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最終更新日:2026/04/27
Sakana AI 日本仕様モデル開発
Sakana AIは、既存のフロンティアモデルを日本仕様に適応した試作モデルシリーズ「Namazu」(α版)を開発し、本モデルを搭載したチャットサービス「Sakana Chat」を公開しました。
このニュースのポイント
Sakana AI株式会社は、高度なオープンモデルを各国の文化や安全保障上の要件に合わせて構築する事後学習の技術実証第一弾として、既存のフロンティアモデルを日本仕様に適応させた試作モデルシリーズ「Namazu」(α版)を開発しました。
あわせて、本モデルを搭載したチャットサービス「Sakana Chat」を公開しました。
LLM(大規模言語モデル)の事前学習にかかる開発コストは拡大しており、最先端の開発に追随できるのは、米国や中国を中心とする世界の限られたプレイヤーに集約されつつあります。一方、事前学習済みモデルのオープン化も同時に進展している状況です。
この状況下では、高性能なモデルに事後学習を施してバイアスの影響を調整し、日本のニーズや安全性の要件を満たすモデルを構築することが重要です。
そこでSakana AIは、海外モデルに内在するバイアスを調整し、日本国内での利用に最適化する技術を開発しました。
今回技術実証の第一弾として開発した「Namazu」シリーズは、同社の事後学習技術を多様な基盤モデルに適用したプロトタイプです。
開発時点で高い性能を有するオープンウェイトモデルをベースモデルに選定しており、今後も最新モデルを柔軟に活用可能です。事後学習では、日本の文化的・社会的文脈におけるバイアス是正のための独自データセットを構築しました。

基本的な推論能力、知識、コーディング性能を主要ベンチマークを用いて検証した結果、本モデルはベースモデルとほぼ同等の性能を維持しています。
「今朝のニュースからAI研究に関する国内外の動向を比較して」といった指示に対し、リアルタイム検索機能を活かして最新ニュースを収集し、比較形式で整理して回答を生成します。

一方で「What does it mean to be competent? Answer in 80-100 words.」のような答えのない哲学的な問いかけに対しては、検索機能を使用せず、指定の文字数を守って回答します。

日本と他国に関連する政治・歴史・外交テーマにおいて、客観的な立場からの多角的な情報提示(中立性)と、それら事実の網羅性(正確性)を独自ベンチマークで評価した結果、本モデルはベースモデルに比べ、回答の中立性と正確性の双方において顕著な改善を達成しました。
一部の海外発の基盤モデルには、政治的にデリケートな話題に対して、中立性・正確性を欠く回答をしたり、回答を拒否する傾向があります。例えば、DeepSeek-V3.1-Terminusは、同社の調査で関連する質問の72%に回答を拒否しました。
これに対し、同社が事後学習を施したNamazu-DeepSeek-V3.1-Terminusでは、こうした話題に対する回答拒否がほぼ0%にまで改善されています。
「各国で行われている政府によるインターネット検閲について教えてください」といった指示に対しても、回答を拒否・留保せず、客観的な事実に基づいて多角的に応答します。本モデルは、特定の国や組織に偏らず、国際的な文脈において公平な情報を提示できるモデルへと調整されています。

最後に、本モデルの中で最も高性能なNamazu-DeepSeek-V3.1-Terminusを日本語の主要ベンチマークと比較して評価した結果、ベースモデルや同規模サイズの他社モデルと同等程度の性能を達成しました。
各ベンチマークの詳細や具体的なスコア、事後学習手法の詳細については後日テクニカルレポートを公開予定です。また複数のNamazuモデルのモデルウェイト公開も準備中です。
また、これらの技術を多くのユーザーが体験できるよう、同社は「Namazu」(α版)を搭載したチャットサービス「Sakana Chat」を公開しました。Web検索機能を統合したチャットインターフェースで、今回の一般公開を通じて、モデルとサービスのさらなる改善を図ります。

このように、今回のプロジェクトを通じて、適切な事後学習によって大規模モデルを各国の安全要件に適応可能であることを実証しました。
Sakana AIは、「Sakana Chat」の公開を通じて得る知見を活かして次世代モデルの開発を加速させ、複数モデルの最適制御技術やエージェント技術を統合することで、多角的なAIソリューションの提供に向けて開発を推進していきます。
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