生成AI

最終更新日:2024/02/13
ファンケルは、皮膚表面にある角層細胞の「かたち」と「タンパク質」を認識・推定するAIモデルを新たに作成し、1枚の角層画像から、皮膚のさまざまな生理状態を評価する新たなAI技術を開発しました。
このAIニュースのポイント
株式会社ファンケルは、皮膚表面にある角層細胞の「かたち」と「タンパク質」を認識・推定するAIモデルを新たに作成し、数理モデルと組み合わせて解析することにより、1枚の角層画像から、皮膚のさまざまな生理状態を評価する新たなAI技術の開発しました。
角層細胞は、皮膚の内部で誕生した細胞が、約1カ月かけて皮膚の表層に移動しながら代謝した細胞です。そのため、角層細胞の「かたち」や「タンパク質」は、細胞が元々持っている遺伝的要素と、代謝過程における影響を反映した後天的要素を有します。この角層細胞の特徴と皮膚機能の関係は、多くの研究が行われていて、ファンケルは、角層中のタンパク質に注目した研究から、皮膚機能に関係が深いと考えられる数種類のタンパク質(角層バイオマーカー)を発見しています。さらに、角層には多くの皮膚に関わる重要な情報がいまだ隠されていると考え、角層細胞のかたちを詳細に解析するとともに、「角層バイオマーカー」の量を推定するAIモデルを研究し、開発に成功しました。
このAIモデルにより、視覚では気付くことが困難な角層中の詳細かつ膨大な情報を分析し、さらに数理モデルと組み合わせて解析することによって、さまざまな皮膚生理情報を1枚の角層写真から知ることが可能となりました。
研究では、テープストリッピング法で採取した約1,000人の女性の角層細胞の画像をデジタルマイクロスコープで撮影し、東芝デジタルソリューションズ株式会社の東芝アナリティクスAIサトリスを用いて機械学習することで、2つのAIモデルを開発しました。また、かたちの特徴値を約70種類の分析が可能なAIモデル、角層細胞の画像から9種類の角層バイオマーカー量を推定するAIモデルも開発しました。
それぞれのAIモデルで分析した、約70種類の「かたち」の特徴値と9つの「角層バイオマーカー」の量を元に、皮膚の生理的状態との関係を数理解析しました。その結果、肌の水分量、バリア機能、弾力、シワや炎症など、さまざまな生理指標値の推定が可能であることを発見しました。この結果は、1枚の角層画像から皮膚のさまざまな生理状態を知ることを示唆しています。
ファンケルは、「AI技術を用いた角層や皮膚の解析は、今後もさらに多くの発展の可能性が考えられます。当社では、本研究で構築したAIモデルおよび数理モデルを発展・向上させるとともに、同技術を皮膚科学研究に応用することにより、美と健康の追求に向けてさらなる進化へとつなげてまいります。」とコメントしています。
出典:PR TIMES
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