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Llama2とは?使い方や日本語対応、性能についてわかりやすく解説

最終更新日:2024/02/13

2023年7月18日(米国現地時間)、Meta社は最新の大規模言語モデル(LLM)「Llama2(ラマツー)」を発表しました。同社の前モデルであるLlamaの後継となるLlama2は、最大700億という膨大なパラメーターを備えたモデルも登場しており、その実用性に注目が集まっています。

本記事では、Llama2の性能や使い方、ChatGPTとの比較などについて解説します。日本語対応の可否など、実際にLlama2を活用する上で役立つ情報をまとめていますので、ぜひご覧ください。

Llamaとは?

Llama(Large Language Model Meta AI/ラマ)とは、FacebookやInstagramで知られるMeta社が開発した大規模言語モデル(LLM)です。研究者コミュニティにおけるAI分野の研究をサポートすることを目的に掲げ、2023年2月に発表されました。

OpenAI社のChatGPTと同様に、Google社による深層学習モデル「Transformer」による自然言語処理をベースに採用しています。

LLaMAは、小型サイズかつ高性能なモデルで、少ないリソースでLLMを用いたアプローチのテストや活用方法の探求が可能です。性能の高さに直結するパラメータ数がOpenAI社のGPT-3を大幅に上回っており、最大モデル(650億)ではDeepMind社のChinchilla(70B)やGoogle社のPaLM(540B)に匹敵するとされています。

Llama2とは?

「Llama 2(ラマツー)」とは、先述したLlamaの後継版です。ChatGPTと互角の性能を持つとされるLlama2では、パラメータ数が70億・130億・700億という3つのモデルがあり、事前学習済みバージョンとチャット用のファインチューニングされたものの2タイプが発表されています。

事前学習に使われたトークンは2兆個で、Llamaの2倍ほどである4,000を超えるコンテキストの長さを持ち合わせています。また、Llama-2-chatモデルでは、10万回以上の教師あり学習にてファインチューニングされ、さらに100万以上の新しい人による注釈で訓練されています。

Llama-2-chatの初期バージョンは、教師ありの微調整により作成された後、人間のフィードバックからの強化学習(RLHF)により改良されています。

Llama2と前作であるLlamaや他のモデルとの比較を見てみましょう。

公式サイトで公開されているデータ表によると、Llama2の700億パラメータは、Llama(650億パラメータ)を含め、すべてのベンチマークで他のモデルよりも優れたパフォーマンスを見せています。特に、一番上のMMLU(Massively Multi-Tasked Language Understanding/マルチタスク性能)では、Llama2が前モデルや競合に差をつけていることがわかります。

Llama2の性能

Llama2では、マルチタスク性能をはじめ推論やコーディング、知識テストを含む多くのベンチマークにおいて、前モデルのLlamaや他の言語モデルを上回っていることが示されています。

また、LLaMAでは、パラメータ数が70億、130億、330億、650億という4種類が用意されていましたが、Llama2では、70億、130億に加えて700億の3タイプが提供されています。

Llama2の特徴・できること

Llama2は、さまざまな自然言語タスクに対応できる点が特徴です。例えば、以下のような自然言語タスクに対応しています。

  • 自然言語による会話
  • 質問応答システム
  • 文章の生成
  • 言語翻訳
  • 議事録など文書の作成
  • インターネット検索
  • AIチャットボットの作成
  • データ分析

なお、Meta社がMicrosoft(マイクロソフト)社とのパートナーシップ提携を拡大したことにより、AzureやWindowsのローカル環境、AmazonのAWSなどでもLlama2を活用できます。

Llama2は日本語に対応している?

Llama2は現在、日本語での出力には対応していません。ただ、日本語で入力された文章の意味は理解しているようで、正しい回答を英語で出力してくれる場合があります。

また、使用モデルのパラメータ数によっても精度が異なるとされていますが、700億を使っても英語で答えるケースが一般的です。日本語学習によって対応が可能となるよう、今後の進捗が期待されています。

実際にLlama2で日本語を入力するとどのように返答するのか試した事例を後ほど紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

Llama2の使用方法

Llama2はオープンソースであり、誰でも無料で利用できます。Meta社の専用フォームから、氏名やメールアドレスなどの必要情報を入力し、利用申請を行った後、送られてくる専用URLよりダウンロードが可能です。

Llama2は、開発者による研究だけでなく商用利用も可能ですが、Llama2コミュニティライセンス契約によると、月間ユーザー数が7億人を超えると追加ライセンスが必要とされています。とはいえ、月間アクティブユーザーが7億人を超えるサービスは稀であり、ライセンスの申請は不要と考えて良いでしょう。

Llama2をブラウザ利用できる「LLaMA2 Chatbot」とは?

2023年7月には、Llama2をブラウザで利用できる「Llama2 Chatbot」が公開されました。PCからURLにアクセスするだけで、ReplicateにてLlama2を搭載した対話型AIツールを無料で試すことが可能です。

画面右上の「Settings」では、調整用のパネルが開き、モデル(パラメータ数)などを変更できます。インターフェースはChatGPTと同様で、画面下のバーに質問などを入力すると、返答を返してくれます。

実際にチャットツールを利用した例を以下に示します。

日本語での出力にはまだ対応していないため、英語で文章が返ってきます。ただ、入力した日本語の意味は理解できている場合が多く、回答文の内容は正しいものが多く見られました。とはいえ、質問が理解できないなどで、しばらく待っても反応がない質問もありました。

Llama2とChatGPTの性能差は?

Llama2 Chatbotと、対話型AIの代表格とされるChatGPTとでは、どちらが優れているのか気になる人も多いでしょう。ここで、実際に同じプロンプトを使って両者の回答を比較してみましょう。

まずは、ChatGPTの事例を紹介します。

日本語の質問に対して、自然な日本語で回答しています。ただ、「一等車、二等車などのクラス」など正確性に欠ける部分が含まれています。

続いて、Llama2 Chatbotで実行させた場合の回答です。

残念ながら、数分待っても回答を得ることはできませんでした。新幹線に関する別の質問を続けて入力しても同様であることから、現時点では新幹線についての情報が乏しい可能性が考えられます。

なお、前章でLlama2 Chatbotに投げかけた質問をChatGPTに入力したところ、以下のような回答を得ました。

北海道で一番高い山は旭岳(2,290m)であり、回答は間違っています。次の質問に対する回答は合っていますが、読み方は「しなのがわ」であって「しんあのがわ」ではありません。

現時点では、日本語での自然な文章作成に関してはChatGPTに軍配があがりますが、内容の正確さではLlama2 Chatbotの方が優れている場合があることがわかりました。日本語出力の学習が進めば、Llama2 Chatbotでも自然な対話によって正確な情報を得られる可能性があるでしょう。

ChatGPTの始め方など基本情報については、下記記事で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

ChatGPTとは?使い方や始め方、日本語対応アプリでできることも紹介!

ChatGPTに採用されているGPTのバージョン別の違いについては、下記記事でまとめています。

GPT-4とは?特徴やできること・GPT-3.5との違いを事例で徹底比較!

まとめ

Meta社から発表された「Llama2(ラマツー)」は、前モデルのLlamaを上回る性能を持ちあわせた最新LLMです。ChatGPTやGoogle社のBard、Bingといった対話型AIのライバルとしても注目されています。

提携先であるMicrosoft社のAzureの他、Hugging Faceなどでも使用することが可能です。現時点では日本語出力に対応していませんが、日本語での自然な対話ができる日も近いかもしれません。

アイスマイリーでは、今後も引き続き最新AIモデルのリリース情報や活用方法の解説記事を更新していきます。急速に進化を遂げるAI技術の最新情報をいち早くチェックするために、ぜひフォローしましょう。

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