生成AI

最終更新日:2023/12/22
アイリスは、咽頭画像の解析をもとにインフルエンザ判定を行うAIアルゴリズムを開発しました。専用カメラで撮影した患者の咽頭写真をもとに、体温等のデータと組み合わせてAI・人工知能がインフルエンザの「陽性」「陰性」を短時間で判定します。
このAIニュースのポイント
アイリス株式会社は、咽頭画像の解析をもとにインフルエンザ判定を行うAIアルゴリズムを開発し、咽頭カメラを含むAI搭載システムを「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づき、厚生労働大臣宛てに医療機器製造販売承認申請をしました。
既存のインフルエンザ検査法は、発症早期では診断精度が十分に発揮されず、現場で実践した際の精度が6割程度との研究報告があります。また、検査時に綿棒を鼻腔内に挿入する行為は、患者の痛みを伴うと同時に、検査時の医療者に対する飛沫感染リスクが懸念されています。
今回開発したAIシステムは、専用カメラで撮影した患者の咽頭写真をもとに、体温等のデータと組み合わせてAI・人工知能がインフルエンザの「陽性」「陰性」を短時間で判定するものです。患者にとっては侵襲性の低い検査法となり、また医療機関での診療プロセスを工夫することで医療者が患者由来の唾液飛沫を浴びる場面を減らしながら効率よく診察できることを目指しています。この仕組みには、日本人医師の宮本医師が発見したインフルエンザ濾胞(ろほう)の知見も活かされています。
2018・2019年度に、自社開発の咽頭カメラを用いて、臨床研究法における特定臨床研究として大規模な前向き研究を実施。のべ100医療機関・10,000人以上の患者の協力で、50万枚以上の咽頭画像を収集し、独自の咽頭画像データベースを構築しました。このデータベースの活用によりインフルエンザ判定AIプログラムを開発。AI解析に適した咽頭画像を撮影するための咽頭撮影専用カメラも自社で設計・開発し、既存の内視鏡等を用いずに口腔内・咽頭を鮮明に撮影することを実現しました。
2020年に治験を実施し、機器の有効性・安全性等を検証。前向き試験としてAI医療機器の有効性検証治験が実施された例は、米国FDA(アメリカ食品医薬品局、医療機器の認可を行う機関)認可の130のAI医療機器においても4製品のみで、日本においては初となります。
アイリスは、世界でも研究報告の前例がない、咽頭画像からインフルエンザ判定が可能なAIアルゴリズムとして、日本から世界への展開を目指すと同時に、咽頭画像を活用することでインフルエンザ以外の感染症や感染症領域以外の疾病判定が可能となるよう、大学病院、クリニック、学会等と引き続き連携の上、次なる医療機器の開発をより加速していきます。
出典:PR TIMES
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