AIカメラでソーシャルディスタンスを可視化!3密を回避するシステムの仕組みとは
最終更新日:2024/04/11
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、昨今は密集・密閉・密接の「3密」を減らすことが求められるようになりました。しかし、これまで3密になりがちだった店舗や施設などにおいて、いきなり3密の回避を実現するのは決して簡単なことではありません。特に人と人の「距離」に関しては可視化できるものではなかったため、3密の回避につなげるためのデジタル活用が求められていたのです。
そのような中で、人と人の距離(ソーシャルディスタンス)を可視化できるソリューションとしてAIを活用したカメラに大きな注目が集まっています。今回は、3密を回避するAIカメラの仕組みやメリットについて詳しくみていきましょう。
AIカメラで3密を回避する「ソーシャルディスタンスカメラ™」
(参照:アースアイズと日商エレ協業、AIで3密を防ぐ!「ソーシャルディスタンスカメラ™」を販売|PR TIMES)
2020年5月、アースアイズ株式会社(本社:東京都港区)と日商エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区)は、新型コロナウイルス対策としてAIを活用した「ソーシャルディスタンスカメラ™」を店舗や施設向けに販売開始しました。
この「ソーシャルディスタンスカメラ™」は、AIカメラの3D空間認識技術によって施設内外の人数を認識したり、人と人の距離を認識したりして、混雑レベルを可視化するというものです。「ソーシャルディスタンスカメラ™」が導入されている施設の利用者(顧客)は、スマホなどから混雑レベルをチェックすることもできます。そのため、施設内の混雑状況を把握した上で訪問するかどうかを判断できるため、施設の利用者にとっても非常に大きなメリットがあるといえるでしょう。
とくにスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアなど、生活に欠かせない日用品が販売されている店舗に関しては、「絶対に3密を避けたい」と考えている人も訪れなければならないケースがあるかもしれません。そのような場合、タイムリーに混雑状況を把握できる仕組みが存在するかどうかという点は、その店舗や施設への信頼度にも大きな影響を与える可能性があるといえるのではないでしょうか。
ちなみに、「ソーシャルディスタンスカメラ™」の具体的な仕様イメージとしては、300坪ほどの小売店であれば、メインとなる通路3箇所程度に「ソーシャルディスタンスカメラ™」を設置することで人の密集レベルを可視化することが可能になります。設置されたAIカメラが人と人の距離のデータを解析して、ホームページや責任者のスマホなどに「密集レベル」として通知するという仕組みです。
また、出入り口にもAIカメラを設置しておけば人数カウントを行うことができるため、混雑予測なども高精度に予測することができます。これまで3密になりがちだった小売店などは、顧客が安心して来店できる環境を整える必要がありますので、密集レベルを可視化できるAIカメラには大きなメリットがあるといえるのではないでしょうか。
マスク着用の有無も検知できるAWL Lite with 新型コロナ対策ソリューション
(参照:「マスク着用の有無」も検知…店内の“3密”を監視して回避するシステムが登場|FNNプライムオンライン)
3密を回避するAIカメラを提供しているのは上記で紹介した企業だけではありません。AIカメラソリューションを提供するAWL株式会社(本社:東京都千代田区)、AIアルゴリズムを開発する株式会社調和技研(本社:北海道札幌市)、ティ・アイ・エル株式会社(本社:東京都千代田区)の3社も、共同で「AWL Lite with 新型コロナ対策ソリューション」というAIカメラ監視システムを開発したことで注目が集まっています。
北海道札幌市に本部があるドラッグストア「サツドラ」で試験導入が行われ、2020年4月27日から販売が開始されました。そんな「AWL Lite with 新型コロナ対策ソリューション」の仕組みとしては、まず入り口に設置されたAIカメラが「来店客数」「属性」「マスク着用の有無」などを検知します。そして、それらのデータをもとに分析を行い、リアルタイムで店舗内の混雑度を予測していくというものです。
出入り口に設置されたモニター画面には、「混雑なし」「少し混雑」「かなり混雑」という3つの段階で混雑度を表示させることもできるため、店舗に訪れた顧客は入店前の段階で店舗内の混雑度を把握することができます。もし「かなり混雑」と表示されていれば、「混雑が解消されてから入店をする」という判断を下す顧客も多くなるため、より店舗内の3密の回避につなげることができるわけです。
なお、今後はネットの地図上で「混雑度」をリアルタイム表示させるサービスや、LINEなどと連携して混雑度を発信するサービスなどを展開していく予定だといいます。そして、混雑度の予測に用いるカメラ映像は端末に保存されるわけではなく破棄されるため、分析によって個人データに相当するデータが生成される心配もないそうです。
中には、店舗内にカメラが設置されていることで「個人情報などが収集されているのではないか」といった不安を持たれてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、「AWL Lite with 新型コロナ対策ソリューション」であればそのような心配は必要ないでしょう。
3密を回避するAIカメラが新型コロナウイルス対策に貢献
今回は、3密を回避するAIカメラの仕組みやメリットについてご紹介しました。これまで3密になりがちだった小売店などにおいて、AIカメラの「密集度を可視化できる」という機能には大きなメリットがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
また、AIカメラはさまざまな形で応用していくことができるため、今後は「来店者や従業員のアルコール消毒が実施されているかどうか」を検知したりすることもできるようになるかもしれません。実際、「AWL Lite with 新型コロナ対策ソリューション」を提供しているAWLでは、そのような機能の実装も検討しているそうです。
今後、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、一人ひとりが3密を回避するという意識を持って行動することが大切になりますが、分かりやすく目で判断できるものではないため、難しい部分があるのも事実です。その点、今回ご紹介したAIカメラの技術であれば、より分かりやすく3密を可視化できるようになるため、一人ひとりの意識の向上にもつなげられるのではないでしょうか。今後、どのような形でAIカメラの技術が活用されていくのか、ますます目が離せません。
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