生成AI
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最終更新日:2024/04/04
人間の声をコンピューターでとらえて認識させる「音声認識技術」。すでに、スマホのアシスタント機能やスマートスピーカーなどで日々活用しているという人も多いかもしれません。近年、この音声認識機能が営業現場の効率化にも役立っていることをご存知でしょうか。今回は、音声認識AI技術を営業支援に役立てている活用事例をまとめました。
音声認識について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
音声認識とは?AIを使った仕組みや特徴をわかりやすく解説!無料製品や事例も紹介!
大阪府を本拠とする泉州池田銀行は、約8年前から営業支援システムに「音声による文字入力機能」を取り入れています。営業担当者が日々作成する営業日報は、営業回りを終えて帰社した後、業務用のパソコンを利用して作成していました。営業日報の作成は業務を共有するために必須とはいえ、こうした事務作業は、日々得意先回りに忙しい営業担当者にとって負担です。
そこで同銀では、携帯電話から発した情報を本部の情報システムに直接入力できるシステムを開発しました。携帯電話から直接音声で入力できれば、営業回りの空き時間にさくっと登録でき、時間の経過による情報漏れも防げます。また、携帯電話のメール機能では長文が打ちにくいという人でも、音声入力であれば高速入力が可能です。
さらに、「銀行業務向け音声辞書」を搭載し、高い認識率を実現したことで、手間なくスピーディーに日報が作成できるようになりました。
音声入力による営業日報作成は、サントリーグループでも導入されています。サントリーの店舗営業担当者は、毎日店舗訪問後にモバイル端末で日報を作成していましたが、スマホやタブレットでは操作性が落ち、長文を入力しにくいという欠点がありました。入力しづらさを感じることで、日報の情報密度が低下する懸念があります。これでは、毎日日報を作成する意味がありません。
そこで同社では、音声入力による日報の作成システムを導入。サントリーグループ内で過去5年間に蓄積された膨大な報告文書を解析し、独特な社内用語まで網羅した独自の辞書を構築しました。そして最終的には、90%を超える文章認識精度を実現したそうです。
音声認識による入力システムの活用で、営業担当者のストレスが軽減されて入力速度が高まったほか、これまで文章にして記載しなかったようなちょっとした現場での気付きや申し送りなども日報に記載されるようになり、内容のブラッシュアップにもつながったといいます。
このほか、野村證券では全国約160ヵ所の営業店や本社で利用する約2万6,000台の電話の通話記録を対象にした大規模な音声テキスト化システムを構築。通話内容を音声認識技術でテキスト化することで、キーワードや目視による会話内容のチェックが容易になり、顧客対応のモニタリングを効率化し、応対品質の向上やサービス改善につなげるとしています。
ここまで、AIや音声認識技術を活用した営業支援システムの活用例をご紹介しました。
日報の作成は日々の営業記録のまとめとして欠かせないものですが、毎日得意先回りで多忙な営業担当者にとって、帰社後の報告書作りは負担になりがちです。「働き方改革」で残業時間の抑制が強く意識される現代において、看過してはならない問題でしょう。
その点、音声入力は出先でも空き時間に気軽に入力できるので、リアルタイムでの情報共有が可能になるほか、情報の質が上がることで報告書自体の価値も向上します。
営業チームの「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)」に欠かせない報告書作成も、こうした支援システムの活用で効率化してみてはいかがでしょうか。
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