生成AI

最終更新日:2026/09/08
ChatGPT Enterpriseは、OpenAIが一般企業向けに提供する、契約ベースの上位プランです。個人向けプランを人数分そろえるサービスではなく、企業のIT環境の一部として、利用者・権限・データ・費用を組織で管理することを前提に設計されています。ただし、BusinessとEnterpriseのどちらを選ぶべきか、費用をどの程度見込んで社内に説明すべきかは、公式情報を確認するだけでは判断しにくい部分もあります。
この記事では、ChatGPT Enterpriseでできること、公式に非公開とされる料金の考え方、Businessとの具体的な違い、問い合わせから全社展開までの導入手順を、OpenAIの公式情報をもとに解説します。
※本記事の料金・機能・モデル名は2026年7月24日時点の公式情報にもとづきます。契約前には、最新の公式ページの確認と営業担当への問い合わせをおすすめします。

ChatGPT Enterpriseは、大規模な導入と高度な管理機能を必要とする企業向けの契約プランです。セルフサービスで申し込むBusinessと異なり、料金・契約条件・利用枠は営業担当との相談で決まります。誰がどの機能やデータにアクセスできるかを組織で制御できることが、個人向けプランとの大きな違いです。
ChatGPTの主なプランは、利用者と用途によって次のように分かれています。
| 区分 | 主なプラン |
|---|---|
| 個人向け | 無料プラン(Free)・Go・Plus・Pro |
| 法人向け | Business・Enterprise |
| 教育機関向け | ChatGPT Edu・ChatGPT for Teachersなど |
法人向けの入り口にあたるのがBusiness(旧Team)です。ChatGPT Teamは2025年8月29日にChatGPT Businessへ名称変更されました。名称変更に伴う機能や料金の変更はありませんでしたが、その後、提供条件は更新されています。Businessは組織専用の利用環境(ワークスペース)をセルフサービスで用意したい組織向けで、Enterpriseは大規模な展開や高度な管理機能が必要な組織向けです。
各プランの機能や料金を横断して比べたい場合は、別記事の「ChatGPTの有料プランでできることは?」で確認できます。

生成AIを業務で利用する企業では、入力した社内情報がモデルの学習に使われないか、退職者のアクセスを速やかに停止できるか、利用状況を監査できるか、などの課題が生じます。従業員が個人向けアカウントを個別に使う状態では組織が利用実態を把握しにくく、未承認のAIサービスが使われるシャドーITも起こりやすくなります。
Enterpriseは入力・出力を既定でモデルの学習に使わない仕組みのほか、認証基盤との連携、監査ログ、データ保持期間や保存地域の指定などの機能を備えています。情報システム部門や管理部門が利用ルールを設け、組織全体でChatGPTを導入するための機能が用意されています。
ChatGPT Enterpriseの機能を確認する際は、シートとクレジットの仕組み・利用できるモデル・社内データとの連携・管理機能に分けて見ると、Businessとの違いを把握しやすくなります。
ChatGPT Enterpriseでは、利用者に割り当てる契約単位として「標準ChatGPTシート」と「Codexシート」の2種類が用意されています。
| シートの種類 | 含まれるアクセス | 請求方法 |
|---|---|---|
| 標準ChatGPTシート | ChatGPT・Codex | ユーザー1人あたりの契約料金。一定の利用枠を含む |
| Codexシート | Codexのみ。ChatGPTワークスペースへのアクセスは含まれない | 月額固定費のない従量制。利用にはワークスペースクレジットが必要 |
標準ChatGPTシートでは、GPTs・プロジェクト・アプリ・Company Knowledge・ChatGPT Agent・Deep Research・Codexなどを利用できます。契約に含まれる基本的な利用枠を超えて高度なモデルやCodexを使う場合は、ワークスペースクレジットを追加して利用範囲を広げられます。
CodexシートはEnterpriseで利用可能です。BusinessにもCodexシートが提供されていましたが、2026年6月24日以降は新規のBusinessワークスペースと、それ以前にCodexシートを追加したことがないBusinessワークスペースでは追加できません。既存の対象ワークスペースでは継続して管理・追加できます。開発部門の利用者にChatGPT本体も必要か、Codexだけで足りるかを確認したうえでシートを割り当てます。
Enterpriseでは、利用するモデルを選ぶ画面(モデルピッカー)から、用途に合わせて応答速度や推論量を変更できます。2026年7月24日時点では、日常的な質問へ素早く答えるGPT-5.5 Instantが既定のモデルです。Medium・High・Extra HighではGPT-5.6 Sol、ProではGPT-5.6 Sol Proが使われます。
BusinessとEnterpriseの管理者は、ワークスペースのメンバーが利用できるモデルを制御できます。モデル名・利用枠・提供状況は更新されるため、GPT-5.6の公式案内で告知された変更が、対象となるワークスペースのモデル選択画面や管理画面へ順次反映されます。
GPT-5.5 Instantのメッセージ利用は、BusinessとEnterpriseのどちらも不正利用防止の制限を前提として実質無制限です。一方、GPT-5.6 Sol・GPT-5.6 Sol Pro・Deep Research・画像生成・高度な音声機能(Advanced Voice)・Codexなどでは、契約に含まれる利用枠やクレジットが使われます。Enterpriseでは、契約全体で共有するクレジット枠を利用します。利用者の役割や所属グループごとに利用範囲を設定するRBAC(ロールベースのアクセス制御)によって、グループ単位でクレジットの使用を制御できます。
Company Knowledgeやプロジェクトを利用すると、自社のドキュメントや会話の文脈を踏まえた回答を得られます。一般的な文章生成だけでなく、社内規程・マニュアル・過去資料を参照した検索や下書き作成にも利用できます。
アプリを通じてMicrosoft 365・Google Drive・Slackなどの社内システムやサードパーティアプリケーションへ接続すれば、回答に必要な情報を取得可能です。ChatGPTは接続先の既存の権限設定を尊重し、各利用者は接続先のアプリで認証したうえで使用します。アプリ経由で取得したデータも、既定ではモデルの学習に使用されません。
ただし、接続先の共有設定が適切でなければ、利用者が想定以上の情報へアクセスできる可能性があります。導入時には、アプリの有効範囲・接続先の権限・共有設定をあわせて確認してください。
全社導入では、利用者と権限を管理できる範囲が重要です。Enterpriseには管理コンソールが用意され、メンバーの一括管理・管理者ロール・ドメイン認証に加え、社内の認証情報でChatGPTへログインできるSAML SSO、従業員アカウントの追加・削除を自動化するSCIM、役割ごとに利用範囲を設定するRBAC、接続元を制限するIP許可リストなどを利用できます。
利用状況を確認する分析ダッシュボードや、共有クレジットの消費をグループ単位で制御する機能も用意されています。利用者数・利用頻度・クレジット消費を把握すれば、その結果をシートの追加・削減や利用可能なモデルの見直しに反映できます。
Enterpriseの標準ChatGPTシートでは、時間のかかる調査を行う「Deep Research」、複数の手順を進める「ChatGPT Agent」、ソフトウェア開発を支援する「Codex」などを利用できます。
資料の下調べ・情報源の比較・コード生成・コードレビューなどに活用することで、担当者は出力内容の確認や最終判断に時間を充てられます。管理者は、モデル・アプリ・GPTs・プロジェクトなどの利用可否をロールやグループごとに設定できます。
法人向けのAI導入では、入力データの取り扱い・認証・監査・保存地域を確認する必要があります。BusinessとEnterpriseはどちらも、入力・出力などのビジネスデータを既定でモデルの学習に使用しません。Enterpriseの主な違いは、従業員アカウントの管理を自動化するSCIM・役割ごとに利用範囲を設定するRBAC・監査ログ・接続元を制限するIP許可リスト・データの保存地域を選ぶデータレジデンシーなど、組織全体の利用を管理する機能が増えることです。
Enterpriseでは、ビジネスデータである入力・出力を既定でモデルの学習に使用しません。OpenAIのサービス改善へデータを共有する場合は、組織側が明示的に同意する必要があります。
入力データに関する権利は利用者側に留保され、正当に受領した出力も法律で認められる範囲で利用者側に帰属します。組織は、接続する内部ソース・保持期間・アクセス権限を管理できます。
Businessもビジネスデータを既定で学習に使わないため、学習への利用有無だけでEnterpriseを選ぶ必要はありません。
Enterpriseは、企業の認証基盤と連携したアクセス管理に対応します。SAML SSO(シングルサインオン)に加え、SCIMによるユーザーアカウントの自動登録・削除、RBACによる役割別のアクセス制御、ドメイン認証やIP許可リストなどを利用できます。
SCIMを使うと、入社・異動・退職に伴うアカウントの追加や削除を、組織のID管理システムと連動させられます。RBACでは、アプリ・GPTs・プロジェクト・検索などを利用できる範囲を、役職や所属グループごとに設定できます。SCIM・RBAC・IP許可リストはBusinessには含まれません。
監査証跡を管理するための専用機能も、Enterpriseに用意されています。ワークスペース管理者は、監査ログを外部の管理・監査ツールへ連携するCompliance API Logs Platformを通じて、会話やGPTに関する記録へアクセスできます。
データの保持期間はワークスペース管理者が設定できます。利用者が削除した会話は、法令により保持が必要な場合を除き、通常30日以内にOpenAIのシステムから消去されます。保持期間を短くすると、会話履歴など一部機能の利用に影響する可能性があります。
データレジデンシーでは、対象となる新規のEnterprise・Edu契約が、顧客コンテンツの保存地域を選択できます。2026年7月24日時点の保存地域は、米国・欧州・英国・日本・カナダ・韓国・シンガポール・インド・オーストラリア・アラブ首長国連邦の10地域です。
日本を選択した場合、対象となる会話・ファイル・カスタムGPT・画像生成の入出力などを日本国内に保存できます。ただし、利用状況などの管理情報(メタデータ)・請求情報・外部アプリで処理されるデータなどは対象外です。また、モデルによる回答生成の処理地域を限定する推論レジデンシーは、2026年7月24日時点で欧州・米国・アラブ首長国連邦に限られ、日本は対象ではありません。日本でのデータ保存と、日本国内だけでの処理は分けて確認してください。
OpenAIは、APIとChatGPTのビジネス向け製品・サービスについて、セキュリティ・可用性・機密性・プライバシーの管理体制を評価するSOC 2 Type 2監査を受けています。OpenAI API・ChatGPT Enterprise・ChatGPT Eduを支える情報セキュリティとプライバシーの管理体制は、ISO/IEC 27001:2022・27017:2015・27018:2019・27701:2019の対象です。
保存データはAES-256、OpenAIと利用者間およびOpenAIとサービスプロバイダー間の通信はTLS 1.2以上で暗号化されます。詳細な認証範囲や監査報告書は、OpenAIのセキュリティとプライバシーおよびTrust Portalで確認できます。
法令対応の面では、GDPRなどへの対応を支援するデータ処理補遺(DPA)を締結できます。保護対象保健情報を扱う組織では、ChatGPT for Healthcareまたは医療用途のAPI契約において、Business Associate Agreement(BAA)を締結できる場合があります。対象となる製品・機能・保持設定・契約条件は、営業担当に確認してください。

ChatGPT Enterpriseの利用料金は、金額が公開されていません。公式料金ページでも「個別見積もり(Custom pricing)」とされ、導入人数・契約内容・必要な管理機能・利用枠などをもとに営業担当が見積もります。
Enterpriseでは、標準ChatGPTシートの契約料金に加え、高度なモデルや一部機能に使用する共有クレジットが設定されます。Codexシートには月額固定費がなく、ワークスペースクレジットによる従量制です。具体的なシート単価・付与クレジット・超過利用の条件は契約によって異なります。
Enterpriseの料金が公開されていないのは、導入規模や必要な機能が企業ごとに異なり、個別契約を前提としているためです。公式料金ページではEnterpriseで請求書払い・契約規模に応じた割引(ボリュームディスカウント)・優先サポート・サービス品質の保証条件を定めるSLA・個別の法務条件などを利用できると案内されています。
Businessは月払いと年払いを選択でき、Enterpriseは年単位の契約が用意されています。Enterpriseの支払い方法・請求周期・追加クレジット・超過利用の可否は、見積書や注文書で確認してください。
Enterpriseでは、契約全体で共有するクレジット枠を購入し、ワークスペース内の利用者が高度なモデル・Deep Research・画像生成・高度な音声機能(Advanced Voice)・Codexなどを使う際に共有します。標準ではユーザーごとの上限を設けず、管理者はRBACを使って、部署や役割ごとに共有クレジットの利用範囲を設定できます。
共有クレジットを使い切ると、高度な機能は一時停止します。継続利用するには、超過利用を有効にするか、OpenAIの担当者を通じてクレジットを追加します。契約に含まれるクレジット量と消費レートを確認し、利用者数だけでなく、どの機能をどの頻度で使うかも見積もりに含める必要があります。
Enterpriseの価格を検討する際は、料金が公開されているセルフサービスのBusinessが参考になります。Businessは年払いで1ユーザーあたり月額20ドル、月払いで月額25ドルで、2ユーザーから利用できます。Businessにも一定の高度機能の利用枠があり、必要に応じて共有クレジットを追加購入できます。

セルフサービスのBusinessは、クレジットカードで購入します。請求書・発注書・銀行振込・電信送金・支払期限の指定・分割払い・BAA・入力や出力を保存しないゼロデータ保持などが必要な場合は、営業担当を通じた契約型のプランを検討します。
国内では、NTTデータがOpenAIの日本初の販売代理店としてChatGPT Enterpriseを提供しています。円建ての請求書払いに対応し、ライセンス提供・導入時の設定支援・社内での利用拡大に向けたプログラムも用意されています。海外送金やドル建て決済が社内で通しにくい場合は、代理店経由も候補になります。
問い合わせ時に利用人数・必要な機能・セキュリティ要件・支払い条件を伝えられるようにしておくと、見積もりを比較しやすくなります。主な確認項目は次のとおりです。
要件を先に決めると、料金だけでなく、環境設定や社内承認に必要な作業も把握しやすくなります。
ChatGPT EnterpriseとBusinessは、プランの上下だけで判断せず、自社が必要とする管理・セキュリティ・契約条件に合うかを確認してください。Businessはセルフサービスで始められ、料金も公開されています。Enterpriseは、大規模な展開・高度な権限制御・個別契約に対応するプランです。
以下の表は、2026年7月24日時点の公式料金HPにもとづく主な違いです。
| 項目 | Business | Enterprise |
|---|---|---|
| 契約形態 | セルフサービス | 契約ベース(営業問い合わせ) |
| 料金 | 年払いで月額20ドル/人、月払いで月額25ドル/人 | カスタム価格 |
| 最低利用人数 | 2人 | 非公開。営業担当へ確認 |
| ビジネスデータの学習利用 | 既定で使用しない | 既定で使用しない |
| SAML SSO・ドメイン認証 | あり | あり |
| SCIM(自動プロビジョニング) | なし | あり |
| ロールベースのアクセス制御(RBAC) | なし | あり |
| エンタープライズキー管理(EKM) | なし | あり |
| 詳細な分析ダッシュボード | なし | あり |
| 監査ログ連携(Compliance API Logs Platform) | なし | あり |
| IP許可リスト | なし | あり |
| データレジデンシー | なし | 対象契約で利用可能。日本を含む10地域 |
| SOC 2 Type 2 | 対応 | 対応 |
| ISO 27001・27017・27018・27701 | 公式比較では対象外 | 対応 |
| GPT-5.5 Instantで1回に扱える情報量(コンテキストウィンドウ) | 利用環境・公式案内を確認 | 128K(約12万8,000トークン) |
| 推論モデルで1回に扱える情報量(コンテキストウィンドウ) | 256K(約25万6,000トークン) | 256K(約25万6,000トークン) |
| 優先サポート・専用の導入支援 | なし | あり |
| 請求書払い・契約規模に応じた割引 | セルフサービスでは非対応 | 対応 |
※トークンは、AIが文章を処理する際の単位です。日本語では1文字と1トークンが必ず一致するわけではありません。
BusinessとEnterpriseはどちらも、ChatGPT・Codex・プロジェクト・アプリ・Company Knowledge・GPTs・Deep Research・データ分析などに対応しています。ビジネスデータを既定で学習に使わない点、SAML SSO・管理コンソール・ドメイン認証・一括メンバー管理を利用できる点も共通しています。
差が大きいのは、大規模な利用者管理と監査に関する機能です。EnterpriseではSCIM・RBACに加え、暗号鍵を組織側で管理するEKM、監査ログを外部ツールへ連携するCompliance API Logs Platform、IP許可リスト、データレジデンシー、詳細な分析ダッシュボードを利用できます。優先サポート・専用の導入支援・継続的なアカウント管理・個別のセキュリティレビューもEnterpriseで提供される項目です。
1回のやり取りで参照できる情報量の目安となるコンテキストウィンドウは、推論モデルでは2026年7月24日時点で両プランとも256K(約25万6,000トークン)です。EnterpriseがすべてのモデルでBusinessより長い入力に対応するわけではありません。
以下のケースは、Businessで要件を満たせる可能性が高いです。
Businessでも、専用ワークスペース・ビジネスデータを既定で学習に使わない設定・GPTs・社内データとの連携などが提供されています。必要以上の管理機能を導入せず、費用を抑えたい組織には選択肢になります。
次のような要件がある場合は、Enterpriseを検討します。
SCIM・監査ログ・データレジデンシーなどは、金融・医療・公共機関をはじめ、厳密なアクセス管理や監査証跡を求める組織で検討されます。該当する項目がある場合は、Businessの料金と比較する前に、Enterpriseで要件を満たせるかを営業担当へ確認してください。

ChatGPT EnterpriseとOpenAI APIは、上位・下位の関係ではなく、目的が異なるサービスです。Enterpriseは、社員がブラウザ・デスクトップアプリ・モバイルアプリからChatGPTを使うための組織向け環境です。APIは、自社のシステムや製品にOpenAIのモデルを組み込むために利用します。
どちらか一方だけを利用することも、全社員向けにEnterpriseを導入しながら、開発部門がAPIを併用することもできます。
Enterpriseを契約しても、APIの利用料は含まれません。ChatGPTとAPIプラットフォームは別々に請求・管理され、APIは処理した文字列の量を示すトークン数などに応じて課金されます。
ChatGPT Enterpriseのワークスペースに所属していても、API組織のメンバーへ自動的に追加されるわけではありません。開発部門がAPIを使う場合は、API側の組織・権限・予算を別に用意します。
ChatGPT EnterpriseのワークスペースとAPI Platformの組織では、メンバーシップと権限を別々に管理します。一方、検証済みドメインとSAML SSOの設定はChatGPTとAPI Platformで共有できます。
片方でSAML SSOを設定すると、もう片方の管理画面にも設定内容が反映されます。ただし、SSOを有効化する操作はそれぞれの環境で必要です。SCIMはChatGPTとAPIの間で共有されないため、ユーザーの追加・削除は各環境の設定に合わせて行います。
ChatGPT Enterpriseは、社員が質問・資料作成・社内検索・データ分析・開発支援などに使う利用環境です。管理者はワークスペース内の利用者・モデル・アプリ・GPTs・保存期間などを制御します。
APIは、開発者が既存の業務システム・顧客向けサービス・社内アプリケーションへAI機能を組み込むための仕組みです。全社の利用環境を用意するならEnterprise、自社システムにモデルを組み込むならAPIが基本的な使い分けになります。
ChatGPT Enterpriseは、以下の業務に活用できます。
Company Knowledgeやアプリを接続すると、一般的な質問への回答だけでなく、自社の情報を参照した回答や下書き作成も可能です。
AIの出力には誤りや参照漏れが含まれる場合があるため、業務ごとに確認手順と責任者を決め、最終判断は担当者が行います。
会議録・契約書・調査資料の要約、提案資料の下書き、複数の情報源を参照する調査などに利用できます。Deep Researchでは、複数のWebページや接続した情報源を調べ、参照元を示したレポートを作成できます。
社内ナレッジと連携すれば、過去の提案書・社内ルール・指定フォーマットを参照した下書きも作成可能です。
情報システム部門・総務・人事へ寄せられる定型的な問い合わせにも利用できます。社内規程やマニュアルを接続し、用途別のカスタムGPT(GPTs)を用意すれば、社員が必要な情報へ容易に検索できるようになります。
接続したアプリでは、原則として各利用者が接続先で持つアクセス権限が反映されます。
開発部門では、Codexによるコード生成・コードレビュー・テスト作成・ドキュメント作成の支援が可能です。標準ChatGPTシートにはCodexへの基本的なアクセスが含まれ、EnterpriseではCodex専用シートも選べます。
データ分析では、表計算ファイルなどを読み込み、集計・グラフ作成・傾向の確認を対話形式で進められます。

OpenAIは、日本企業によるChatGPT Enterpriseの導入事例を公式サイトで公開しています。大企業で導入された代表的な事例を紹介しましょう。
大成建設の事例では、人事部門が中心となってChatGPT Enterpriseを展開しています。経営層の方針と現場主導の活用を組み合わせ、研修・社内イベント・コミュニティ・ハッカソンを通じて利用を広げました。
OpenAIが2026年1月に公開した事例では、カスタムGPTの作成数は3,300件、週次のアクティブ利用率は90%、従業員1人あたりの時間短縮は週5.5時間以上とされています。アクセス制御・利用ログ・教育・定期的な確認も組み合わせ、利用拡大と情報管理の両方に取り組んでいます。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の事例では、2026年から三菱UFJ銀行の約3万5,000人を対象にChatGPT Enterpriseを段階的に展開しています。金融機関に求められるセキュリティと管理要件に対応しながら、日常業務で使える環境を用意しています。
利用開始前のeラーニングを必須とし、全社員向けの研修・カスタムGPTのワークショップ・役員向けの勉強会も実施しました。各部門にはAI活用を支援する担当者を置き、中央の専門部署だけに依存せず、部門内で利用を広げる体制を採用しています。
サイバーエージェントの事例では、広告・メディア・ゲームなどの事業でChatGPT EnterpriseとCodexを利用しています。調査・下書き・要点の抽出を日常業務に取り入れ、設計の検討・コードレビュー・ドキュメント作成ではCodexも活用しています。
OpenAIが2026年4月に公開した事例では、ChatGPT Enterpriseの月次アクティブ利用率は93%です。AIを利用する範囲を広げつつ、最終的な意思決定は人が担う方針を示しています。
ChatGPT Enterpriseの導入前には、対象業務・利用者・管理要件を決めます。契約後は、認証・権限・データ保持・利用ルールを設定し、対象部門で試行した後に利用範囲を広げます。
導入は、次のような流れで進みます。
最初から全社員へ展開するより、利用目的が明確な部門から始めると、権限設定・クレジット消費・研修内容を確認しやすくなります。試験導入の段階で、入力してよい情報・出力の確認方法・問い合わせ窓口を明文化してください。
せっかくコストをかけて導入しても、社内で利用されなければ意味がありません。導入後に社内で浸透させるには、管理責任者と社内の問い合わせ先を決めます。利用者にアカウントを配布するだけでなく、部門ごとの利用例・入力してはいけない情報・出力を確認する方法・問題が起きた場合の連絡先を示してください。
短時間の研修や社内説明会を行い、利用者が普段行っている作業を題材にすると、使い始めやすくなります。大成建設・MUFG・サイバーエージェントの事例でも、研修・社内担当者・利用コミュニティなどを組み合わせています。
導入前後の変化を確認するには、利用回数だけでなく、対象業務の作業時間・処理件数・修正回数・誤りの発生件数も記録します。導入前の数値を残しておくと、ChatGPT Enterpriseの利用後にどの程度変化したかを比較できます。
主な確認項目は、アクティブ利用者数・部門別の利用率・1人あたりのクレジット消費・シートの稼働率・出力の修正時間です。高度な機能の利用が増えすぎていないか、反対にシートを割り当てても使われていない利用者がいないかを定期的に確認し、契約数・モデル・権限を見直します。
ChatGPT Enterpriseは、ユーザー管理を自動化するSCIM、役割別に利用範囲を設定するRBAC、監査ログの外部連携、IP許可リスト、データレジデンシーなどを必要とする組織向けの契約プランです。Businessでも、ビジネスデータを既定で学習に使わない専用ワークスペース・SAML SSO・ドメイン認証・GPTs・Company Knowledgeなどを利用できます。
Enterpriseの料金・付与される共有クレジット・利用できるモデル・個別の契約条件は、企業ごとの見積もりで決まります。利用人数・対象業務・管理要件・保存地域・支払い方法を確認したうえで、BusinessとEnterpriseの機能差を比べてください。
モデル・料金・利用上限は更新されるため、最終判断の前にはOpenAIの公式料金ページ・ヘルプセンター・営業担当から最新情報を取得することをおすすめします。
アイスマイリーでは、生成AIのサービス比較と企業一覧を無料配布しています。課題や目的に応じたサービスを比較検討できますので、ぜひこの機会にお問い合わせください。
SAML SSO・専用ワークスペース・基本的な管理機能で足りる場合はBusinessが候補です。ユーザー管理を自動化するSCIM・役割別に利用範囲を設定するRBAC・監査ログの外部連携・IP許可リスト・データレジデンシーなどが必須なら、Enterpriseを検討します。人数だけではなく、必要な管理機能・保存地域・支払い条件で判断してください。
Enterpriseの入力・出力は、既定ではOpenAIのモデルの学習や改善に使われません。組織がサービス改善のために明示的にデータ共有へ同意した場合を除きます。Businessも同じ扱いです。
OpenAIは、Enterpriseの標準的な導入日数を公開していません。契約条件・セキュリティ審査・SAML SSOやSCIMの設定・社内承認・対象人数によって異なります。希望する利用開始日と必要な設定を営業担当へ伝え、契約前に日程を確認してください。
ChatGPT Teamは、2025年8月29日にChatGPT Businessへ名称変更されました。名称変更そのものによる機能・料金の変更はありませんでしたが、その後の料金・モデル・シートの条件は更新される場合があります。
OpenAIは、ChatGPT Enterprise固有の最低契約人数を公開していません。150名未満でも、SCIM・監査ログ・データレジデンシー・請求書払いなどが必要な場合は営業担当へ相談できます。契約可否と最低金額は個別見積もりで確認してください。Businessは2ユーザーから利用できます。
Enterpriseでは、OpenAIの営業担当を通じて請求書払いなどの支払い条件を相談できます。国内では、NTTデータの販売代理店経由で円建ての請求書払いに対応しています。セルフサービスのBusinessは主要なクレジットカードで購入します。
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