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IVR (電話自動音声応答システム)とは?メリットやおすすめのシステムを紹介

最終更新日:2023/11/21

IVRとは、自動音声を活用してプッシュ番号で着信先を振り分けるシステムであり、コールセンター業務などで活用されています。電話対応の業務負担などを課題に感じている企業のなかには、IVRの導入に興味を持つ企業も多いのではないでしょうか。

この記事では、IVRの機能や活用シーン、メリット、デメリット、選定ポイントなどについて解説します。

IVR(電話自動音声応答システム)とは?

IVRとは、「Interactive Voice Response」の略であり、日本語では「電話自動音声応答システム」と呼ばれます。自動音声を活用し、プッシュ番号によって着信先を振り分けるシステムです。

IVRの仕組みとしては、まず入電があった際にIVRが自動音声応答を開始します。音声ガイダンスとともにダイヤル番号を案内し、該当するダイヤル番号を押すことで担当のオペレーターに接続することが可能です。

IVRと音声ガイダンス・自動応答の違い

音声ガイダンスは、入電があった際に自動音声によってガイダンスを行う仕組みです。IVRとの主な違いは、有人オペレーターへの接続有無であるといえます。IVRではダイヤル番号を選択した後、担当のオペレーターに接続することが一般的です。一方で音声ガイダンスでは、オペレーターへの接続は行わず、自動音声によるガイダンスのみで完結します。

自動応答は、AI技術を使って顧客と会話を行う仕組みです。IVRとの主な違いは、顧客との双方向的な会話の有無であるといえます。自動応答では、オペレーターの代わりにAIが顧客の氏名や電話番号などを確認するため、顧客との双方向的なやり取りが発生します。それに対しIVRは、あらかじめ設定した音声とともに一方的にダイヤル番号を案内するため、顧客との双方向的なやり取りは発生しません。

IVRの機能

ここでは、IVRの主な機能について、下表にて解説します。

主な機能 概要
音声ガイダンス あらかじめ設定した音声ガイダンスに従って顧客の要件を確認し、ダイヤル番号を案内
有人対応の判断コールバック ダイヤル番号に応じて、オペレーターに接続するかどうかを判断
オペレーターが即時対応できない場合に、顧客から電話番号を聞いて後でかけ直す
留守番応答 祝休日や夜間で人がいないときに、代わりにIVRが自動応答を行う
通話の録音 問い合わせ内容の分析や対応品質の向上のために、顧客との通話内容を録音する

IVRを利用することで、問い合わせ内容の事前の切り分けなどができ、オペレーターの業務効率化が図れます。また、担当者が不在のタイミングでも自動応答ができるため、機会損失の防止にも役立ちます。

IVRの活用シーン

IVRの活用シーンとしては、主に以下が挙げられます。

  • コールセンターや企業の問い合わせ窓口
  • 企業のキャンペーン・イベントの告知
  • 支払い・入金のリマインドコール

IVRの代表的な活用シーンは、コールセンターや企業の問い合わせ窓口での活用です。顧客から電話が入った際に、最初にIVRが「契約内容の確認・変更は1番、修理相談は2番、・・・」のように自動で案内することで、オペレーターが電話対応する負担を軽減できます。

加えて、IVRは顧客への能動的なアプローチとしても活用でき、企業のキャンペーン・イベントの告知などにも利用することが可能です。また、支払い・入金のリマインドコールとしても活用できるため、企業のマーケティングや会計といった重要な業務もサポートできます。

企業がIVRを導入するメリット

■Watson Assistantを活用した<a href=チャットボットのメリットとデメリット” width=”1024″ height=”572″ />ここでは、企業がIVRを導入するメリットとして、以下の点を解説していきます。

  • 業務の効率化
  • 顧客満足度の向上
  • 機会損失の防止
  • ユーザー側にもメリットがある

IVRを導入することで、業務効率化や顧客満足度の向上を実現でき、企業収益の増加も期待できます。

業務の効率化

IVRの導入によって、業務の効率化を図れる点がメリットのひとつです。IVRを活用することで、簡単な問い合わせであれば自動化できるため、オペレーターの電話対応の負担を軽減できます。

加えて、オペレーターは有人対応が必要な問い合わせや相談に集中できるため、効率的な業務推進が可能です。

顧客満足度の向上

IVRを導入するメリットには、顧客満足度の向上も挙げられます。顧客からの問い合わせは同じ時間帯に集中する場合も多く、オペレーターがすべての入電に対してタイムリーに対応することは困難です。ピーク時間帯などは長時間の順番待ちが発生し、顧客からのクレームにつながるおそれもあります。

しかし、IVRによって自動応答ができるようになれば、顧客の待ち時間が解消されます。顧客はIVRを通じて知りたい情報をすぐに得られるようになるため、顧客満足度の向上を図れます。

機会損失の防止

IVRを導入すれば、機会損失の防止にもつながります。IVRであれば24時間365日稼働できるため、営業時間外の電話応答も可能です。

これまで祝休日や夜間のサービス申し込みなどへの対応が難しかった企業でも、IVRの導入によって曜日や時間帯を問わず自動応答が可能になり、販売機会を確実に掴めるようになります。

ユーザー側にもメリットがある

IVRは企業側だけでなく、ユーザー側にもメリットがあります。平日の日中帯は仕事などで多忙な方も多いため、祝休日や夜間に問い合わせを行いたいユーザーも多くいます。

そのような場合でも、IVRであれば常に電話対応ができるため、ユーザーにとっても電話がつながらない不便さの解消につながります。

企業がIVRを導入するデメリット

IVRには前述のようなメリットがある一方で、デメリットも存在します。企業がIVRを導入するデメリットは、主に以下のとおりです。

  • 自動音声が続くことで顧客のストレスになる可能性がある
  • 適切なシナリオ設計が必要となる

IVRでは、該当するダイヤル番号を押す前に音声ガイダンスを聞く必要があり、最終的な回答にたどり着くまでに時間がかかる可能性があります。そのため、急いでいる顧客にとっては、音声ガイダンスを聞く時間がストレスになるおそれがあります。

また、音声ガイダンスのシナリオ設計が適切でない場合、「その他」の選択やオペレーターへの接続が多くなり、オペレーターの業務負担が軽減されない可能性がある点もデメリットです。

IVRの選び方のポイント

IVRを選ぶ際は、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 機能性で選ぶ
  • 分析機能で選ぶ
  • 同時通話数で選ぶ
  • 料金プランで選ぶ

機能や同時通話数、料金などを総合的に判断し、自社に合ったIVRを選定しましょう。

機能性で選ぶ

IVRを選ぶ際のポイントのひとつは機能性です。たとえば、FAQシステムや有人チャットなどの外部システムとの連携機能があれば、企業のカスタマーサービスをより効率的に遂行できるようになります。

また、問い合わせ対応品質の向上を図るうえでは、通話の録音機能なども確認しておきたいポイントです。

分析機能で選ぶ

IVRでは分析機能も大切な要素です。顧客満足度を高めていくためには、IVRの活用状況を定期的に分析し、問題点を抽出して改善していくことが求められます。

たとえば、IVRでの顧客のダイヤル選択の経路や離脱率などを分析できれば、より良い導線への改善が可能です。

同時通話数で選ぶ

同時通話数も確認しておきたいポイントです。同時通話数が不十分な場合、IVRを導入しても電話につながらない事態が発生するおそれがあります。

したがって、自社のコールセンターの規模や人員数、同時間帯でのピーク入電数などを事前に確認し、顧客からの入電にしっかりと対応できる同時通話数のIVRを選ぶことをおすすめします。

料金プランで選ぶ

IVRを選ぶ際は、料金プランも大事なポイントになります。どんなに高機能なIVRがあったとしても、自社の予算に合っていなければ導入・運用していくことは困難です。

IVRに対して割り当てられる自社の予算をあらかじめ把握したうえで、予算に見合った料金プランのIVRを選定することが望ましいです。

IVRのおすすめ5選

ここでは、IVRのおすすめのシステムを5つ紹介します。

VoiceMall DXでんわ COTOHA Call Center IVRy DHKクラウド(自動受付IVR)
料金プラン 140,000円~ 10,000円 3,300円~ 3,000円~ 50,000円~
初期費用 300,000円~ 50,000円~ 0円 0円 50,000円~
無料トライアルの有無 要問合せ あり あり あり あり
主な機能 ・音声認識
・SMS連携
・コールバック予約
・音声認識
・音声合成
・管理画面
・外線転送
・AIオペレーター
・テキスト保存
・SMS連携
・音声録音
・多言語対応
・ロボット自動受付
・音声合成
・SMS連携

それぞれのシステムの料金プランや初期費用、機能などを参考に、自社に適したIVRを選定してください。

VoiceMall

VoiceMallは、NTTテクノクロス株式会社が提供しているクラウド型のIVRです。VoiceMallの大きな特徴は、好きな機能を1ヶ月単位で柔軟に利用できる点です。また、インターネットとの親和性が高く、自社のWebシステムとの連携も容易に行えます。また、セキュリティが堅牢なNTTのデータセンターを利用している点も特徴的です。

[VoiceMallがおすすめの人]

  • 1ヶ月単位で柔軟に機能を利用したい人
  • 自社のWebシステムとの連携を行いたい人
  • セキュリティが堅牢な環境でIVRの運用を行いたい人
VoiceMall
料金プラン 140,000円~
初期費用 300,000円~
無料トライアルの有無 要問合せ
主な機能 ・音声認識
・SMS連携
・コールバック予約

公式サイト:https://www.ntt-tx.co.jp/products/voicemall/

DXでんわ

DXでんわは、メディアリンク株式会社が提供しているIVRサービスです。自動応答・自動振り分け機能により、代表電話の取り次ぎの手間を解消できます。また、管理画面の使いやすさも大きな特徴となっており、簡単な操作で音声ガイダンスの設定が可能です。約40言語の音声合成にも対応しているため、グローバルビジネスを展開する企業にとってもおすすめできます。

[DXでんわがおすすめの人]

  • 代表電話の取り次ぎの手間を解消したい人
  • 音声ガイダンスの設定を簡単に行いたい人
  • 多言語対応のIVRを探している人
DXでんわ
料金プラン 10,000円
初期費用 50,000円~
無料トライアルの有無 あり
主な機能 ・音声認識
・音声合成
・管理画面

公式サイト:https://mediaseries.medialink-ml.co.jp/mediavoice/dx-tel/

COTOHA Call Center

COTOHA Call Centerは、NTTコミュニケーションズ株式会社が提供しているクラウド型のIVRサービスです。インターネット環境とWebブラウザのみで利用できるため、テレワークでの業務にも適しています。また、スマートフォンアプリにも対応している点も特徴です。費用面では初期費用が無料であるため、気軽に始めやすいこともメリットです。

[COTOHA Call Centerがおすすめの人]

  • テレワークでの業務に活用していきたい人
  • スマートフォンアプリへの対応も行いたい人
  • 初期費用を抑えて気軽に利用開始したい人
COTOHA Call Center
料金プラン 3,300円~
初期費用 0円
無料トライアルの有無 あり
主な機能 ・外線転送
・AIオペレーター
・テキスト保存

公式サイト:https://www.ntt.com/business/services/voice-visual-communication/callcenter-ivr/ccaas/lp/03_da.html

IVRy

IVRyは、株式会社IVRyが提供しているIVRサービスです。月額3,000円~利用できる安価な料金体系が大きな特徴となっています。また、自動応答の着信フローを自由に設定でき、多言語対応している点も特徴的です。利用開始の際は、アカウント登録や会社情報の入力を行うだけで良く、5分程度で利用を始められる手軽さも魅力となっています。

[IVRyがおすすめの人]

  • 月額料金をなるべく抑えたい人
  • すぐに利用を開始したい人
  • 自動応答の着信フローを自由に設定したい人
IVRy
料金プラン 3,000円~
初期費用 0円
無料トライアルの有無 あり
主な機能 ・SMS連携
・音声録音
・多言語対応

公式サイト:https://ivry.jp/

DHKクラウド(自動受付IVR)

DHKクラウド(自動受付IVR)は、株式会社電話放送局が提供しているIVRサービスです。24時間365日無人受付ができるため、災害時などでも活用でき、企業のBCP対策に効果的です。また、7,000回線以上・年間4,000万件以上の処理件数を誇るパフォーマンスの高さも特徴となっています。オプション機能としてSMS連携や録音機能、音声合成、API連携など豊富な機能が揃っているため、機能性を求める企業にも適しています。

[DHKクラウド(自動受付IVR)がおすすめの人]

  • BCP対策の強化をしていきたい人
  • パフォーマンスの高いIVRを導入したい人
  • 豊富な機能を搭載しているIVRを導入したい人
DHKクラウド(自動受付IVR)
料金プラン 50,000円~
初期費用 50,000円~
無料トライアルの有無 あり
主な機能 ・ロボット自動受付
・音声合成
・SMS連携

公式サイト:https://www.dhk-net.co.jp/service/autoreception-system/

IVRの導入事例

ここでは、IVRの導入事例として、先ほど紹介したIVRyを株式会社パピーが導入した事例を紹介します。株式会社パピーは、乳幼児向けの玩具や子育て世代の暮らしを豊かにするためのグッズなどをECサイトで販売している企業です。

同社は、電話対応に伴うスタッフの精神的負担や業務の非効率性を課題としていました。そのような課題を抱えているなかでIVRの存在を知り、設定画面のUIのシンプルさなどを決め手にIVRyを導入しました。

IVRyを導入して自動応答やSMS送信機能を活用した結果、ECサイトでの商品購入に関する問い合わせ対応件数を50%削減することに成功したのです。IVRの導入によって業務効率化やスタッフの満足度向上を実現した良い事例であるといえます。

まとめ

IVR(電話自動音声応答システム)は、自動音声を活用しながらプッシュ番号によって着信先を振り分けるシステムを指します。IVRの主な活用シーンとしては、コールセンターや企業の問い合わせ窓口、企業のキャンペーン・イベントの告知などが挙げられます。

IVRを導入することで、業務効率化や顧客満足度の向上、機会損失の防止が期待できるでしょう。また、顧客にとっても待ち時間の減少といったメリットが生まれます。

IVRを導入する際は、分析機能を含めた機能性や同時通話数、料金プランなどを総合的に踏まえてシステムを選ぶことが重要です。自社に合ったIVRを導入し、よい良いビジネスの運営につなげましょう。

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