生成AI

最終更新日:2025/02/27
「Claude 3.5 Haiku」は、Anthropic社が2024年10月に発表した最新生成AIモデルです。前モデルのclaude 3.5 Haikuと同じ料金で、より高度なコーディングや推論の能力を実現しています。
本記事では、Claude 3.5 Haikuの主な特徴やSonnetとの違い、料金体系などについてわかりやすく解説します。GPT-4oなど他の生成AIツールとの比較も紹介します。自社における生成AIの活用を検討するためにぜひお役立てください。
「Claude 3.5 Haiku」は、Anthropic社が手掛けるClaudeシリーズの最新LLM「Claude 3.5」の最軽量なモデルです。2024年11月5日にAPI版がリリースされたばかりで、今後随時展開されていくと予測されています。
前世代モデル「Claude 3.5 Haiku」の後継として登場したこのモデルは、多くのベンチマークで高い評価を打ち出しています。特に、前世代で最上位だった「Claude 3 Opus」を上回っている点は見逃せません。
また、Claude 3.5 Haikuは高い性能を低コストで利用できる点も特徴です。なお、「Haiku」という名称は「AIが短い時間で軽快に仕事をこなす能力」を象徴しています。
Claude 3.5 Haikuの主な特徴は以下の3つです。
Anthropic社は、Claudeシリーズにおいて、コンピュータ操作という新しい取り組みを実施していることを明かしています。個別のタスクを実行できる特定のツールではなく、一般的なコンピュータスキルを学習することで、標準的なツールやソフトウェアを操作できるように調整するために、Claudeは独自のAPIを構築しました。
統合によってClaudeが指示されたことをコンピュータコマンドに変換する仕組みです。これにより、作業の自動化やソフトウェアの構築、調査など幅広いタスクを正確に実行できるようになります。
Claude 3.5 Haikuは、国内外のさまざまなAIサービスとの統合が発表されています。例えば、JAPAN AI株式会社では、議事録作成AIなど多彩なAIサービスが利用できる「JAPAN AI CHAT」への実装を公表しています。既存サービスで導入していたClaude 3 Haikuからアップデートする形で、最新モデルを導入しました。
また、生成AIを自治体のLGWAN環境で活用できるシステム「自治体AI Zevo」において、Claude 3.5 Haikuが使用可能です。さらに、Amazon社のAWSで使える生成AIツール「Amazon Bedrock」でも、Claude 3.5 Haikuが使用されています。
Claude 3.5 Haikuは、前世代のモデル「Claude 3 Haiku」より高い性能を打ち出していますが、同程度の処理スピードを維持しており、料金も変わりません。また、多くの知能ベンチマークにおいて、前世代の最上位モデル「Claude 3 Opus」を上回る性能を示しています。
Claude 3.5 Haikuと同時に公開されたのが、同じClaude 3.5シリーズの「Claude 3.5 Sonnet」です。「Claude 3.5 Sonnet」は、前世代のClaude 3 Sonnetに比べて全面的な改善が行われ、特に文脈への理解や複雑なタスクへの適応能力において大幅な向上が見込まれます。また、長文の分析や要約にも長けており、ビジネスレポートや論文の作成といったシーンで活用できます。
一方で、Claude 3.5 Haikuは短く鋭い応答やコンパクトな文章生成に強みがあります。特に、詩的な表現や芸術的コンテンツなどクリエイティブなタスクが得意で、SNSの投稿や広告コピーの作成などで性能が発揮されます。
関連記事:Claude 3.5 Sonnet(ソネット)とは?新機能や使い方・活用事例9選を解説
「Claude 3.5 Haiku」と、他社の最新生成AIツールを比較してみます。ここでは、OpenAI社の「GTP-4o」、Google社の「Gemini 1.5 Pro」を取り上げます。一般公開されているデータをまとめて各モデルを比較した表は以下の通りです。
Claude 3.5 Haiku | GPT-4o | Gemini 1.5 Pro | |
コンテキストウィンドウ | 200,000トークン | 200,000トークン | 200万トークン |
入力コスト(100万トークンあたり) | $1 | $2.50(Batch APIで$1.25) | $3.50 |
入力コスト(100万トークンあたり) | $5 | $10.00(Batch APIで$5.00) | $10.50 |
Claude 3.5 HaikuとGPT-4oは、それぞれ200,000トークンのコンテキストウィンドウを備えています。Gemini 1.5 Proに比べると少ないですが、長文の処理や複雑な分析が求められるタスクにおいて能力を発揮できます。
コスト面では、Claude 3.5 Haikuはリーズナブルな価格設定で、コストパフォーマンスに優れています。一方、GPT-4oやGemini 1.5 Proは標準価格は高めですが、GPT-4oの場合はBatch APIにより費用を抑えられます。
2024年11月の初旬に、Claude 3.5 HaikuのAPI版が公開されました。Claude 3.5 Haikuは、以下の環境で利用可能です。
API版Claude 3.5 Haikuを使うには、まずAPIキーを発行する必要があります。Anthropic Consoleの「Get API Keys」にアクセスし、「キーを作成する」ボタンをクリックします。ポップアップが表示されたら、APIキーの名称や連携先を記入し、確定するとAPIキーが表示されるので、コピーして利用してください。
なお、APIキーは後から再確認することができないため、必ずメモ帳などに記録しておくことをおすすめします。
関連記事:VertexAIとは?使い方や料金、GoogleのGeminiとの違いも紹介
Claude 3.5 Haikuの料金は、以下の通りです。
Claude 3モデルとClaude 3.5 Sonnetと比較した料金を以下に示します。
モデル | 入力(100万トークンあたり) | 入力(100万トークンあたり) |
Claude 3 Opus | $15 | $75 |
Claude 3 Sonnet | $3 | $15 |
Claude 3.5 Sonnet | $3 | $15 |
Claude 3 Haiku | $0.25 | $1.25 |
Cluade 3.5 Haiku | $1 | $5 |
Claude 3 Haikuに比べると値段は上がっていますが、Claude 3 Opusと同等の能力を発揮できることを考えるとお得なモデルと言えます。
Claude 3.5 Haikuの主な活用シーンや用途として、以下のものが挙げられます。
上記以外にも、長文の和訳や日本語のビジネスメール、SNS投稿の作成といった用途でも役立ちます。
Anthropic社は、AI開発を通した安全性への取り組みに注力しています。Claude 3.5 Haikuの開発においては、複数の言語とポリシードメインにまたがる広範な安全性評価を維持しつつ、機能面で大幅な進歩を遂げていることが確認できています。
Claude 3.5 Haikuは、Claudeシリーズの最新LLMモデルです。処理速度や料金は前世代のClaude 3 Haikuのまま、回答の品質が大幅に向上しています。コストパフォーマンスの高さが強みで、SNS投稿のような短文からプログラミングコード生成まで、幅広いシーンで活躍することが期待されます。
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現時点では、AnthropicのAPI・Amazon Bedrock・Google CloudのVertex AIで利用可能です。
対応言語について、公式サイトでの発表はありません。ただ、Claude 3.5 Sonnetが日本語に対応しているため、Haikuでも日本語が使える可能性は高いです。日本語プロンプトへの回答があいまいな場合には、英語へ翻訳して入力する必要があります。
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