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最終更新日:2024/02/22
近年はさまざまな業界でAI・人工知能の導入が進んでいますが、それはスポーツ業界も例外ではありません。特に野球界では、AIやIoTの活用によって分析の精度が高まっており、勝敗にも影響を与え始めているのです。
では、具体的にどのような形でAIが活用され始めているのでしょうか。今回は、野球界におけるAIの活用事例について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
AIの活用事例について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能の利用例を解説!機械学習を活用した身の回りの実用例
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福岡ソフトバンクホークスでは、AI・人工知能やIoTといった技術を積極的に活用し、より高度な分析を行っています。さまざまな技術を積極的に取り入れていますが、その中でも特に注目されているのが、ライブリッツ株式会社が提供する「Fastmoiton」という野球選手トラッキングシステムです。
この「Fastmoiton」は、福岡PayPayドームなどに設置している専用のカメラで試合を撮影し、撮影した映像をデータ化して分析していくというもの。ピッチャーやキャッチャー、バッターなど、それぞれのポジションの選手が守っている位置をキャプチャーすることで、選手一人ひとりが試合中どのように動いていたのかを細かくデータ化していきます。これにより、これまでは実現できなかった「守備」と「走塁」の分析が可能になったそうです。
これまで、守備の指導を行う際には、指導者の経験や感覚に頼らざるを得ない部分が多くありました。そのため、どうしても抽象的なアドバイスになってしまうケースが多かったのです。
しかし、守備の定量的なデータが取得できるようになったことで、被安打の結果と照らし合わせながら、戦略的な効果の検証を行うことができるようになりました。選手としても、データとして可視化されていれば、より具体的に課題を把握できるようになりますので、目標の明確化という点で大きなメリットがあるといえるのではないでしょうか。
また、「各ポジションが年間でどれだけ走ったのか」といったデータも簡単に収集できるようになったため、「センターやライトは特に走行距離が長い」「実はサードよりファーストのほうが動いている」といった点も明らかになったといいます。そのため、守備の苦手な選手がライトにつく「ライパチ」という概念も覆り始めているのです。

AI・人工知能の導入が進んでいるのは、球団だけではありません。野球の戦評を行う企業でも積極的にAIが導入され始めています。その代表例としては、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドとデータスタジアム株式会社が共同で開発したAI戦評サービスが挙げられるでしょう。
このAI戦評サービスは、試合の経過や結果を公平に評価する一般的な戦評記事だけでなく、勝利したチーム目線で作成した戦評記事や、敗北したチーム目線で作成した戦評記事など、どちらかのチームに肩入れした「ファン向け」の記事も提供することができます。つまり、通常であれば1試合につき1記事だった戦評記事も、「勝利チーム向け」「敗者チーム向け」といった2つの記事の提供が可能になるということです。
地方紙やファンクラブなどでは、応援するチームに肩入れした記事のほうが読まれやすいため、ファンの気持ちに寄り添った記事を作成できるという点は大きな魅力といえるでしょう。これはまさに、AIを活用するからこそ実現できることの一例なのです。
ちなみに株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイドは今後、試合中のAI戦評や出場選手評など、さらに提供範囲を広げていくことを予定しているといいます。このような事例を踏まえると、AIを積極的に活用することで、野球の楽しみ方もさらに広がっていくことがお分かりいただけるのではないでしょうか。

データスタジアム株式会社では、投手が失点を抑える上で最適な球種・コースをリアルタイムで予測するAIの開発も行っています。このAIは、1球単位の膨大な試合データを機械学習することによって、試合の状況や投手の持ち球を考慮した上で「最適な球種・コース」を予測するというものです。「最適な球種・コース」というのは、その投手にとって最もポジティブな結果につながる確率が高い球種とコースのことを指しています。実際の試合中では、得点や進塁といった状況に加え、対打者との過去の対戦成績などをリアルタイムに参照した上で、1球ごとに最適な球種・コースを約1.5秒で予測するそうです。
なお、2020年シーズンは、日本テレビ系列の地上波で中継された巨人主催の20試合の「AIキャッチャー」という企画で活用されました。現在はまだ一部の試合でしか活用されていませんが、今後はより多くの試合で積極的にAIが活用されていくようになるでしょう。
AIを活用することで、視聴者もさまざまな視点で野球を楽しむことができるようになります。それは、野球というスポーツを楽しむ人にとっても大きなメリットといえますし、野球というスポーツを興行的な側面で捉えた場合にも大きなメリットがあるのです。そのような点を踏まえると、今後はよりさまざまなスポーツでAIが積極的に導入されていくのではないでしょうか。

株式会社電通では、東京大学松尾豊研究室発のAIスタートアップである株式会社ACES、株式会社GAORE、株式会社共同デジタルと共同開発した「Deep Nine」というAIアプリケーションを2020年6月より提供開始しています。この「Deep Nine」というAIアプリケーションは、野球選手の特徴分析や能力強化、怪我の予防などをサポートすることができるというもの。日本国内のプロ野球球団への試験導入が決定するなど、大きな注目を集めています。
近年のスポーツ業界では、データの利活用が積極的に行われ始めている状況です。それはプロ野球においても言えることであり、蓄積された投球データや打球速度、打球の角度、守備におけるトラッキングデータなどを活用し、戦術の向上を図るというケースが多くなってきています。
その一方で、スポーツ選手自身の身体動作のデータを定量的に収集する方法に関しては発達段階にあるのが実情です。選手ごとの特徴を把握したり、怪我の原因を特定したりすることはできていません。
そのような背景もあり、電通などは野球選手の身体情報を活用すべく、ヒューマンセンシング技術を応用することによって身体の位置や角度、速度といった情報を数値定量化できる「Deep Nine」の開発に至ったのです。
「Deep Nine」の具体的な仕組みとしては、AIを活用することで動画や画像から身体情報を定量化し、分析を行うというもの。最先端のディープラーニング技術を応用しているため、対象者の身体にセンサーを装着しなくても、カメラで撮影した映像から身体情報を取得することが可能です。
そんな「Deep Nine」の主な利用ケースとしては、主に次の3つが考えられます。投球時におけるフォームや球種ごとの「特徴把握」。選手ごとに身体動作とパフォーマンスの相関関係を分析し、身体動作の良い・悪いを解明することで次の練習に活かしていく「能力強化」。そして、怪我前・怪我後の身体の違いを分析することで、怪我の予防へとつなげていく「故障の予防」の3つです。
特徴把握や能力強化も魅力的な利用ケースといえますが、それ以上に「故障の予防」という利用ケースは、まだスポーツ業界の中でもAI活用が少ない領域といえるため、特に大きな価値があるといえるでしょう。突発的な怪我や手術などからの復帰サポートを行えるようになれば、より多くの選手が高いパフォーマンスを発揮できる環境の実現にもつながっていくかもしれません。
今回は、野球界におけるAIの活用事例について詳しくご紹介しました。AIの活用は、高い精度の分析によってチームを勝利に導くというメリットだけでなく、野球を観戦する人に「新しい楽しみ方」を提供するというメリットも存在することがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もちろん、AIの技術は現在も進歩し続けていますので、今後さらに革新的なサービスが登場する可能性もあるでしょう。そのサービスの登場によって野球の楽しみ方が広がれば、競技レベルの向上や、競技人口の増加など、数多くのメリットをもたらしてくれるのです。
第三次AIブームと言われる昨今は、さまざまな業界でAIが積極的に導入され始めていますが、野球界にもプラスの影響をもたらしてくれることが期待されます。野球をさまざまな視点で楽しむためにも、ぜひこの機会にAIに関する知識を深めてみてはいかがでしょうか。
AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説
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