RPA導入成功事例5選!業界・業種別の課題や業務効率化の実績を解説
最終更新日:2023/09/14
RPAツールは、私たちが日常的にパソコンで行う動作を記録し、その動作を自動で再現することで時間短縮ができます。一見、マイクロソフトのOffice製品にあるマクロ機能と似ているかもしれませんが、RPAは「デジタルレイバー」として、より広範囲で複雑なタスクをプログラミング不要で自動化する能力を持っています。
今回の記事では、下記項目を解説します。
- RPAの導入と活用に関する実際の事例
- 各業界の課題とその解決策
- 導入後の効果
RPAが企業のどのような問題点を克服し、どのような成果をもたらすのか、具体的な導入事例を通じて探る本記事は、RPAの導入を検討しているすべての企業にとって貴重な情報源となります。
RPAを無償提供している企業を知りたい方は、下記記事もご覧ください。
新型コロナウイルス対策支援!RPAを無償提供している企業まとめ
RPAとは
RPAとは、Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略であり、人間がコンピューター操作で行う定型業務をソフトウェアによって自動化する仕組みを指します。
現代のホワイトカラー業界での事務作業効率化のキーワードとして、RPA(Robotic Process Automation、ロボテック・プロセス・オートメーション)が急速に注目を集めています。
RPAを使用すると、繰り返しの作業や手作業を自動化することができ、効率的な業務運営が可能となります。また、企業は時間とコストの削減、生産性の向上、エラーの減少などの効果を実感できます。
三菱UFJ銀行×融資事務センターのRPA導入活用事例
三菱UFJ銀行は、2年以上のパイロット期間を経て、RPAを本格的に導入しました。同行全体で2000件超の手動業務をRPAに置き換えました。
パイロット業務として選ばれたのは、融資事務センターでの住宅ローン向け団体信用保険申告書の点検業務です。担当者が用紙を1枚ずつ点検していた保険会社への提出書類と住宅ローンの明細を照合する作業になりますです。
また、紙の申請書をスキャンし、OCRで電子データ化してロボットが点検する形式に変更しました。何か問題点があるもののみを担当者が目視チェックするという形になりました。その結果、2500時間もの作業時間削減が可能となったそうです。
APAMAN株式会社×空室データ入力作業へのRPA導入活用事例
業界 | 不動産・住宅 |
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RPA導入企業名 | APAMAN株式会社 |
課題 | 空室情報のデータ入力はスタッフが手入力、店舗当たり1日8時間かかる |
効果 | 業務時間が3.2時間まで短縮、自動化による入力ミス防止、作業品質の向上 |
賃貸住宅仲介業のAPAMAN(アパマン)では、18年3月から直営の「アパマンショップ」の 55 店舗においてRPA導入を開始しました。
同社では、不動産業向けにテキストデータで提供している空室情報は全て、スタッフが手入力したものでした。この作業に1 店舗あたり平均で 1 日 8 時間の時間が割かれていたため、業務の効率化と自動化が摸索されていたといいます。そこで、11 ステップの作業のうち、6ステップにRPAを導入したところ、業務時間が3.2時間まで短縮されたそうです。また、自動化によって入力ミスも防げ、作業品質の向上にもつながりました。
立命館大学×支払い手続き作業へのRPA導入活用事例
業界 | 教育・学校 |
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RPA導入企業名 | 立命館大学 |
課題 | 年間25万件発生する支払い手続きを自動化したい |
効果 | 支払い手続きのための確定操作、週に3000回発生する定型業務を自動化し作業の効率化に成功 |
立命館大学では、年間25万件発生する支払い手続きのための確定操作をRPAツール「WinActor」に置き換えました。
そして毎週必ず1回に3000回発生する定型業務を自動化したことで、作業の効率化に成功しています。また、経営システムをERPに変更したことで、毎週4時間かかっていたデータ調整作業をRPAで自動化し、作業時間を短縮できました。
損保ジャパン日本興亜×各種書類作成やメール配信へのRPA導入活用事例
業界 | 保険 |
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RPA導入企業名 | 損害保険ジャパン日本興亜株式会社 |
課題 | 年間40万時間以上の時間創出 |
効果 | 約110の業務をRPAで自動化し、43万時間の時間創出に成功 |
損保ジャパン日本興亜は、下記のような壮大な目標を掲げました。
- RPAの夜間作業による生産性の向上
- 2万5000人の従業員の人員配置の最適化
- 業務シフトを見直し
- 年間40万時間以上の時間創出
2018年12月末時点で約110の業務をRPAで自動化しています。なんと、目標を超える43万時間の時間創出に成功したといいます。
また、社宅手配の可否の判定や、災害時の保険金支払い業務にRPAを導入しています。同社の保険金支払いも、東日本大震災が発生した2011年を超えるほどでした。
災害が起こると保険金支払い業務が激増するため、保険会社では被災地周辺に増員を手配します。
しかし、増員には時間やコストもかかるうえ、いまだ二次災害の危険の残る被災地にスタッフを派遣するリスクも伴います。RPAで業務を効率化していたことで、そうしたリスクの軽減にもつながりました。
神奈川県横浜市×ID・メールアドレスの申請・発行業務へのRPA導入活用事例
業界 | 行政・地方自治体 |
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RPA導入企業名 | 神奈川県横浜市 |
課題 | 手書きの申請書などをシステムにデータとして入力する事務作業を自動化したい |
効果 | 平均で84.9%、最大99.1%もの作業時間削減効果を創出 |
横浜市が業務効率化に向けて抱える課題の一つが「手書きの申請書などをシステムにデータとして入力する事務作業」だったといいます。
そこで、共同実験では、紙ではなくタブレットによる申請システムの構築などを行いデジタル化をはかるといった工夫もなされました。その結果、RPAを試験導入した業務では、平均で84.9%、最大99.1%もの作業時間削減効果を得ることができました。
また、庁内ネットワーク利用者以外のユーザーがログインする際にID・メールアドレスの申請を受け付け、審査、ID/メールアドレスの発行をする業務については、1週間30件の申請を30分かけていました。たものがしかし、業務時間は10分まで短縮され、年間での換算では24時間16分もの削減となりました。
最近では、RPAやOCRの利用分野は次第に拡大しており、特に紙文書の取り扱いが多い行政機関や大学事務などに活用が進んでいます。
また、RPAは営業職やテレワークでも利用することができます。
加えて、少子高齢化による労働力不足で働き方改革が求められるので昨今、ますます活用が広がっていくと考えられます。
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