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最終更新日:2024/11/22
日本のAI導入状況と活用事例
2025年問題や2040年問題が提言されるなか、日本企業においてもAI活用の重要性が認識されるようになってきています。業務効率化や生産性の向上など、さまざまなメリットをもたらすAIを上手く活用することで、自社の課題解決を図り、成長につなげられます。
AIを導入する際は、自社の課題を把握した上で、他社の活用例も参考にしながら最適な活用方法を見極めることが大切です。本記事では、日本のAI(人工知能)導入状況や導入の必要性、業界別の活用事例について解説します。
AIについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
AI・人工知能とは?定義・歴史・種類・仕組みから事例まで徹底解説

日本企業のAI導入状況は、世界に比べると遅れを取っているのが現状です。多くの産業でAIの導入は進んでおらず、アナログな運用が継続されています。このような状況のなかで、国内においてAIの導入を牽引しているのは大企業や製造業です。
国内のAI導入状況をもう少し詳しく見てみましょう。

総務省が公表している「令和元年版情報通信白書」によれば、日本の「AIアクティブ・プレイヤー」の割合は、中国、アメリカ、ドイツ、フランス、スイス、オーストリア、日本の7か国の中で最下位です。
ここで言う「AIアクティブ・プレイヤー」とは、「一部の業務をAIに置き換えている」または「一部の業務でAIのパイロット運用を行っている」企業のうち、自社のAI導入を「概ね成功している」と評価している企業を指します。
本報告書によれば、日本のAI導入はほとんどの産業で導入・運用が遅れています。AIアクティブ・プレイヤーの割合を国別に比較すると、中国が85%と飛び抜けて高く、日本は39%で最下位です。
産業別に見ると、「テクノロジー/メディア/通信」が唯一各国と並ぶ状況ではありますが、他の分野は全体的に遅れを取っています。特に「エネルギー」や「ヘルスケア」は、他国と乖離の幅が大きくなっています。
国内は「大企業」「製造業」が大きく牽引
本報告書に掲載されている「図表1-2-2-11 国内のAI、IoT活用状況(全体、規模別、業種別、提供/利用側別)」によれば、日本国内におけるAI/IoTの導入状況は、大企業が中堅・中小企業を、製造業が非製造業を上回っています。
IoTを活用している大企業が30.9%であるのに対し、中小企業はわずか15.7%です。AIはさらに低く、大企業の16.5%に対し、中小企業は5.6%にとどまります。
このことから、中小企業や非製造業のAI/IoT導入を推し進めていくことが、日本におけるAI活用を促進するポイントであると考えられます。

日本企業がAIを導入すべき理由としては、AIの導入により経済成長が期待できる点や、2025年問題を回避するとともに、2040年の到来に備えることなどが挙げられます。ここでは、3つの理由を詳しく解説します。

中小企業庁が中心となって展開している戦略的基盤技術高度化支援事業(通称:サポイン)が2020年3月27日に公表した「最終報告書」のなかでは、「中小企業のAI導入インパクト」と題して、中小企業へAIを導入した際の効果が紹介されています。
この資料によれば、国内企業がAIを積極的に導入することで、2022年までに最大7兆円、2025年までに最大34兆円もの経済効果がもたらされるとの推計が出ています。
また、この経済効果を一人当たりの生産性に換算すると、540万円/人から610万円/人まで改善されるとの試算にも言及されています。
上記のデータからも、AIの導入は企業にとって大きな経済成長をもたらすものであることが見て取れます。この大きな経済成長を享受するためには、人間の手作業が中心となっている業務プロセスを抜本的に見直し、AIの運用が前提の業務プロセスに変革する必要があります。
経済産業省が公開している「DXレポート」では、2025年の崖を回避するためには、AIなどの破壊的技術を活用する必要がある、と述べられています。
2025年の崖とは、国内企業が利用しているレガシーシステムの更改が進まなければ、2025年以降、最大で年間12兆円もの損失が発生するという問題のことです。この「年間12兆円」という金額は、現在の約3倍にもあたります。
企業における現行システムは、事業部門単位で異なるシステムが導入されており、全社で統合されたデータ活用を行うことが難しい状況に置かれているケースが多々あります。また、カスタマイズが重ねられたことによってブラックボックス化が進み、運用できる人材が限られるために、保守・運用費がかさんでいるという課題もあります。
企業は積極的にDXを推進し、システム更改による業務効率化や属人化の解消に速やかに取り組むことで、2025年の崖を回避する必要があります。
2025年の崖を無事に乗り越えたとしても、現状のままでは、「2040年問題」が到来すると言われています。2040年問題とは、「団塊ジュニア世代」と呼ばれる年齢層の人々が65~70歳を迎え、日本の高齢化が進むことによって起こる諸問題です。
2040年を過ぎると、少子高齢化はますます深刻になり、社会保障費の支出はさらに増加すると予測されています。労働人口が減少すると、自治体の運営にもさまざまな影響が出ることになります。
「自治体戦略2040構想研究会第一次報告」によれば、2040年頃にかけて、日本国内では下記のような危機が訪れると述べられています。
上記のような問題を解決するために、政府はAIやロボットを活用した「スマート自治体」の実現を提言しています。労働力不足が確実視される将来に向けて、従来の半分の職員でも自治体機能を維持できる体制の構築や、事務作業を全てAI・ロボットが担う環境の準備が求められています。

日本企業がAIを導入するメリットはさまざまですが、業務効率化や生産性の向上は、多くの現場が解決すべき課題です。AIの導入によって、人間が処理していた業務をAIが代替できるようになり、業務効率化や生産性の向上、労働力不足の解消につながります。
また、AIは手順が決められた業務を確実にこなすことを得意としており、人間のようにケアレスミスを起こさないのもメリットのひとつです。事前に設計した仕組みに則り、安全かつ正確に業務を処理できるだけでなく、24時間稼働し続けられるため、処理する業務量を増やせます。
他にも、売上予測や需要予測などを活用して効率的な経営判断を行い、売上向上やコスト削減を実現したり、顧客一人ひとりにパーソナライズされたマーケティングを行い、顧客満足度を向上したりすることも可能です。
また、AIによって生産計画を最適化し、人材を適切配置するなどの使い方も注目されています。

日本企業がAIを導入するメリットは数多くありますが、一方で、デメリットもいくつか存在します。
AIは人間が行っていたさまざまな業務を代替・自動化できますが、考え方によっては一部の業務や雇用を消失させることにもつながります。AIを導入する際は、これまで定型的な業務に従事していた人に、今後どのような業務を割り当てるのかも併せて考える必要があるでしょう。
また、AIの導入には設備投資コストがかかるため、一時的な投資コストの増大をデメリットとして捉える人もいます。コスト面では、設備投資だけでなく、AI人材の採用・教育にかかる人件費も考慮する必要があります。
さらに注意したいのは、サイバーセキュリティリスクの増大です。近年は世界中でサイバー攻撃による被害が拡大しているため、AIの運用時には十分なセキュリティ対策を行わなければ、機密情報の窃取やデータ破壊など、重大な被害を受ける可能性があります。
加えて、何らかの事情でAIが緊急停止したときの対応策を事前に考えておかなければ、復旧に重大な支障が出てしまいます。リスクマネジメントの難易度が高い点も、デメリットの一つといえるでしょう。

近年では、日本においてもさまざまな業界がAIの導入を進めています。ビジネスへのAI活用を考えているなら、業界別の事例が参考になります。ここでは、多様な業界にスポットを当て、AI活用における14の成功事例を紹介します。
負作動ブレーキや精密機器部品加工製品を生産する株式会社協和精工では、AIを活用した生産管理システムの「i-PRO Wシリーズ」を導入しています。
元々、同社では部品加工を管理するためのシステムを導入していました。しかし、蓄積したデータをシステムから引き出して活用する運用がスムーズにできておらず、生産計画の作成や進捗管理はエクセルを使用して行っており、運用に無駄が生じていました。
そこで、「i-PRO Wシリーズ」を導入し、生産計画を継続的にシステム内へ蓄積することで、システムが自動的に蓄積したデータを処理し、自動的に見込み計画を算出できる体制を整えました。
結果的に、以前のようなデータを集める作業自体が必要なくなるだけでなく、リアルタイムで情報共有が可能になったため、業務効率を大幅に向上させることに成功しています。
ワインの通販サイトを運営するワインキュレーション株式会社では、Web接客ツールのzenclerk liteを導入しています。
zenclerk liteは、AIを活用した高性能なWeb接客ツールです。同社が注目したのは、「興味を持っている人に限定して、効果的にクーポンを配信できる」という点でした。サイトに来訪した全ての人にクーポンを配信するのではなく、迷っている人にだけクーポンを配信できるので、効率よく購入を後押しする効果が期待できます。
導入直後は、新規顧客の集客が十分でなかったと感じる月でも、高い売上を出すことに成功するなど、Web接客ツールの効果を体感しています。配信したクーポンを利用して購入された売上金額にのみ、費用を支払う仕組みも、コストダウンに貢献しています。
誰に対してもクーポンを出すのではなく、迷っている人だけに出せるWeb接客ツール

パーソルテンプスタッフ株式会社は、派遣求人検索サイト「ジョブチェキ!」を運営しています。同サイトでは、問い合わせ対応の効率化とユーザーの利便性向上を目的として、チャットボットの「exaBase FAQ」を導入しました。
従来は、ジョブチェキ!に登録している派遣スタッフが疑問を解決するための方法は、電話やメールのみでした。そのため、営業時間内でしか問い合わせ対応ができず、回答までに時間がかかってしまうケースも少なくありませんでした。
しかし、「exaBase FAQ」を導入することで、Web上のチャットボットに疑問を入力するだけで簡単に疑問を解決できるようになり、総合窓口への問い合わせを10%程度削減することに成功しています。
アパレル業界大手の株式会社TSIホールディングスでは、需要予測システムの「SENSY MD」を導入しています。同社では個客レベル及びSKUごとの需要予測に取り組んでおり、SENSY MDを活用したデータ分析によって、さまざまな経営判断の効率化を実現しています。
例えば、AIによる需要予測を参考にして、生産量を調整することが可能です。また、定価販売とセール販売の比率を適切に調整することで利益の最大化を図ったり、最も売れやすく損失の少ない割引率を設定したりできる環境づくりにつなげています。
実際にAI導入シミュレーションを行ったところ、導入していないときに比べて有意に予測精度が向上しました。SENSY MDは他のアパレル会社でも導入されており、18%の粗利改善に成功している実績もあります。

オリックス生命株式会社では、AI-OCRの「DEEP READ」を導入しています。
同社では、経営の重要課題のひとつとして「CS向上」を掲げています。そこで、新規契約から更新、契約内容の見直し、保険金・給付金の支払いに至るまで、契約者のLTVを向上させるための社内プロセス改善施策の一環として、AI-OCRの導入に踏み切りました。
DEEP READを導入することにより、これまで外部委託による手入力で行っていたデータ入力を自動化でき、保険申込書の入力コストを50%以上も削減することに成功しました。
また、発行された診断明細書の内容をDEEP READで認識し、傷病名や手術名の候補を自動的に利用者のスマートフォンやPCに表示させることで、利用者の入力にかかる手間も削減できています。
コロナ禍によるさらなる業務効率化を実現。保険申込書の入力コストが半減に。
旅館やホテルの事業再生やコンサルティングを手掛ける株式会社リアルクオリティでは、経理業務の効率化を目的として、3つの直営施設で請求書受領システムの「invox受取請求書」を導入しています。
旅館やホテルは取引先が多く、毎月、大量の請求書を処理しなければなりません。多い月では、1施設につき50枚以上もの請求書が紙で届くこともあります。従来は、これらの大量の請求書を本社のスタッフが1名で処理しており、属人化が進行していました。
そこで、請求書の受領をinvox受取請求書の導入によってデジタル化し、属人化の解消と業務効率化に取り組みました。
結果として、これまで4、5日かかっていた請求書の入力作業がほとんどなくなり、経理にかかる時間の大幅な短縮を実現しています。
地盤調査・地質調査・土地改良工などを行う株式会社サムシングでは、画像認識システムの「Einstein Vision」を導入し、地盤改良工事における品質検査「全長コア」の一次判定に役立てています。
「全長コア」とは、地盤改良工事の後に、工事後の地盤をボーリングで抜き出したものを指します。この全長コアを試験機関に送って検査し、1次試験の合否によって、2次試験に進めるかどうかが決定されますが、結果が出るまでには2週間程度の長い時間がかかります。
この試験結果が出る前に現場で正確な合否の診断を下し、先行して作業を行えるかどうかを判断するためのスペシャリストの役割を、AIに代行させています。大量のデータを学習させることで、人間であれば人材育成に5年程度かかるところを、わずか2か月で2~3年目レベルの水準で稼働させることに成功し、安定した高い診断精度を確保しています。

ウィズ・プランナーズ株式会社では、業務効率化を目的としてRPAの「ミラロボ」を導入しています。
同社では、BPO事業、コンタクトセンター事業、バックオフィス事業などを手がけており、クライアントの要望に応じたワンストップでのサービスを提供しています。そのため、決められた時間にデータ処理を行う業務が発生しますが、必ず定時に稼働させなければならない業務は、担当スタッフの負担となっていました。
そこでRPAの「ミラロボ」を導入し、ルールに沿って決まった時間に処理しなければならない業務を代行させることにより、負担軽減を図っています。従業員が本来取り組むべき業務に集中するためのリソースを確保したり、時間どおりに作業をしなければならないプレッシャーから解放されたりと、多くのメリットを感じています。
洋菓子の製造・販売および喫茶店を運営する株式会社銀座コージーコーナーでは、音声認識機能を活用した仕分けシステムの「AmiVoice Cloud Platform」を導入しています。
同社では、かねてからタッチパネル式のハンディターミナルを導入していました。しかし、業務効率化を達成するために、手作業をさらに削減したいというニーズがあり、AI音声認識エンジンを搭載した同システムの導入を決めています。
AmiVoice Cloud Platformを活用することで、「合成音声による商品の仕分指示」と、「発話による確認作業」ができるようになりました。その結果、ハンズフリーとアイズフリーを実現でき、1時間あたりの作業効率が20%増加するとともに、ミス率が従来の12万5千分の1にあたる84%減になるなど、高い成果を上げています。

ブランド品専門のリセールスサイトを運営している宝石・貴金属製品卸業では、DXチャットボットプラットフォームの「Benefitter」を導入し、LINEを活用してユーザーが簡単にブランド品の査定を行える仕組みを提供しています。
同社では、商品の仕入れ数拡大と、競合他社との差別化が課題となっていました。そこで、LINEボットを活用して簡単に売りたいブランド品の査定を行える環境を整え、商品の仕入れ数を増やすための仕組みを整えるためにBenefitterを活用しています。
ユーザーがLINEボットに対して売りたいものの画像をアップロードすると、AIが自動的に画像の商品を判断し、データベースからその商品の参考価格を検索してユーザーに参考価格を返信します。Beneffiterの導入によって、査定数の増加と他社との差別化に成功した事例です。
株式会社毎日放送では、30分番組の放送音声の文字起こしを番組ホームページに掲載しています。この音声の文字起こし作業に、音声認識システムの「もじこ」を導入しています。
放送している防災番組は早朝の時間帯であり、リアルタイムで視聴してもらうことが難しいため、せっかくの専門家の貴重な声をより多くの人に聴いてもらう方法を模索していました。その取り組みの一環として、文字起こしした番組内容をホームページに掲載しているという経緯があります。
「もじこ」を利用することで、限られたスタッフだけで音声データをテキスト化でき、5分程度でベースのテキストを作成することができるようになりました。細かい部分を手直しするだけで、掲載用のテキストを完成させられるようになり、作業時間を大幅に短縮できています。
株式会社ニッセンでは、画像認識AIの「#CBKscnnr(カブキスキャナー)」を活用しています。同社が運営する、大きいサイズの婦人服に特化した「Alinoma」において、「#CBKscnnr」はスタッフのコーディネート画像から類似商品をレコメンドする役割を担っています。
スタッフがコーディネート写真をAIに認識させると、写真に写っているトップスやボトムス、靴などを自動的に判定し、通販サイト内のカラー、形状、柄などが似ているアイテムを表示させることが可能です。
既に掲載しているアイテムに類似する商品を商品ページに簡単に掲載できるため、運用工数を削減できています。また、スタッフの着用アイテムが既に通販サイト上から売り切れてしまっている場合でも、他のアイテムを提案できるため、店舗内の商品ページの価値を高める効果も表れています。
『Alinoma』にファッションAI・類似画像プラグインを導入
資格試験対策講座や公務員の受験指導を行う、Web通信スクールの株式会社クレアールでは、たよれーるAIチャットボットサービスを活用して定型的なお問い合わせ業務の負担軽減を図っています。
AIチャットボットの導入前は、1つの講座に対して1日20~30件のお問い合わせが来ており、対応に手間と時間がかかっていました。しかし、たよれーるAIチャットボットサービスに定型的な問い合わせへの対応を全て任せてからは、人間にしかできない業務に集中できる環境を作ることに成功しています。
AIチャットボットの導入によって、従業員がITやデジタル活用の重要性を理解し、顧客サービスや業務への考え方を転換させるきっかけとしても、重要な役割を果たす結果となりました。
株式会社フィナンシャル・エージェンシーでは、応対品質管理業務の効率化とモニタリング精度の向上が課題となっていました。そこで、コールセンター向けAIの「AI Log」を導入し、課題の解決に取り組んでいます。
従来は、年間40万時間にものぼるコールセンター内の通話内容を、約60名の専門部隊がアナログで聴き起こしていました。しかし、この方法ではスタッフによって作業速度に大きな差が出てしまいます。
Watsonの音声認識機能であるSpeech toTextを用いて、クラウド経由で通話内容を自動的にテキスト化できるAl Logの導入により、コールセンター内の「禁則ワード」を自動的にチェックし、該当部分をハイライト表示できるようになりました。
これにより、聴き起こしにかかる時間を短縮するだけでなくモニタリング精度の差を少なくすることにも成功しました。
Watsonによる通話内容の自動書き起こしで応対品質管理業務を効率化

企業がAI(人工知能)を導入するまでに必要なステップは意外と多いものです。AI導入活用事例の相談から目的の設定、業務範囲の決定やツールの選定など、細かくステップを挙げていくと、準備をしなければならない項目が非常に多いことに気がつきます。
とはいえ、一つひとつのステップを確認しながら丁寧に進めていけば、AI導入に失敗する確率を大きく下げられます。ここでは、企業のAI導入までに必要なステップを詳しく解説します。
AI導入に興味を持ったら、まずは他社のAI導入活用事例を調査してみましょう。AIの具体的な活用方法が全く分からない状態から導入担当になったとしても、導入活用事例を参考にすることで、AIの使い道のイメージが湧いてきやすくなります。
既にある程度AIに関する知識を持っている場合でも、やはり導入活用事例の調査から始めることをおすすめします。いきなりAIの導入を進めようとしてしまうと、自社の課題が見えにくくなったり、プロに相談する際に要点を上手く伝えられなかったりする可能性があります。
AI導入活用事例を調査してある程度イメージが掴めたら、AI導入のプロに相談してみましょう。AI導入にはさまざまなプロセスがあるため、自社にAIの専門家がいない場合は、プロの力を借りて進めた方が失敗につながりにくくなります。
AI導入のプロは、詳細なヒアリングを通して自社の課題を導き出し、どのような導入方針で今後の対応を進めていくべきかを的確に指摘してくれる、心強い存在です。二人三脚で進めていけるよう、疑問点はその都度尋ねて、早めに解消しておくと良いでしょう。
自社の現状課題が明らかになった後は、「何のためにAIを導入するのか」を決めていきます。AIの導入は、適切な目的とゴールを設定することがとても重要です。
AIを業務に取り入れることそのものが目的ではなく、「AIを活用して自社の課題を解決すること」が最終的な目的であることを忘れてはいけません。AIを導入し、その結果どのような成果が出たら「成功」となるのかを、具体的な数値を設定して決めておきましょう。
ヒアリングによって自社の現状を整理できたら、具体的な課題の抽出を行います。自社が業務を行う上でどのような部分がボトルネックになっているのかを整理して、解決しなければならない点を明確にし、担当者間で認識を共有しましょう。
企業が抱える課題は千差万別であり、どのようなAIを取り入れるべきかも課題によって異なります。課題を明らかにしておかなければ、効果の高いAIを導入できず、導入失敗につながるおそれがあるため注意が必要です。
AI導入のゴールを設定したら、AIを適用する業務範囲を具体的に指定していく作業に移ります。
AIは業務を自動化したり、処理を効率化したりできるツールですが、決して万能ではありません。そのため、「AIが処理する部分」と「引き続き人間が処理する部分」を明確に切り分けて、AIの業務範囲を適切に指定する必要があります。
まずは自社の現状の業務をできるだけ細かくリストアップし、AIに任せる部分を洗い出しましょう。
AIに任せる業務の範囲を決定できたら、AI学習用データの準備を行います。AIは大量のデータから特徴や傾向を学ぶことによって知能を高め、作業の精度を高めていきます。そのため、最初に与えるデータとして相応しいものを選定し、AIが学びやすい形に整える工程が必要です。
導入するAIによって必要なデータは異なりますが、大量かつAI学習に適したデータを自社だけで用意するのは難しい作業です。データの準備を行える人材がいない場合は、プロに任せることも検討しましょう。
学習用データの準備と並行して、導入するツールの選定も進めていきます。近年ではさまざまなAIツールが登場しているため、複数のツールを比較しながら、自社の目的に合った機能を持つツールを選定しましょう。
機能が豊富なツールが、必ずしも自社にとって素晴らしいツールになるとは限りません。不必要な機能が多すぎても、かえって使いにくさを感じる場合があります。予算と相談しながら、自社の目的を達成できる必要十分な機能を持ったツールを導入することが大切です。
AIツールの選定を終え、学習用のデータを整備できたら、AIにデータを投入して学習を開始しましょう。例えば小売業なら、過去10年分の販売データをAIに学習させることで、今後の売上予測を導き出す仕組みを構築できます。
AI学習の方法には、人間が与えたデータから共通する法則を学ぶ「機械学習」と、与えたデータをもとにAI自身が繰り返し思考して成長していく「深層学習’(ディープラーニング)」の2種類があります。どちらが相応しいかは目的や用途によって異なるため、プロに相談してみると良いでしょう。
学習が終わったら、いよいよAIツールを現場に導入し、運用を開始します。
このタイミングで、基幹システムをはじめとした既存システムにも連携する必要があります。選んだツールによっては最初から特定のシステムとの連携に対応している場合もありますが、基本的には、既存システムとAIを連携させるための開発が別途必要です。
自社でシステム連携を行うことが難しい場合は、既存システムとの連携も含めてプロに依頼しましょう。
AIツールの導入と既存システムへの連携が完了したら、まずは試験運用を開始します。いきなり本番運用を開始すると、想定外の不具合が起こったときに現場の混乱を招くため、試験的に動かすことで影響を最小限に抑えられます。
試験運用では、ごく小規模な組織だけで導入したAIツールを使用し、使い勝手やエラーが起こらないかどうかなどを検証します。問題があれば改善して反映し、問題が起こらなくなれば、本格運用に移ります。
試験運用のフェーズが完了したら、本格運用に移ります。一般的には、この段階に到達していれば、稼働に関して大きな問題は起こらなくなっているでしょう。
ただし、本格運用に切り替わったタイミングで、全社が一斉にAIを使い始めることはおすすめできません。最初は試験運用の対象になった部門の周辺部門に広げて様子を見つつ、対象部門にAI活用が浸透してきたら、また少しずつ運用範囲を拡大し、最終的に全社で運用することをおすすめします。
日本におけるAIの導入は他国に後れを取っている状況であり、中小企業や非製造業のAI/IoT活用を推し進めていく必要があります。経済成長や2025年問題・2040年問題の回避のためにも、各社がAI活用の重要性を認識し、積極的に導入を推進することが大切です。
近年ではさまざまAIツールが登場しており、業種・業態に合わせた多様なアイディアが取り入れられています。AI導入を検討する際は、他社の導入事例も参考にしながら、自社に合ったAIツールを選定しましょう。
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