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Amazon Bedrock AgentCoreとは?概要や料金プランを解説

最終更新日:2025/08/25

Amazon Bedrock AgentCoreとは?

AIエージェントの開発に携わっているけれど、スピードを求められるのに人手不足のためどうすればよいか頭を悩ませている人はいませんか?

AIチャットボット、AIアシスタント、AIエージェントと会話ができるAIの技術は少しずつ進化し、お客様対応を少しずつAIに任せられるようになりました。

しかし一方で、企業のエンジニアやインフラ担当者への負荷は重くなり続けているのが現状だと言えるでしょう。

この記事では、開発者への負荷を軽減し効率的なAIエージェントの開発につながるAmazon Bedrock AgentCoreについて詳しく解説します。

Amazon Bedrock AgentCoreとは?

参考:Amazon Bedrock AgentCoreのサイト

Amazon Bedrock AgentCoreとは、AIエージェントの構築・運用に必要な機能をまとめて提供するインフラと開発基盤です。

インフラとは計算リソースやAPI連携などの技術的な土台・システムを指し、開発基盤とはAIエージェントを開発・改善・拡張するための仕組みやツール類を指します。

エンジニアが、AIエージェントの開発のため0からインフラや開発基盤を整える手間を省き、迅速に本番環境での開発に取り組めるのがメリットです。

Amazon Bedrock AgentCoreでできること

Amazon Bedrock AgentCoreでできることを7つご紹介します。

AgentCore Runtime

AgentCore Runtimeとは、AIエージェントをサーバーレス環境(クラウドサービスを利用した環境)で安全で拡張性を損ねないように展開できる専用の実行環境です。

AgentCore Runtimeには以下のような特徴があります。

  • 業界トップクラスの長時間ランタイムサポート(プログラム実行時の環境を支援する)
  • 高速な初期起動
  • セッションの完全な分離
  • 組み込みのID管理
  • マルチモーダル対応(テキスト+画像+音声といった複合的な入出力への対応)

AgentCore Runtimeにはプログラムを動かすために必要な基盤となる設備や要素、セキュリティが整っているため、エンジニアがAIエージェントの開発に集中できます。

また、エンジニアがAgentCore Runtimeを使用するメリットは次の通りです。

項目 概要
フレームワークに依存しない柔軟性がある どのAIエージェント用コードでも、数行の変更でクラウドで動作させることを前提とした形に展開できる。特定のフレームワークを使っていない独自開発エージェントにも対応できる。
AIモデルを自由に選べる AWS Bedrock上のモデルはもちろん、Anthropic Claude、Google GeminiOpenAIなど、多くの大規模言語モデル大規模言語モデル(LLM)と連携できる
MCPによる通信プロトコルのサポート Model Context Protocol(MCP)を通じて、他のAIエージェントやツールと連携・通信ができる
最大8時間までの長時間処理に対応 最長8時間の長時間処理に対応しているため、複雑な推論プロセスや、複数のAIエージェントによる非同期タスクの協調処理にも使える
マルチモーダルな大容量データ処理ができる 100MBまでのデータペイロード(実際に送受信されるデータの中で有用な部分)を処理でき、テキスト・画像・音声・動画といった複数モードのコンテンツ処理にも対応している
セッションごとの完全分離とセキュリティ 各ユーザーセッションは独立したマイクロVM上で実行され、CPU・メモリ・ファイルシステムも完全に分離している
実行リソースに応じた従量課金モデル 消費リソースに基づく課金モデルを採用している
組み込みの認証機能 Amazon Bedrock AgentCore Identityをベースに、各AIエージェントに個別のIDを割り当てられる
エージェント特化の可視化・トレーシング機能 各AIエージェントの推論ステップ、ツールの呼び出し、モデルとのやり取りを可視化し、デバッグや監査がしやすい構造になっている
機能が統合されたSDKを提供 Amazon Bedrock AgentCoreのすべての機能を統合したSDKが提供されている

エンジニアが開発のために本来整えなければならない環境やセキュリティを代わりに作りながらも、支払いに納得感のある従量課金モデルを採用しているのが大きなメリットだと言えるでしょう。

AgentCore Memory

AgentCore Memoryは、AIエージェントに文脈を理解する力(コンテキスト認識)を持たせるための仕組みです。

この機能により、AIエージェントは短期記憶と長期記憶の両方を持つことができ、文脈に沿った自然な対話や、パーソナライズされた対応ができるようになります。

AgentCore Memoryにおける短期記憶と長期記憶は、以下のような違いがあります。

項目 定義 役割
短期記憶 会話の直前の流れ(文脈)を覚えて、
やり取りをスムーズにする機能
・生のやり取りを記録

・リアルタイムの文脈を維持

・長期記憶の補強材料になる

・マルチステップのタスク処理

・セッション中の知識の蓄積

・文脈に応じた意思決定の支援

長期記憶 ユーザーの好みや意味のある情報を記憶し、
セッションをまたいで活用できる
・ユーザーの好みに合った提案

・重要な事実の記憶

・要約に基づく振り返り

AgentCore Memoryを活用すれば、ユーザーに寄り添ったAIエージェントを、より効率的に開発することができます。

AgentCore Observability

AgentCore Observabilityとは、本番環境で稼働中のAIエージェントの挙動を可視化・分析・監視するための機能です。

具体的には、以下のことが可能です。

  • エージェントの処理経路(ワークフロー)をステップごとに視覚的に表示
  • 各ステップの中間出力を確認
  • パフォーマンスのボトルネックや失敗原因をデバッグ
  • 本番環境でのリアルタイム監視とダッシュボード分析

ステップごとの挙動を確認するために、AgentCore ObservabilityではOpenTelemetry(OTEL)形式のテレメトリーデータを出力できます。

これにより、DatadogやGrafanaなどの監視ツールとの統合もスムーズに行えます。

出力される情報は次の通りです。

  • ビルトインメトリクス(エージェント、ゲートウェイなど)
  • スパン(各処理ステップの詳細ログ)
  • カスタムログやメモリ情報(設定で有効化)

また、リアルタイムな監視を実現するために、AgentCore ObservabilityはAmazon CloudWatchを通じて以下の指標を取得・出力します。

  • セッション数
  • 応答時間(レイテンシ)
  • 処理時間(デュレーション)
  • トークン使用量
  • エラー発生率
  • カスタム指標(任意で追加可能)

さらに、メタデータによるタグ付けやフィルタリングも可能なため、問題発生時の原因調査や品質管理をよりスムーズに進めることができます。

CloudWatch上の専用ダッシュボードでは、グラフ表示やトレース分析も行えます。

また、AWS CLIやSDKを利用すれば、ログの取得や詳細な分析も可能です。

特に、エージェントの実行状況を可視化する機能は、エラーの早期発見や改善サイクルの高速化に大きく貢献します。

AgentCore Identity

AgentCore Identityとは、AIエージェントの開発に役立つ安全で拡張性の高いエージェント向けの認証・アクセス管理機能を提供します。

既存のIDプロバイダー(Azure AD、Okta、Google Workspaceなど)と互換性があるため、エンジニアがユーザーの移行や認証フローの作り直しをする必要はありません。

AgentCore Identityは安全な認証・認可・認証情報管理機能を提供し、ユーザーの代わりにAWSリソースや外部サービスへのアクセスを可能にします。

また厳格なセキュリティ制御や監査ログの維持もサポートするため、企業が利用するのにも適しています。

エージェントのIDは「ワークロードアイデンティティ」として実装されており、エージェント固有の機能を活かしながら、業界標準のアイデンティティパターンにも準拠しているのです。

AgentCore Gateway

AgentCore Gatewayとは、API・Lambda・既存サービスをエージェント向けツールに変換し、安全に接続・活用できるゲートウェイ機能のことです。

AgentCore Gatewayには次のような機能があります。

項目 概要
Security Guard OAuthによる認可管理で、正当なエージェントとユーザーだけがツールへアクセスできるようにする
Translation MCPなどのプロトコルでエージェントのリクエストをAPIやLambdaリクエストに変換する
Composition 複数のAPI、関数、ツールを1つのMCPエンドポイントに統合しシームレスなアクセスを実現する
Secure Credential Exchange 各ツールに合わせた認証情報の注入を自動化し、認証要件が異なるツールも統一的に扱う
Semantic Tool Selection ツール群の中から、エージェントが文脈に応じて最適なツールを選択できるようにする
Infrastructure Manager サーバーレス基盤に監視・監査機能を内蔵し、インフラ運用を不要にする

AgentCore Gatewayを使えば、複雑な認証やインフラ管理に手間をかけることなく、AIエージェントが必要なツールを安全・迅速に利用できるようになります。

これによりエンジニアはエージェント機能の開発に集中できるようになるでしょう。

AgentCore Browser

AgentCore Browserとは、AIエージェントがウェブサイトを高速で安全に操作できるクラウドベースのブラウザ実行環境です。

企業レベルのセキュリティと監視機能を備え、拡張性が高くインフラ管理不要で使えるのが特徴的です。

AgentCore Code Interpreter

AgentCore Code Interpreterでは、AIエージェントが安全にコードを実行できるサンドボックス環境(プログラムやアプリケーションを安全に実行するための隔離された仮想環境)を提供できます。

高度な設定にも対応しており、人気のフレームワークとの連携もスムーズです。

これにより開発者は、複雑なワークフローやデータ分析ができる強力なAIエージェントを、企業レベルのセキュリティ要件を満たしながら構築できます。

参考:Amazon Web Services ブログ「Amazon Bedrock AgentCore のご紹介」

参考:Amazon Bedrock Agentコア開発者ガイド「Amazon Bedrock AgentCoreとは」

Amazon Bedrock AgentCoreの利用にかかる料金

Amazon Bedrock AgentCoreは、2025年9月16日まで無料で使用できます。

2025年9月17日から、サービスの使用料金はAmazon Bedrock AgentCore (Preview) Pricingのページに基づいて請求されます。

使った分の従量料金となっているのが特徴的で、サービス別の試算結果も掲載されているため、2025年9月17日移行もサービスを利用したい人はページに目を通しておきましょう。

参考:Amazon Web Services ブログ「Amazon Bedrock AgentCore のご紹介: AI エージェントをあらゆる規模で安全にデプロイおよび運用する (プレビュー)」

まとめ

Amazon Bedrock AgentCoreとは、AIエージェントの構築・運用に必要な機能をまとめて提供するインフラと開発基盤です。

この記事も参考にして、ぜひ安全で手間や時間を削減できる環境でAIエージェントを開発してみてください。

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