生成AI
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最終更新日:2024/04/03
「スマホアプリ上からお問い合わせができる」「24時間365日対応」といったチャットボットのメリットは、交通機関でのカスタマーサービスでも活用されています。今回は、交通機関でのAIやチャットボットの活用事例について見ていきましょう。
高速バス「VIPライナー」などを運営する、埼玉県のバス会社平成エンタープライズは、2017年にバス業界で初となるチャットボットでの自動応答システムを導入しました。空席確認や座席予約をしたい場合、LINE@やFacebookメッセンジャーで問い合わせると、平成エンタープライズのキャラクター「ネコ社長」が24時間即時に回答してくれます。「大きな荷物があるが乗車できるか」「友達と隣同士の座席に座りたい」といったパーソナルな質問や要望にくわえ、雑談もネコ社長におまかせ。同社では、夜間高速バスを運営しており、自動音声による自社運営の「VIPラウンジ」案内サービス「VIPラウンジ道案内自動音声ガイダンス」も24時間対応しています。
西日本旅客鉄道(JR西日本)は2018年5月、忘れ物をチャットボットが自動受付する「お忘れ物チャットサービス」を正式導入しました。同サービスは、駅や電車内での忘れ物の捜索や問い合わせなどをJR西日本のポータルサイト「JRおでかけネット」(PC/モバイル)上のチャットから依頼できるというもの。ただ、受付した内容はオペレーターに情報連携するため、捜索結果の回答や駅への連絡などは午前8時~午後22時の受付時間内のみとなるようです。それでも、利用者からは「通話する必要がないので、電車内からすぐに捜索できた」「受付にかかる時間が短縮された」といった声が上がっており、評判は上々とのことです。
東日本旅客鉄道(JR西日本)は2017年5月より、「JR 東日本Chat Bot」を試験的に公開。LINEを活用して運行情報やコインロッカーの空き状況などを提供するサービスの実証実験を行っています。ユーザーがよく使う路線を登録しておき、メッセージを送ると運行状況を教えてくれる機能や、主要駅のコインロッカーの空き状況をリアルタイムで教えてくれます。コインロッカーの大きさを「大」「中」「小」で絞り込んでチェックすることも可能。また、よく使う路線は、4路線まで登録できるようです。日常的に使うLINE上だからこそ、専用アプリよりも手軽に使えるとこちらも評判は上々のようです。
東京駅は2018年3月、鉄道駅としては世界で初めて、訪日外国人向けAIチャットコンシェルジュ「Bebot(ビーボット)」を導入しました。英語と中国語の2か国語で24時間・365日、駅構内や乗り換えの案内を行います。使い方は、駅構内に掲示されたQRコードをスマホで読み込み、Bebotのページが立ちあげて位置情報を共有すると、AIとのチャットが可能になるというもの。1日約183万人が利用する東京駅での利便性向上を目指しています。
上記で紹介した事例のほか、名古屋鉄道(名鉄)も2018年10月から、会話型AIを活用した案内サービスの試験運用を開始しています。これは、利用者の利便性向上と将来予想される人口減少による要員不足を見越しての導入とのこと。少子高齢化が懸念される日本では、労働力減少であらゆる分野での人手不足が見込まれており、交通機関も例外ではありません。コールセンターや駅職員の業務軽減がますます必要とされるようになり、AIやチャットボットによる問い合わせ対応の自動化が進むことでしょう。また、今後はより多様なチャットボットがリリースされることが予想されますので、しっかりと比較検討を行い、自社のサービスにマッチしたサービスの導入が必要になるでしょう。
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