生成AI

最終更新日:2026/10/05
東大 盆栽AI「JinShari」発表
東大大学院の研究チームは、盆栽AIプラットフォーム「JinShari」の先端機能を第10回世界盆栽大会で発表しました。また、生成AIを用いて盆栽の美意識を客観的な言葉として本プラットフォーム実装する研究プロジェクトの資金調達も開始しました。
このニュースのポイント
東京大学大学院の研究プロジェクトチームは、マレーシアで開催された「第10回世界盆栽大会」に出展し、現在開発中の盆栽AIプラットフォーム「JinShari」を発表しました。
盆栽は今や世界各地に熱狂的な愛好家コミュニティが広がるグローバルな文化となっています。一方、その根底にある「余白」や「引き算」の美学、あるいは「わびさび」「無常」といった日本文化特有の精神性や思想的背景は、直感や暗黙知として受け継がれてきた側面が強く、学術的な体系化が課題となっていました。

こうした課題に対し、同チームは大会内で2つの特別セッションを実施しています。さいたま市大宮盆栽美術館とのオンライン中継で「見立て(メタファー)」の文化を共有したほか「JinShari」の紹介セッションが開催されました。
本プラットフォームの紹介セッションでは、樹種・居住地に応じて最適な管理をサポートする「AI生育管理」や、理想的な樹の姿をシミュレーションする「AI樹形構想」といった現在開発中の先端機能を発表しました。また、スマートフォンで写真を撮るだけで盆栽の見どころを可視化するAIプロトタイプの体験デモや、参加者の意識アンケートも実施されました。

あわせて、学術系クラウドファンディングサイトにおいて、研究プロジェクトの資金調達も開始されました。これまで直感や個人の感覚に委ねられがちだった盆栽の美学を、客観的な言葉として紐解き、本プラットフォームへ実装することを目指します。
盆栽を単体で完結させるのではなく「盆栽から他の日本文化へと関心を深める」「他の日本文化から盆栽造形の着想を得る」という双方向の循環を生み出すことを目的とし、3つのフェーズで研究・実装を推進します。

まず第1フェーズとして思想・美学の厳密な言語化に取り組み、盆栽造形において「余白」や「わびさび」が具体的に何を目指すものなのかを客観的な言葉として抽出します。続いて、第2フェーズの他領域の文化・美学論との比較検証では、茶道、いけ花、日本庭園、日本画、文学・俳句、能楽など、他の日本文化における空間・時間表現との共通点や差異を整理します。
さらに第3フェーズでは、AI技術との融合および本プラットフォームへの実装を行い、分析成果を文化データベース化し、生成AIを通じて日々の手入れの中で手元の樹の思想的背景に触れられる機能を開発します。
将来的には、海外の盆栽コミュニティや研究機関とも連携を広げ、各地域の気候風土や歴史的背景から生まれた多様な美意識・評価基準を反映した多言語・多文化対応の美学データベースの構築を目指します。東大大学院の研究チームは、今後も「JinShari」を介し、国境を越えた双方向の文化的対話と新たな美の創出を推進する方針です。
出典:PR TIMES
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