AIの機械学習に欠かせないアノテーションとは?
最終更新日:2024/04/04
AI・人工知能への注目度は日々高まっており、実際にAIを活用したサービスも多くなってきています。企業が今後さらに優秀なサービスを展開していく上で、いかに目的に応じたデータ活用が行えるかが重要な鍵を握っていると言っても過言ではありません。
そんな、データを扱う分野において特に重要視されているのが、ビッグデータやAIの機械学習において必要となる「アノテーション」です。今回は、このアノテーションがどのようなものなのか詳しくご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
アノテーションって何?
アノテーションとは、「注釈」という意味を持つ英語です。要するに「意味を与える」ということなのですが、ビジネスの場においては「データ活用」の際に利用されることが多い傾向にあります。そのため、IT用語としては「あるデータに対してタグやメタデータなどの情報を与えること」と定義されるのが一般的です。
そんなアノテーションですが、近年はビッグデータ関連のサービスやAI市場が勢いを増しているという背景もあり、アノテーションの需要も高まりつつある状況です。アノテーションは、対象となるデータに「意味を与える」という極めて重要な業務であり、大量のデータを分析していく上では欠かせません。
ちなみに、アノテーションが深く関わっているビッグデータについては、明確な定義があるわけではありません。ただ、一般的には「さまざまな種類・形式が含まれている巨大なデータ群」を指します。厳密には、「構造化や定義化が行われておらず、日々リアルタイムで生成されていく大量のデータ群」ということになるでしょう。
アノテーション業務の具体的な例
では、具体的にアノテーションではどのような作業が行われるのでしょうか。ここからは、対象となるデータの種類ごとに、具体的な業務例をみていきましょう。
画像、動画のアノテーション業務
機械学習による画像認識・映像処理といった業務は、機密情報を自動認識して漏洩を防止することや、自動車の自動運転など、幅広い分野で活用されています。それらを実現するために利用されているのが、画像・動画のアノテーションです。
画像のアノテーションには主に3つの手法が存在します。1つ目が「犬」「自転車」といったように画像内の物体を検出していく作業。2つ目が特定の領域のみ抽出していく作業。そして3つ目が画像内の物体に属性を追記して分類していく作業です。
また、アノテーションを行うことで教師ありデータを作成し、モデル学習させれば、より効率良く画像の抽出や分類を行っていくことも可能になります。SNSに投稿された動画から特定のシーンだけを抽出していく作業などは、まさにこの技術によって実現されているものです。
テキストのアノテーション業務
対象がテキストである場合にも、さまざまな目的でアノテーションが行われます。その一例としては、プロモーション実施における顧客データ整備(分析)などが挙げられるでしょう。複数のシステムに大量の顧客データが分散している場合、それらの顧客データを分析するためにはまず一度すべてのデータを抽出しなければなりません。ただ、その際にあらかじめ定めた分類項目に沿ってタグ付けを行っていくことで、より効率的に集計や分類を行うことができるわけです。
それ以外にもテキストのアノテーションが行われる場面は数多く存在します。一例としては、SNSにおける不適切文言の抽出などが挙げられるでしょう。SNSは世界中の人々が利用しているため、一つひとつの投稿を目視でチェックしていくことなど不可能です。しかし、あらかじめ作成した教師ありデータからモデルを学習させておけば、不適切な文言を自動的に抽出していくことも可能になります。
音声のアノテーション業務
音声のアノテーションは、一般的に音声認識製品を開発する際に用いられます。その製品の音声認識機能を向上させるためには、さまざまなパターンの話し声、さまざまな環境での会話を考慮しなくてはなりません。そのため、大量の音声データを書き起こして文章にしたり、その音声認識ソフトで文章化されたものが適切かどうかを確認したりする作業が行われます。
アノテーション業界にはまだまだ課題も多い?
このようにアノテーションはさまざまな場所で、活用される可能性があるわけですが、すぐに実際の業務にも最大限有効活用できるかというと、そういうわけでもありません。というのも、アノテーションにもまだ多くの課題が残っているのが実情だからです。
その課題のひとつとしては、「人材・リソースが不足している」という点が挙げられます。少なくともアノテーションはビッグデータのような多種多様なデータを扱うケースも多いわけですから、それらを適切に扱うためには「責任者」というポストを設けなければなりません。しかし、現段階でアノテーションに関する専門知識を備えた人材が数多く存在しているわけでもないため、単純に責任者というポストを設けるだけで解決するような問題ではないのです。
当然、問題が発生した際には然るべき対処を行う必要もありますから、その業務を任せられる人材を雇用できるかどうかは難しいところでしょう。また、AIを活用していく以上、機械学習の進め方などは言わば「未知の領域」であり、その取り組み方が正しいのかどうかを客観的に判断していく才能も求められます。そういった点を踏まえると、多くの企業が当たり前のようにアノテーションを実際の業務に取り入れていくのは難しいと言わざるを得ません。
しかしその一方で、最近ではアノテーション関連サービスを提供している企業も多くなってきています。人材を提供するサービスが一般的ですが、専用ツールを販売したり、その両方を提供したりする企業も多くなってきているのです。
そのため、「必ずしも自社で人材の雇用や育成を行っていく必要がない」という前提で考えれば、アノテーション業務の実用化も現実味を増してくるのではないでしょうか。AIの活用が一般的になりつつある現代だからこそ、ぜひこの機会にアノテーション関連サービスにも目を向けてみてはいかがでしょうか。
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