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GPT-5.1 APIとは?機能から料金まで徹底解説

最終更新日:2025/12/24

GPT-5.1 APIとは?

開発時にOpenAIのAPIを活用しており、新たにGPT-5.1 APIがリリースされたのを知ったけれど、既存のAPIとどう違うのかわからず困っている人はいませんか?

近年開発の現場ではAI活用が不可欠であるため、自分のプロジェクトに合ったAPIの導入方法や活用方法を模索したいと考える人も少なくないでしょう。

この記事では、そのようなニーズに応えるGPT-5.1 APIの使い方から料金まで詳しく解説します。

GPT-5.1の特徴とは?

GPT-5.1とは2025年11月12日にOpenAIがリリースした新しいAIモデルです。

GPT-5.1では用途に応じて、以下の2種類のモデルを使い分けることができます。

項目 特徴
GPT 5.1 Instant
  • 会話が自然
  • 空気を読む
  • 言葉のニュアンスを考えるのが得意
  • 表現がやわらかい
  • 反応が速い
  • 人とのやり取りに向いている
GPT 5.1 Thinking
  • 論理構築が得意
  • 手順を整理できる
  • 長文設計が可能
  • 条件分岐が得意
  • 推論が得意
  • 簡単なタスクにはより短い時間、難しいタスクにはより多くの時間を費やす
  • 考える仕事に向いている

GPT-5.1は性能ではなく、「思考スタイル」でモデルが分かれています。

GPT-5.1Instantは会話重視、GPT-5.1Thinkingは思考重視という、まるで文系と理系のような役割分担がされているのが特徴的だと言えるでしょう。

参考:OpenAI「GPT-5.1:さらに賢く、より会話的になった ChatGPT」

GPT-5.1 APIとは?

GPT-5.1 APIとは、OpenAIが提供する高性能AIモデル「GPT-5.1」を自社のシステムやサービスに組み込んで利用できる開発者向けのインターフェースです。

APIが異なるシステムやサービス間でデータをやり取りするための窓口の役割を果たすため、Webサービス・業務システム・アプリケーションなどからプログラム経由でGPT-5.1を呼び出せるようになります。

つまり、人が画面を操作しなくてもシステム側が自動でAIを動かせるようになるのです。

GPT-5.1 APIを用いることでGPT-5.1は単なる対話型AIではなく、業務を動かす「実務エンジン」として活用できるようになるでしょう。

参考:OpenAI「開発者向け GPT-5.1 が登場」

GPT-5.1 APIの機能

GPT-5.1 APIの機能一覧を表にまとめてみました。

項目 概要 ビジネスでの活用例
カスタムツールの設定
  • 独自の処理や外部システム連携をGPT-5.1に実行させられる
  • 社内DB検索
  • 予約システム操作
  • CRM連携
動作を制御する各種パラメータ
  • Verbosity(冗長度)で回答の詳しさを調整でき、「high / medium / low」の3段階から指定可能
  • 業務ごとの応答最適化
  • 精度と速度のバランス調整
使用可能なツールの指定(Allowed tools list)
  • ChatGPTが使ってよい機能を制限できる
  • セキュリティ対策
  • 誤操作防止
  • 業務範囲の明確化
推論量(Reasoning effort)の調整
  • 思考の深さや処理負荷を制御できる機能で、最小設定として「none(推論を最小化)」が追加され、応答速度の最適化が可能
  • 高速応答が必要な業務と精度重視業務の切り分け
操作性(Steerability)の向上
  • 指示への従いやすさが向上
  • 企業ルールに沿った応答
  • 業務指示の自動化
コーディング向けモデル「GPT-5.1-Codex-Max」の追加
  • プログラム生成・修正に最適化
  • 開発業務の効率化
  • コード修正の自動化

推論量の調整、操作性の向上、コーディング向けモデルの追加といった新しい機能により、GPT-5.1 APIは用途に合わせて柔軟に使い勝手を変えられるようになったのが強みだと言えるでしょう。

参考:OpenAI Platform「GPT-5.1の利用」

GPT-5.1 APIで新しく使えるツール

GPT-5.1 APIで新しく使えるツールを4つご紹介します。

apply patchツール

apply patchツールとは、GPT-5.1 がコードの変更点を「差分(diff)」として直接出力し、ファイルの作成・更新・削除まで実行できる新しい仕組みです。

差分とは変更前後のコードを比較し、追加・削除・修正された箇所のみを表したデータ形式です。

apply patchツールを使用する場合と使用しない場合では、コードの修正手順が以下のように変化します。

項目 コードの修正手順
apply patchツールを使用しない場合
  1. AIが修正内容を文章で説明する
  2. 開発者が対象ファイルを開く
  3. 該当箇所を目視で探す
  4. 説明をもとにコードを手動で修正する
  5. 動作確認を行う
  6. エラーが発生した場合は再度AIに相談する
  7. 上記の工程を繰り返す
apply patchツールを使用した場合
  1. GPT-5.1 が修正内容を差分(diff)として出力する
  2. システムが差分データを自動適用する
  3. 修正後の状態をモデルへ返却する
  4. モデルが結果をもとに次の修正案を提示する
  5. 必要に応じて同様の工程を繰り返す

apply patchツールを使用すると修正作業が手動から自動へと変化するため、その分時間や手間が大幅に削減できます。

apply patchツールは開発リソースが足りずコード修正に時間がかけられない場合におすすめです。

Shellツール

Shellツールとは、GPT-5.1 がローカル環境のコンピュータとコマンドラインを通じて、安全にやり取りできるようにする仕組みです。

コマンドラインとはパソコンに文字で命令を出すための画面のことで、Shellツールを使うと、パソコンにコマンドを書いて命令するのをAIが代行します。

Shellツールを使用する場合と使用しない場合では、動作フローが次のように変化します。

項目 動作フロー
Shellツールを使用しない場合
  1. 開発者がコマンドラインを開く
  2. 実行するコマンドを自分で入力する
  3. 実行結果を画面で確認する
  4. 必要に応じて次のコマンドを考える
  5. 上記の作業を手動で繰り返す
Shellツールを使用した場合
  1. GPT-5.1 がコマンドを提案する
  2. システムがコマンドを実行する
  3. 実行結果をモデルへ返却する
  4. モデルが結果をもとに次の処理を判断する
  5. 必要に応じて同様の工程を繰り返す

Shellツールを使用すると、従来は人間が行っていた「コマンド入力 → 実行 → 結果確認 → 次の判断」という一連の流れを、AIが自動で処理するようになります。

Shellツールはコマンド操作が多く、ヒューマンエラーを防止したい場合におすすめです。

カスタムツール

カスタムツールとは、ChatGPTに独自の処理や外部システムとの連携機能を追加できる拡張機能です。

GPT-5.1ではGPT-5で導入されたカスタムツールが、実際の運用場面に合わせて以下のように強化されました。

項目 概要 使用する場面
出力制約機能が大幅に強化(CFG対応)
  • Context-Free Grammar(CFG)に正式対応し、出力構文を文法レベルで制御可能
  • JSON 以外の独自フォーマット(SQL、DSL など)に対応可能
  • 出力フォーマットの揺らぎを抑制し、構文エラーの発生を防止できる
  • GPT-5 では「プロンプトでの制御」が中心だったが、GPT-5.1 では「文法による制御」が可能
  • SQL クエリなど厳密な構文が必要な処理を自動化する場合
  • 業務システムと連携し、決まったフォーマットで出力する必要がある場合
  • DSL や設定ファイルなど、形式崩れが許されない出力を扱う環境
  • 外部システムへ直接データを受け渡す用途
フリーフォーム入力の安定性が向上
  • JSONに限定されず、任意のテキストを直接受け取れる処理精度が向上
  • 長文テキストやスクリプトの解釈精度が安定
  • GPT-5に比べ、出力の一貫性と再現性が高い
  • 実業務での利用に耐えうる入力安定性を備えた設計
  • 設定ファイルをそのまま解析させたい場合
  • SQLやコードの文法チェックを行う場合
  • レポートやログなどの長文テキストを処理する業務
  • テキストベースの入力が中心となるシステム
セキュリティ設計がツール起点で強化
  • 入力データをそのまま信用しない設計が標準化
  • 実行前に検証を行うワークフローが前提の設計
  • 文法に合わない出力を自動的にブロックできる構成を採用
  • セキュリティ対策が実装レベルではなく、設計レベルで組み込まれている
  • 業務システムと自動連携するケース
  • データベース操作を含む処理をAIに任せる場合
  • 外部APIと接続するシステム
  • 入力ミスや悪意ある操作を防止したい場面

GPT-5.1では、カスタムツールの出力制御・入力安定性・セキュリティ設計の3点が大幅に進化したことで、業務で安全に運用するための実用性が大きく高まったと言えるでしょう。

Allowed tools

Allowed toolsとは、複数登録されているツールの中から会話で使用してよいツールを限定できる仕組みのことです。

具体的には、システムに登録されているすべてのツール(tools)と、実際に使用を許可するツールの一覧(allowed_tools)を明確に分けて管理できます。

Allowed toolsを使用するメリットは次の通りです。

  • 安全性の向上
  • 動作が予測しやすい
  • ツールの誤爆防止
  • プロンプト設計がシンプルになる
  • 運用ルールの明文化がしやすい

Allowed toolsは業務でAIを本格導入したい人におすすめです。

参考:OpenAI Platform「GPT-5.1の利用」

GPT-5.1 APIの使い方

GPT-5.1 APIの主な使い方を5つご紹介します。

エージェントの振る舞いを制御する

GPT-5.1APIでは、利用シーンに合わせてAIエージェントの性格や話し方をプロンプトを用いて以下のように調整できます。

項目 概要 プロンプトでの設定例
性格
  • 全体的な人格設定
  • 温かい、論理的、フレンドリーなど
「ユーザーに対して温かく接しつつ、無駄を省いた実務的な性格で応答してください。」
話し方
  • 丁寧さ、会話の速度、あいづち頻度、文の長さなど
「結論を先に述べ、文は短く。あいづちは1回までにしてください。」
ユーザーの感情への配慮度
  • 感情に寄り添う度合い
「ユーザーが困っている場合は、1文だけ共感を示した後で解決行動に入ってください。」
コードの提示ルール
  • コード量・スニペット数の制御
「コードは最大3行の短いスニペット1つまで。不要なコードブロックは禁止。」

自分が心地よく、またスムーズに会話が進むように工夫してみましょう。

apply patchツールの使い方

apply patchツールは次のような手順で使用できます。

  1. tools=[{“type”: “apply_patch”}] を設定してAPIリクエストを送る
  2. モデルに編集したい内容を指示する
  3. モデルが apply_patch_callを返す
  4. 受け取ったdiffをコードベースに適用する
  5. 結果ログをResponses APIに返す
  6. 必要に応じてモデルが次のパッチを提案する

手動でのコード修正手順より工程が少なくなるのが特徴的です。

Shellツールの使い方

Shellツールは以下のような手順で使用できます。

  1. tools=[{“type”: “shell”}] を指定してAPIリクエストを送る
  2. モデルに実行したい作業内容を指示する
  3. モデルが shell_callを返す
  4. 指定されたコマンドをローカル環境で実行する
  5. stdout / stderr のログとexit code を Responses API に返す
  6. モデルが必要に応じて追加コマンドを提案し、タスク完了までループする

コマンド操作をAIが代行してくれるため、効率的な作業が可能です。

reasoning effort(推論なしモード)の使い方

画像出典:ChatGPT

推論なしモードは上記画像のようにAPIリクエストでreasoningモードをnoneに設定することで使用できます。

ただしモデル自身は計画や振り返りを自動ではしてくれないため、関数呼び出しの前に計画を立てる、結果を検証するなどのプロンプト設計は別途必要となることに注意しましょう。

verbosity(出力の詳しさ)を制御する

画像出典:ChatGPT

出力の詳しさは上記画像のようにverbosityで「low」「medium」「high」のいずれかを選択して指定できます。

APIで設定した後でもプロンプトで調整は可能です。

参考:OpenAI Cookbook「GPT-5.1 プロンプトガイド」

参考:OpenAI「開発者向け GPT-5.1 が登場」

GPT-5.1 APIの使用にかかる料金

画像出典:OpenAI Platform「GPT-5.1」

GPT-5.1 APIの使用にかかる料金の単価は「1 Mトークンあたり」の価格で、入力トークンと出力トークンの合計で計算されます。

ツール使用(apply patchツールなど)は追加で費用がかかる可能性があるため注意しましょう。

また高頻度・大量利用時はレート制限にも気を付けてください。

参考:OpenAI Platform「GPT-5.1」

まとめ

GPT-5.1 APIとは、OpenAIが提供する高性能AIモデル「GPT-5.1」を自社のシステムやサービスに組み込んで利用できる開発者向けのインターフェースです。

この記事も参考にして、ぜひ自社に合った形でGPT-5.1を取り入れてみてください。

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