特徴量とは?目的変数・説明変数との違いや機械学習における重要性も
最終更新日:2024/02/29
機械学習に興味がある方は、特徴量という言葉を聞いたことがあるかもしれません。特徴量とは、機械学習のモデルに入力するデータのことです。特徴量の選択や作成は、機械学習の性能や精度に大きな影響を与えます。
この記事では、特徴量とは何か、目的変数や説明変数との違いや関係、機械学習における特徴量の重要性について解説します。
特徴量とは
特徴量とは、機械学習のモデルに入力するデータのことで、学習する対象のデータの特徴や属性を表します。例えば、人の顔写真を機械学習のモデルに入力する場合、特徴量は顔の色や形、目や鼻や口の位置や大きさなどにあたり、数値や文字、画像や音声など様々な形式で表現できます。
スーパーでりんごを買うときに、どのりんごを選ぶか考えてみましょう。りんごの品質や価値を判断するために、どのような要素を見ますか。色や大きさ、形や重さ、傷やシミの有無などが考えられます。これらの要素は、りんごの特徴量です。
特徴量が多くても少なくても、りんごの品質や価値を正しく判断できないかもしれません。
特徴量が多すぎると、必要な情報と不要な情報が混ざってしまい、ノイズになります。少なすぎると、重要な情報が欠けてしまい、バイアスになります。特徴量の選択や作成は、りんごの品質や価値を正しく判断するために重要な作業です。
目的変数・説明変数との違い
機械学習において、特徴量と関連する言葉に目的変数と説明変数があります。目的変数とは、機械学習のモデルが予測や分類する対象のデータのことです。説明変数とは、機械学習のモデルが目的変数を予測や分類するために使用するデータのことです。
例えば、りんごの甘さを予測する機械学習のモデルを考えてみましょう。目的変数はりんごの甘さです。
説明変数は、りんごの色や大きさ、形や重さで、特徴量は、目的変数と説明変数の両方を含む概念です。特徴量は、機械学習のモデルに入力するデータ全体を指します。
特徴量と目的変数、説明変数の違いは、以下のようになります。
- 特徴量:機械学習のモデルに入力するデータ
- 目的変数:機械学習のモデルが予測や分類するデータ
- 説明変数:機械学習のモデルが目的変数を予測や分類するために使用するデータ
機械学習における特徴量の重要性
特徴量は、機械学習の性能や精度に大きな影響を与えます。特徴量が適切でないと、機械学習のモデルは目的変数を正しく予測や分類できません。特徴量の選択や作成は、機械学習のモデルを構築する際に重要な作業です。
特徴量を削減する方法
特徴量の数や質によって、機械学習の性能や精度が大きく変わります。しかし、特徴量が多すぎると、計算コストが高くなったり、過学習が起きたりする問題があります。そこで、特徴量を削減する方法が必要になります。
特徴量を削減する方法には、大きく分けて、特徴量選択と特徴量エンジニアリングの2つがあります。
- 特徴量選択
- 特徴量エンジニアリング
特徴量選択
特徴量選択とは、データセットから不要な特徴量を除外し、必要な特徴量を選択する方法です。特徴量選択には、以下のような手法があります。
・フィルター法
統計的手法で個々の特徴量を評価し、ある基準に基づいて特徴量を選択する方法です。例えば、分散が低い特徴量や、目的変数との相関が低い特徴量を除外することができます。
フィルター法のメリットは、計算量が少なく、高速に特徴量を選択できることです。デメリットは、特徴量同士の相互作用や、使用する機械学習モデルとの関係を考慮しないことです
・ラッパー法
機械学習モデルで最適な特徴量の組み合わせを探索する方法です。例えば、特徴量の部分集合を順次追加したり、削除したりして、モデルの性能を評価することができます。
ラッパー法のメリットは、使用する機械学習モデルに最適化された特徴量を選択できることです。デメリットは、計算量が多く、時間がかかることです。
・埋め込み法
機械学習モデルの学習過程で特徴量の重要度を算出し、特徴量を選択する方法です。例えば、正則化項を用いて特徴量の係数を小さくしたり、ゼロにしたりすることができます。
埋め込み法のメリットは、計算量が比較的少なく、使用する機械学習モデルに適した特徴量を選択できることです。デメリットは、特徴量選択の方法が機械学習モデルに依存することです。
特徴量エンジニアリング
特徴量エンジニアリングとは、データセットから新しい特徴量を作成する方法です。特徴量エンジニアリングには、以下のような方法があります。
・特徴抽出
データセットから新しい特徴量を抽出する方法です。例えば、主成分分析や線形判別分析などの次元削減手法を用いて、高次元の特徴量を低次元の特徴量に変換することができます。
・特徴生成
データセットに存在しない特徴量を生成する方法です。例えば、生成モデルやデータ拡張、特徴交差などの手法を用いて、新しい特徴量を作成することができます。
特徴量を削減する方法は、データの性質や目的に応じて適切な方法を選ぶ必要があります。
機械学習における特徴量の具体例
特徴量の選択や作成は、機械学習の性能や精度に大きく影響します。ここでは機械学習における特徴量の具体例を紹介します。データは、構造化データと非構造化データに分けられます。
構造化データにおける特徴量
構造化データとは、テーブルやスプレッドシートで作成するような行と列に整理されたデータのことです。構造化データにおける特徴量は、データの各列に対応します。
例えば、顧客の年齢や性別、購入履歴や評価などの情報が構造化データにおける特徴量になります。構造化データにおける特徴量には下のような特徴があります。
- 数値型やカテゴリー型などのデータ型が決まっている
- 欠損値や外れ値などの異常値がある場合は、補完や除外などの処理が必要
- 特徴量同士の相関や重要度などの関係性を分析することができる
非構造化データにおける特徴量
非構造化データとは、テキストや画像、音声などのように、行と列に整理されていないデータのことです。非構造化データにおける特徴量は、データの内容や意味を表す情報になります。例えば、テキストの単語や文法、画像の色や形、音声の音量や音程などの情報が非構造化データにおける特徴量になります。
非構造化データにおける特徴量には下のような特徴があります。
- データ型が多様で、数値化する方法が一様ではない
- データのサイズや次元が大きく、処理に時間やコストがかかる
- 特徴量の抽出や生成には、深層学習などの高度な技術が必要
非構造化データにおける特徴量の例として、画像認識を行う場合を考えてみましょう。画像認識とは、画像の中に何が写っているかを判別するタスクです。画像認識を行うには、画像のピクセル値やエッジ、テクスチャなどの情報を特徴量として利用します。
これらの特徴量を機械学習モデルに入力することで、画像の中の物体や人物を識別することができます。
まとめ
この記事では、機械学習における特徴量とその重要性について詳しく解説しました。特徴量は、モデルの精度や性能を左右する決定的な要素であり、適切な特徴量の選択と処理は、機械学習プロジェクトの成功に不可欠です。特徴量の種類(構造化データと非構造化データ)、目的変数・説明変数との違い、さらには特徴量を削減する方法(特徴量選択と特徴量エンジニアリング)など、基本から応用まで解説しました。
特徴量を適切に扱うことで、モデルの性能向上はもちろん、より効率的なデータ分析が可能になります。特徴量の選択や処理に関して正しく理解し、機械学習の技術を活用していきましょう。
機械学習についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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