や仕組みのことです。
Azure Portalを使えば、複数のAzureサービスを直感的に操作でき管理作業の負担を軽減できます。
具体的には、Azure Portalのトップページにポータルメニューが常に表示されているため、主要な機能にすぐにアクセスできるようになっています。
またAzureにはAI開発に必要なツールもそろっていますが、Azure Portalを使えばそれらを簡単に管理・運用できるのです。
参考:Microsoft Learn「Azure portal とは」
Azure portalでできることはたくさんありますが、Azure portalを通じてAI開発に必要なツールのAzure AIサービスを使うと、以下のようなメリットがあります。
項目 | Azure portalを利用した場合 | ローカル環境やオンプレミス環境(自社内でサーバーやネットワーク機器を保有・運用する環境) |
セットアップ | GUI(ボタンやアイコンをクリックして操作できる画面)で簡単に構築・管理可能 | 自前でインフラ構築・設定が必要 |
コード | 少ないコードで設定できる | SDK(ソフトウェア開発に必要なツールが詰め込まれたセット)やAPI(異なるアプリやシステムを連携させるための仕組み)を駆使しなければならない |
スケーラビリティ(拡張性) | 必要に応じてすぐに拡張できる | ハードウェアやリソース追加に手間がかかる |
セキュリティ管理 | Azure AD & RBAC(ユーザーに 特定の役割を与えることでそのユーザーが どのリソースにアクセスできるか、どんな操作ができるか を管理する仕組み)で統合管理 | 自前でユーザー管理が必要 |
連携性 | 他のAzureサービスとスムーズに連携できる | 別サービスとの統合が難しい |
Azure portalを通じてAzure AIサービスを使うと、環境の構築にかかる時間や手間を減らすことができるため、その分AIの開発がスムーズに進められるとわかります。
Azure portalを通じて使うことのできる主なAzure AIサービスは次の通りです。
項目 | 概要 |
Azure Cognitive Services | 開発者がAI機能を簡単にアプリケーションに組み込める |
Azure Machine Learning | 機械学習モデルの作成、学習、デプロイ(システムの実行ファイルをサーバー上に配置してユーザーが使えるようにすること)を支援するプラットフォーム |
Azure AI Document Intelligence | 文書から情報を抽出するAIサービス |
Azure Form Recognizer | スキャンした書類やフォームからテキスト、テーブル、選択肢などのデータを抽出するAIサービス |
Azure Speech Services | 音声認識、音声合成、翻訳など、音声に関連する機能をAPIとして提供するAIサービス |
Azure Translator | 複数の言語をサポートし、リアルタイムで翻訳ができるテキスト翻訳API |
Azure Personalizer | ユーザーの行動に基づいて、個々のユーザーに最適なコンテンツを推薦するAIサービス |
Azure Anomaly Detector | システムやアプリケーションの不具合や異常を早期に発見できるAIサービス |
AI開発をする時に開発者があまり手間や時間をかけたくないタスクを代わりにやってもらうことができ、サービスを利用するための環境構築もしなくてよいのがAzure portalの大きな特徴だと言えるでしょう。
参考:Microsoft Learn「Azure AI サービスのドキュメント」
Azure portalの使い方を、ログイン方法、ダッシュボード作成、お気に入りサービスの追加の3つのStepでご紹介します。
Azure portalにログインするには、MicrosoftアカウントとAzure アカウントをあらかじめ作成しておく必要があります。
アカウントが作成できたら、以下の手順でサインインしましょう。
①Microsoft Azure portalのページで「サインイン」をクリックする
画像出典:Microsoft Azure portal公式ホームページ
②メールかGitHubアカウントでサインインする
画像出典:Microsoft Azure portal公式ホームページ
③多要素認証を求める窓が表示されるため指示に従う
④ログインが完了する
多要素認証とはセキュリティの向上を目的として、ユーザーが何かのサービスにアクセスする際2つ以上のもので本人確認をすることを指します。
Azureのユーザーには多要素認証が義務付けられており、Azure portalもその対象となっているため、安心して使用することができるでしょう。
参考:Microsoft Japan Azure Identity Support Blog
参考:Microsoft Learn「Azure portalのサインインについて」
Azure portalにおけるダッシュボードとは、自分専用にタイルを配置してカスタマイズした管理画面のことです。
最初は既定のダッシュボードが準備されていますが、以下の手順で自分の使いたいタイルを配置して使うのがおすすめです。
難しい手順を必要としないので、あらかじめダッシュボードは自分の使いやすい設定にしておきましょう。
参考:Microsoft Learn「Azure portal でダッシュボードを作成する」
Azure portalにおけるお気に入りとは、よく使うサービスにすぐにアクセスするためのショートカット機能です。
お気に入りの一覧には最初は一般的なサービスが追加されていますが、次の手順で項目を追加してカスタマイズできます。
よく使うサービスが変化したら、削除や順番の入れ替えなどもできるので自分の使い勝手に合わせて便利に活用できるでしょう。
参考:Microsoft Learn「お気に入りを管理する」
Azure Portalそのものの利用にかかる料金は無料ですが、Azure Portalを通じてAzureのサービスを利用すると料金がかかります。
製品別の価格と料金計算ツールについてご紹介します。
Azureのアカウントを作る時に無料アカウントを選択すると、30日間200ドル分のクレジットがもらえます。
また、Microsoftの「Azureの価格」というページでは製品別の価格を公開しているため、利用した分だけ料金がかかる従量課金制だとわかりやすくなっています。
サービス別に価格表やオプションをつけた時の価格を見ることができ、表示したい通貨もプルダウンで変更できます。
製品別の価格について説明を聞きたい時は、右下にチャットボットも表示されるため質問してみましょう。
Microsoftの「料金計算ツール」のページでは、製品かサンプルシナリオを選ぶことで料金をシミュレーションすることができます。
見積作成・保存が画面上でできるので、複数の使い方に合わせた見積を作成しじっくり比較・検討することが可能です。
製品別の価格ページと同じく右下にチャットボットが表示されるため、初めて見積を作成する人でも質問しながらツールを使えます。
Azureとは、Microsoft社が開発・提供するクラウドサービスで、Azure Portalとは、Azureのさまざまなサービスやリソースを一元的に管理・監視・操作できる画面や仕組みのことです。
またAzure portalを通じてAI開発に必要なツールを使うと、セットアップが簡単で拡張や他のサービスとの連携もスムーズにできるなど、さまざまなメリットがあります。
この記事も参考にして、ぜひ積極的にAzure portalを活用してみてください。
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