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Grok 4.6とは?性能・料金・使い方・導入前の注意点を解説

最終更新日:2026/08/13

Grok 4.6は、SpaceXAIが2026年8月12日に公開したAIモデルです。コーディングや長時間のエージェントタスク、知識労働に重点を置いています。「性能はどれくらいか」「料金はいくらか」「自社で導入して問題ないか」と気になる方も多いでしょう。

この記事では、Grok 4.6の性能・料金・使い方をGrok 4.5との違いも交えて整理します。企業が導入を検討する際に確認したいデータ保持のルールも紹介します。

Grok 4.6とは?発表の概要

Grok 4.6は、コーディング・長時間のエージェントタスク・知識労働に重点を置いた大規模言語モデルです。前バージョンのGrok 4.5から約1カ月での投入となりました。

開発元の表記についても補足します。SpaceXは2026年2月2日、xAIを買収したと発表しました。現在の公式サイト(x.ai)では「SpaceXAI」という表記が前面に使われています。一方、利用規約上の契約主体は現在も「X.AI LLC」です。本記事では公式サイトの現在の表記に合わせて「SpaceXAI」を使用します。

出典:Introducing Grok 4.6|SpaceXAIxAI joins SpaceX|SpaceXAITerms of Service|X.AI LLC

Grok 4.6の性能・ベンチマーク

Grok 4.6は、第三者評価機関Artificial Analysisの「Intelligence Index」で61点でした。SpaceXAIが公開した比較表では、GPT-5.6 Sol(Max)も61点です。Claude Fable 5(Max)は62点となっています。

ベンチマークにはいくつか種類があり、それぞれ得意分野が異なります。下表はSpaceXAIが公表した主要なベンチマーク結果です。表頭の「High」「Max」は評価時の推論強度(reasoning effort)の設定を示します。製品名の一部ではない点にご注意ください。

主要ベンチマーク比較表

評価項目 Grok 4.6(High) Grok 4.5(High) GPT-5.6 Sol(Max) Claude Fable 5(Max)
AA Intelligence Index 61 56 61 62
GDPVal-AA v2 1753 1526 1728 1741
CursorBench v3.2 69.9% 66.7% 67.2% 70.5%
DeepSWE v1.1 65.9% 54.0% 73.0% 70.0%
Terminal-Bench v3.0 26.0% 15.7% 34.6% 34.1%
Harvey LAB(法律) 15.8% 12.9% 2.5% 11.3%

※SpaceXAIの公表値に基づく比較です。DeepSWEやTerminal-Benchなど、Grok 4.6が他モデルを下回る項目もあります。単一の指標だけでモデル全体の優劣を判断しないことをおすすめします。

各評価項目が何を測っているかは、以下の通りです。

  • AA Intelligence Index:Artificial Analysisが複数の評価を統合し、推論・知識・コーディング・エージェント能力など、言語モデルの総合的な能力を指数化した指標
  • GDPVal-AA v2:44の職種を対象に、文書・スプレッドシート・スライドなど、実務で求められる成果物を作成する能力を評価するベンチマーク
  • CursorBench v3.2:実際のCursor利用セッションから得た、複数ファイルにまたがる曖昧なコーディングタスクへの対応力を測るベンチマーク
  • DeepSWE v1.1:実在するオープンソースリポジトリを用いて、長時間にわたる実践的なソフトウェア開発タスクの遂行能力を測るベンチマーク
  • Terminal-Bench v3.0:ターミナルやコンテナ環境を操作し、コーディング・システム操作・データ処理・科学計算など、多様な実務タスクを自律的に遂行する能力を測るベンチマーク
  • Harvey LAB(法律):クライアント案件の関連資料をもとに、法務分析や成果物の作成など、複雑で長時間にわたる実務レベルの法律業務を遂行する能力を測るベンチマーク

出典:Introducing Grok 4.6|SpaceXAIGrok 4.6 (high)|Artificial Analysis

Grok 4.6の新機能・特徴

Grok 4.6の最大の特徴は、長時間にわたるエージェントタスクへの対応力です。調査や情報分析、コードベース上での作業など、複数ステップにまたがる複雑なタスクへ継続して取り組む能力が強化されました。

そのほかの主な仕様は以下の通りです。

  • コンテキストウィンドウ:500,000トークン
  • 入出力:テキスト・画像の入力に対応。出力はテキストのみ
  • 推論強度:low・medium・high(デフォルト)・xhighの4段階から選択可能
  • 対応ツール:関数呼び出し、構造化出力、Web検索・X検索、コード実行

コンテキストウィンドウとは、モデルが一度の処理で参照できる文脈量の上限のことです。SpaceXAI APIのGrok 4.6は最大500,000トークンに対応しており、大量の文章やコードをまとめて扱う用途に活用できます。

※利用できるコンテキスト長はプラットフォームによって異なります。2026年8月13日時点、Cursor公式ドキュメントではCursor版Grok 4.6のコンテキストウィンドウを256,000トークンとしています。

出典:Grok 4.6|SpaceXAI DocsGrok 4.6|Cursor Docs

Grok 4.6の料金体系【20万トークン以上は要注意】

Grok 4.6のAPI料金は、入力100万トークンあたり2ドル、出力100万トークンあたり6ドルが基本です。ただし、プロンプトが20万トークン以上になると条件が変わります。超過分だけではなく、リクエスト全体にロングコンテキスト料金が適用される点に注意が必要です。

料金比較表(100万トークンあたり)

区分 入力 キャッシュ入力 出力
Grok 4.6(20万トークン未満) $2.00 $0.50 $6.00
Grok 4.6(20万トークン以上) $4.00 $1.00 $12.00
Grok 4.5(20万トークン未満) $2.00 $0.30 $6.00
Grok 4.5(20万トークン以上) $4.00 $0.60 $12.00

通常の入力・出力料金はGrok 4.5と同水準です。一方、キャッシュ入力料金は変更されています。標準区分は0.30ドルから0.50ドルへ、ロング区分では0.60ドルから1.00ドルへ上がりました。「料金は据え置き」と単純に言い切れない点は、コスト試算をする際に見落としやすいポイントです。

なお、高速応答を優先する「Fast版」は、通常版の2倍の料金です。料金体系は変更される可能性があるため、導入時は最新の公式情報もご確認ください。

出典:Pricing|SpaceXAI Docs

Grok 4.6を利用できるプラットフォーム・使い方

Grok 4.6は、2026年8月13日時点で以下のプラットフォームから利用できます。

  • xAI API:自社システムへの組み込みに利用
  • Grok Build:コーディングエージェント向けの専用ツール
  • Cursor:コードエディタから利用可能(コンテキストウィンドウは256,000トークンとSpaceXAI APIと異なる)
  • OpenRouter/Vercel/Cloudflare:各社のサービスを通じてGrok 4.6を利用可能

APIを自社システムへ組み込む方法だけではありません。CursorやGrok Buildなど、Grok 4.6を組み込んだ既存ツールから利用を始める方法もあります。なお、チャット向けサービスのGrok Botには2026年8月13日時点でモデル選択機能がありません。Grok 4.6を明示的に指定して使うことはできない点にご注意ください。

出典:Grok 4.6|SpaceXAI DocsGrok Bot for Teams and Enterprises|SpaceXAI DocsGrok 4.6|Cursor Docs

Grok 4.5からの主な変更点

Grok 4.6とGrok 4.5の違いは、主に3点に整理できます。

  1. ベンチマークスコアの向上:AA Intelligence Indexは56点から61点へ上昇
  2. 長時間エージェントタスクへの対応強化:補足学習期間の延長や高品質なエンジニアリングデータの活用により、複数ステップにまたがる作業への対応が強化
  3. 料金体系の一部変更:通常料金は維持されつつ、キャッシュ料金は値上げ(詳細は前述の料金セクション参照)

Grok 4.5そのものの詳細な機能や提供開始の経緯については、AIsmileyの関連記事もあわせてご覧ください。

関連:Grok 4.5とは?性能・料金・使い方・他社モデルとの違いを解説

出典:Introducing Grok 4.6|SpaceXAI

企業でのGrok 4.6活用シーン

Grok 4.6の長時間エージェント機能や50万トークンのコンテキストウィンドウを踏まえると、以下のような業務で活用できる可能性があります。

  • ソフトウェア開発の下支え:バグ修正や複数ファイルにまたがる実装作業のサポート
  • 大量資料の要約・リサーチ業務:大容量コンテキストを活かした資料整理
  • 長文コンテンツの一次ドラフト作成:たたき台としての文章生成

これらはベンチマーク結果や仕様から編集部が推測した活用シーンであり、実際の効果は業務内容によって異なります。対外公開文書や契約・法務など誤りの影響が大きい用途では注意が必要です。モデルを問わず、生成結果を人が確認する工程を設けることをおすすめします。

企業がGrok 4.6を導入する前に確認したい注意点

発表直後のモデルであるため、料金や提供条件は今後変更される可能性があります。加えて、法人利用ではデータの取り扱いを必ず確認しておきましょう。

APIの入力・出力データは学習に使われる?

SpaceXAIの公式FAQによると、明示的な許可がない限り、APIの入力・出力をモデルの学習に利用しないとされています。データ保持の期間はデフォルトで30日間です。APIリクエストとレスポンスは保存時に暗号化され、不正利用の監査目的にのみ使用します。保持期間を過ぎたデータは自動的に削除されます。

Zero Data Retention(ZDR)でプロンプト・生成結果を保存しない設定も可能

より厳格なデータ取り扱いが必要なチーム向けに、Zero Data Retention(ZDR)という設定も用意されています。ZDRを有効にすると、APIのプロンプトと生成結果はディスクに一切保存されません。前述の30日間の監査保持もZDR有効時には適用されなくなります。なお、キー作成やチーム変更といった管理操作の記録は、ZDR有効時もコンソールの監査ログに残ります。

ただし、SpaceXAIは多くの利用者にZDRを推奨していません。データ保存を前提とする機能が利用できなくなるためです。対象はステートフルなResponses API、Files API、Collections API、Batch APIなどです。チーム単位での設定となり、個別のAPIキーごとには有効化できません。自社のコンプライアンス要件と必要な機能を照らし合わせたうえで判断してください。

料金・提供条件は変わる可能性がある

前述の通り、20万トークン以上でのロングコンテキスト料金や、キャッシュ料金の変更など、コストに関わる条件は複数あります。導入前に自社のプロンプト長を想定したコスト試算をおすすめします。

他の主要モデルとも比較して判断する

GPT-5.6 SolやClaude Fable 5など、他の主要モデルとも自社タスクで比較検討することをおすすめします。

出典:FAQ – API Security|SpaceXAI Docs

Grok 4.6に関するよくある質問

Q1.Grok 4.6は無料で使えますか?

A.2026年8月13日時点、Grok BuildからGrok 4.6を無料で試せます。SpaceXAIは公開後1週間、Grok BuildとCursorで通常の2倍のincluded usageも提供しています。一方、SpaceXAI APIは利用量に応じた従量課金です。無料利用やキャンペーンの条件は変更される可能性があるため、利用時は各サービスの最新情報をご確認ください。

Q2.Grok 4.6とGrok 4.5の違いは何ですか?

A.ベンチマークスコアの向上と、長時間のエージェントタスクへの対応強化が主な違いです。通常の入力・出力料金は同水準ですが、キャッシュ入力料金は変更されています。

Q3.Grok 4.6はGPT-5.6 SolやClaude Fable 5と比べてどちらが優れていますか?

A.Artificial Analysis Intelligence Indexでは、Grok 4.6とGPT-5.6 Sol(Max)が61点、Claude Fable 5(Max)が62点でした。ただしDeepSWEやTerminal-BenchなどではGPT-5.6 SolやClaude Fable 5がGrok 4.6を上回っており、指標によって結果は異なります。

Q4.xAI・SpaceXAI・SpaceXはどういう関係ですか?

A.SpaceXは2026年2月2日にxAIを買収したと発表しました。現在の公式サイトでは「SpaceXAI」の表記が使われていますが、利用規約上の契約主体は「X.AI LLC」です。

出典:Grok 4.6|SpaceXAI Docs

まとめ

Grok 4.6は、長時間のエージェントタスクと50万トークンのコンテキストウィンドウを特徴とするAIモデルです。Artificial Analysis Intelligence Indexでは61点を記録し、SpaceXAIの比較表ではGPT-5.6 Sol(Max)と同スコアでした。

料金面では、通常料金がGrok 4.5から維持される一方、キャッシュ料金や20万トークン以上の条件には注意が必要です。企業として導入を検討する際は、性能や料金だけを見るのでは不十分です。APIデータの30日保持やZero Data Retentionの機能制約まで確認することをおすすめします。自社で利用する業務を決めたうえで、Grok 4.6と他の主要モデルを実際のタスクで比較することをおすすめします。

出典:Introducing Grok 4.6|SpaceXAIPricing|SpaceXAI DocsFAQ – API Security|SpaceXAI Docs

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