Excelで終わらない！需要予測フリーソフトを比較。無料トライアルがあるおすすめAIツールも紹介

最終更新日:2024/02/29

近年は多くの企業でAIが導入され始めており、私たちの気付かないような意外な場所でもAIが活用されているというケースは少なくありません。それは、多くの企業がAIの有効性を認識し始めているのはもちろんのこと、「AIの導入がより容易になりつつあること」も大きな要因といえるのです。

最近ではより簡単にAIの構築を行うことができるツールも多く提供され始めており、企業はもちろんのこと、個人でもAIを構築しやすい環境が整いつつあります。そのため、AIの活用シーンは日々広がり続けている状況です。

そんなAIは、マーケティング面での活用も広がっており、特に「需要予測」はAIとの相性が良いことから大きな注目を集めています。そこで今回は、気軽に利用できる需要予測フリーソフトや、無料トライアルが設けられているおすすめAIツールなどをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

売上予測AIについて詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
売上予測AIとは？売上を加速する需要予測システムの重要性

需要予測でできること

需要予測とは、ある商品の売上量を短期的もしくは長期的に予想することを指します。製造する量や発注量は、この需要予測に従って決めていきます。ただし、モノが売れるにはさまざまな要因が絡み合うため、予想するのは簡単ではありませんでした。昨今はこうした課題を解決すべく、これまで担当者が積み重ねた経験や勘に頼りがちだった需要予測をAI・人工知能で自動化するシステムが登場し、精度を高めています。

そんな需要予測は、身近なツールでも行うことができます。代表的なものとしては、Excelが挙げられるでしょう。Excelには、FORECAST関数・TREND関数・SLOPE関数といった需要予測を行える関数が搭載されているため、手軽に需要予測を行いたい場合に最適といえます。ただし、より効率的に需要予測を行いたい場合には、需要予測機能が搭載されている在庫管理システムのほうが向いているでしょう。導入コストはかかってしまいますが、データ管理を効率的に行いながら需要予測を実行できます。

需要予測を行えば、在庫最適化や生産設計の効率化など、さまざまなメリットを得られるため、もはや必要不可欠なマーケティングの一つといっても過言ではありません。

需要予測フリーソフト3選

現在は、需要予測を行えるツールが数多く存在しており、中には無料で利用できるものも存在します。ここからは、需要予測フリーソフトをいくつかご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

meets AI Cloud

meets AI Cloudは、AIカタログからモデルを選んで体験したり、ワンクリックでモデル構築を行ったり、構築したモデルを用いてリアルタイム推論を行ったりと、手軽に需要予測を実施することができるサービスです。

さまざまな料金プランが設けられており、データ容量上限100Mであれば無料で利用できます。そのため、まずはフリープランで試してみたうえで、本格的な導入を検討していくのも有効な手段といえるでしょう。

GMDH Streamline

GMDH Streamlineは、需要予測や在庫補充計画を行うことができるソフトウエアです。WindowsとMacに対応しているため、さまざまな環境下で活用できます。買いすぎによって在庫を過剰に抱えることや、欠品の原因である過少在庫が起きることが多い場合に最適なソフトウエアといえるでしょう。

GMDH Streamlineは、ニューヨークに本社を置くGMDH社が開発・提供するアメリカ発のソフトウエアです。ただし、日本国内においては、Tyecinが購入窓口とサポートを担当しているため、言語面でのハードルは高くありません。もちろん、ソフトウエアは日本語化されているため、安心して利用できるでしょう。

KNIME

KNIME（KNIME Analytics Platform）は、ワークフロー型データ分析プラットフォームを提供する、無料のオープンソースソフトウェアです。データの前処理、機械学習を用いた分析ワークフローなどをノーコードで構築できます。そのため、さまざまな業務において柔軟に活用していくことができるでしょう。

そんなKNIMEの特徴としては、すべての機能を無料で利用可能な点が挙げられるでしょう。扱えるデータ容量なども制限は設けられていないため、ライセンスやコストに気を使うことなくデータ分析を行えます。

無料トライアルがあるおすすめ需要予測AIツール

需要予測AIツールの中には、無料トライアル期間が設けられているものも存在します。ここからは、無料トライアルがあるおすすめ需要予測AIツールを5つご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

Prediction One

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供する「Prediction One」は、誰でも簡単にデータから予測を算出できるよう、高い操作性で設計されたソフトウエアです。ソニー社内のAI教育にも用いられているAI予測分析ツールであり、機械学習やプログラミングなどの専門知識がなくても数クリックの簡単な操作で予測分析が実現できます。

そのため、AIの専門知識を持った従業員がいない企業でも、これまで勘や経験に頼りがちだった業務をAIで自動化させることが可能になります。業務効率化や属人化解消といった課題を持つ企業にぴったりのソフトウエアといえるでしょう。

CRM Analytics

株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「CRM Analytics」は、AIと分析を業務アプリに組み込むことができるサービスです。AIを搭載した分析プラットフォーム Einstein Analyticsを活用することで、無数のデータの組み合わせの中から、パターンが見つけ、自動でインサイトを検知し、ビジネスのトレンドを予測し、次にとるべきアクションを発見できます。

Einstein Analytics をCRMと結合できるため、AIによる予測や、推奨されるアクションは、業務アプリ内に組み込まれた形で、営業やコールセンターのビジネスユーザーを適切な方向へ導く手助けをします。 AIによる予測をただの予測で終わらせること無く、業務に組み込むことでビジネスへのAI活用を実現できるのは大きな魅力といえるでしょう。

PriceRobo

株式会社エーエヌラボが提供するPriceRoboは、商品の値段動向を効率的に分析できるツールです。同社が提供するソリューション「かいとりロボ」と連携すれば、買取価格をリアルタイムで自動計算し、表示させることも可能になります。

特徴的な機能としては、類似商品を扱う各サイトから値段などを自動収集できる機能、画像マッチングなどで自動的に対応付けや関連付けを行うデータ整理機能、関連サイトの値段動向やカテゴリ別・メーカー別・時間別での表示を視覚化できる機能などが挙げられるでしょう。

さまざまな観点での分析が可能になるため、これまで見えなかった課題を明確化し、業務効率を改善していくことができます。

MatrixFlow

株式会社MatrixFlowが提供する「MatrixFlow」は、ドラッグ＆ドロップだけで機械学習・深層学習のモデルを構築することができるプログラミング不要のAI構築プラットフォームです。このプラットフォームの最大の特徴は「ドラッグ＆ドロップで機械学習・深層学習のモデル構築が行える」という点です。

既に用意されている機械学習・深層学習のレシピをそのまま利用していくことも可能なので、プログラミングの知識が少ない方でも手軽にモデル作成を行えるのです。また、一度作成したモデルはMatrixFlow上で動作確認を行えるため、動作確認の手間も大幅に削減することができます。「人材育成が困難だが、AIモデル作成を行いたい」という場合におすすめのツールといえるでしょう。

OpTApf

株式会社電通国際情報サービスが提供する「OpTApf」は、Microsoft Azure上でMLOpsを実現するAIプラットフォームです。時系列データと画像データに両方対応し、これまでデータサイエンティストが担ってきた機械学習モデルの作成・運用・管理を自動化できます。

OpTApfの特徴としては、専門知識がない人でもAzure Machine Learningを利用できるUIが備わっていることが挙げられるでしょう。AIモデルは、一度作成してずっとそのまま使い続けるものではありません。環境の変化に伴いデータも変化するため、常に精度を維持するための精度監視や再学習が必要です。

OpTApfは、AzureMLにより自動生成したモデルに対し、運用フェーズの精度の確認や再学習までを容易に行えるようにすることで、いつでも「最適な状態のAI」に保つことができます。