感情認識AIの最新導入事例を種類別に紹介!接客サービスに活用
最終更新日:2024/02/20
近年、機械学習によってAIがさまざまな学習能力を身につけていますが、次なる能力として「人間の感情を読む」という分野の開発へシフトしつつあります。AIによる感情認識は認知のズレがなく、うまく活用することでこれまで以上にきめ細やかな対人サービスが可能になる可能性があるのです。
そして実際に、感情認識AIを活用する企業は増加してきており、さまざまな分野において効果が示されています。今回は、そんな感情認識AIの最新導入事例を種類別にご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
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感情認識AIとは
感情認識(感情分析)とは、人間の感情や気持ちの変化、表情などを読み取ることを指します。つまり「感情認識AI」は、それらを行うことができるAIと言え、分析の対象は顔の表情や声、文章など、多岐に渡ります。このようなAIの技術は、接客が必要となるサービス業やマーケティングなどにおいて特に重宝されるものとして、期待が寄せられています。
稀に人間の感情の一部を理解できると考えられている動物も存在しますが、まだ研究段階となり、はっきりとは分かっていない状況です。当然ながら、コンピューターなどの機械も人間の感情は理解できないため、人間がどのような感情で接しても同じレスポンスになっていたわけです。しかし、近年はAIの技術が発展したことによって、人間の感情をも分析できるようになってきたのです。そのため、機械も人間の感情や気持ちを汲み取った上で、個別の対応を行えるようになってきています。
感情認識AIとは? 音声や表情から感情を読み取る分析の仕組み
感情認識AIの最新事例
では、実際にどのような分野で感情認識AIが活用されているのでしょうか。また、感情認識AIの活用によって、どのような成果が生まれているのでしょうか。感情認識AIの最新事例を種類別にみていきましょう。
「文章の感情認識AI」の活用事例
・あいおいニッセイ同和損保は文字起こし済みのVoCをAIで分析
あいおいニッセイ同和損害保険株式会社(以下、あいおいニッセイ同和損保)では、株式会社レトリバと共同で独自の感情認識AIを開発し、業務品質の向上に繋げています。あいおいニッセイ同和損保が導入したのは「YOSHINA」という分析AIであり、顧客の声の分類、分析といった共同研究を経て、2020年に運用が開始されました。
あいおいニッセイ同和損保が「YOSHINA」を導入した狙いとしては、コンタクトセンター部門に寄せられる年間約100万件の電話において、顧客の声をカテゴリ別に自動で分類・仕分けできるようにすることで、より効率的かつ効果的な分析を実現し、業務品質の向上へと繋げていくことがあったそうです。
これまでは、寄せられた顧客の音声データ(VoC)を音声認識システムでテキストデータに変換し、業務品質の向上へと繋げていたといいます。ただ、この方法の場合、人の手によるヒヤリングや目検での確認作業など、膨大な業務量が発生してしまうという欠点がありました。そのため、効率的な運営は実現できておらず、顧客の音声データ(VoC)の活用方法が課題として浮かび上がっていたのです。
このような課題を解決し、さらなる顧客満足度向上に繋げていくための手段として、より効率的な分析を実現できる「YOSHINA」の導入に至ったといいます。
そして2020年7月、YOSHINAの導入により、音声認識によってテキスト化されたデータを自動分類することが可能になりました。これにより、これまで以上に音声データ(VoC)を効率良く活用できるようになったといいます。
今後、あいおいニッセイ同和損保では、効率的なテキストデータの分析を継続していくことで、パンフレットなどのツールをより分かりやすく改善することや、募集時の顧客への適切な説明方法の追求といった募集品質面の改善などを目指していくそうです。
「声の感情認識AI」の活用事例
・トップアスリートの体調・コンディションを音声感情解析AIでサポート
アスリート向けの体調・トレーニング管理クラウド「ONE TAP SPORTS」を開発・提供している株式会社ユーフォリアと、音声感情解析AI「Empath」の開発・提供を行っている株式会社Empathは、音声感情解析AIを活用したアスリートのコンディションサポート領域において業務提携契約を締結し、アスリートのメンタルサポートを行っています。
ユーフォリアは、これまでにトップスポーツ分野において多くの実績を残しており、技術・開発力に長けた企業です。そんなユーフォリアが、Empathと共同で音声感情解析AI「Empath」を活用していくことで、スポーツ分野への大きなシナジー効果が期待できるものとして期待が寄せられています。
具体的には、業務提携契約が締結されたことで、ユーフォリアが展開しているアスリートの体調・トレーニング・怪我などの管理クラウド「ONE TAP SPORTS」と、Empathが提供する音声感情解析AI「Empath」を組み合わせて、アスリートのメンタルサポートが行われます。
アスリートは、大切な試合で良いパフォーマンスを発揮するために、日々コンディション管理を行わなくてはなりません。そのコンディション管理というのは、大きく分けて「フィジカル(身体)」と「メンタル(精神)」の2つです。フィジカル管理に関しては、さまざまな機器を用いたり、選手の自覚的な症状をヒアリングしたりして、データとして把握していくというチャレンジが行われています。
一方の「メンタル(精神)」は、状態が表面に表れにくいのが特徴です。そのため、把握することが難しい分野と言われています。特に、高度の緊張やプレッシャーに晒されるケースも少なくないトップアスリートの場合は、メンタルがパフォーマンスに及ぼす影響も非常に大きいため、さまざまなアプローチでメンタルケアが行われるようになってきているのです。これらの課題に対し、音声感情解析AIの「Empath」を活用することによって、これまでは把握するのが難しかったメンタル状態を可視化したり、データ化したりしやすくなっていくといいます。
ユーフォリアが展開するクラウド「ONE TAP SPORTS」と、Empathが展開する音声感情解析AI「Empath」を組み合わせることで、アスリートのメンタル状態を高精度で把握できるようになることから、競技シーンにおけるパフォーマンス向上という点で大きく貢献していくことが期待されている状況です。
「表情の感情認識AI」の活用事例
・ベネッセは進研ゼミの英語オンラインレッスンに「表情・感情認識AI」を導入
株式会社シーエーシー(以下、CAC)は2022年3月、株式会社ベネッセコーポレーションが提供している通信教育「進研ゼミ」の英語オプション教材である「オンラインスピーキング」に、表情・感情認識AIによってレッスン中の講師の表情とジェスチャーをリアルタイム解析できるシステムを開発・納入したことを発表しました。
ベネッセでは、このシステムから得られたデータを講師へのフィードバックとレッスン品質の把握などに活用していくといいます。そして、これらのデータを活用し、最終的には講師の指導品質向上へと繋げていくそうです。
「オンラインスピーキング」は、未就学児や小学生、中高生が受講する英会話レッスンであり、このレッスンで初めて外国人と英会話をするという受講生も多いといいます。そのため、講師が作り出すレッスンの雰囲気や、受講生への接し方といった指導テクニックが非常に重要視されるわけです。そのため、ベネッセではAI解析を導入することで、よりフラットにレッスン品質の傾向を把握し、品質向上へと繋げられるよう目指していくといいます。
「生体データの感情認識AI」の活用事例
・音楽刺激の違いを脳波で見分ける
測定機器、周辺機器・関連機器本体およびソフトウェアの開発・設計などを行っているPGV株式会社は、音楽刺激の違いを脳波で見分けるサービスを開発したことで注目を集めています。
PGVが開発した「NAIS Entryサービス」は、脳波のAI解析が簡単に行えるというもの。パッチ式脳波計を使用した自由な実験設計により、気軽に脳波試験を試すことができます。
脳波を使ったさまざまな検証・調査の入り口となるサービスであるため、カジュアル・低コストで脳波試験を実施したい企業に最適といえるでしょう。まさに、DX時代を牽引する脳波AI解析クラウドサービスです。
課題や目的に合わせて感情認識AIを活用しよう
今回は、感情認識AIの最新導入事例を種類別にご紹介しました。さまざまな種類の感情認識AIが、さまざまな目的で活用されていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
出典:PR TIMES
アイスマイリーでは、感情認識AIの活用事例や用途に合わせた製品紹介を無料で承っております。料金や機能などを比較検討できる資料も無料でお配りしていますので、感情認識AIの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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