生成AI

最終更新日:2025/12/10
DeepSeek-V3.2 提供開始
DeepSeekは、高い計算効率と推論能力、エージェント能力を実現した「DeepSeek-V3.2」と、その高推論版である「DeepSeek-V3.2-Speciale」を公開しました。
このニュースのポイント
中国のAI開発企業DeepSeekは、高い計算効率と推論能力、エージェント能力を実現した大規模言語モデルのフラッグシップモデル「DeepSeek-V3.2」と、その高推論版である「DeepSeek-V3.2-Speciale」を公開しました。この新シリーズは、AIエージェントの自律的なタスク遂行に焦点を当てた「推論ファースト(Reasoning-first)」アーキテクチャを採用しており、その性能は世界トップクラスのモデルに匹敵します。
V3.2シリーズの特徴は、単にテキストを生成するだけでなく、外部ツールを効果的に使いこなし、複雑な手順を計画(プランニング)するAIエージェント運用への特化です
DeepSeek-V3.2の推論プロセスには、タスク実行前に「思考(Thinking)」を行うフェーズが組み込まれました。これにより、モデルは外部ツールの呼び出しや複雑な一連の作業を実行する前に、計画立案や潜在的なエラーの修正を内部で行うことができます。
また、モデルの基盤技術として、スパース注意機構(DeepSeek Sparse Attention: DSA)が採用されています。DSAは、モデルの性能を維持しつつ、計算の複雑さを大幅に軽減することを可能にし、特に長大なコンテキストの処理を効率的に行えるよう最適化されています。
さらに、モデルの学習には、1,800以上の多様な環境と85,000以上の複雑な指示を含む、大規模な合成トレーニングデータ生成パイプラインが用いられました。この体系的な大量学習により、モデルは「推論」と「ツール使用」のスキルをシームレスに連携させ、エージェントとしての実用性を大きく高めています。

DeepSeekが公開した技術レポートによれば、「DeepSeek-V3.2」はOpenAIの次世代モデル「GPT-5」と同等レベルの汎用性能を示しています。さらに、高推論版の「DeepSeek-V3.2-Speciale」は、Googleの「Gemini 3.0 Pro」に匹敵する最高水準の推論能力を実現したとされています。

また「DeepSeek-V3.2-Speciale」は、国際数学オリンピック(IMO)や国際情報オリンピック(IOI)のベンチマークにおいて、金メダルレベルの結果を達成し、高難度の競技会レベルの問題解決能力を証明しました。
高度な推論能力とオープンな提供形態を両立したDeepSeek-V3.2シリーズは、今後のAIエージェント開発や、最先端LLMの比較研究において重要な役割を果たすことが期待されています。
出典:DeepSeek
業務の課題解決に繋がる最新DX・情報をお届けいたします。
メールマガジンの配信をご希望の方は、下記フォームよりご登録ください。登録無料です。
AI製品・ソリューションの掲載を
希望される企業様はこちら