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最終更新日:2026/04/24
GPT-5.4 mini / nano完全比較
業務でChatGPTを使用しているけれど、新しいモデルや使い分けの方法がわからないというお悩みはありませんか?
AIモデルは高速に進化しており、それぞれの特徴を理解していないと業務効率に大きな差が生まれます。
この記事では、OpenAIが2026年3月に発表したGPT-5.4 miniとGPT-5.4 nanoの違い・性能・料金をわかりやすく解説します。
2026年3月17日にOpenAIが発表した、高速かつ高性能を両立するバランス型の小型AIモデルです。
小型モデルとは、AIの内部構造(パラメータ数)が比較的小さく、処理速度やコスト効率に優れたモデルを指します。
前世代のGPT-5 miniと比較すると、コーディング、推論、マルチモーダル理解、ツール活用の分野で優れており、処理速度も2倍以上に向上しています。コーディング支援やエージェント処理など、実務用途でも幅広く活用できるでしょう。
同日よりAPIとCodexで利用可能です。ChatGPTにおいては、無料版とGoで「Thinking」から利用できるほか、上位プランではGPT-5.4 Thinkingの利用上限に達した際の代替モデルとして機能します。
GPT-5.4 miniと同日に発表された、シリーズの中で最も小型かつ低コストなモデルです。
コーディングや複雑なツール連携が得意なminiに対し、nanoは分類、データ抽出、ランキングといった単純で回数の多いタスクに適しています。応答速度とコストが重視される場面での、補助的なサブエージェント処理などで活躍します。
なお、提供はAPIのみに限定されています。ChatGPTやCodexでは使用できず、システムへの組み込みや自動処理に特化したモデルです。
それぞれにどのような違いがあるのか、ベンチマーク、ツール連携・機能、プロンプト設計の3つの観点からご紹介します。

画像出典:OpenAI「GPT-5.4 mini と nano が登場」
2026年3月17日、OpenAIはGPT-5.4、GPT-5.4 mini、GPT-5.4 nano、GPT-5 miniのベンチマーク結果を公開しました。
比較には、SWE-Bench Pro、Terminal-Bench 2.0、Toolathlon、GPQA Diamond、OSWorld-Verifiedが使われています。
ベンチマークとは、AIモデルの性能を評価し比較するための基準や指標のことです。
画像に表示された各ベンチマークでは、AIの能力を以下のような観点で評価しています。
| ベンチマークの種類 | 概要 |
| SWE-Bench Pro (Public) | AIがコードベースを理解し、バグ修正や機能改善を正しく実行できるかを評価する実際のソフトウェア開発現場を想定した高難易度ベンチマーク |
| Terminal Bench 2 | コマンドライン環境においてAIが実際の開発・運用タスクをどこまで自律的に完遂できるかを評価するベンチマーク |
| Toolathlon | 複数のソフトウェアやツールを組み合わせた実務に近い環境において、AIがタスクをどこまで自律的に完遂できるかを評価するベンチマーク |
| GPQA Diamond | 生物学・物理学・化学などの高度な専門知識と、検索では解けない科学的推論力を評価するベンチマーク |
| OSWorld-Verified | 実際のコンピュータ環境上でAIがアプリケーション操作やファイル管理などのタスクをどこまで自律的に実行できるかを評価するベンチマーク |
今回の比較には、コード修正、ターミナル操作、ツール呼び出し、OS操作など、複数の手順をまたぐ課題が含まれています。文章生成だけでなく、実際の作業をどこまでこなせるかを測るための評価だと考えるとわかりやすいです。
これはAIエージェントやフィジカルAIの発展に伴い、より現実の業務に即した能力が求められているためです。
公開結果を見ると、GPT-5.4 miniは多くの項目でGPT-5 miniを上回っています。
一方、GPT-5.4 nanoは低コストモデルとして一定の性能を持ち、分類や抽出のような高速処理向けに使い分けしやすい位置づけです。
GPT-5.4 miniとGPT-5.4 nanoが連携できるツールや機能には、以下のような違いがあります。
以下の比較表で登場する「コンテキストウィンドウ」とは、AIが一度に処理・記憶できる文章量の上限(トークン数)のことで、長文の読み込みや長い会話を維持できるかを左右する指標です。
また「モダリティ」は、AIが扱えるデータの種類(テキスト・画像・音声など)を指します。
| GPT-5.4 mini | GPT-5.4 nano | |
| 特徴 | 高度なツール連携・複雑処理向き | 高速・低コスト・シンプル処理向き |
| コンテキストウィンドウ | 400,000トークン | 400,000トークン |
| 最大出力トークン | 128,000トークン | 128,000トークン |
| モダリティ |
|
|
| サポートされているツール
(Responses APIを使用する際に提供) |
|
違いが大きいのは、miniがComputer use(コンピュータ利用)とTool search(ツール検索)に対応している点です。
複数ツールをまたいで処理するならmini、単純な処理を低コストで回すならnanoと考えると選びやすくなります。
参考:OpenAI Developers「GPT-5.4 mini」
参考:OpenAI Developers「GPT-5.4 nano」
GPT-5.4では、従来のような曖昧な指示ではなく、構造化されたプロンプト設計が重要で、短く曖昧に指示するよりも、出力形式、完了条件、ツール利用の順序を明確にした方が安定しやすいモデルです。
公式ガイドでは、次のような書き方が有効とされています。
とくにGPT-5.4 miniとGPT-5.4 nanoのような小型モデルでは、文脈をAIに推測させるよりも、手順や出力形式を明示した方が使いやすくなります。
業務利用においては上記のように構造化されたプロンプト設計を行うことで、GPT-5.4は高い精度と安定性を維持できます。
以下の表では、GPT-5.4 miniとGPT-5.4 nanoにおけるプロンプト設計の違いを比較しています。
| 項目 | GPT-5.4 mini | GPT-5.4 nano |
| 基本方針 | 複雑なタスクやツール連携を前提に設計する | シンプルで明確なタスクに限定する |
| 指示の粒度 | 詳細かつ構造化された指示が有効 | 簡潔で短い指示が最適 |
| タスク設計 | マルチステップ・エージェント処理に適する | 単一タスク・高速処理に最適 |
| ツール利用 | ツールを積極的に組み合わせて使う | 必要最小限のツールに絞る |
| 推論の扱い | 推論を活かした複雑な処理が可能 | 重い推論は避ける(効率重視) |
| プロンプト長 | 長文・複雑なプロンプトでも安定 | 短くシンプルな方が精度が出る |
| 出力設計 | 構造化(JSON・手順など)と相性が良い | 明確な1出力(分類・抽出など)が得意 |
GPT-5.4 miniは、指示の順序や完了条件を書き込んだプロンプトと相性がよく、ツールを使う処理でも安定しやすいモデルです。
GPT-5.4 nanoは、範囲を絞った単一タスクに向いています。曖昧な依頼や途中判断が多い処理は、mini以上のモデルに任せると扱いやすくなります。
参考:OpenAI Developers「GPT-5.4のプロンプトガイダンス」
ここまで機能面での違いを見てきましたが、実際の業務ではどちらを選ぶべきか迷う場面も多いのではないでしょうか。
ここでは代表的な業務シーンごとに、GPT-5.4 miniとGPT-5.4 nanoのどちらが適しているかを整理します。
| 業務・ユースケース | 推奨モデル | 選定理由 |
| 問い合わせメールの自動分類(カテゴリ振り分け) | nano | 単純分類を大量に回すのに最適。低コストで高速処理が可能 |
| 請求書・契約書からのデータ抽出 | nano | 定型的な抽出処理に強く、処理量が多くても低コストで運用できる |
| 社内文書の要約・議事録作成 | mini | ある程度の文脈理解と構造化出力が必要なため、miniのバランスが最適 |
| コーディング支援・バグ修正 | mini | SWE-Benchなどコード関連ベンチマークでnanoより優位 |
| 複数ツールをまたぐエージェント処理 | mini | Computer useとTool searchに対応しており、複雑な連携処理が可能 |
| Webリサーチ+レポート生成 | mini | Web検索・ファイル検索などツール連携が必須のため |
| カスタマーサポートのチャットボット(FAQ回答) | nano | 短い応答を大量にさばく用途に向く |
| カスタマーサポート(複雑な問題の一次切り分け) | mini | 推論や複数ステップの判断が必要な場面ではminiが安定 |
| 大量データの前処理・クレンジング | nano | 単純タスクの大量処理に最適で、コスト効率が高い |
| マーケティング用コンテンツの下書き作成 | mini | 長文・構造化出力との相性が良く、品質が安定する |
| 画像付き資料の内容理解・分類 | mini | 画像入力+推論を要する複合タスクに向く |
迷った場合の目安として、「判断・推論・ツール連携が必要ならmini」「分類・抽出・高速処理が中心ならnano」と覚えておくと選びやすくなります。
また、システム内で両方を組み合わせ、一次処理をnano、複雑処理をminiに振り分ける運用も有効です。
料金をChatGPT、API、ツールの3つに分けて見ていきます。なお、ChatGPTで使えるのはGPT-5.4 miniで、GPT-5.4 nanoはAPIのみです。

GPT-5.4のminiとnanoは、ChatGPTおよびAPIを通じて利用可能であり、業務で利用する場合は用途に応じて適切なプランを選択する必要があります。
ChatGPTのプランには、無料プランのほか、ビジネス向けの有料プランや大規模利用に対応したエンタープライズプランがあります。
プランによる機能の違いはChatGPTの料金ページに詳細が記載されているため、事前に確認してください。
Businessは月次請求と年次請求の両方に対応しています。標準ChatGPTシートではChatGPTとCodexの両方を利用でき、最低2ユーザーから契約できます。
なお、ChatGPT Businessの契約にAPI利用料金は含まれず、APIは別料金です。
エンタープライズプランの場合は営業に問い合わせが必要なため注意しましょう。
用途や利用規模に応じて最適なプランを選択することが重要です。
参考:ChatGPT「料金」

APIの標準料金では、GPT-5.4 miniが入力$0.75、キャッシュされた入力$0.075、出力$4.50、GPT-5.4 nanoが入力$0.20、キャッシュされた入力$0.02、出力$1.25です。
APIを使用する場合、一般的に使用した分だけ費用がかかる従量課金制になるため、100万トークンあたりの費用が提示されています。
入力・キャッシュされた入力・出力とはそれぞれ以下の内容を指します。
| 項目 | 概要 |
| 入力 | プロンプトとして送信するテキスト量 |
| キャッシュされた入力 | 再利用される入力(コスト削減あり) |
| 出力 | AIが生成するテキスト量 |
例えば、GPT-5.4 miniで700万トークンを標準料金の入力として送る場合、$0.75×7で$5.25です。
1ドル=150円で換算すると、約788円です。
miniは性能とコストのバランスを取りやすく、nanoは大量の分類や抽出を低コストで回しやすい点が特徴です。
参考:OpenAI Developers「GPT-5.4 mini」
参考:OpenAI Developers「GPT-5.4 nano」

モデルのトークン料金に加えて、使うツールごとに追加料金がかかる場合があります。
Web searchは呼び出し回数に応じた料金が設定されており、設定によっては検索コンテンツトークンもモデル料金で課金されます。Hosted ShellとCode Interpreterで使うコンテナは、容量ごとに20分セッション単位で課金されます。
File searchも別料金です。ストレージは1GBまで無料で、それ以降は1GBあたり1日$0.10、ツール呼び出しは1,000回あたり$2.50です。
ツールを組み合わせる前提で使う場合は、トークン単価だけでなく、Web search、File search、コンテナの追加料金も合わせて見積もる必要があります。
GPT-5.4 miniとは、2026年3月17日にOpenAIが発表した高速かつ高性能を両立したバランス型の小型AIモデルです。
またGPT-5.4 nanoとは、GPT-5.4 miniと同日に発表されたOpenAIが発表したGPT-5.4シリーズの中で最も小型かつ低コストなモデルです。
それぞれの特徴を理解し、用途に合わせてGPT-5.4 miniとGPT-5.4 nanoを活用してみてください。
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