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最終更新日:2024/11/14
東京理科大学と名古屋工業大学の研究グループは、機械学習を用いてナトリウムイオン電池(SIB)の材料性能の予測と実証を行いました。
このニュースのポイント
東京理科大学 理学部第一部 応用化学科の駒場 慎一教授、東京理科大学大学院 理学研究科 化学専攻の関根 紗綾氏、東京理科大学 研究推進機構 総合研究院の保坂 知宙助教、名古屋工業大学 工学部 生命・応用化学科 環境セラミックス分野の中山 将伸教授らの研究グループは、機械学習を用いてナトリウムイオン電池(SIB)の材料性能の予測と実証を行いました。
再生可能エネルギーの導入が進むにつれて、大型の据置型蓄電池を用いたエネルギー貯蔵の需要が高まっており、リチウムイオン電池(LIB)はエネルギー密度が高いことから、エネルギー貯蔵システムの主流となっています。
しかし、原料となるリチウムは地殻中にわずかしか存在せず、不均一に分布しているため、資源価格の高騰や供給の安定性の面で課題が残っています。
このような背景から、元素の周期表でリチウムの隣にあり,資源が豊富で入手しやすいナトリウムでリチウムを置き換えたSIBがLIBを代替する次世代の電池として注目されています。 この研究は、再生可能エネルギーの普及に伴い、LIBの代替としてSIBの開発を進展させるものです。
研究では、遷移金属層状酸化物のデータを用いて機械学習(ML)モデルをトレーニングし、有望な材料Na[Mn0.36Ni0.44Ti0.15Fe0.05]O2 (MNTF)を合成しました。
具体的には、SIB用の正極材料として良好な性能を示すO3型ナトリウム含有遷移金属層状酸化物を対象に、100サンプルのデータベースを構築しました。そのデータを基に、機械学習モデルを開発し、遷移金属が電気化学特性に与える影響を解析。その結果、初期放電容量169 mAh/g、平均放電電圧3.22 V、エネルギー密度549 Wh/kgという優れた性能が確認されました。
本研究を主導した保坂助教は、過去の実験データと情報科学を組み合わせることで新たな知見を得る研究を進め、電池材料の特性予測において機械学習が有効であることを実証しました。この手法を用いることで、実験数の削減、材料開発の迅速化、低コスト化が実現でき、高性能な電池材料の開発が期待されます。今後は他の材料系への応用も視野に入れて、研究を推進していく意向を示しています。
出典:PR TIMES
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