生成AI

最終更新日:2025/07/02
自社の人手不足が続いているため、AIを使った便利なアプリを開発して業務の効率化を進めたいけれど、ノウハウがなく困っている人はいませんか?
近年、生成AIはビジネスの場でもさまざまな形で活用されるようになりました。
しかし、既存のサービスを利用するのではなく、自社の業務や環境に合ったオリジナルのアプリがあればもっと便利になると感じる人も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、そのような人に知ってほしいDifyについて詳しく解説します。
Difyは、プログラミング不要のノーコードでAIアプリを作成できるプラットフォームです。ビジネス部門の人や非エンジニアでも、ドラッグ&ドロップやGUI操作だけでチャットボットやナレッジ検索アプリなどを素早く立ち上げられます。
Difyはサーバー管理不要のバックエンドサービス(BaaS)と、AIモデル運用をラクにする仕組み(LLMOps)をまとめて提供します。
さらに、RAG(Retrieval-Augmented Generation)機能を使うと、社内外のドキュメントやデータベースから必要な情報だけを自動検索・抽出し、その結果をもとにモデルが回答を「強化」します。
これにより、従来の単純な応答生成よりも、より正確で信頼できる回答を手軽に得られるようになります
参考:Dify公式ホームページ
ドキュメントに「タグ」や「作成日」「公開範囲」などの属性を付けて管理し、必要な情報だけをピンポイントで絞り込めるように。これにより、膨大なナレッジベースからでも無駄なく精度高く情報を取得でき、回答の質とセキュリティが大幅に向上しました。
ワークフローの中に「AIが自ら考えて動くステップ(Agent Node)」を組み込めるようになりました。設定はドラッグ&ドロップ&簡単なパラメータ指定だけで完了。AIが次に何をすべきか自律判断し、必要なツール呼び出しや作業を実行してくれるため、複雑な業務プロセスの自動化がグッとラクになります 。
ノーコード画面上で「このURLを叩くと外部システムと連携できる」エンドポイントを、プラグインに組み込めるようになりました。Webhookや独自APIの呼び出しをGUIで完結でき、非エンジニアでもSalesforceや社内DBなどとの連携アプリを一気に作成できます。
Difyでできることは次の通りです。
APIとは「Application Programming Interface」の頭文字を取った言葉で、異なるソフトウェアやサービス同士のデータ通信を統一するための窓口の役割を果たします。
DifyにもAPIが備えてあるため、他のソフトウェアやサービスとの連携をスムーズに行うことが可能です。
Difyを使うことで、AIアプリの開発に取られていた時間やコストを大幅に削減できます。
Difyを使うメリットは以下の通りです。
自社向けにカスタマイズされたAIアプリを使いたいけれど、大きな予算や人手はかけられない・ビジネス部門の人や非エンジニアにアプリを作らせたい場合などには、Difyを使うことをおすすめします。
Difyの始め方の手順をご紹介します。
①公式ホームページにアクセスして左下の「今すぐ始める」をクリックする
②「GitHub」「Google」いずれかのアカウントかメールアドレスを入力して開始する
③ダッシュボードにログインできたら成功
事前準備は必要なく、手順もそれほど難しいものではないため画像を確認しながら試してみてください。
参考:Dify公式ホームページ
Difyの公式ホームページには使い方の事例として、以下の4つが紹介されています。
項目 | 概要 |
ゼロからAI画像生成アプリの構築方法 | Difyを使って画像生成AIアプリを作る方法 |
AIエージェントの実践:個人のオンライン旅行アシスタントの構築方法 | Difyを使ってAIエージェントを作る方法 |
チャットストリームエージェントを使用したTwitterアカウントの分析方法 | Difyを使ってTwitter(現:X)rのデータを分析する方法 |
ファイルアップロードを使用した記事理解アシスタントの構築方法 | Difyを使ってファイルの内容に基づいた対話型AIアシスタントを作る方法 |
ここではDifyを使って画像生成AIアプリを作る方法を解説します。
最初に、APIを使って画像生成AIであるStability AIの機能をこれから作る画像生成AIアプリに搭載します。
Stability API キーを設定することで、APIを通じてStability AIと画像生成AIアプリ同士が通信できるようになる仕組みです。
Stability API キーをStability AIのホームページからコピーして取得し、Difyに入力して保存すると、連携設定の完了です。
次に画像生成AIアプリを動かすためのモデルを選んで設定します。
モデルとはAIにとっての「脳」であり、PCにとってはCPUの働きをするので必ず設定をしなければなりません。
Dify内でモデルを設定することで、画像生成AIアプリはプロンプトを理解し画像を生成できるようになります。
エージェントとは、Difyで作成する画像生成AIアプリがどのような役割を果たすのかを定義する部分です。
対話型AIに用いるプロンプトの最初には、AIが自己意識を持たないためよく「あなたはAIの専門家です」といった役割が記載されますが、エージェントはこの部分と同じ働きをします。
ユーザーが画像生成AIアプリに入力するプロンプトに対して「どう従うか」をプロンプトとして入力します。
ホームページでは「ユーザーのプロンプトに従って、指定された内容を stability_text2image を使用して描画してください。」というプロンプトの例が挙げられています。
上記のプロンプトでは、ユーザーの指示に従いstability_text2image を使って画像生成をするようにと指定しています。
Difyを使うためには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。Difyの4つのプラン別にご紹介します。
SandboxはDifyを無料で使うことができるプランで、以下のようなことができます。
機能 | 説明 | 内容 |
メッセージクレジット | AIとのやり取り(メッセージ)の回数制限 | 200メッセージ |
モデルプロバイダー | 利用可能なAIモデルの種類 | OpenAI、Anthropic、Llama2、Azure OpenAI、Hugging Face、Replicate |
チームメンバー | 共同編集できるメンバーの数 | 1人 |
チームワークスペース | 共同編集できるワークスペースの数 | 1チームワークスペース |
アプリ作成数 | 作成できるAIアプリの最大数 | 5個 |
ベクトルストレージ | AIがデータを検索するための記憶容量 | 50MB |
ドキュメントアップロード上限 | アップロードできるドキュメントの最大数 | 50件(1回につき1件のアップロードが可能) |
ドキュメント処理優先度 | AIがドキュメントを処理する速度の優先度 | 標準 |
メッセージリクエスト | 1日あたりのAIへのリクエスト上限 | 1日5000件 |
アノテーション上限 | AIの出力に注釈(修正指示など)をつけられる回数 | 10件 |
ログ履歴 | 過去の会話履歴を保持する期間 | 30日間 |
Sandboxプランは、まずDifyをお試し利用してから本格的に使い始めたい人におすすめです。
Professionalは月払いなら59ドル、年払いなら590ドルで使用できるプランで、以下のようなことができます。
機能 | 説明 | 内容 |
メッセージクレジット | AIとのやり取り(メッセージ)の回数制限 | 月に5,000メッセージ |
モデルプロバイダー | 利用可能なAIモデルの種類 | OpenAI、Anthropic、Llama2、Azure OpenAI、Hugging Face、Replicate |
チームメンバー | 共同編集できるメンバーの数 | 3人 |
アプリ作成数 | 作成できるAIアプリの最大数 | 50個 |
ベクトルストレージ | AIがデータを検索するための記憶容量 | 5G |
ドキュメントアップロード上限 | アップロードできるドキュメントの最大数 | 500件 |
ドキュメント処理優先度 | AIがドキュメントを処理する速度の優先度 | 高速 |
メッセージリクエスト | 1日あたりのAIへのリクエスト上限 | 無制限 |
アノテーション上限 | AIの出力に注釈(修正指示など)をつけられる回数 | 2,000件 |
ログ履歴 | 過去の会話履歴を保持する期間 | 無制限 |
ProfessionalはSandboxと比較すると制限が大幅に緩和されているため、個人でDifyの機能をひととおり使いたい人におすすめです。
Teamは月払いなら159ドル、年払いなら1,590ドルで使用できるプランで、以下のようなことができます。
機能 | 説明 | 内容 |
メッセージクレジット | AIとのやり取り(メッセージ)の回数制限 | 月に10,000メッセージ |
モデルプロバイダー | 利用可能なAIモデルの種類 | OpenAI、Anthropic、Llama2、Azure OpenAI、Hugging Face、Replicate |
チームメンバー | 共同編集できるメンバーの数 | 50チームメンバー |
アプリ作成数 | 作成できるAIアプリの最大数 | 200個 |
ベクトルストレージ | AIがデータを検索するための記憶容量 | 20GB |
ドキュメントアップロード上限 | アップロードできるドキュメントの最大数 | 1,000件 |
ドキュメント処理優先度 | AIがドキュメントを処理する速度の優先度 | 高速 |
メッセージリクエスト | 1日あたりのAIへのリクエスト上限 | 無制限 |
アノテーション上限 | AIの出力に注釈(修正指示など)をつけられる回数 | 5,000件 |
ログ履歴 | 過去の会話履歴を保持する期間 | 無制限 |
Teamは共同編集できるメンバーの数に制限がないため、チームでDifyを利用したい場合におすすめのプランです。
EnterpriseはDifyの営業担当に相談の上契約できるプランで、以下のようなことができます。
機能 | 内容 |
シームレスな認証・アクセス管理(SSO/アクセス制御/2FA・MFA | シームレスなSSO統合(SAML、OIDC、OAuth2を含む)、一元化されたアクセス制御、2段階認証、およびMFAサポート |
複数ワークスペース | 複数のワークスペースの管理 |
展開支援 | 専門的な展開サポート(Kubernetes-Nativeのデプロイ:Dify を自社の Kubernetes 環境に、本番レベルのセキュリティ/可用性/法令遵守を担保した状態で簡単に導入できる) |
広範囲なホワイトラベリング | ホワイトラベル機能 |
交渉可能なSLA | サービスレベル契約の交渉可能 |
モデル負荷分散 | モデルの負荷分散機能 |
集中管理のワークスペースおよびユーザー管理 | ユーザー管理とワークスペースの一元化 |
カスタムロール | ユーザーの役割をカスタマイズ |
専用のSlack、電話、メールサポート | 専用のサポートチャネル |
エンタープライズレベルの利用インサイト | 高度な利用分析とインサイト |
Enterpriseは企業で規模が大きく高度な開発を行いたい場合におすすめです。
Difyは商用利用が可能ですが、以下の2つの場合は商用ライセンスを取得しなければなりません。
項目 | 概要 |
マルチテナントサービス | Difyのソースコードを使用してマルチテナント環境を運営することは、Difyから明示的な許可がない限りできない |
ロゴと著作権情報 | Difyのフロントエンドを使用する際、Difyコンソールやアプリケーション内のロゴや著作権情報を削除したり変更することはできない |
マルチテナントサービスについてはDifyのソースコードを使って、異なるユーザーが同じシステムで独立してデータを管理する環境を作ることは許可されていないという意味を指します。
後々トラブルに発展しないよう、ルールを守って商用利用しましょう。
Difyを使えば、プログラミング不要のノーコードAIプラットフォームで、ビジネス部門の方でも画面上のアイコンやボタンを使った直感的な操作(GUI: グラフィカルユーザーインターフェース)だけでチャットボットやナレッジ検索アプリを素早く作れます。
2025年3月には、大量ドキュメントから必要な情報だけを絞り込む「メタデータフィルタリング」、AIワークフローを自律実行する「エージェントノード」、外部API連携を簡単にする「Extension Plugin Endpoint」が追加され、ドキュメント活用から業務自動化、外部システム連携まで幅広く対応可能に。少ない技術リソースでも手軽にAIアプリ開発ができます
この記事も参考にして、Difyを用いたAIアプリやチャットボットの開発に、ぜひ積極的に取り組んでみてください。
アイスマイリーでは、生成AIサービスと提供企業の一覧を無料配布しています。課題や目的に応じたサービスを比較検討できますので、ぜひこの機会にお問い合わせください。
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