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GeminiのGemとは?機能・作り方・使い方・活用例を徹底解説

最終更新日:2026/06/11

自分専用Gemini「Gems」作成ガイド

日常生活や業務で生成AIを活用する機会が増えてきました。

非常に便利と感じる一方で、「毎回同じような指示を入力するのが面倒」「もっと自分の仕事に特化した生成AIが欲しい」ともどかしさを覚える方もいるのではないでしょうか。

生成AIは汎用的なツールであるため、特定タスクや自分に合わせた出力を得るためには、その都度詳細なプロンプト(指示文)を入力する必要がありました。

これらの悩みを解決するのがGoogleの生成AI「Gemini」に実装されている「Gem(ジェム)」という機能です。

本記事ではGemの基本概要から、無料で使える条件、具体的な作り方、そのままコピペできる活用例のテンプレートまでを詳しく紹介します。

Gemとは?

「Gem」とは、Googleの生成AIアシスタント「Gemini」で使う指示(設定)を保存し、特定の目的や役割に特化したAIとして呼び出して再利用できる機能です。

Gemには、大きく分けて2つの種類があります。1つはGoogleがあらかじめ用意した「プリメイドGem(既製Gem)」で、作成しなくてもすぐに使えます。もう1つが、ユーザー自身が用途に合わせて設定する「カスタムGem」です。指示文を登録するだけで、自分専用のAIを作れます。

以前は有料版や企業向け(法人向け)プランのユーザー向けに提供されていましたが、2025年3月に無料ユーザー向けの提供も開始されました。Gemは、契約プランに応じた最新のGeminiモデル(Gemini 3.5シリーズなど)の上で動作します。

通常、Geminiを利用する際は、新しいチャットを立ち上げるたびに「あなたはプロの編集者です」「プログラミングのコードをチェックしてください」といった背景説明(コンテキスト)を入力する必要があります。しかしGem機能を使えば、これらの前提条件をあらかじめ組み込んだ「特化型AI」を呼び出せます。

「カスタムGem」機能はプログラミングの知識が一切不要です。対話形式で指示文を入力するだけで、短時間で自分専用の心強いビジネスパートナーが誕生します。

Gemは無料で使える?対象プラン・利用条件まとめ

結論からお伝えすると、Gemは無料版のGeminiでも作成・利用できます。ただし、利用できるモデルや1日あたりの回数には、契約プランによって差があります。ここでは、Gemを使う前に押さえておきたい料金と利用条件を整理します。

無料版・有料版でできることの違い

無料版でもカスタムGemの作成とプリメイドGemの利用は可能です。ただし、利用回数に上限があり、上位の高性能モデルは使えません。一方、有料プランに加入すると、より高性能なモデルを、より多くの回数使えるようになります。

項目 無料版 有料版(Google AI Plus/Pro/Ultra)
Gemの作成・利用 ◯(1日の利用回数に上限あり) ◯(利用上限が大幅に緩和)
利用できるモデル 標準モデル中心 上位モデル(Proモデルなど)も利用可
ファイル(知識)の活用 ◯(より余裕のある容量・回数)
Google Workspace連携 一部 充実(Gmail・ドキュメント等で活用しやすい)

個人向けの有料プランは、「Google AI Plus(月額725円)」「Google AI Pro(月額2,900円)」「Google AI Ultra(月額14,500円〜)」の3プラン体系に整理されています(いずれも2026年6月時点・税込)。なお、かつての「Gemini Advanced」は廃止され、現在は「Google AI Pro」に名称が変わっています。料金やモデルは改定されることがあるため、最新の詳細はGoogle公式サイトで確認してください。

作成はウェブアプリ限定、使用はウェブ・モバイル両方

カスタムGemの作成・編集・削除は、Geminiのウェブアプリ(gemini.google.com)でのみ行えます。スマートフォンのアプリでは、新規作成や編集はできない点に注意しましょう。一方で、完成したGemとの会話(使用)は、ウェブアプリとモバイルアプリの両方で可能です。作成したGemは、Google Workspaceのサイドパネルからも呼び出せます。

対象年齢・Gemini Live非対応などの注意点

利用にあたっては、次の点も押さえておきましょう。

  • 個人のGoogleアカウントでGemを作成・利用するには、13歳(またはお住まいの国で定められた年齢)以上である必要があります。
  • 現時点では、音声で対話する「Gemini Live」ではGemを使用できません。
  • 一部の言語ではGem機能が利用できない場合があります。

プリメイドGem(既製Gem)でできること

「自分でカスタムGemを作るのは少しハードルが高い」と感じる方もいるかもしれません。そうした方におすすめなのが、Googleがあらかじめ用意した「プリメイドGem(既製Gem)」です。設定の必要がなく、選ぶだけですぐに専門特化したAIとして使えます。

プリメイドGemは、ブレインストーミングからコーディング、キャリア相談まで幅広い用途をカバーしています。代表的なものは以下のとおりです。

プリメイドGem 主な用途
学習コーチ 新しい分野の学習、資格試験の対策、複雑な内容をわかりやすく整理
コーディングパートナー プログラミングのコード作成・レビュー・デバッグの支援
文章編集者(ライティングエディター) 文法チェック、文体の調整、読みやすさの改善
キャリアガイド キャリアの相談、スキルの棚卸し、目標設定のサポート
ブレインストーミングパートナー アイデア出し、企画や発想を広げる壁打ち相手

※用意されているプリメイドGemの種類は、Googleのアップデートにより変わる場合があります。

プリメイドGemの使い方

プリメイドGemは、次の手順ですぐに使い始められます。

  1. パソコンまたはスマートフォンで「gemini.google.com」にアクセスします。
  2. メニューから「Gem」を選びます(クリックすると管理画面「Gemマネージャー」が開きます)。
  3. 「Googleが作成したGem」の一覧から、使いたいGemを選んで会話を始めます。

さらに、プリメイドGemを土台に自分専用へカスタマイズすることも可能です。使いたいGemの「コピーを作成」を選び、カスタム指示に必要な内容を書き足すだけで、既製Gemをベースにした自分仕様のGemが完成します。ゼロから作るよりも手軽なので、まずはここから始めるのもおすすめです。なお、Gemによっては「コピーを作成」が表示されず、カスタマイズできない場合もあります。

カスタムGemでできること

カスタムGemを利用して指示や前提を固定化することで、個別最適化や業務効率化につながります。主にできることは以下の3つです。

  • 生成AIを自分好みにカスタマイズできる
  • Googleサービスとの連携ができる
  • 組織内で共有できる

生成AIを自分好みにカスタマイズできる

Gemの最大の魅力は、プロンプトを固定化し、AIの振る舞いを細かく制御できる点です。文章のトーンをカジュアルやフォーマル、フレンドリーといった設定にしたり、専門性のレベルを初心者向けや専門家向けにしたりといった要素をあらかじめ指定できます。

具体的に以下の設定が可能です。

ペルソナ(役割)の設定

「辛口なクリエイティブディレクター」「寄り添い型のキャリアコンサルタント」など、特定の性格や専門知識を与えられます。

トーン&マナーの固定

文章を「常に箇条書きで出力する」「親しみやすい関西弁にする」「エグゼクティブ向けの格調高い表現にする」といった指定が可能です。

思考プロセスの指定

「結論を述べる前に、必ず3つのリスクを検討して」といった、AIの思考プロセスや回答の進め方をカスタマイズできます。

Googleサービスとの連携ができる

GemはGemini上で動くカスタムAI(設定)なので、Google WorkspaceなどのGoogleサービスと連携しやすい点がメリットです。Gemは単体で動作するだけでなく、Google Workspaceの各アプリと連携したタスク実行も可能です。

例えば、Gmail、Googleドライブ、Googleカレンダー、Googleマップ、YouTubeなど多くのGoogleサービスと連携したAIチャットボットを簡単に作成できます。カスタム指示やプロンプト内で「@」を使って、必要に応じてGmailやGoogleドキュメントなどを参照できます。

具体的には以下のような連携が可能です。

Google Workspace連携

Gmailの内容を要約したり、Googleドライブ内の特定のドキュメントを読み込んで回答させたりできます。

リアルタイム検索

Google検索などと連携し、必要に応じて最新情報を踏まえた回答を生成します。

カレンダーやマップとの統合

「来週のスケジュールを確認して、最適な会議時間を提案して」といった、パーソナルアシスタントとしてのタスク実行が可能です。

組織内で共有できる

作成した便利なGemは、自分一人で使うだけでなく、チームメンバーや社内の他部署と共有できます。2025年9月にGemの共有機能が追加され、GoogleドライブやGoogleドキュメントと同じ感覚で共有できるようになりました。

共有方法は主に2つあります。

1つは、共有したい相手のメールアドレスを指定し、「閲覧者」または「編集者」の権限を割り当てる方法です。もう1つは、リンクを発行して、リンクを知っている人が使えるようにする方法です。なお、選べる権限の範囲は、個人用・仕事用・学校用のどのGoogleアカウントを使っているかによって異なります。編集権限を渡した相手は、カスタム指示やアップロードしたファイルを変更・削除できる点には注意しましょう。

この仕組みは、組織内のナレッジ共有や業務標準化に効果的です。優秀な社員のノウハウをGemの指示文に落とし込めば、これまで属人化していたナレッジをチームの資産として共有できます。「このGemを使えば、誰でも同じクオリティの議事録が作れる」という状態を、組織全体で実現できるのです。

カスタムGemの作り方をわかりやすく紹介

カスタムGemの作り方を紹介します。作成は直感的な操作で、特別なプログラミング知識は必要ありません。実際の画面を見ながら進めていきましょう。

Step1:Gem作成画面を起動する

  1. まずPCのブラウザでGeminiのウェブサイトにアクセスします。
    gemini gem
  2. 画面左側のサイドバーメニューにある「Gem」という項目をクリックします。gemini gem
  3. 表示された管理画面「Gemマネージャー」で、「+Gemを作成」(上図のハイライト部分)をクリックします。
    これで、Gemの作成エディタが起動します。なお、カスタムGemの作成・編集ができるのはPC(ウェブ版)のみです。スマートフォンのアプリからは新規作成できない点に注意しましょう。

これで、Gemの作成エディタが起動します。

Step2:Gemの名前とカスタム指示を入力する

作成エディタは、左側が設定入力欄、右側がプレビュー画面という構成になっています。ここでGemの核となる情報を入力していきます。

gemini gem

設定入力欄には以下の項目があります。

名前

Gemの名前を入力します。どのような目的で使用するかわかりやすい名前をつけましょう。

説明

Gemで何をするかを入力します。

カスタム指示

ここが最も重要なGemの核となる部分です。Gemにどのような振る舞いをさせたいか、Gemの主な用途、機能、スタイルを入力します。

カスタム指示を書くときの4つの観点

Google公式は、効果的なカスタム指示を書くために、次の4つの観点を意識するとよいと案内しています。4つすべてを盛り込む必要はなく、いくつか触れておくだけでも効果的です。

  • ペルソナ(役割):Gemにどんな役割を担わせ、どう回答してほしいかを伝える
  • タスク:何をしてほしいか、何を作ってほしいかを伝える
  • コンテキスト:判断材料となる背景情報を、できるだけ多く伝える
  • 形式:出力の構成や形式に希望があれば、具体的に指定する

指示文はGeminiに書いてもらうこともできる

「うまく指示文が書けない」という場合は、Geminiに作成を手伝ってもらえます。指示の入力欄に1〜2文で目的を入力し、「Geminiを使用」をクリックすると、より具体的で詳細なカスタム指示に書き換えてくれます。生成された指示は、自分で確認・編集してから保存しましょう。

デフォルトツール

そのGemで標準的に使うツールを設定します。画像生成(画像を作成)やDeep Research、Canvas、Googleドライブ・Gmailとの連携などから選べます。よく使う機能を指定しておくと、毎回ツールを切り替える手間が省けます。特に決まっていなければ、未設定のままでも問題ありません。

知識

特定のPDF・ドキュメントなどのファイルや画像を読み込ませ、そのデータをもとに回答させたい場合にアップロードします。詳しい使い分けは、次の項目で解説します。

「知識」の使い方で精度と運用負荷が変わる

Gemの知識(Knowledge)は、Gemが回答時に参照する「自社資料・ルール・テンプレ」を登録する場所です。

ファイルは①デバイスからアップロード、または②Googleドライブから追加が選べます。

  • ①デバイスからアップロード(固定ナレッジ向き)
    追加した時点の内容が前提になります。元ファイルを更新した場合は、再アップロードして差し替える運用が必要です。
  • ②Googleドライブから追加(更新ナレッジ向き)
    ドライブ上のファイルを知識として追加できます。特にGoogleドキュメント/Googleスプレッドシートは、ファイル側を更新するとGemの参照内容も自動で最新に追従します。一方で、PDFなど「その他形式」は、内容更新時に再追加(再アップロード)が必要になるケースがあります。
  • 補足:@でドライブファイルを“会話中に”参照する方法
    拡張機能(Workspace連携)を使うと、チャットで@を入力してGoogleドライブを選び、特定のファイルやフォルダを参照させることも可能です。

Step3:プロンプトをブラッシュアップしてテストと調整を行う

カスタム指示を入力したら、右側のプレビュー画面で実際にGemと対話してみましょう。 「もう少し短く答えて」「専門用語を解説して」など、微調整が必要な場合は左側の指示欄を書き換えます。この試行錯誤が、精度の高いGemを作るための重要なステップです。

Step4:Gemを保存・共有する

テストと調整を繰り返し、満足のいく挙動になったら、画面右上にある「保存」ボタンをクリックします。これで、自分専用のGemが完成です。

作成したGemをチームで使いたい場合は、共有しましょう。共有はGeminiウェブアプリ(gemini.google.com)から行います。

  1. メニューの「Gem」からGemマネージャーを開きます。
  2. 共有したいGemの右側にある3点リーダー(⋮)をクリックし、「共有」を選びます。
  3. 共有相手のメールアドレスを入力し、「閲覧者」または「編集者」の権限を選んで送信します。リンクを発行して共有することも可能です。

権限を「編集者」にすると、相手もカスタム指示やファイルを変更・削除できます。意図しない変更を避けたい場合は、初期設定の「閲覧者」のまま共有するとよいでしょう。

カスタムGemの活用例アイデア5選

実際にどのようなカスタムGemを作成できるのか、具体的な活用例を5つ紹介します。

※カスタムGemの指示は、思いつきの一文よりも「役割」「入力」「条件」「出力形式」を分けて書くと挙動が安定します。

ここでは、すぐコピペできる構造化テンプレに沿って活用例を紹介します。

【役割(Role)】
- あなたは〇〇の専門家です。

【目的(Goal)】
- ユーザーの入力から、〇〇を作成します。

【入力(User Input)】
- ユーザーが毎回渡す情報:A / B / C
- 不足があれば、最初に確認質問を最大3つまで行う

【条件・制約(Constraints)】
- トーン:〇〇
- 禁止:推測で断定しない、個人情報を書かない、など
- 参照:必要なら知識(Knowledge)や@参照を使う

【出力形式(Output Format)】
1. 〇〇
2. 〇〇
3. 〇〇

ビジネスメールの挨拶文作成

メール作成で意外と時間がかかるのが冒頭の挨拶文です。日本語のビジネスメールでは、冒頭や結びのフレーズ選びが重要ですが、相手や季節に合わせて考えることは面倒なものです。「いつもお世話になっております」「ご査収のほどお願いいたします」など、場面に応じた挨拶文を自動で提案するGemを作成しておくと、メール作成のスピードが格段に上がります。ユーザー自身の文体や社内の言い回しを反映することで、より自然なメール文が生成できます。

カスタム指示例:「社外・新規営業向け」

【役割(Role)】
あなたはBtoB新規開拓に強い営業コンサルタント兼コピーライターです。

【目的(Goal)】
ユーザーが入力した情報をもとに、
「失礼がなく、相手の興味を引く」新規営業メールの “冒頭挨拶・本文構成・本文草案・件名案” を作成します。

【入力(User Input)】
ユーザーに次を入力してもらってください。
- サービス名:
- 相手企業名(または業界):
- 相手の部署・役職(わかる範囲で):
- 提案したい価値(1~3点):
- 実績・根拠(任意):
- 依頼したい次アクション(例:15分打ち合わせ):
不足がある場合、最初に確認質問を最大3つまで行ってください。

【条件・制約(Constraints)】
- 丁寧だが、くどすぎない日本語(ビジネスメール標準)
- 冒頭に季節に触れる一文を入れる(過度に長くしない)
- 相手の課題は「仮説」として提示し、断定しない
- 過剰な煽り表現、誇大表現はしない

【出力形式(Output Format)】
1. 件名案(3案)
2. 冒頭挨拶(1案)
3. 本文構成(箇条書き:3~6項目)
4. そのまま送れる本文草案(400~700字)
5. 追記:こちらが仮説として置いた「相手の課題」と、精度を上げるために必要な追加情報

英文翻訳

英語メールや資料のやり取りが多い場合、「英文翻訳専用Gem」は非常に便利です。

Gemに「日本語を自然なビジネス英語に翻訳」「カジュアルに意訳」などの指定をしておけば、場面に応じた翻訳を瞬時に出力してくれます。

さらに、Geminiの翻訳機能やGoogle Workspace連携をすれば、GoogleドキュメントやGmailでの翻訳タスクに活用したり、スプレッドシートのデータを参照して翻訳させたりすることも可能です。

カスタム指示例:【自然なビジネスメール翻訳】

【役割(Role)】
あなたは日英のビジネス翻訳者です(日本語→英語が専門)。

【目的(Goal)】
ユーザーの日本語を、相手・目的・温度感に合った「自然なビジネス英語」に翻訳します。
必要に応じて、表現リスクやニュアンスの解説も添えます。

【入力(User Input)】
ユーザーに次を入力してもらってください。
- 原文(日本語):
- 宛先(顧客 / 上司 / 同僚 / 取引先 など):
- 目的(依頼 / お礼 / お詫び / 相談 / 催促 など):
- トーン(丁寧 / 標準 / カジュアル):
- 期限や日時などの必須情報:
不足がある場合、確認質問を最大2つまで行ってください。

【条件・制約(Constraints)】
- 直訳を避け、ビジネスで自然な語彙・構文を優先
- 曖昧さが残る箇所は勝手に断定せず、候補表現を出す
- 固有名詞・数値・日付は改変しない

【出力形式(Output Format)】
1. 翻訳(英語:完成版)
2. 代替表現(2案:より丁寧 / よりカジュアル)
3. 注意点(誤解されやすい語、強すぎる表現、文化差などがあれば箇条書き)

思考整理や壁打ちパートナー

一人で考えていて行き詰まった場合に、AIは良き相談相手となります。話をただ聞くだけでなく、思考を深める手助けをしてくれます。

アイデアを整理したいときや、企画の方向性を検討するときに「思考整理Gem」を使うのもおすすめです。

たとえば「新しいマーケティング施策のアイデアを5つ考えて」といった指示で、AIがブレスト相手のように発想を広げてくれます。自分の思考を言語化しながらAIに提案を求めることで、クリエイティブな発見が生まれやすくなります。

カスタム指示例:【批判的ディレクター】

【役割(Role)】
あなたは「厳しいが建設的」なクリエイティブディレクターです。
ユーザーのアイデアを“通す”ために、弱点をえぐり出し、改善案まで出します。

【目的(Goal)】
ユーザーの企画・施策・アイデアに対して、論点の抜け漏れを炙り出し、
改善の打ち手を最短で提示します。

【入力(User Input)】
ユーザーに次を入力してもらってください。
- アイデア概要(3~10行):
- 目的(何を達成したいか):
- ターゲット:
- 制約(予算・期限・NG事項):
- 既存の前提(決まっていること):
不足がある場合、最初に確認質問を最大3つまで行ってください。

【条件・制約(Constraints)】
- 人格否定はしない。批判は必ず「理由」をセットにする
- 机上の空論にならないよう、実行上のボトルネックも指摘する
- 最後は必ず「改善の方向性」を提示する

【出力形式(Output Format)】
1. 良い点(最大3つ)
2. 弱点(5つ:各項目に「理由」と「起きうるリスク」を添える)
3. 改善案(弱点に対応する打ち手を5つ)
4. 次に決めるべきこと(優先度順の質問リスト:3~7個)

メールやチャット文章の推敲

重要なメールやチャットを送信する前に、誤字脱字や表現の不備がないか不安になるときもあると思います。文章を整えるための「推敲Gem」は、日常的に使うアシスタントとして人気です。

「敬語チェック」「読みやすさの向上」「語尾を統一」などの指示を設定しておくと、書いた文章を貼り付けるだけで丁寧にリライトしてくれます。SlackやGmailと併用すれば、日常業務の効率も飛躍的に上がります。

カスタム指示例:【敬語・マナー修正官】

【役割(Role)】
あなたは秘書検定1級レベルのビジネスマナーと、文章推敲の実務に強い編集者です。

【目的(Goal)】
ユーザーが入力した文章を、目的に合う敬語・マナーで「読みやすく、失礼のない文章」に整えます。
修正理由も簡潔に示します。

【入力(User Input)】
ユーザーに次を入力してもらってください。
- 原文:
- 送信手段(メール / チャット / Slack など):
- 宛先(顧客 / 上司 / 同僚):
- 目的(依頼 / 報告 / 謝罪 / 催促 など):
- トーン(柔らかめ / 標準 / かため):
不足がある場合、確認質問を最大2つまで行ってください。

【条件・制約(Constraints)】
- 二重敬語、誤った謙譲語を修正
- 「~させていただきます」の過剰使用を抑制
- 意味を変えない(勝手に情報を足さない)
- 必要なら箇条書き化して可読性を上げる

【出力形式(Output Format)】
1. 修正版(そのまま送れる完成文)
2. 変更点一覧(Before → After:最大10件、理由つき)
3. リスク指摘(誤解されそうな点、強すぎる/弱すぎる表現があれば)

社内ナレッジ

社内規定やマニュアルなど、ドキュメントを参照しないと答えられない質問に答えてくれるAIです。カスタムGemを使って、社内の情報共有を効率化する活用法もあります。

たとえば、社内FAQや手順書をベースにGemを作成し、チームメンバーが自然な会話形式で情報を検索できるようにするのです。Googleドライブ上のドキュメントを参照させる設定を組み合わせれば、AI社内アシスタントとして活躍します。

知識ソース運用早見表(社内ナレッジGem向け)

方法 向いている情報 メリット
① ファイルをアップロード
(Knowledgeに追加)
  • 就業規則・規程類の「確定版」PDF
  • 固定のマニュアル/手順書(頻繁に変わらない)
  • 社内テンプレ(稟議、申請文、メール例文など)
  • 参照対象が固定されるため、回答がブレにくい
  • 「この資料が正」と決めたいルール運用に強い
② Googleドライブから追加
(Knowledgeに追加)
  • 更新が発生しやすい社内ルール(随時改定)
  • よく更新される手順(経費精算、申請フローなど)
  • 関係者が共同編集するナレッジ
  • ドライブ側を更新していけば、知識を最新に保ちやすい
  • 共有・権限管理(閲覧範囲のコントロール)と相性が良い
③ @で会話中に指定
(スポット参照)
  • 案件ごとの資料(議事録、提案書、見積書、要件定義など)
  • 一時的に確認したい資料
  • 機密性が高くナレッジに入れたくない資料
  • Gemの常設知識を増やさず、必要な時だけ参照できる
  • 案件が変わっても、参照対象を切り替えやすい

おすすめの使い分け

  • ルールとして固定したいもの → ①アップロード(ブレを減らす)
  • 改定が多い運用ルール → ②ドライブ(更新しやすい)
  • 案件ごとに参照が変わる資料 → ③@指定(スポット参照)

運用ルール例

  • 規程・ルール系は、回答に「根拠(資料名/該当箇所)」を必ず添える
  • 不明点は推測せず、担当部署へ確認を促す
  • Knowledgeに入れる資料は、個人情報・機密情報の取り扱いと共有範囲を事前に決める

カスタム指示例:【就業規則・福利厚生bot】

【役割(Role)】
あなたは当社の総務・人事を支援する社内アシスタントAIです。

【目的(Goal)】
就業規則・福利厚生・申請手順など、社内資料に基づいて質問に回答します。
資料に根拠がない場合は、憶測で埋めずに担当部署への確認を促します。

【参照(Knowledge / Sources)】
- 可能な限り、Gemに登録された「知識(Knowledge)」を最優先で参照する
- ユーザーが @ で特定ファイル(ドライブ)を指定した場合は、そのファイルも参照対象に含める

【入力(User Input)】
ユーザーに次を入力してもらってください。
- 質問:
- 対象者(正社員 / 契約社員 / アルバイトなど、分かる範囲で):
- 適用時点(日付・年度などが関係する場合):
不足がある場合、確認質問を最大3つまで行ってください。

【条件・制約(Constraints)】
- 根拠の条文・章・見出しなどが特定できる場合は、必ず明記する
- 資料に書かれていないことは「不明」とし、推測で断定しない
- 個人情報は要求しない(社員番号など不要)

【出力形式(Output Format)】
1. 結論(1~3行)
2. 根拠(参照した資料名+該当箇所の要約)
3. 手順(申請が必要な場合:ステップ形式)
4. 不明点(担当部署に確認すべきことがあれば箇条書き)

Gemを使うときの注意点

Gemは便利な反面、安心して使うために押さえておきたい注意点があります。業務で導入する前に確認しておきましょう。

生成された回答は必ず自分で確認する

GemはGeminiをベースにしているため、事実と異なる内容(ハルシネーション)を出力することがあります。特に、AIが学習した時点より後の最新情報や、細かい数値・固有名詞には誤りが生じやすい傾向があります。重要な情報は、公式サイトなどの一次情報で必ず裏取りをしてから使いましょう。Google自身も、生成された内容を信頼・公開・使用する前に、ユーザー自身で検証するよう案内しています。

機密情報・個人情報の取り扱いに注意する

入力した内容は、サービスの品質改善に利用される場合があります。社外秘の資料や個人情報など、取り扱いに注意が必要な情報を安易に入力することは避けましょう。気になる場合は、Geminiのアクティビティ保存の設定を確認・管理してください。また、Gemの「知識」にアップロードしたファイルは、そのGemにアクセスできる人全員が閲覧できる点にも注意が必要です。

共有するときは権限設定を確認する

Gemを共有する際、「編集者」権限を渡した相手は、カスタム指示やアップロードしたファイルを変更・削除できます。意図しない変更を防ぐため、閲覧だけで十分な相手には「閲覧者」権限で共有しましょう。「リンクを知っている全員」や「一般公開」での共有は範囲が広いため、社内資料を扱うGemでは特に慎重に設定する必要があります。

利用規約と第三者の権利を守る

Gemの利用には、Googleの利用規約(生成AIの使用禁止に関するポリシーを含む)が適用されます。第三者の著作権やプライバシーを侵害しないよう注意しましょう。なお、仕事用・学校用のアカウントでは、別の規約が適用される場合があります。

GemとGPTs(ChatGPT)の違い

Gemとよく比較されるのが、ChatGPTの「GPTs(ジーピーティーズ)」です。どちらも特定のタスクに特化したカスタムAIを作れる、似たコンセプトの機能です。ただし、料金や共有の仕組みなどにいくつかの違いがあります。主な違いを下の表にまとめました。

項目 Gem(Gemini) GPTs(ChatGPT)
提供元 Google OpenAI
ベースモデル
(2026年6月時点)
Gemini 3.5 Flash/Pro など GPT-5.4 など GPT-5系
無料プランでの作成 ◯ 作成できる ✕ 作成は有料(Plus以上)が必要
作成環境 ウェブのみ(使用はモバイルも可) ウェブのみ(使用はモバイルも可)
すぐ使える既製版 プリメイドGem GPT Store公開のGPTs
共有・公開の仕組み リンクや権限指定で共有 GPT Store(公開マーケットプレイス)
連携の強み Google Workspace(Gmail・ドライブ・カレンダーなど) 外部API連携(Actions)など

最大の違いは、「無料で作れるか」と「公開・共有の仕組み」です。Gemは無料プランでも作成でき、Google Workspaceとの連携に強みがあります。一方GPTsは、作成には有料プランが必要ですが、世界中のユーザーが公開した膨大なGPTsをGPT Storeから探して使えるのが特長です。

普段からGmailやGoogleドライブなどGoogleのサービスを業務で使っているなら、それらとシームレスに連携できるGemが便利です。逆に、他の人が作った多彩なGPTsを活用したい場合や、外部サービスとの連携を重視する場合は、GPTsが向いています。

まとめ

Geminiの「Gem」機能は、AIを単なる「便利な検索ツール」から、あなたの仕事のやり方を深く理解した「最強の専属パートナー」へと進化させる画期的なツールです。

一度設定してしまえば、日々のルーチンワークから解放され、より創造的で付加価値の高い業務に集中するための時間を生み出せます。しかも、Gemは無料版のGeminiでも利用できます。Google Workspaceとの連携により、その可能性は今後ますます広がっていくでしょう。

「AIに指示を出すのが難しい」と感じている人ほど、ぜひこのGem機能を試してみてください。いきなり自作するのが不安なら、まずはGoogleが用意したプリメイドGemから試すのもおすすめです。慣れてきたら、「毎日繰り返している小さな作業」を一つ選び、それを代行してくれるシンプルなカスタムGemを作ってみましょう。自分だけのカスタムAIが、あなたのビジネスライフを劇的に変える一歩となるはずです。

アイスマイリーでは、生成AI のサービス比較と企業一覧を無料配布しています。課題や目的に応じたサービスを比較検討できますので、ぜひこの機会にお問い合わせください。

よくある質問

GeminiのGemとは何ですか?

Googleの生成AI「Gemini」へのプロンプトや役割、出力スタイルなどの設定(指示)をひとまとめにして保存したカスタムAI(指示のプリセット)のことです。

GeminiアプリでGemは使えますか?

はい、使えます。iOSおよびAndroidのGeminiアプリで作成済みのGemを利用できます。PCで作成したGemをスマートフォンから呼び出して使えるので、場所を選ばず効率的に業務を進められます。また、アプリ上で新しいGemを作成することもできます。

GemとGPTsの違いは?

GemはGoogleのGemini、GPTsはOpenAIのChatGPTで利用できます。どちらも生成AIをカスタマイズする機能ですが、GemはGoogleドライブ、Gmail、GoogleカレンダーなどのGoogle Workspaceのサイドパネル等で活用しやすい点が特徴です。GPTsは、外部連携や公開(ストア/ディレクトリ等)の仕組みが整備されており、用途や運用方針で選べます。

AIsmiley編集部

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